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Entry 2021/01/15
Update

映画『ザ・プロム』ネタバレ感想と結末までのあらすじ解説。ミュージカルにメリル・ストリープとニコール・キッドマンが共演して“若者の運命”を変える|Netflix映画おすすめ13

  • Writer :
  • からさわゆみこ

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第13回

アメリカの高校生なら学年最後の思い出となるダンスパーティー「プロム」には、是が非でもドレスアップして、意中の人と一緒に踊りたいと願うはず。

でも、意中の人が必ずしも“異性”とは限らない・・・。好きな人が“同性”だったら楽しみにしている「プロム」はどうなるの?ただ、“好きな人と踊りたい”だけなのに。

Netflixのおすすめ映画『ザ・プロム』。PTAの規則によって、インディアナ州の小さな街の高校で行われるはずの“プロム”が、中止されようとしています。

その理由は・・・1人の女子高生が、同性の子を誘って参加したいという理由からでした。それを知ったブロードウェイのミュージカル俳優たちは、彼女に加勢しようと突然学校に乗り込んできます・・・。

ところが彼らには邪な企みがあり、事態は好転するどころか最悪な雲行きに変わっていきます。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら

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映画『ザ・プロム』の作品情報

Netflixオリジナル映画『ザ・プロム』

【公開】
2021年(アメリカ映画)

【原題】
The Prom

【監督】
ライアン・マーフィ

【原作・脚本】
ボブ・マーティン、チャド・ベゲリン

【キャスト】
メリル・ストリープ、ジェームズ・コーデン、ジョー・エレン・ペルマン、ニコール・キッドマン、キーガン=マイケル・キー、アンドリュー・ラネルズ、アリアナ・デボーズ、ケリー・ワシントン、ケヴィン・チャンバーリン、ローガン・ライリー・ハッセル、ソフィア・デラー、ナサニエル・J・ポトヴィン、ニコ・グリーサム、メアリー・ケイ・プレイス、トレイシー・ウルマン

【作品概要】
Netflix映画『ザ・プロム』は、トニー賞にノミネートされた、ブロードウェイミュージカル「プロム」の映画化です。

人気ミュージカルドラマ「glee グリー」、エミー賞を受賞したホラードラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」の製作を手掛けた、ライアン・マーフィーの監督で映画化され、12月4日より一部の映画館で劇場公開されたのち、12月11日よりNetflixで独占配信されました。

キャスティングは、アカデミー賞の俳優部門ノミネート最多のメリル・ストリープと『ムーラン・ルージュ』(2001)、『コールド マウンテン』(2003)のニコール・キッドマンというダブルオスカー女優をはじめ、トニー賞男優賞受賞のジェームズ・コーデンら豪華キャストです。

メリル・ストリープは全出演者の中の最年長でありながら、ダンスシーンが一番多かったということで、ティーンエイジャーに扮した若手俳優とダンサーに混じりながら、年齢を一切感じさせない華麗でキレのあるダンスシーンが見どころです。

映画『ザ・プロム』のあらすじとネタバレ

Netflixオリジナル映画『ザ・プロム』

ジェームス・マディソン高校のPTA集会では、プロムが中止になるという採決がされました。地元の報道が取材にくる騒ぎにまでなっている、この事態にはどんな理由があるのか?

PTA会長のミセス・グリーンは、高校のプロムに関する規則・・・「女子は露出の少ないドレス、男子はスーツかタキシードそして、同伴するのは“異性”であること。」をあげます。

この高校に通う1人の女子高生のエマが、同性の子を誘ってプロムに参加することに同意を求めたことで、PTAの保護者から猛反発を受け、とうとうプロム自体が中止となってしまいました。

この理不尽な出来事を遠く離れたブロードウェイで、ある企みに利用されようとします。

ブロードウェイ俳優のディーディー・アレンとバリー・グリックマンは、新作ミュージカル「エレノア・ルーズベルト」の初日公演を意気揚々とやりとげ、配役やスタッフとバーで成功の喜びを分かちあっていました。

