映画『アナベル 死霊博物館』は2019年9月20日(金)よりロードショー。
2013年に第1作目が公開され、世界中のホラーファンを恐怖に陥れ魅了してきた「死霊館」シリーズ。
2019年、おなじみの怖くて可愛い?アナベル人形が再び戻ってきました。
今回は最新作、“ホラー版ナイト・ミュージアム”と噂される『アナベル 死霊博物館』をご紹介します。
映画『アナベル 死霊博物館』の作品情報
【日本公開】
2019年(アメリカ映画)
【原題】
Annabelle Comes Home
【監督】
ゲイリー・ドーベルマン
【キャスト】
マッケンナ・グレイス、メアリー・エレンマディソン・アイスマン、ダニエラケイティ・サリフ、エド・ウォーレンパトリック・ウィルソン、ロレイン・ウォーレンベラ・ファーミガ、スティーヴン・ブラックハート 、スティーヴ・コールター 、ポール・ディーン 、ルカ・ルーハン
【作品概要】
本作で監督を務めたのは『IT/“それ”が見えたら、終わり。』(2017)『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(2019)、また「死霊館」シリーズにて脚本を担当してきたゲイリー・ドーベルマン。
超常現象研究家のウォーレン夫妻には ヴェラ・ファーミガと パトリック・ウィルソンが続投します。
ウォーレン夫妻の娘で主人公の少女、ジュディを演じるのは『gifted/ギフテッド』(2017)でクリス・エヴァンズと共に主役を演じ、アカデミー賞にノミネートされた『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)、スティーヴン・スピルバーグ監督作品『レディ・プレイヤー1』(2018)『、キャピテン・マーベル』(2019)と超大作に出演している天才子役マッケナ・グレイス。
ジュディのベビーシッター、メアリー役には『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2017)のマディソン・アイズマンです。
また第1作で監督を務め、「死霊館」シリーズの原案者であるジェームズ・ワンが製作に携わっています。
映画『アナベル 死霊博物館』あらすじとネタバレ
心霊研究家として活動するエド・ウォーレンとロレイン・ウォーレン夫妻。
ある日、アナベル人形に取りつかれたという依頼者の元に向かい、除霊のために人形を持ち帰ることに。
夫妻は帰り道、交通事故に遭遇します。そこでロレインは事故現場で若い女性の幽霊と思しき姿を発見。
回り道をして家に向かっていると、今度は車が故障してしまいます。
ちょうどそこは墓地のすぐ近くで、ロレインは事故で亡くなった女性の亡霊を再び見つけました。しかしその後ろにはもっと大勢の亡霊が立っていたのです。
そのうちの一人がエドを道路に突き飛ばし、危うくトラックに轢かれそうになりますが間一髪助かるエド。
ロレインは亡霊を呼び寄せたのも事故の全てもアナベル人形が引き起こしたのではと考えます。
自宅に着いた夫妻はアナベルを地下の保管所に持って行き、神父と共に除霊を行いました。人形の強い魔力を懸念して、夫婦は教会より持ち帰ったガラスケースに閉じ込めて鍵をかけました。
封印してから1年後。ウォーレン夫妻は変わらず除霊の仕事に協力していましたが、仕事の真偽が問われ、新聞にも夫婦を疑う記事が掲載されてしまいます。
娘のジュディは学校で白い目で見られ、同級生の男の子アンソニーにからかわれたり自分の誕生日パーティーを友達が断ったりと孤立していました。
ジュディは両親と同じく霊感があり、学校で神父のような霊を見かけました。
そんな中、夫妻が遠くの事件を解決するため家を空けることに。夫妻はジュディよりも年上の学生、メアリーにベビーシッターを依頼します。
メアリーは友達のダニエラに宿題を一緒にしようと無理やり誘われたため、彼女もウォーレン家に連れていくことにしました。
彼女たちはメアリーが片思いしている青年ボブが働いている店に寄った後、家に向かいました。
ダニエラはジュディにローラースケートをプレゼントし、ジュディは大喜び。メアリーもケーキを焼いてパーティーの準備を進めます。
