「第29回東京国際映画祭」にて最優秀男優賞&観客賞受賞のW受賞作品!
差別と偏見に誇り高く立ち向かったトランスジェンダーの華麗なる人生を描いた『ダイ・ビューティフル』をご紹介します。
CONTENTS
映画『ダイ・ビューティフル』の作品情報
【公開】
2016年(フィリピン)
【原題】
Die Beautiful
【監督】
ジュン・ロブレス・ラナ
【キャスト】
パオロ・バレステロス、ジョエル・トーレ、グラディス・レイエス、アルビー・カシノ、ルイス・アランディ、クリスチャン・バブレス、I・C・メンドーサ、セデリック・ジュアン、ルー・ベローゾ、イザ・カルザド、ユージン・ドミンゴ
【作品概要】
第29回(2016年)東京国際映画祭コンペティション部門で最優秀男優賞(パオロ・バレステロス)および観客賞を受賞したフィリピン映画。
華麗なモノマネメイクで全世界から注目を集めるパオロ・バレステロスを主演に迎え、ベテラン俳優のジョエル・トーレやグラディス・レイエスらが脇を固めている。
映画『ダイ・ビューティフル』のキャスト一覧
トリシャ / パオロ・バレステロス
1982年11月29日生まれのパオロ・バレステロスは、俳優として多数の映画・テレビ作品に出演したり、テレビ番組の司会を務めるなど、マルチな才能の持ち主。
2002年には、スター・アワード・フォー・テレビでベスト・ニュー・マンス・パーソナリティにノミネートされるほど、国民的スターとしてその名を轟かせています。
彼がさらに注目を集めるようになったのは、2013年に脳卒中になったことをきっかけにそのリハビリの一環として始めたメイクアップの技術でした。
そこで培った高い技術力を駆使し、ジュリア・ロバーツやアン・ハサウェイ、ビヨンセなどの海外スターのものまねメイクを自身のInstagramで公開。
その激似っぷりは、地元フィリピンだけに留まらず、世界中のメディアにも取り上げらるほどのもので、今やInstagramのフォロワー数が200万人にものぼるなど、大人気を博しています。
そんなパオロ・バレステロスが本作で演じているのは、急死したミスコンの女王・トリシャ。
彼女の遺言は、葬儀までの7日間の間に様々な海外セレブのメイクを施すというもの。
これぞパオロ・バレステロスとも言える超絶メイクテクニックと、トランスジェンダーとしてのトリシャの生き様が大きな見所になるでしょう!
トリシャの父 / ジョエル・トーレ
フィリピンを代表する俳優であるジョエル・トーレは、地元フィリピンだけでだなく、世界各国で映画出演経験のある国際派俳優して名を馳せています。
日本でも公開された『D.N.A.II』(1997)や『ホセ・リサール』(2001)、『母と娘』(2003)、『アボン 小さい家』(2007)などの作品に出演。
最近では、2010年トロント国際映画祭でも上映されたジョン・セイルズ監督作『Amigo』やフランスとの合作映画『囚われ人』(2013)、『牢獄処刑人』(2014)などに出演し、存在感を発揮しています。
本作ではトリシャの父を演じており、トランスジェンダーの娘を受け入れられず突き放してしまうという役柄のようで、一体どのような演技を披露してくれるのか…要注目ですね!
トリシャの姉 / グラディス・レイエス
1976年生まれのフィリピン人女優グラディス・レイエスは、1992年からスタートしたテレビドラマ『Mara Clara』にメインキャストとして出演し、大人気を博しました。
最近では、本作で監督を務めるジュン・ロブレス・ラナ作品『ある理髪師の物語』(2013)にも出演しています。
今回はトリシャの姉役として登場することになるグラディス・レイエスが、どのような役回りを務めることになるのでしょうか?注目して見ていきたいと思います。
バーブ / クリスチャン・バブレス
フィリピン国内でテレビドラマや映画で活躍している俳優のクリスチャン・バブレス。
2016年には本作と『I Love You to Death』の2本の映画作品に出演しています。
『ダイ・ビューティフル』で演じるのは、トリシャの学生時代からの親友で、同じトランスジェンダーでもあるバーブ。
トリシャの死に直面した時に、彼女がどのような反応を見せるのかに注目ですね!
映画『ダイ・ビューティフル』のあらすじ
トランスジェンダーのトリシャは、家族からも絶縁され、身寄りのない娘を引き取り、育て上げ、遂に念願だったミスコンの女王の座に輝きます。
しかし、そんな喜びも束の間、ほどなくして突然死してしまったのです。
トリシャの遺言によると、埋葬前に7日間にわたって行われる儀式において、参列者に毎回異なる海外セレブの装いを纏わせて欲しいというもの。
その死化粧の注文は、ビヨンセやジュリア・ロバーツ、レディー・ガガと様々でした。
残されたバーブら友人たちは、彼女の願いを叶えるため、あちらこちらと奔走することに。
そうして日替わりでトリシャのメイクを施しながら、彼女が生きた美しくも誇り高き人生を思い起こしていくのでした。
果たして、差別と偏見にも誇り高く立ち向かったトリシャの生き様とは一体…!?
映画『ダイ・ビューティフル』公開はいつから?
映画『ダイ・ビューティフル』は、2017年7月22日(土)より劇場公開がスタートします。
前売券の発売もすでに開始されており、各劇場窓口の他、「major」でもオンライン購入が可能です。
公開される劇場数は極めて少なく、現時点で決定しているのは以下の4館のみ。
新宿シネマカリテ(東京)
公開日:7/22(土)
シネマ・ジャック&ベティ(神奈川)
公開日:8/19(土)
千石劇場(長野)
公開日:9/9(土)
シネマート心斎橋(大阪)
公開日:8月公開予定(詳細未定)
上記の通り、7月22日(土)に公開が開始されるのは「新宿シネマカリテ」1館のみとなっておりますので、劇場に訪れる際は十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。
本作で監督を務めるジュン・ロブレス・ラナは、70年代のマルコス政権下を描いた『ある理髪師の物語』で東京国際映画祭最優秀女優賞を獲得するなど、日本でも高い評価を得ています。
とはいえ、一般的にはまだ知られておらず、フィリピン映画自体に馴染みがないという現状もありますので、苦戦を強いられるのは必至でしょう。
ただ、質としては間違いなく素晴らしいものだとは思いますので、気になる方は是非お早目に劇場へと足を運んでみて下さい!
映画『ダイ・ビューティフル』試写会はある?
映画『ダイ・ビューティフル』の試写会は、2017年7月5日(水)に都内某所にて開催が予定されておりますが、すでに応募は締め切られております。
その他、新たな試写会情報が入り次第、随時更新してまいります。
まとめ
1992年から毎年開催されている、セクシャル・マイノリティをテーマとする映画祭「レインボー・リール東京」が2017年7月にも例年通り予定されています。
本作『ダイ・ビューティフル』の公開劇場数が現時点で4館しかないことからも分かるように、こういったテーマの作品が劇場公開されることが少ないために開催されるようになったのが「レインボー・リール東京」の趣旨でもあるのです。
そういった差別や偏見と闘う姿を映画『ダイ・ビューティフル』からもきっと学べるものがあると思いますので、ぜひ劇場でその生き様ご覧ください!