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Entry 2021/09/17
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『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』あらすじ感想と考察解説。首都防衛の最前線に投入された若き兵士たちの“勇気と犠牲”

  • Writer :
  • 松平光冬

『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』が、2021年11月19日(金)より東京・グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国ロードショー

ロシア映画『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』は、モスクワ攻防戦の知られざる真実を圧倒的スケールで描いた作品です。

2021年11月19日(金)より東京・グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国ロードショーされる本作。

ナチスドイツの侵攻からモスクワを防衛し、第2次世界大戦の流れを変えたとされる「モスクワ攻防戦」での知られざる真実を、圧倒的な臨場感と壮大なスケールで描いた本作の見どころをご紹介します。

映画『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』の作品情報

(C)Voenfilm

【日本公開】
2021年(ロシア映画)

【原題】
Podolskiye kursanty(英題:The Last Frontier)

【監督・共同脚本】
バディム・シメリェフ

【脚本】
イゴール・ウゴルニコフ

【製作】
イゴール・ウゴルニコフ、バディム・ザドロジニ

【撮影】
アンドレイ・ガーキン

【キャスト】
アルチョム・グビン、リュボフ・コンスタンティノワ、イゴール・ユディン、アレクセイ・バルデュコフ、エフゲニー・ディアトロフ、セルゲイ・ベズルコフ、ロマン・マディアノフ、エカテリーナ・レドニコワ、セルゲイ・ボンダルチュク、グラム・バブリシヴィリ

【作品概要】
1941年10月のソ連とナチスドイツの戦い、「モスクワ攻防戦」を描いたロシア製戦争ドラマ。

モスクワを死守するために過酷な戦場に送り出された、3,500もの学生兵の命運を描きます。

主なキャストは、『メトロ42』(2013)のアレクセイ・バルデュコフ、『スターリングラード 史上最大の市街戦』(2015)のセルゲイ・ボンダルチュク、『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』(2019)のグラム・バブリシヴィリなど。

映画『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』のあらすじ

(C)Voenfilm

1941年10月。ロシアに侵攻したナチスドイツの大軍は、首都モスクワを目指し進撃を続けていました。

モスクワが陥落すれば、ドイツの勝利が決定的になってしまう――なんとしても首都を死守すべく、兵力不足のソ連軍は、ポドリスク兵学校に通う訓練中の学生兵を戦場に送ることを決断。

士官候補生のラヴロフやディミトリ、看護師のマーシャら3,500もの若者は、イリンスコエ防衛ラインに向かうこととなります。

彼らの任務は、増援部隊が到着するまで敵を食い止めること。しかしそこは、戦場を初めて踏む若者たちにはあまりに苛酷な、地獄の最前線でした…。

映画『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』の感想と評価

(C)Voenfilm

実践経験ゼロの若きロシア兵たち

1941年にソ連に侵攻したナチスドイツ軍は、モスクワ制圧を目指してクレムリンから十数キロ地点まで到達するも、迎え撃つソ連軍による総力戦で抵抗し、激戦の果てに防衛に成功。

この「モスクワ攻防戦」は、ドイツが喫した初の大きな敗北となり、その後の戦況を流れを変える転換点となったと云われています。

本作『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』は、これまであまり語られてこなかった、この攻防戦に参加した若きロシア兵たちが主人公となります。

(C)Voenfilm

男子学生のラヴロフやディミトリ、そして女子学生のマーシャを含む3,500名もの士官候補生たちは、ゆくゆくは将校や中尉となって、他の兵士たちを司る道を歩んでいました。

しかし彼らは、ある日突然、戦地の中でも極めて過酷なイリンスコエ防衛ラインに送り込まれることに。

実戦経験はおろか、訓練も終えていない兵士たちは、ナチスのモスクワ攻略を阻止する命を受けます。

ラヴロフ、ディミトリ、マーシャの三角関係を軸とする、戦地を舞台とした10代若者の青春と悲哀が、ドラマを盛り上げます。

国防省の機密解除文書に基づき製作

(C)Voenfilm

製作に際し、1941年10月に実際に起こった出来事を正確に描くことを目的に、実際に戦闘が行われた場所で撮影を敢行。さらに脚本は、ロシア国防省から入手した機密解除文書に基づいています。

撮影セットは、航空写真などのアーカイブ資料を使い、歴史学者、歴史復元家、考古学者のたちの協力の元、イリインスキー防衛線を再現。

さらにソ連・ドイツ両軍の戦車、装甲車、大砲、航空機等の兵器は、博物館に保存されていた本物を使用しているあたりも、軍事大国ロシアならではのリアリティにあふれています。

まとめ

(C)Voenfilm

このモスクワ攻防戦において、ソ連軍は延べ12日間の戦闘で、2,500もの死傷者を出すこととなります。

現在ロシアでは、ポドルスクの士官候補生の名前を冠した通りや学校や、彼らに捧げられた記念碑、彼らの物語を伝える博物館があるものの、イリインスキー防衛線で戦死した若者たちの大半は、今日まで実際には「行方不明」とされ、彼らの子孫はいまだ先祖の最期の地を知らないといいます。

今あるロシアは、計り知れない勇気と犠牲を払った若者たちが築いた――そんな勇敢なる彼らに光を当てたいという製作スタッフの願いが込められているのは、言うまでもありません。

2021年はモスクワ攻防戦から80年となります。その節目となる年に公開される本作は、ロシア戦争映画の新たなマスターピースとして、系譜に連なることでしょう。

映画『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』は、2021年11月19日(金)より東京・グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国ロードショー

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