Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

インタビュー特集

Entry 2020/08/18
Update

【秋元才加インタビュー】映画『山猫は眠らない8』ハリウッドデビュー通じて“久しぶりに自身の強さのリミッターを外しました”

  • Writer :
  • 咲田真菜

映画『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』は2020年8月14日(金)より全国劇場公開中!

1993年の第1作目以来、絶大な人気を誇る「山猫は眠らない」シリーズ。主演は、伝説の狙撃手を父に持つブランドン・ベケット役にチャド・マイケル・コリンズ、シリーズに欠かせない伝説の狙撃手トーマス・ベケット役にトム・ベレンジャー。

そして第8作目となる映画『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』では、本作の最大の見どころでもある謎の暗殺者を秋元才加が演じることで注目されています。


photo by 田中館裕介

今回は、本作でハリウッドデビューを果たした秋元才加さんに、役に対する想いやハリウッドの撮影現場に参加して感じたことなどを語っていただきました。

スポンサーリンク

映画の中にどっしりと構えて存在すること


(C)2020 Sony Pictures Worldwide Acquisitions Inc. All Rights Reserved.

──本作で秋元さんはハリウッドデビューを果たされました。しかもクレジットが主演のチャド・マイケル・コリンズさんの次ぐという大役ですが、出演が決まった時の気持ちをお聞かせください。

秋元才加(以下、秋元):ハリウッド作品と聞かされても、スケールが大きすぎて当初は正直実感がわきませんでした。撮影を終えたあともどこか夢見心地だったので、日本で『山猫は眠らない8』に私が出演するというリリースが出た時に初めて出演を実感したという感じでした。

──秋元さんが演じられた「レディ・デス」ことユキ・ミフネは、凄腕スナイパーです。目元のメイクや忍者のようなコスチュームに特徴がある役ですが、ご自身は役についてどのように感じましたか?

秋元:台本を読んだ時は、絵コンテや衣装が決定していなかったので、普通のスナイパーの役だと思っていました。衣装合わせをしてみて、もしかして、忍者っぽくしたいのかなとか、キャラクターっぽくしたいのかなという監督の意図が少しずつ伝わってきました。

撮影前にカーレ監督がディスカッションをする時間を設けてくださったのですが、その時にまず思ったのは、今回なぜ日本人のキャストを選んだのかということです。そして「海外の人が求めている日本人像って何だろう?」と。

まず役名が「ミフネ」ですから、やはり海外の人にとって、日本人といえば三船さん(三船敏郎)を思い浮かべるなと思った時に、日本人のイメージをギュっと凝縮した役にしようと考えました。そこで、チャドさんがクイックに動く「動」だとしたら「静」の部分を担うキャラクターにしたいと考え、ピョコピョコ動くのではなく、どっしり構えて存在することが大切だと思いました。

ユキ・ミフネについてのプロフィールは、いろいろ複雑なことが書いてあったのですが、まずは唯一の日本人ということで、映画の「画」の中に存在することを大切にしようと思い、心理描写はひとまず置いておいて、動きから役を作っていきました。

久しぶりに自身の強さのリミッターをはずした


(C)2020 Sony Pictures Worldwide Acquisitions Inc. All Rights Reserved.

──「静」の部分を担うというお話がありましたが、物語の中盤ではチャドさんとの激しいアクションシーンもありました。また秋元さんは合気道の心得があるとお聞きしました。

秋元:小学校4年生から中学生の頃まで合気道を習っていました。結構腕が良かったみたいで、二段まで一気に上がりました(笑)。続けていたら、もっと上の段までいけたのかなあと思う時もあるのですが、何ごとも経験は無駄にはならないと実感しています。

合気道はフィジカルの面はもちろんのこと、メンタルの面でも非常に私の糧になっています。そして合気道をやっていたということは、アピールポイントにもなりますので、特に海外の人は武道が好きですから、やっていてよかったと思っています。

──役を演じる上で、カーレ監督から言われたことで印象的だったことはありますか?

