映画『町田くんの世界』は2019年6月7日(金)より全国ロードショー
安藤ゆきの同題コミックを『舟を編む』の石井裕也監督が映画化。
主演のふたりにはオーディションで細田佳央太、関水渚というほとんど演技経験のない二人を大抜擢。
これを囲む形で岩田剛典、前田敦子、高畑充希、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、松嶋菜々子、北村有起哉、佐藤浩市という豪華すぎる面々が登場します。
不器用だけど人を愛することだけには誰にも劣らない町田くんが見る世界の物語は、意外な結末を迎えます。
映画『町田くんの世界』の作品情報
(C)安藤ゆき/集英社 (C)2019 映画「町田くんの世界」製作委員会
【公開】
2019年6月7日(日本映画)
【原作】
安藤ゆき
【脚本】
石井裕也、片岡翔
【監督】
石井裕也
【キャスト】
細田佳央太、関水渚、岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子
【主題歌】
平井堅『いてもたっても』
映画『町田くんの世界』キャラクターとキャスト
(C)安藤ゆき/集英社 (C)2019 映画「町田くんの世界」製作委員会
町田一(細田佳央太)
見た目通り運動は苦手で、見た目とは裏腹に勉強も苦手。不器用で知らないことも多いが、人を誰よりも愛して暮らしていま。
猪原奈々(関水渚)
母子家庭で、母親とも不仲。基本的に人間不信。
氷室雄(岩田剛典)
モデルもやっているイケメン。遊び人気質。
高嶋さくら(高畑充希)
氷室の恋人ではあるものの、氷室の軽い気質に悩んでいます。
栄りら(前田敦子)
町田一のクラスメイト。さばさばした性格で何かと一の世話を焼きます。
西野両端(太賀)
町田たちと同学年、猪原に好意を寄せています。
吉高洋平(池松壮亮)
週刊誌の記者、元々は文芸部志望でした。
吉高葵(戸田恵梨香)
洋平の妻。忙しい洋平とすれ違いの日々を送っています。
日野(佐藤浩市)
吉高の上司。週刊誌の編集長。
町田あゆた(北村有起哉)
一たちの父親、生物学者で世界を転々としているものの家族への愛は強いです。
町田百香(松嶋菜々子)
一の母。一を筆頭に6人の子どもたちの母親で、常に大らか。
映画『町田くんの世界』のあらすじとネタバレ
(C)安藤ゆき/集英社 (C)2019 映画「町田くんの世界」製作委員会
4人の弟妹と身重の母とともに目覚めた町田一は、夕食にハンバーグをリクエストされるとそれで頭がいっぱいになってしまい、そのせいで美術の授業中に怪我をしてしまいます。
手当のために一が保健室に行くと、そこには授業をサボっていた猪原奈々がいました。簡単な手当てをしてくれた猪原に全力で感謝の言葉を告げる一に、彼女は戸惑ってしまいます。
人間不信気味の猪原にとって、誰にでも全力で善意を示そうとする一の姿は理解できません。人が嫌いという猪原に対して、僕は大好きだよと言い放つ一に調子が狂ったままです。
猪原は人が嫌いという事実にショックを受けた一を、クラスメイトの栄りらは「猪原の性格形成には家の事情が関わっているのでは?」と語ります。
その一方で、週刊誌記者の吉高は世界に絶望していました。したくもない仕事に追われ、妻ともすれ違いの日々です。
上司からは次のスクープを獲ってこいとせがまれ、書きたいものが書けなくなっていました。そんな彼の前に“劇的イイ人”な町田君が現れ、彼の心を大きく揺さぶります。
モデルをしている氷室は、そのチャラい性格が災いして恋人のさくらから別れを切り出されます。
その場を見ていた一はいつもの感覚でさくらを慰めますが、傷ついていたさくらはその行為以上の温かみを感じ取ってしまい、一に好意を寄せ始めます。
映画『町田くんの世界』の感想と評価
個人的には年間ベスト候補
最近、試写室で知り合いに会うたびに名前が出る映画がこの『町田くんの世界』。
その評価には賛否両論がありますが、気にも留めなかったという人はほとんどおらず、高評価の方の中には「年間ベスト候補の一本」と言う人も少なくありません。かく言う私も実は、見事にやられてしまった人間です。
宣伝担当の方に顔見知りがいて見終わった後に、若干不安気味に「どう?」と聞かれたのですが、はっきりと「すごかったです、びっくりしました」と答えてしまいました。
これは個人的な指標にしているのですが、作品吟味の場である関係者試写の場で反応が大きい映画はやはり劇場公開されても跳ねます。
『銀魂』シリーズや『翔んで埼玉』がそれでしたが、この『町田くんの世界』はギャグ映画ではないのに、試写室内が一喜一憂した映画はなかなかありません。
確かに最初はちょっとぎょっとしました。何せ、町田敦子、高畑充希、岩田剛典、太賀の四人が高校生役です。下手は打たないと思いつつも、やはり実年齢を考えますと不安になります。
ところが、この何とも言えない寓話感覚にあふれた『町田くんの世界』ではその違和感は気になりません。特にクールな町田敦子は見事でした。
『舟を編む』でも変に老けメイクをしたりしなかった石井監督は、映画のマジックを信じ切っている人なんだなと思いました。
まとめ
(C)安藤ゆき/集英社 (C)2019 映画「町田くんの世界」製作委員会
大抜擢された細田佳央太と関水渚。二人にとっては、上述した四人に加えて松嶋菜々子、北村有起哉、戸田恵梨香、池松壮亮、佐藤浩市という並びには正直ふるえてしまったことでしょう。
しかしながら、ちゃんと二人は映画の主役という重責を担ってくれています。
この二人のある種の無名性がまた、映画を成り立たせている部分もあるかと思います。
さながら、現代の寓話といった感じの『町田くんの世界』は大きな発見の映画でした。
映画『町田くんの世界』は、2019年6月7日(金)より全国ロードショー!