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Netflix映画『余命一年、男をかう』ネタバレあらすじ感想と結末の考察。キャストの柴咲コウ×赤楚衛二主演で描く吉川トリコ原作のラブコメ|Netflix映画おすすめ142

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第142回

吉川トリコのベストセラー小説『余命一年、男をかう』を柴咲コウ×赤楚衛二主演で>Netflixで映画化。

40歳の独身女性の片倉唯は節約が趣味。老後の資金を蓄えるため、倹約生活を送っていた唯は、ある日、子宮ガンであると告げられます。

唯は死への恐怖ではなく、「もう節約しなくていい」という解放感を感じます。そんな唯の元にピンク色の髪のホスト・瀬名に話しかけられ、72万円で“買う”ことになりました。

2人の奇妙な関係は、思いもよらぬ方向に向かっていくのでした。

監督を務めたのは、ドラマ『silent』(2022)の風間太樹。脚本は『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017)の岡田惠和が手掛けました。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら

映画『余命一年、男をかう』の作品情報


Netflix映画「余命一年、男をかう」2026年11月5日(木)独占配信

【配信】
2026年(日本映画)

【監督】
風間太樹

【脚本】
岡田惠和

【原作】
吉川トリコ

【エグゼクティブプロデューサー】
岡野真紀子

【プロデューサー】
八尾香澄、平林勉

【キャスト】
柴咲コウ、赤楚衛二、筒井道隆、西田尚美、濱田マリ、鳴海唯、森口瑤子、宮世琉弥、尾碕真花、近藤公園

【作品概要】
吉川トリコのベストセラー小説をドラマ『silent』(2022)や、映画『バジーノイズ』(2024)、『モブ子の恋』(2026)の風間太樹監督が映画化。

脚本を手掛けたのは、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017)や『余命10年』(2018)などの岡田惠和。

節約が趣味の40歳独身女性・片倉唯を演じたのは、『でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男』(2025)、『蛇の道』(2024)の柴咲コウ。

唯が出会うホストの瀬名役には、『近畿地方のある場所について』(2025)、『366日』(2025)の赤楚衛二。赤楚衛二は、『チェリまほ』シリーズで風間太樹監督とも共演しました。

映画『余命一年、男をかう』のあらすじとネタバレ


Netflix映画「余命一年、男をかう」2026年11月5日(木)独占配信

40歳の独身女性・片倉唯は節約が趣味。倹約し、貯金は積み立てNISAにし、老後ひとりでも生きていけるようにすることが生きる目標でした。

そんな唯は、無料のがん検診で、子宮のがんであることを宣告されます。手術をすれば大丈夫だと告げる医者に唯は「手術をしなければどのくらい?」と聞きます。

1年くらい、長くても2〜3年だと医者は言います。唯が感じたのは「もう節約しなくていい」という解放感でした。

唯はがんになったら治療はしないと決めていたのです。そんな唯は病院でピンクの髪の男性と目が合います。

男性は当然唯に近づき「おねーさん、お金持ってない?」と聞きます。働いていた洋食屋がコロナでダメになり、今度は父親が倒れてしまい、72万円が必要だと言う。

「なぜ私に? 他にもお金持っていそうな人はいるでしょう」と唯が言うと、「ブランド物を持っている人は使っちゃっているから意外とお金がない」と男性は答えます。

納得したのか、唯は「いいよ」と答えます。男性は名刺を渡し、「リューマって呼んで」と言います。男性はホストでした。

「そういうことか」と呟き、唯はお金を貸した代償にホテルに行こうと誘います。ホテルで一緒にお風呂にはいり、性行為をした後、リューマはシーツに出血があることから、唯が初めてだったと勘違いします。

「違う、私、子宮のがんなの、出血はそのせい」と唯は笑いながら言います。今までしたことのない72万円で男を“買った”唯でしたが、それっきりで終わらせるつもりでいました。

翌日、会社から帰宅しようとした唯の前にリョーマが現れます。なぜ職場を知っているのかと、戸惑いながらも唯はリョーマとカラオケに行きます。

お金を貸してくれた目的が分からず怪しんだリョーマは、唯がシャワーを浴びている隙に身分証を確認し、職場の場所も分かったと言います。

お金は返ってこなくてもいい、一回だけの付き合いにするつもりだった唯ですが、お金を返済する代わりに自分のやりたいことに付き合うという返済条件を提案します。

リョーマは、本名は瀬名吉高だと名乗り、2人は映画館のプレミアシートで映画を見たり、旅館に泊まったり、一つ一つ唯のやりたいことを叶えていきます。

最後は、唯の誕生日を共に過ごすことでした。唯はデパ地下で好きなものを買い、予約したケーキに目を輝かせます。

そこに、DVをする夫から逃げて実家に娘と帰ってきた瀬名の妹から、娘のお迎えを頼まれてしまいます。瀬名が姪っ子のためにご飯を作っている隙に姪っ子が唯のケーキを食べてしまいます。

唯の誕生日が台無しになってしまい、瀬名が埋め合わせをしようとすると、「そういう契約だったから」と断り、唯は瀬名の返済が終わったとして、契約関係を終わりにします。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『余命一年、男をかう』ネタバレ・結末の記載がございます。『余命一年、男をかう』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


Netflix映画「余命一年、男をかう」2026年11月5日(木)独占配信

しかし、瀬名と過ごした時間は、唯に変化をもたらし、「このまま一人で死にたくない」と思うようになります。

クリスマスの日、唯は瀬名が働くホストクラブに行き、瀬名を指名します。「ここに私の全財産がある」と言い、全財産を全てあげるから自分が死ぬまでそばにいてほしい、結婚してほしいと言うのです。

