林遣都主演の映画『チェリーボーイズ』は、2018年2月17日より全国順次公開。
地方都市の小さな酒屋営む家で育った国森信一こと、あだ名はクンニ。彼は東京に上京していたものの父親の病気をきっかけに実家に舞い戻ります。
クンニには幼なじみのビーチクこと吉村達也、カウパーこと高杉誠の3人組の気の知れたボンクラ仲間がいました。
それぞれ仕事や恋愛が思うようにならず、25歳の童貞という彼らが自分を変えるべく“脱童貞作戦”に乗り出すが…。
1.映画『チェリーボーイズ』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【監督】
西海謙一郎
【キャスト】
林遣都、栁俊太郎、前野朋哉、池田エライザ、石垣佑磨、岡山天音、般若、山谷花純、松本メイ、岸明日香、馬場良馬、吹越満、立石涼子
【作品概要】
漫画家の古泉智浩の同名コミックを実写映画化。動画配信ドラマ『火花』や映画『シャボン玉』の林遣都、『東京喰種トーキョーグール』の栁俊太郎、『桐島、部活やめるってよ』の前野朋哉が25歳の童貞3人組を演じる青春コメディ。
長年にわたり助監督を務めた西海謙一郎の監督デビュー作。
2.林遣都のプロフィール
林遣都(はやしけんと)は、1990年12月6日に滋賀県大津市に生まれた俳優。比叡山高等学校卒業。事務所はスターダストプロモーション所属。
2005年に東京に修学旅行中に、渋谷駅のホームでスカウトされ芸能界入りを果たします。まさに「遣都」と名前をつけた両親の願い通り、“都に出て大きなことを成し遂げる”というチャンスと今の地位を築きます。
2007年に映画『バッテリー』の主演で俳優デビュー。この作品で日本アカデミー賞などの新人賞を受賞。林遣都の演技に業界の期待は大きいようです。
【受賞歴】
第31回日本アカデミー賞 新人俳優賞
第81回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画新人男優賞
第22回高崎映画祭 最優秀新人賞
第17回日本映画批評家大賞 最優秀新人賞
2017年に東伸児監督の映画『しゃぼん玉』の伊豆見役で主演、同年の廣木隆一監督の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の松岡克郎役を勤めています。
また同年のドラマでは、連続テレビ小説『べっぴんさん』の河合二郎役を務め、『火花』の主演の徳永太歩役はとても印象的なものでした。
映画『チェリーボーイズ』の出演に寄せて、林遣都は次のように語っています。
「古泉智浩さんの原作を読まさせていただき、この漫画の世界に飛び込んでみたいと強く感じました。20代半ばにしてチェリーボーイズと呼ばれる中身も外身もコンプレックスだらけの3人の男達が、諦めかけていた人生、敗れ去った青春を取り戻すべく、必死にもがき苦しみ叫び続ける、情けなくもどこか切ない物語に、沢山勇気を貰いました。西海監督、そして栁俊太郎さん、前野朋哉さんと共に、魂を込めて悩める童貞青年の思いをぶつけました。是非見届けていただけたらと思います」
林遣都はどのような役柄に対しても、真剣に挑む姿勢が見えるメッセージですね。
これからも林遣都からは目が離せない若手俳優ですね。
3.映画『チェリーボーイズ』のあらすじ
とある田舎町。歯科医院の前に停車している車に、目出し帽を被った黒いスーツ姿の3人男が乗車していました。
それはクンニこと国森信一、ビーチクこと吉村達也、カウパーこと高杉誠理。
どこか怯えるビーチクとカウパーに向かって「もう後戻りはできないぞ。準備はいいか!」というクンニの目の視線の先には、医院で働く釈笛子が仕事を終えて帰宅する様子でした。
その数時間前。4年ぶりにクンニは幼なじみの親友であるビーチクとカウパーに再会していたのです。
クンニはバンド活動をするために東京に上京して行たが、自営で酒屋を商う父親信明の病気を機に地元に帰ってきてました。
2人の前では偉そうなことを言っているが、実は音楽活動すらしておらず、実際にはクンニも性行為もしたことがない25歳の童貞青年でした。
また地元の市役所に勤めるビーチクはイケメンながら、自慰行為の遣り過ぎで発達した乳首がコンプレックスになっていました。
パチンコ屋で働くカウパーは不細工なうえに、内気な性格でした。気がつけば25歳にして3人とも女性とは縁のない生活を送っていました。
さらに、3人は学生時代から脅威でもあるプーチンこと中出英雄に、今でもイジメられ童貞を馬鹿にされていました。
ナンパをする勇気もなく、風俗に行く度胸もない彼らだったが、ある日、クンニは童貞を捨てるために3人でスケべな女を襲うという、トンデモナイ暴挙の計画を企てます。