ところが舞台評論家やNYタイムスの批評は、酷評だらけの散々な結果。チケットの売れ行きも芳しくない状況で、この評価だと公演は初日で打ち切りが必至です。

ディーディーとバリーは自分達の演技に自信をもっているため、何が原因なのかさっぱりわかりません。

フロントマンのシェルドンは「作品が悪いわけではない。君たちが悪いんだ。役者が好感を持たれていない。ナルシストは嫌われる。」と、言い放ち次の策を講じるため店を出ていきます。

店には他の客が1人もいなくなり店にいるのは、バーテンダーのトレントだけです。彼はジュリアート音楽院出身なのに、コメディードラマで売れた一発屋俳優です。

トレントはディーディーと5回共演していましたが、彼女は覚えていません。バーテンダーのアルバイトをしながらチャンスを待ってます。

そこに「シカゴ」でコーラスガールを20年やってきて、主役ができない女優アンジーがディーディーとバリーを慰めに現れます。

演技云々の批評ではなく、“好感がもたれていない”からという理由に、ディーディーとバリーのプライドは傷つき今後の役者人生に危機感を抱きます。

しかしバリーは落ち目でも「まだセレブな私達には、影響力は残っている。」と、自己愛の強いセレブが、簡単にイメージアップできる方法を考え始めます。

ところがバリーが思いついたのは「セレブの活動家になる」です。自分達の手に負える小さな慈善活動をして、好感度を上げていこうというものでした。

そこにSNSを見ていたアンジーが、エマの同性愛が理由でプロムが中止になった話題が過熱していることに目を付けます。

SNSの動画では、高校のホーキンス校長が州検事に訴えて中止を阻止する。と、息を巻き「この事が広がれば憤慨する人も出て、現代のエレノア・ルーズベルトも乗り込んでくるだろう」と言います。

それを見たディーディーがまるで自分が呼ばれたと感じ、「行くわ!行って大混乱をまき起こすわよ」と、言うとバリーも共感し、トレントとアンジーも話しに加わります。

要はエマを助けて自分達の好感度をあげるのを目的に、インディアナ州のエッジウォーターに乗り込み、反対集会をするという計画です。

「偏見を捨てるよう導く」「思いやりを学ばせる」行くからには住民の意識を変えてやろうという気概で彼らは動き出します。

ディーディーは慈善活動で自分のイメージを回復すれば、政治的介入で賞が決まりやすいトニー賞は狙えると思っています。

反対にバリーはこの慈善運動に並々ならぬ感情移入をしています。バリーは自分をバカにしてきた友人や両親を見返すために、ミュージカルの世界に入りました。

役者として存続の危機から脱出するために、どうしても慈善活動を成功させなければいけないと考えています。

一方、エマの方はプロムが中止となり、同級生のケイリーを中心に全生徒から反感を持たれ、嫌がらせをされてしまいます。

以下、『ザ・プロム』ネタバレ・結末の記載がございます。『ザ・プロム』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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Netflixオリジナル映画『ザ・プロム』

ジェームス・マディソン高校では、州検事の権限で強制的にプロムを開催させられることに意義が申し立てられています。保護者は“ゲイのいるプロム”に反対し、校長は“誰でも参加できるプロム”の開催を主張し平行線でした。

ディーディー達一行は高校に到着すると、PTA達の集会に突然、乱入してエマを擁護するために遥々、ブロードウェイからやってきたことを主張します。

「差別主義者へ何様のつもりなのか?その偏見と弾圧は見逃せられない。10代のLGBTの権利を盗もうなんて・・・」とディーディーは歌います。

この一行たちの騒動で一旦集会は終了し、校長はディーディーになぜこんなことをしたのか訪ねます。彼女は「ゲイやゲイのアイコン(著名人)も皆、同じ人間なんだってことを示したかったの」と話します。