戸惑う瀬名に唯は、あなたにはお金が入る、お互いにとって悪い条件じゃないと唯は言います。

唯だけでなく、瀬名の方も唯と過ごすうちに情が湧いていたのもあり、断りきれず、唯の無茶な条件を飲んで2人は結婚することになります。

ジャンケンでどちらの姓にするか決め、唯は瀬名の姓になります。

2人は唯の実家に挨拶に向かいます。瀬名は唯の義理の母の名前が「ともこ」だと知り驚きます。「ともこ」は唯が最初に偽名として瀬名に名乗った名前だからです。

唯がいないところで母と2人になった瀬名は、「唯ちゃん、私がなんだから知らなくて貧乏くさいと思ってキルトを捨ててしまったことが許せないんだと思う、当然よ」と言います。

母の思いを聞いた瀬名は、本当の母の墓参りに行く唯に、「お母さんいい人じゃないか、なんでお母さんの名前を使ったんだ」と言います。

唯は「いい人だと思う」と言いますが、どうしても唯は義母を許すことができません。そしてどうせなら一番嫌いな名前にしたと明かします。

母の墓の前では、一切結婚の話など正直に話さないで欲しいと言います。余計な心配をかけたくないというのです。

「嘘をつくんだ」と瀬名は言いますが、唯は聞かず、「もうすぐ会えるね」と話すという。

その後、瀬名の家に向かった2人。瀬名の母と妹が、瀬名が唯の両親に会うために髪をピンク色から黒色に染めらのを見て「らしくない」と言います。

瀬名の妹の那智は、「あいつのどこが良かったの?」と聞きます。唯は困って「顔かな」と言います。すると那智は「最低だね」と言い放ちます。

「お金で自分のいいようにして、悪いことしたという自覚もない」

那智にはっきり突きつけられ、唯は初めて自分がいかに自分勝手であったか思い知るのでした。

「那智に何か言われたのか」と気にする瀬名に唯は突き放すような言い方をし、2人は喧嘩になってしまいます。

実家に帰っていた瀬名でしたが、ある日、ホストクラブにまで唯の同僚がやってきます。唯が会社に来ていないというのです。真面目な唯が無断欠勤するなんておかしいと言う同僚の言葉を聞いた瀬名は慌てて唯の家に向かいます。

すると唯は、家の中でうずくまっていたのでした。救急車を呼ぼうとする瀬名に唯は「生きたいと思っちゃだめだから、治療したら、それは詐欺じゃん」と泣きながら言うのでした。

瀬名はそんな唯を説得し、病院へと連れて行くのでした。

数年の月日が経ち、唯は手術をし、再発はしていないと言います。そして、瀬名ともまだ離婚はしていません。いつ離婚してもいい、そんな曖昧な関係のまま唯なりに生きて行くことを決めたのでした。

映画『余命一年、男をかう』の感想と評価


Netflix映画「余命一年、男をかう」2026年11月5日(木)独占配信

節約が趣味の独身女性・片倉唯は、ある日、がんであると宣告されます。唯は、「もう節約する必要はない」と解放感に包まれます。

病気を取り扱った映画は、悲しい話や重くなる話が多いですが、本作はコミカルでどこかラブコメのような軽やかさがあります。

その軽やかさは、病院で出会ったホストの瀬名を“かう”という出会いから始まる交流……という突飛な設定にあると言えます。

突飛な設定や徹底した倹約家の唯はユーモラスさがありますが、その背景にあるのは現代社会が抱える問題を反映していると言えます。

作者の吉川トリコは、本作の主人公・片岡唯を通して、氷河期世代の女性を描きたかったと言います。

まさに唯は氷河期世代であり、「正社員であるだけまだ恵まれている」という唯の言葉には、氷河期世代の多くが、新卒の際に正社員雇用ではなく、派遣や契約社員の職に就くことしかできなかったという背景があります。

正社員になるまで時間を要したり、長年不安定な経済状況が続いたり、特に女性の多くは派遣社員として働いていました。

異常なまでに倹約し、「おひとりさまの老後」を意識せざる得ない事態に直面している唯の姿は経済的不安を抱えざるを得ない状況にある人々の姿を映しています。

一方で、唯は倹約し、将来への貯蓄をすることが人生の目標になっています。やりたいことも我慢して生活してきた唯は、がんの宣告をされて初めて解放感を得ます。

皮肉なことに、解放されてやりたいことを一つ一つ叶えていくと、生への執着が生まれてきます。人と過ごすこと、やりたいことをすること、それは生の実感とも言えるのです。

そこで、素直に治療をして生きたいと言えないのが、唯の真面目さなのです。一方で、那智が言ったように唯は、あくまで瀬名とは合理的な関係でいようと線引きをしているつもりでいますが、すでに瀬名を巻き込んでいる上に、自分の理屈を通した契約関係は唯のエゴでしかありません。

唯は自分のエゴに気づいてもなお、瀬名にも、自分の気持ちにもなかなか向き合えません。

瀬名との出会いを経て唯は大きな一歩を踏みだし、きちんと“生きよう”とし始めるのです。

まとめ


Netflix映画「余命一年、男をかう」2026年11月5日(木)独占配信

72万円で“かった”ことから始まる奇妙な関係を描くハートウォーミングな映画『余命一年、男をかう』。

当然ながらお金を元にした契約関係は対等であるとはいえず、不健全な関係であり、実際にしたら犯罪行為ともいえます。

そんな突飛な設定ながら、きちんとお金で瀬名を利用している唯のエゴや、そうでしか人との関係をうまく築けない唯の不器用さが浮き彫りになります。

また、印象的なのは、ホストを“かった”ということで連想される性的なシーンや濃厚なベッドシーンは本作では一切描かれません。

必ずしもベッドシーンは必要ではなく、恋愛とはまた違う、結婚やともに生きていく形を描いています。

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