今田美桜主演の映画『カランコエの花』は、2018年7月14日(土)より新宿K’s cinemaにて1週間限定ロードショー。
世界的な映画の1つテーマに浸透つつあるLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの略称)。
レインボー・リール東京グランプリ(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)のグランプリほか、映画祭賞のレース席巻し、5冠を含む計10冠受賞作の映画『カランコエの花』の作品詳細と主演女優の今田美桜プロフィールをご紹介します。
CONTENTS
映画『カランコエの花』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【企画・脚本・編集・監督】
中川駿
【キャスト】
今田美桜、石本径代、永瀬千裕、笠松将、須藤誠、有佐、堀春菜、手島実優、山上綾加、古山憲正、イワゴウサトシ
映画『カランコエの花』のあらすじ
ある高校の2年生のクラスでは、この日、唐突に「LGBTについて」の授業が始まりました。
しかし、他のクラスではその授業は行われておらず、なぜこのクラスだけ?という思いが、生徒たちの好奇心に火をつけます。
「うちのクラスにLGBTの人がいるんじゃないか?」
生徒たちの日常は、まるで犯人探しのように波紋が広がるなか、年頃ならではの心の葛藤が起こした行動とは…。
今田美桜のプロフィール
今田美桜は1997年3月5日に福岡県生まれ、BIGFACE所属の俳優。
地元福岡で芸能活動をはじめ、“福岡で一番かわいい女の子”として話題になります。
2015年に『罪の余白』で映画初出演以後、CM『日本マクドナルド』や『洋服の青山』などにも出演します。
また、ドラマ『僕たちがやりました』にも出演したほか、ドラマ『民衆の敵』ではデリヘル嬢の莉子として、高橋一生が演じた藤堂誠役とのセクシーな場面も話題になりました。
ほかにも、福岡県柳川市観光PRビデオ2016に出演しており、3人組ユニット「SAGEMON GIRLS」(さげもんガールズ)のセンターおよびリーダーを務めています。
【柳川市観光PRビデオ】SAGEMON GIRLS さげもんガールズ
【映画】
『罪の余白』(2015)杉本聡美役
『ダブルミンツ』(2017)
『帰ってきたバスジャック』(2017)白鳥早苗役
『カランコエの花』(2017)
『先生!、、、好きになってもいいですか?』(2017)
『デメキン』(2017)アキ役
『一夜再成名』(2018)
【ドラマ】
『私は父が嫌いです』(2015)CMタレント役
『僕たちがやりました』(2017)星野真美役
『刑事ゆがみ』第2話 (2017)森郁美役
『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』(2017)莉子役
『記憶』(2018)足立初花役
『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(2018)真矢愛莉役
可愛らしい今田美桜ですが、その風貌を活かした役柄だけでなく、ドラマや映画に次々に違った演技力を見せることに挑戦しています。
今回出演を果たした『カランコエの花』のなかでも、これまでに演じた演技を見せています。
今後、ますます飛躍するだろう今田美桜。どのような演技を見せているか要注目ですね。
映画『カランコエの花』の感想と評価
中川駿監督がLGBTをテーマにした映画『カランコエの花』は、7月14日より7日間の期間限定で新宿K’s cinemaにて公開。
この作品はセクシャルマイノリティを描くも、その当事者ではなく周囲の人が主役に描いたことは、これまでにない作風として話題になりました。
LGBTは社会問題の1つとして、国際的にも多くのメディアで多く取り上げられているようになりました。
当事者を主とした恋愛や状況を描いた映画は、国内外でも多く制作され一般公開を迎える作品も多くなりましたが、そのことを主に語るのではなく、“取り巻く周囲の人々” に焦点を当てる着想は珍しいものです。
周囲の彼らの過剰な配慮によって、翻弄されていくセクシャルマイノリティを浮き彫りに描かれています。
今までにない“視点”は、観客にとってリアルなメッセージを考える“視点”として与え、インディーズ映画祭でグランプリ含めた数々の賞を受賞したことにつながったようです。
また、若手女優として注目度の高い今田美桜を主演に迎えたことで、今田ファンはもちろんのこと、等身大の女子高生の心の動きを見つめる点も、本作の注目となる見どころとなっています。
『カランコエの花』の映画賞受賞リスト
●レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~【グランプリ】
●京都国際映画祭【グランプリ】
●新人監督映画祭【中編部門グランプリ】
●横浜インディペンデントフィルムフェスティバル【中編部門グランプリ】【ジャック&ベ ティ賞】
●TOKYO月イチ映画祭【グランプリ】
●下北沢映画祭【観客賞】【日本映画専門チャンネル賞】
●うえだ城下町映 画祭自主制作映画コンテスト【実行委員会特別賞】
●はままつ映画祭【観客賞】
*グランプリ5冠、計10冠(※2017年実績)
中川駿(なかがわしゅん)監督のメッセージ
“この映画が、当事者と社会の付き合い方を考えるきっかけとなれば”
「今、日本における『LBGT』事情は大きく変わろうとしています。多くのメディアが LGBTを取り上げ、著名人達が自身のセクシャリティをカミングアウトし、これまで声を潜めていた当事者達が、『当たり前の』生活を求めて声を上げ始めています。
その一方で、彼らを受け止める社会がまだ未成熟であることも事実なのではないでしょうか。カミングアウトにどう応えればいいのか分からず必要以上に気を使う。それがかえって当事者に被差別意識を与えているとも知らずに。そんな社会の実情にフォーカスしたのが本作品『カランコエの花』です。
この作品が、当事者との付き合い方や社会のあり方について考えるきっかけになれば幸いです」
まとめ
日本にある学校の一般的なクラス人数を約20〜30人とした場合、そのなかにセクシャルマイノリティの人はどのくらい存在しているのでしょう。
LGBTの日本における人数の割合は、約8%くらいだと言われています。
大まかな数値として計算すれば、約13人に1人となり、「意外に多いな」と思う方もいるかもしれません。
彼ら割合や状況を分かりやすく物語にすれば、『カランコエの花』で描かれたクラスの“周囲の波紋”は、まるで嘘のような状況ではないのです。
そこでLGBTの人を取り巻く、周囲の人たちの意識のズレは、“一般的で当たり前”のことなのかもしれません。
しかし、セクシャルマイノリティであるLGBTへの差別的な言動、あるいは無自覚な行動。
また、当事者への理解や配慮は、この作品で描かれた“主”の数の多さのように、“一般的”という力を持った存在なりかねません。
中川駿監督は「社会は未成熟」だとメッセージで述べたように、LGBTのという“主ではない当事者”と“一般的という主なる人たち”では、当事者というマイノリティに共感力の意識が低いのは、主となる力のある人たちです。
他者を理解するということや、成熟に向かう未来を『カランコエの花』に出演した、今最も注目を集める若手女優の今田美桜はじめとする、若い俳優たちの瑞々しい演技は、何が真の意味での“主”であるか考えさせてくれます。