メアリーはダニエラにケーキの番を頼み、ジュディと共にスケートをしに行きました。
オカルト品や骨董品に興味津々だったダニエラはチャンスとばかりに家を物色して回ります。夫妻の書斎で、ある鍵を発見したダニエラは「入るな禁止」と書かれた地下の部屋を発見、忍び込んでしまいました。
花嫁衣装、猿の人形、古いテレビ…不気味なものが所狭しと並んでいるところで死者と交信できるブレスレットを発見します。彼女は父親の写真を取り出しブレスレットに入れて祈りましたが何も起こりません。
ところが地下室を出ようとした瞬間物音がします。それは椅子に座ったアナベル人形が箱の中で転落した音でした。
箱には絶対に開けてはならないという注意書きがしてあったものの、ダニエラは無視して開けてしまいます。そこでダニエラはキッチンの火災報知器の音を聞き、慌てて戻りました。
ローラースケートで怪我をして戻ってきたジュディ。学校のこともあり寂しそうなジュディに、ダニエラは彼女の運転する車のアクシデントにより父を失った経験を明かします。
ダニエラは幽霊でもいいから父に一目会いたいと願っていました。
家に戻ったジュディは閉じ込められているはずのアナベル人形が部屋に座っているのを発見します。
その瞬間、花嫁衣装を身にまとった幽霊がナイフを構えてジュディに突進してきました。
ジュディがとっさに十字架をかかげ悲鳴をあげ幽霊は消えました。ジュディはあれは着ると凶暴性が目覚めるドレスだと言い、皆凍りつきます。
それでもウォーレン家のオカルト品を探索し続けるダニエラ。書斎で3人は、狼男だとされる男性のファイルや、死者の魂と引き換えにコインを受け取ったフェリーマン、メアリーになぜかそっくりな少女のファイルと、大量の資料を発見。
ダニエラはアナベル人形についてジュディに尋ねますが、ジュディは怖がって拒否します。
映画『アナベル 死霊博物館』の感想と評価
両親のいない家に泥棒が忍び込んでくるコメディや夜の博物館で事物が動き出す作品もありましたが、本作『アナベル 死霊博物館』はまさに“最恐のおるすばん×ナイト・ミュージアム”映画。
アナベル人形を筆頭として、花嫁ドレスを身にまとった凶暴な女の幽霊や死神犬“グレムリン”を彷彿とさせる怪物、ホラーファンタジーの響きもあるフィッシャーマンや怪しげなブレスレッドやゴシックな箱というフェティッシュなアイテム、おどろおどろしいテレビに日本の甲冑まで、個性の強いキャラクターが勢揃いし、次から次にまるでパレードのように主人公たちを脅かすところが楽しいポイントです。
また強烈なコントラストの中浮かび上がるアナベル人形の影のシーンや、暗闇や手を差し入れなければならない箱など“何が潜んでいるか分からない”演出など視覚的な恐ろしさももちろん見所。
しかし一番の本作の魅力は恐怖をこらえながら懸命に闘い、時に誰よりも冷静なジュディを堂々と演じたマッケナ・グレイスちゃんのチャーミングさです。
本作はジュディ、メアリー、ダニエラという少女たちが主人公ですが、奇妙なことが起こったり亡霊の気配があっても彼女たちが少し呑気すぎるような構成は残念なポイントでした。
“死んだ父にもう一度会いたい”ダニエラや、“心霊研究家の両親の影響で霊に慣れている”ジュディという設定はあるものの、何だかクサすぎるボブのアピールシーンや警戒心が欠けすぎているダニエラの行動などが物語のエンタメ性ばかりを強調してしまっています。
亡霊のオンパレード作品と言え、心理的な恐怖というよりも“びっくり系ホラー”の『アナベル 死霊博物館』。
それでも撮影裏ではマッケナ・グレイスが撮影した写真に黒い影が映り込んでいたり、彼女がいきなり鼻血が止まらなくなったりと奇怪な現象が起こったそうで、現場で専門家が除霊を行ったそうです。
まとめ
世界を拡大していく「死霊館」シリーズ。
2019年5月に日本で公開された、花嫁衣装の亡霊が登場する『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(2019)はシリーズのスピンオフ作品です。
本作で登場したフィッシャーマンや黒犬など亡霊たちに関する作品もこれから製作されていくかもしれません。
怖い怖いアナベル人形に再び会う前に、シリーズを振り返ってみてはいかがでしょうか?