秋元:カーレ監督から「そんな優しい目をしちゃダメだよ。君はすごくいい目をしているんだから」と言われたことがあったんです。

日本では、作品によっては個性が強く出すぎてしまったり、目が強すぎたりすることもあったので、なるべく優しく見せていこうとシフトチェンジしていたのですが、今回の作品で久しぶりに自分の強さのリミッターをはずしました。パンチひとつにしても「もっと強く! もっと激しく!」とカーレ監督から指導を受けましたから。

これまで知らず知らずのうちに、自分の個性を抑えようとしていたのかもしれません。いろいろな意味で抑えていると、自分ができる限界値の幅が狭くなってしまいますから、もったいないな…と感じるようになりました。監督のおかげで個性を思い切り開放できたような気がします。


photo by 田中館裕介

──「スナイパー」という役柄のみせどころである射撃シーンもとてもキマっていました。何か特別な訓練を受けたのですか?

秋元:警察官のOBの方から実弾トレーニングを通じて、いろいろな銃の持ち方と構え方を実際に教えていただきました。本物の銃を持ったことでリアルな芝居をすることができたと思います。

実際に100発ほど撃たせてもらったのですが、最初に小型拳銃を持った時は引き金を引くのに時間がかかりました。しかも激しいアクションシーンの撮影後に実弾トレーニングがあったので、筋肉痛で疲れていたためかヨロヨロしてしまいました。銃を撃つのに体幹はとても重要なのです。100発の実弾を撃てるなんて、すごく贅沢な時間なのに、早く帰らせてくれないかなと思ってしまったほど大変でしたね(笑)。

スポンサーリンク

演じてきた役とは対極の役に挑戦していきたい


photo by 田中館裕介

──実際にハリウッドの現場を経験して、どんなことを感じましたか?

秋元:大変な現場でしたが、参加している皆さんが楽しそうに仕事をしているのが印象的でした。アメリカの撮影現場は、プライベートがしっかりと守られた中、仕事ができるしくみが出来上がっているのです。その環境がとても心地よかったですね。

例えば、たまたま日曜日に撮影があった時は、出演者の一人が現場に子どもを連れてきて、近くでボール遊びをしていたりしました。その様子を見て、仕事のために生きるのではなく、プライベートを充実させるために仕事をする、また仕事をすることで、プライベートも充実するという働き方ができるといいなと感じました。そのためには、私自身がトレーニングや芝居の力をつけて、いつでも求められる仕事ができるようにしておく必要があると思いますね。

──今後、どのような女優を目指しますか?

秋元:「こうなりたい」という思いは、実はあまり自分の中にないのです。これまでも、まわりからいろいろな役をいただく機会を与えてもらい、川の流れに乗ってきたらここまできたという感覚なんです。

でも、今回この作品に出演したことで、できる役の幅が広がったと思っています。ですから、今回の役とは真逆のキャラクターをどんどん演じて、演じてきた役を裏切っていきたいですね。

一つの役を極めた役者さんは、どんな役も魅力的に演じられます。例えば遠藤憲一さんは、ずっとヤクザ映画に出演されていましたけど、今はかわいらしい役をやったり、シリアスな役をやったり、子ども番組に出たり、いろいろな役を演じられています。私も自分が面白いな、素敵だな、成長できるなと思った作品にはどんどん出ていきたいです。常に楽しみながら、幅を持っていろいろな人を裏切れていけたらいいですね。

──改めて本作の見どころをお願いいたします。

秋元:アクション、緊張感のある射撃シーン、「ワンショット、ワンキル」の名台詞が出るかどうか。今回久しぶりにトムさん(トム・ベレンジャー)が山猫シリーズに出演するということで、アクションや狙撃シーンはもちろんですけれど、親子の絆、親子のヒューマンドラマも見られる作品となっています。アクションの爽快感は、コロナ禍で鬱々とした気分をスカッとさせてくれると思いますので、特に女性に観ていただきたいですね。

インタビュー/咲田真菜
撮影/田中館裕介
ヘアメイク/中畑薫
スタイリスト/加藤万紀子

秋元才加プロフィール


photo by 田中館裕介

1988年7月26日生まれ、千葉県出身。「AKB48」第2期生として2006年にデビューし、2013年に同グループを卒業。

現在は女優として数々の映画・ドラマ・舞台に出演するほか、スポーツ番組のMCを務めるなど幅広く活躍を続けている。

映画『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』作品情報

【公開】
2020年(アメリカ映画)