すると校長はディーディーを呼び止めて、長年彼女の大ファンだと言い、お互い意気投合します。校長は「今はデリケートな時期なので、しばらくは控えてほしい」と頼むと、控えろと言われたら燃えるのが私達と、一歩も引く気はないと立ち去ります。

集会が終わりエマは人気のないグランドで、生徒会長でミセスグリーンの娘アリッサと密会します。アリッサがプロムに誘いたいエマのガールフレンドでした。

エマもディーディー達の騒ぎには驚き、自分は暴動を起こしたくないし、先駆者にもシンボルにもなりたくないと話します。エマの望みは誰からも恨まれないで、アリッサと踊る事だけと言いました。

翌日、ホーキンス校長とエマがディーディー達の宿にやってきて「報告があります」と、州検事の圧力でプロムの開催が決まったと言います。

ディーディーは自分達のおかげと思っていますが、少し違っています。エマはそれでも「法的処置よりも、あなた達が怖いからかもしれない」と感謝を述べます。

これでエマはプロムに参加できることになり、バリーはこれも何かの縁だから、プロムに着ていくドレスを選ばせてほしいとエマに申し出ます。

校長もエマの笑顔を見るのは久しぶりだと喜びました。エマは両親にゲイだとカミングアウトすると、16歳で家から追い出されてしまい、ずっと大変な時間をすごしてきたと語ります。その彼女に笑顔が出たことに感謝しました。

高校では早速、男子生徒が目当ての女子生徒にプロムへの誘いを開始します。エマもアリッサに2人でプロムに参加し隠すのを止めて、ありのままの私達を解放しようと約束をかわすのです。

ところがエマに意地悪をしているケイリーとシェルビーが、その様子を見て2人の秘密を知ってしまい何か目論んだように去っていきます。

ディーディーとホーキンス校長はディナーに出かけ、彼がディーディーの大ファンになったきっかけを話し、ディーディーは自分の身の上話をします。

ディーディーにとってブロードウェイの女優でいることは大変で辞めたいこともあるとはなすと、ホーキンスはありきたりで多忙な毎日から癒しをくれるのが、芝居であり彼女の演技だから辞めないでほしいと言います。

一方、バリーはエマと買い物をするために、彼女が住んでいる祖母の家にいます。そこでバリーもエマの処遇について祖母から話しを聞きます。

エマは両親から捨てられたが、バリーはカミングアウトして自ら家を出たと話します。バリーはプロムで片思いの男の子にフラれた苦い思い出があります。それでエマにプロムへ行かせたい思いが強まったのです。

バリーはエマとプロムに着ていくドレス選びと準備に大はしゃぎをして、なんとしても学校中の注目を集めるよう指南します。そして、他の女子生徒達もドレスアップして迎えにくるボーイフレンドを待ちます。

アリッサもドレスアップして、ミセス・グリーンにプロムの計画を打ち明けようとします。ところがミセス・グリーンは「あなたも普通の子と同じようにプロムを楽しむのよ」と意味深なことを言います。

エマはバリーと一緒に学校の体育館前に到着すると、ディーディー達一行が待ち構えていました。エマはバリーの手によって可愛らしい女の子に変身をして皆を驚かせました。

そして、いよいよ中へ入場しようとした時にディーディーは異変を感じ、中に入ったエマは驚愕します。そこには設営しかけの飾りと、ホーキンス校長が1人佇んでいるだけでした。

保護者達は裁判所からの要請でプロムの会場を手配したが、それは反対する保護者の子供たちのための会場と、エマのための会場の2つでエマと校長には、もう1つの会場のことは知らされなかったのです。

そこにアリッサから連絡が入ります。自分は何も知らずにいて2人の中を知ったケイリーが、全部仕組んでエマをのけ者にしたと話します。

エマはアリッサに会いに来てほしいと願いますが、アリッサは母親の存在を理由にそれを断ります。エマはひどく傷つき「“普通のプロム”を楽しんで」と告げて、電話を切り泣き崩れます。

