映画『ふたりの旅路』が6月24日から東京渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開。
日本とラトビアの初共同の製作映画となる『ふたりの旅路』は、ある出来事をきっかけに、自分の殻に閉じこもってしまうケイコを主人公にした作品です。
CONTENTS
1.映画『ふたりの旅路』の作品情報
【公開】
2017年(日本・ラトビア合作)
【脚本・監督】
マーリス・マルティンソーンス
【キャスト】
桃井かおり、イッセー尾形、アルトゥールス・スクラスティンス、マールティンシュ・シルマイス、アリセ・ポラシェンコ、木内みどり、石倉三郎
【作品概要】
女優・桃井かおりと俳優・イッセー尾形が夫婦役で再共演を果たした人間ドラマを、日本とラトビアの初の共同製作による映画。
今作で桃井かおりは、ラトビア出身のマーリス・マルティンソーンス監督と3度目のタッグを組んだ作品です。
2.桃井かおりのプロフィールは?
1951年4月8日生まれの東京都世田谷区出身。本籍地は長野県佐久市。父親は国際政治学者の桃井真、母親の悦子は芸術家という裕福な家庭に育ちました。
4人兄弟の3番目で、上の兄は脚本家の桃井章で、2番目の兄は科学者、弟は銀行員。また、母方の従姉に女優で人形作家の結城美栄子。
桃井かおりは3歳からクラシックバレエを始め、中学の時にイギリスのロイヤルバレエアカデミーに単身留学。しかし、バレエの現実的な厳しさを知り挫折。
彼女は当時のことを、「同じ年くらいの白人の子たちと並ぶと、自分が“みにくいアヒルの子”という感じ。自分を醜いと思わざるを得なかった」と振り返っています。
帰国後、女子美術大学付属高等学校・中学校へ入学。在学中は東京バレエ団に所属していましたが、卒業と同時にバレエを辞めて、周囲には内緒で文学座付属演劇研究所の第11期研究生として入所しました。
3.桃井かおりの女優デビューから映画賞まで!
出世作となった『幸福の黄色いハンカチ』
1971年に市川崑監督の映画『愛ふたたび』にてスクリーンデビュー。同年に田原総一朗監督の映画『あらかじめ失われた恋人たちよ』にてヒロイン役を果たします。
1972年に文学座を退団。1975年に倉本聰の脚本による日本テレビドラマ『前略おふくろ様』の海役でブレイクします。
1977年に山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』にて、桃井かおりの新たな演技が高評価され、第1回日本アカデミー賞助演女優賞、ブルーリボン賞などを受賞。実力人気ともに日本のトップ女優となります。
1979年に東陽一監督の『もう頬づえはつかない』で映画初主演。やがて、2004年頃からハリウッドで次々に映画オーディションにトライをします。
2005年に『SAYURI』でハリウッド映画初出演を果たした後、2006年に『無花果の顔』で初監督も務めます。また、2008年にはこれまでの功績が認められ紫綬褒章が授与されます。
イッセー尾形のプロフィール
1952年2月22日に福岡県福岡市生まれた日本の俳優。一人芝居のスタイルを確立し第一人者として認められます。
父親は保険会社の会社員として転勤。九州内で引越しを繰り返しますが、小学校3年で東京都杉並区に移転して東京都立豊多摩高等学校卒業。
日本テレビの『お笑いスター誕生!!』で金賞を獲得すると視聴者からも広く知られ、やがて、フジテレビドラマ『意地悪ばあさん』にて、早野金造巡査を演じると、一躍人気が高まります。
現在は国内のみならず、アメリカやヨーロッパでの海外巡業を行っています。
また、2016年にマーティン・スコセッシ監督の『沈黙 -サイレンス-』に出演すると、でロサンゼルス映画批評家協会賞助演男優賞の次点入賞を果たします。
4.映画『ふたりの旅路』のあらすじ
事故で娘を亡くし、また、阪神淡路大震災ですべてを失ったケイコ。彼女は殻に閉じこもったまま独り淋しく、残された神戸に住んでいました。
震災から20年の月日が流れても、夫とともに開く予定だったレストランや愛する夫を失ったケイコは、誰も守れなかったという罪悪感に苦しんでいました。
やがて、そんなケイコに転機が訪れます。ラトビアの首都リガで開催される着物ショーに参加することになったのです。
ケイコは亡き娘の結婚式用にあつらえた黒留袖を携えて神戸を旅立ちます。
“バルト海の真珠”と呼ばれる街リガで行われる着物ショーの会場は、日本の伝統美に憧れる市民が詰めかけました。
会場で黒留袖姿を披露するケイコは、本番中の舞台裏で奇妙な出来事に出くわします。震災で行方不明になっていた夫が、不思議なことに彼女の前に突然現れたのです。