そのターゲットに選んだのは東京で風俗嬢をしていた過去を持つなど、様々な噂が絶えない笛子でした…。
4.映画『チェリーボーイズ』の感想と評価
林遣都のほかに救いようないほどにズッコケタ3人組の1人を演じたビーチクこと、栁俊太郎。
1991年5月6日に宮城県で生まれた俳優です。
萩原健太郎監督の『東京喰種トーキョーグール』、大丸明子監督の『勝手にふるえろ』などに出演をしています。
栁俊太郎は本作について次のように語っています。
「ビーチク役を演じさせて頂きました、栁俊太郎です。半年ほど前に撮影を終えて久しぶりにビーチクという役名を言ってみると、とても懐かしくあの時に感じた青春を思い出します。『チェリーボーイズ』の台本を初めて拝見させて頂いた時に、最低な3人組でズッコケでピュアな青春ストーリーにとても熱いものを感じました。どこか愛おしく憎めない3人組を演じるのがとても楽しみになりました。それでもやはり彼らは最低ですが。笑 最初はクンニ、カウパーという呼び名に少し抵抗はあったものの、すぐにチェリーボーイズの世界観に引き込まれ、とても充実した撮影期間を過ごさせて頂きました。最低でくそったれな3人組が終わりに近づいていくにつれて、とても寂しく切ない気持ちになったのを今でも覚えています。キャスト、スタッフの皆さんに支えられて素晴らしい青春バイオレンスエロサスペンス作品に参加ができて最高でした!ぜひ皆さん映画『チェリーボーイズ』をよろしくお願い致します」
栁俊太郎の例えたように、青春バイオレンスエロサスペンス作品ですね。
昭和の東映ここにあり!といった世界観はあります。
3人組のもう1人のカウパーこと、前野朋哉。
1986年1月14日の岡山県生まれの俳優で、誰もが知る将来の名バイプレヤー有望候補です。
彼もまた、栁俊太郎と同じように萩原健太郎監督の『東京喰種トーキョーグール』、大丸明子監督の『勝手にふるえろ』などに出演をしています。
前野朋哉は本作についてこのようにファンにメッセージを送っています。
「かつて童貞だったキャスト・スタッフと、現役童貞のキャスト・スタッフで真剣に「童貞」と向き合いました。童貞だった頃に書いたとされる松居大悟さんの脚本『チェリーボーイズ』を紐解いて行くと心情や行動がとんでもなく複雑なのです。それを読み解き、演じながら体験していく中で、林くんと栁くんと僕の仲に生まれたものがありました。生きとし生けるもの全ての方にご覧頂きたいです」
さすが、面白いコメントで多くの人に気遣いを感じさせる前野朋哉の姿勢を感じさせてくれます。
キモい!それこそ青春だよね
25歳まで童貞な3人組を描いた本作『チェリーボーイズ』。
1970年代であれば、このような童貞や処女をモチーフにした作品の主人公は決まって中学生か高校生でした。
かつて幼き頃にテレビで見た1970〜71年の日活映画で、麗しかった夏純子主演の「女子学園」シリーズは息をのんだものです。
近年でも1984年に鈴木則文監督の作品で、主演は山本陽一、ヒロイン役を菊池桃子が演じた『パンツの穴』という作品もありました。
今の時代は草食系男子とでもいうのか、20代半ばになって童貞話で盛り上がるというのが、いかにも時代を反映している点かもしれないですね。
『ブレードランナー2049』のライアン・ゴズリングが演じたK(KD6-3.7)のように、そのうち童貞の相手をするのは人間だけではなくなるでしょう。
レプリカントやAIに取って筆下ろしの相手が代われば、本作のような作品は今しか描けない映画なのかもしれません。
そうのような意味では、25歳のズッコケタ3人組は、愛しい野獣なのかも…。 –
また、池田エライザが演じた釈笛子が、林遣都の演じたクンニに「キモい」という言葉を投げ捨てます。
そう言えば、かつて筆者も聖修ん時代には、女子に「キモい」と言われたことを思い出しました。
いつしか大人になってしまい、童貞も遠い昔になれば、「キモい」と言われることがなくなってしまった。それはそれで寂しいものだ…。
男子たるもの若い時分は「キモい」と言われるぐらいが、“生きている証し”で良いのかもしれませんね。
まとめ
林遣都主演の映画『チェリーボーイズ』は、2018年2月17日より全国順次公開。
共演の栁俊太郎、前野朋哉も面白みたっぷりな演技にも期待してください!
『伊藤くんAtoE』にも出演を果たした池田エライザの肝いりの演技で演じたマドンナ役にも注目です!
そのほか、プーチン役の石垣佑磨、ゴキ役の般若はさらに要注目です!
R15指定作品です、高校生のみなさん、お見逃しなく!