バリーはもう1つのプロムに押しかけようと言い出しますが、エマは激しく拒絶し「もう、私を助けようとしないで!」と、体育館を去っていきます。

ディーディーは「大失敗ね」とつぶやき、ここでイメージを挽回するはずだったと、口走ってしまい、ホーキンスに売名行為のために来たことがバレ、幻滅させてしまいます。

しかし、この一件をマスコミがとりあげて、PTAがエマを一歩的に傷つけたと報道し、それをうけミセス・グリーンは、エマの身を危険から守るためだったと声明をだしました。

エマはまるで悪夢を見ているよう・・・と、愕然とします。プロムの晩から2日間エマの側にいたアンジーも共感します。

エマはアンジーを“良い友達”と、言って感謝します。長年コーラスガールしか演じず、注目されてこなかったアンジーは、感謝されたことに感激しエマのためになろうと思います。

アンジーはエマに「あなたになら乗り越えられる」と元気づけます。しかし、エマは親に拒絶された時が一番どん底だと思ったけど、それよりも酷い孤独を感じるなんて・・・と絶望してました。

アンジーは自分達がいると励まします。そして、そこにバリーやディーディー達がやってきて、エマにもっと自分の気持ちを発信して、世間に善悪を示さなきゃいけないといい、テレビに出て訴えようと勧めます。

エマはそれを拒否して、みんなを追い出します。エマもこのままではいけないことはわかっていました。ただどうしたらいいかわからず、勇気が出ないでないのです。

アンジーはどんな人でも最初の一歩は緊張してしまうけれども、自分の光をみつけて行動することが大切だと励まします。

イメージアップのために利用しようとした4人でしたが、エマに対する理不尽な意識を持った人々から、彼女を助けたい気持ちに心底変わっていました。

エマはアリッサに呼び出され2人で話し合います。アリッサの母ミセス・グリーンは、娘が完璧であれば出ていった夫が家に戻ってくると信じ、過剰な躾けと教育をしていました。

アリッサは本当の自分でないことにジレンマを抱きながらも、母を裏切れませんでした。それも18歳までに完成させるとエマに話しますが、エマはそれまでの間が辛すぎると、アリッサに別れを告げます。

エマは告白すると心に決めて行動を始めます。トレントはモールでケイリー達を見つけて、声をかけます。そして、自分達がエマにした仕打ちをなんとも思わないのか問います。

ケイリー達は「自分達は善人で信仰深い」と言います。トレントは毎日、聖書の教えを破っているだろう?“都合の良いとこ取り”はよくないと、一つ一つ彼らの行いを聞きながら聖書の教えを引用し「隣人を愛することが大切」だとを説きます。

シェルビーはケイリーに「エマに罪悪感はないの?仲良かったのに」と聞き、「ゲイになる前の話し」と言いますが、シェルビーは「ゲイはもうずっと前からでしょ?」と、生まれながらにもった性だと、エマに対しする理解と協力する気持ちに変化していきました。

一方、ディーディー達はマスコミを使って、エマに差別や人権侵害にある現状を告発させようと、ディーディーの別れた夫が司会をする、人気番組への出演枠をとりつけます。

エマも世間と闘う決心をしたと、「テレビには出ず、自分のやり方でやる。」と伝え、エマはバリーに「愛する相手が誰だろうと、誰でも参加できるプロムをやるの。バリー、一緒にプロムに行ってほしい」と話します。

彼女のアイデアにバリー達は奔走します。エマはネット配信を使い自作の歌を披露し、同じ同性愛の人達に勇気を与え、プロムへの参加を募りました。

また、ケイリーとシェルビーがプロムの会場に手伝いにきて、エマにこれまでのことを謝り和解します。そこにミセス・グリーンが来てプロムを中止するよう言いますが、アリッサは自分もゲイであることを隠す生きづらさが苦しかったと告げます。