【監督】
カーレ・アンドリュース

【脚本】
オリバー・トンプソン

【製作】
ヴィッキー・ソーサラン、グレッグ・マルコム

【キャスト】
チャド・マイケル・コリンズ、秋元才加、トム・ベレンジャー

【作品概要】
1993年に第1作が製作されて以降、ベテラン狙撃兵のトーマス・ベケット上級特務曹長(トム・ベレンジャー)、その息子ブランドン・ベケットの活躍を描いてきた人気ミリタリーアクション「山猫は眠らない」シリーズ。

第8作である本作では、米国が重要な貿易協定を交わす前日に外交官が殺害され、その容疑者として米海兵隊前哨狙撃兵のブランドン・ベケット(チャド・マイケル・コリンズ)が追われることとなります。彼を助けるのはもちろん、父親であり伝説の狙撃兵トーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)。そして最大の敵となる暗殺者が現れるのですが、その役を演じるのが本作でハリウッドデビューを飾った秋元才加です。また監督を、カナダ出身のコミックアーティストでもあるカーレ・アンドリュースが務めます。

映画『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』のあらすじ


(C)2020 Sony Pictures Worldwide Acquisitions Inc. All Rights Reserved.

米国が重要な貿易協定を交わす前日に外交官が殺害され、その容疑者として米海兵隊前哨狙撃兵のブランドン・ベケット(チャド・マイケル・コリンズ)が追われることに。

命を狙われるブランドンはやがて、政府内にこの陰謀を操る黒幕であるスパイの存在に気づきます。彼は信頼できる唯一の人物にして自身の父親、そして「伝説の狙撃兵」であるトーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)と協力し、事件解決に動きます。

しかしそこへ、あらゆる訓練を受けた謎の暗殺者(秋元才加)が迫ります……。

関連記事

インタビュー特集

【森田博之監督インタビュー】『ラストラブレター』や日本映画大学の前身の今村学校を語る

第24回KAWASAKIしんゆり映画祭2018にて上映される映画『ラストラブレター』。 本作の監督である森田博之さんは、日本映画大学の前身である日本映画学校の卒業生。しんゆり映画祭が開催される新百合ヶ …

インタビュー特集

【ルカ・ミニエーロ監督インタビュー】映画『帰ってきたムッソリーニ』で描いた現代イタリアの現実と混迷

映画『帰ってきたムッソリーニ』は、2019年9月20日より全国ロードショー! 日本ではこれまで公開の機会がなかったものの、イタリアでは喜劇映画の名手として知られるルカ・ミニエーロ監督。 東京・有楽町朝 …

インタビュー特集

【映画みぽりんの女優キャスト:垣尾麻美×津田晴香×合田温子インタビュー】熱心な多くのファンが無名の私たちに火を点けてくれた

映画『みぽりん』は2019年12月21日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開! 全編オール神戸ロケを敢行した映画『みぽりん』(2019/松本大樹監督)は、現代のアイドル業界に警鐘を鳴らす衝撃のパニック・ …

インタビュー特集

映画『水の影』監督インタビュー【サナル・クマール・シャシダラン】実在の事件を“伝える”という行為で再考する

第20回東京フィルメックス「コンペティション」作品『水の影』 2019年にて記念すべき20回目を迎えた東京フィルメックス。令和初の開催となる今回も、アジアを中心に様々な映画が上映されました。 そのコン …

インタビュー特集

【ジョーナカムラ×こんどうようぢインタビュー】LGBT映画『アスリート』を観客がどのように感じてくれるか⁈ふたりの思いとは

映画『アスリート~俺が彼に溺れた日々~』が、2019年7月26日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー! LGBTQへの関心が高まる中、ヘテロやゲイに関係なく、自身のセクシュアリティに悩 …

U-NEXT
CINEMA DISCOVERIES【シネマディスカバリーズ】
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
映画『哀愁しんでれら』2021年2月5日(金)より全国公開
映画『写真の女』
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学