現実とは思えない出来事に戸惑うケイコ。ホテルやレストランにも出没する“夫の姿”に邪険な態度をとり続けます。
翌日、料理好きなケイコは新鮮な食材が並ぶ市場に足を運ぶと、テレビ番組のプロデューサーの目に留まり、料理番組の人気コーナー「クッキング・バトル」に出演することになります。
ケイコは料理対決の前に収録されたインタビューで、懐かしくも切ない食にまつわる思い出を語り出しました。
気にかけていた辛い過去と向き合うことで大切なものを取り戻したケイコは、その夜、久しぶりに“夫”と穏やかな時間を過ごしますが…。
映画『ふたりの旅路』の感想と評価
ロスアンゼルスを拠点に国内外で活発的に女優として第一線で活躍する桃井かおりは、2017年に『ゴースト・イン・ザ・シェル』で主人公の大佐の母親役を熱演して若者からも支持を集めました。
また、2006年の『太陽』や2017年の『沈黙ーサイレンスー』と世界の巨匠監督から出演を望まれる個性派俳優のイッセー尾形。
この夢のふたりの共演が実現した作品『ふたりの旅路』は、多くの映画ファンから大注目を集める作品です。
さらには、ラトビア出身マーリス・マルティンソーンス監督は、桃井かおりとは3度目のタッグとなります。
桃井かおりとマーリス・マルティンソーンスのタッグその1
『雨夜 香港コンフィデンシャル』(2010)
『雨夜 香港コンフィデンシャル(Hong Kong Confidential aka AMAYA)』は、2010年に桃井かおりと名優ホイ・シウホン、さらには、リトアニアの人気ミュージシャンのアンドリュス・マモントバス出演のラトビアと香港合作映画。
この作品は、エキゾチックな街である香港で、夫とふたりで暮らす雨夜(アマヤ)は、ある日、イギリス人男性と出会います…。
西洋からやってきた男性との出会いにより、ドラマチックに変化するひとりの女性を描いたラブストーリー。また、マーリス・マルティンソーンス監督の今作は、米国アカデミー賞外国語映画部門ラトビア代表作品。
桃井かおりとマーリス・マルティンソーンスのタッグその2
『Oki — In the Middle of the Ocean』
『雨夜 香港コンフィデンシャル』を完成させたマリス・マルティンソンス監督は、やがて、ロサンゼルスに移住しました。
2014年の『Oki — In the Middle of the Ocean』は、ラトビアとアメリカ合作で、桃井かおりと再びタッグを組んで撮った2作目。
この物語は、元不動産業者で無職のロブは、次々と家を替える不思議な日本人女性オキの後をつけるようになります。
やがて、気にかけていた彼女の暗い過去が次第に明らかになってくると、ロブは…。
桃井かおりとのタッグ3作品目が『ふたりの旅路』です!
桃井かおりとマーリス・マルティンソーンス監督は、3度目のタッグにして監督の故郷である、“新しい北欧”として注目を集めるラトビアで新作映画の撮影を行いました。
”バルト海の真珠”と呼ばれる世界遺産に登録された首都リガと、姉妹都市にあたる日本の兵庫県神戸市を物語に絡めて撮影を行いました。
震災からの孤独を噛みしめながらケイコが食べた“おにぎり”と、美食の国として知られるラトビアの独創的な数々の料理が映画の豊かさとしてコントラストに登場するのが注目ポイント。
この作品はケイコ役を演じる桃井かおりと共に、映画でラトビアを旅する気分が味わえる作品となっています。
5.上映劇場と公開日は?
『ふたりの旅路』は、2017年6月24日からユーロスペースほか全国順次公開です!
【東京都】
ユーロスペース(03-3461-0211)2017/6/24~
丸の内TOEI (03-3535-4741)2017/6/24~
【神奈川県】
シネマ・ジャック&ベティ(045-243-9800)2017/6/24~
【岩手県】
盛岡ルミエール(019-625-7117)近日公開
【愛知県】
ミッドランドスクエア シネマ(052-527-8808)2017/7/15~
【大阪府】
第七藝術劇場(06-6302-2073)7月予定
【兵庫県】
神戸国際松竹(078-230-3580)2017/7/15~
【愛媛県】
シネマルナティック(089-933-9240)近日公開
6.まとめ
日本とラトビアの初共同の製作映画『ふたりの旅路』は、桃井かおりとイッセー尾形の豪華な共演が見られる作品です。
2017年6月24日から東京渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開。
あなたも女優の桃井かおりとともに、ラトビアに出かけて見ませんか?
ぜひ、お近くの劇場でご覧くださいね。