エマとアリッサは再びお互いの愛する気持ちを交わし、誰でも参加できるプロムの開催へとこぎつけ、州内の同性愛のカップルたちが大勢、集まり大盛況となります。

そこにミセス・グリーンがやってきて、アリッサの苦しんできた心を理解し、ゲイであることよりも大切なことは、生まれた瞬間から愛してきた娘だと伝え、グリーン親子も分かり合うことができました。

プロムは4人のブロードウェイ俳優達にも奇跡をおこします。各々が抱えた心のわだかまりや諦めずに挑戦してきた努力が実を結びます。

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映画『ザ・プロム』の感想と評価

Netflixオリジナル映画『ザ・プロム』

映画『ザ・プロム』は性的マイノリティーに対する、世間からの偏見で10代の女の子が差別されてしまうネガティブな内容ですが、自らの意思と負けない心で立ち向かっていく姿をミュージカルで表現しています。

ネガティブな事をリアルに伝えても、立ち上がり向っていくパワーには繋がらないことが、作品を通して率直に伝わります。ネガティブな内容だからこそ、人に伝わり浸透しやすい手法だったといえます。

つまり、セリフの代わりに歌詞に合わせて歌い踊ることで、目と耳から心情に訴えかけることができるからです。終始、しんみりしたり怒ったり感激したり・・・ミュージカルの魔法にかかり魅入ってしまいました。

そして、エマ役のジョー・エレン・ペルマンは、映画初出演ながらも、超大物達が繰り広げるキレッキレのダンスと歌唱力の中で、存在感を存分に発揮していました。

LGBTの「差別」や「権利の平等」

アメリカでは2015年に全米で同性婚が事実上、合法化ししているにも関わらず、各地では性的マイノリティへの「差別」や「権利の平等」について、論争が絶えません。

映画の舞台となったインディアナ州は、信仰に基づく教義を笠に「差別」を法的根拠に紐づける動きがあり、実際にLGBTに対する差別を正当化しようとしていました。

ミセス・グリーンがレストランでディーディーに「この町や住民の価値観をご存知でない」と、言ったこの言葉と、モールでケイリーとシェルビーが、“信仰の良いとこ取り”はダメだと諭されたシーンが物語っています。

性的マイノリティは生まれ持った「人」であるのだから、主観ではなく「隣人を愛せよ」が正しいと歌っていたのです。

『ザ・プロム』とよく似た実在した話し

原作と脚本を手掛けた、ボブ・マーティンは『ザ・プロム』は「いくつかの出来事から、インスパイアされてできた。」と語っています。

その中の1つと思われる映画と酷似したできごとが、2010年のミシシッピ州でありました。同州のある高校で同性とのプロム参加を禁止され、その高校に通う女生徒が「アメリカ市民自由連盟」に訴訟を起こしたことで、地元の教育委員会がプロム自体を中止にしたのです。

その後、本作のように2つのプロムが開催され、一方には彼女を含め数名が招待され、残りの生徒はもう一方のプロムに招待されたと言います。

この出来事がアメリカ中で話題となって、セレブたちによる支援が始まり実際に「誰でも参加できるプロム」も実施されました。

明言はされていませんが、この出来事がボブ・マーティンの心を大きく動かしたと、言われれば納得ができます。

まとめ

ブロードウェイ俳優4人達も人生の岐路に立っており、エマを助けるという大義名分の売名行為をおこさせました。それが逆に自分達の歩んだ人生を鑑みるきっかけとなりました。

また、映画のように上手くいくはずはないと、思わせない実在したエピソードもあり、勇気ある1人の少女の訴えが人々の心を動かすということに、説得力を与えています。

映画『ザ・プロム』は、伝えたい想いを歌とダンスにのせることで、笑ったり泣いたりしながら、LGBTの問題だけでなく、人としての生き方も考えさせられる、インパクトの強い作品でした。

とはいえ、難しい話は抜きにしても純粋に、コロナ禍で沈みかけた気分をパッと明るく、楽しい気持ちにさせてくれるミュージカル作品で、観終わったあとに心が軽くなるお薦めの映画です。

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