アメリカ版ポケットモンスターにて、ピカチュウの声優を担当することが決まったライアン・レイノルズ。
デッドプールでやりたい放題のうえ、愛嬌あるピカチュウを演じるなんて…と、考えるだけで不安な方の気持ちを払拭する作品をご紹介します。
1.映画『ハッピーボイス・キラー』の作品情報
【公開】
2015年(アメリカ映画)
【原題】
The Voices
【監督】
マルジャン・サトラピ
【キャスト】
ライアン・レイノルズ、ジェマ・アータートン、アナ・ケンドリック、ジャッキー・ウィーバー、アディ・シャンカール
【作品概要】
バスタブ工場で働くジェリーは、過去のある出来事がきっかけで精神科でカウンセリングを受けながら、犬と猫と共に暮らしています。
同僚の女性に恋心を抱くも、弾みで殺人事件を起こしてしまったジェリーは、心の病も相まって、犬と猫の声に導かれながら、狂気の行動を引き起こしてしまい・・・
という、一見サイコな話を、ポップでキャッチーに描くという異色作です。
ちなみに犬と猫のセリフは、ライアン・レイノルズ本人が声優として担当しています。
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2.映画『ハッピーボイス・キラー』のあらすじとネタバレ
ミルトンバスタブ工場の出荷担当として働く青年ジェリー。
彼は一見普通に見えて、過去に母親との出来事がきっかけで精神科にカウンセリングに通っていました。
ある日、上司から会社で行うパーティーの準備を担当して欲しいと頼まれ渋るジェリー。
しかし経理のフィオナも一緒に担当することを聞くと、2つ返事で引き受けます。
フィオナに恋心を抱くジェリーは、打ち合わせの時から彼女に好意を抱いてもらいたいと必死。
しかし、経理にはジェリーの過去に興味を持つ人や、その過去を不気味に感じる人もおり、フィオナもそのひとりでした。
フィオナと仲良くなるきっかけを手にしたジェリーは、有頂天で家に帰ると犬のボスコを可愛がります。
すると、部屋の隅から男の声がし、ジェリーに今の状況は良い意味ではないと警告する声が聞こえてきます。
カウンセリングでも上機嫌のジェリーは、会社のパーティー後、フィオナを中華料理店に食事に誘おうとしますが、オフィスにフィオナはおらず、代わりに彼女の同僚であるリサに伝言を頼みます。
フィオナは約束を取り付けられるのを避けるため、デスクに隠れていました。
おまけの誘われた日は、同僚達とカラオケに行く予定だったので、留守電に断りの電話を入れることに。
その留守電を聞かなかったジェリーは、閉店するまでお店でフィオナを待ち続け、フィオナは同僚とカラオケでハシャギます。
外は大雨で、フィオナは車に乗り込むも故障のため動かなくなっていました。
すると、ちょうどそこへジェリーの車が通り過ぎたので、フィオナは必死に呼び止めます。
ずぶ濡れでやけになったフィオナは空腹なので、一緒に食事をしようと強引にジェリーを誘います。
町外れにあるお店へ向かう道中、ジェリーは楽しそうに話しますが、突然目の前に巨大な鹿が現れると車で撥ねてしまいます。
フロントガラスに頭を突っ込んだままの鹿は、虫の息でジェリーにとどめを刺してくれと懇願し、ジェリーはその願いに答えます。
ナイフで鹿の首を掻っ切るジェリーを見て、恐怖でパニックになったフィオナは、濡れた服を脱いで下着のままにも拘らず、森の中へ逃げ出します。
ナイフを持ったまま、誤解を解こうと彼女を追うジェリーですが、躓いた弾みでフィオナを刺してしまいます。
そして鹿と同じように、衰弱していく彼女に何度も謝りながら、ナイフで執拗に突き刺して、トドメを刺すのでした。
家に帰ると、犬のボスコと、猫の Mr.ウィスカーズが、ジェリーに話しかけてきます。
警察に自首しようというボスコと、本能のままに行動したジェリーを賞賛するMr.ウィスカーズ。
悩んだ末にジェリーは、遺体を回収しようと翌朝現場へ戻ります。
すると、そこにはまるで何事もなかったかのように眠るフィオナの姿。
安心したジェリーは彼女を抱きかかえ車に戻りますが、フィオナのいた場所には彼女の臓物が残っているのでした。
ホームセンターで買い物をしていると、町の保安官がジェリーに声をかけてきます。
しかし車の損傷を気にしただけで、買ったものには問いただされませんでした。
ジェリーは家に戻ると、台所でフィオナを鋸で解体し、タッパーに丁寧に詰め込んでいきます。
そして残ったフィオナの生首を冷蔵庫にしまうのですが、今度は生首のフィオナがジェリーに話しかけてきます。
彼女は、自分をこんな目にし合わせたとして、ジェリーが今まで飲まずにおいた薬を飲むよう訴えます。
言われるがまま薬を飲むと過去のトラウマを思い出し、目を覚ますと今までの明るい部屋は一転、ごみとペットの糞尿があちこちに積まれた、人の住めるようには思えないあり様でした。
薬を飲んだことで長い幻覚から覚めたジェリーは、冷蔵庫を開けるとそこには惨いフィオナの生首がありました。
現実から逃げるようにジェリーは薬を全て捨てて、もう一度眠ると、部屋は以前の状態に元通り。
フィオナもペットも語りかけてきますが、彼女は一人で冷蔵庫にいるのはイヤだから、「友達が欲しい」と言い出します。
3.映画『ハッピーボイス・キラー』の感想と評価
今作では一人で猫と犬(と鹿)の声も担当しているライアン・レイノルズ。
きちんと動物のビジュアルのトーンに合わせた吹込みをしているだけでなく、猫の声もいかにも悪そうな声を当てています。
そして全体の雰囲気もジェリーの精神が安定?しているときは明るく、そうでない時ほど目を背けたくなるような現実のコントラストもすさまじいです。
たぶん、リサやもう一人の同僚が生首になるときには、あっという間という演出だったので、ホラーというよりかは、ポップとダークの差を描きたかったのかなと思いました。
ちなみにフィオナ役のジェマ・アータートンなんかは、あのダイナマイトボディがあってこその魅力なのに、生首になってしまったときは本当に悲しかったです…
そもそも「ハッピー」ボイス・キラーだなんてタイトル詐欺もいいところだ!と言う人(当方含む)もいそうですが大丈夫!
ラストのラストで皆ハッピー!楽しいことだけを考えたくなるラストで、きっと貴方もウキウキです!(本当に)
あと、主人公が天に召されるシーンですが、イエスキリストがフォークリフトを運転して、荷台にいるジェリーがキメ顔で上昇(昇天)していくという演出を見て「こういう方法もあるのかぁ~」と感心してしまいました。
まとめ
今作のライアン・レイノルズの演技&吹き替えを見ていただければ、ピカチュウ役も案外適任な気がしてきませんか?
さすがに犯罪幇助してくるピカチュウは、子供がガチ泣きそうですが…。
最初は必死にギコギコ四肢切断していたシーンも、回数を重ねるごとに、まるで息をするかのごとく処理して、冷蔵庫にINしていく様はドン引きです(もちろん、ほめ言葉)
あと、生首で冷蔵庫に入れられている演技をする女優さんは、一体どういうモチベーションで役に挑んでいるのか。
小一時間くらい問うてみたいです。久々に上質なカルト映画を発見してしまいました…。
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