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Entry 2020/05/20
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映画『ホーンテッド(2020)』感想とレビュー評価。“世界一怖いお化け屋敷”に潜む謎の殺人鬼の正体|SF恐怖映画という名の観覧車103

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile103

新型コロナウイルスの猛威によって、全国各地の夏祭りが中止される事態となりました。

夏祭りの出店には長く愛されてきた「お化け屋敷」の文化があり、入らずともそこにあるだけで夏祭りの雰囲気を味わえる店として確かな存在感を放っていました。

しかし、今年は各地の夏祭りが中止となり、テーマパークや遊園地にある本格的な「お化け屋敷」ではなく、出店らしい手作り感のある「お化け屋敷」の独特な恐怖感を味わうことが出来ません。

そんな最中、アメリカからとてつもなく恐ろしい「お化け屋敷」を舞台とした最新映画が日本に上陸。

今回はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて2020年6月12日(金)より公開される映画『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』(2020)の魅力をたっぷりと紹介させていただきます。

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

映画『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』の作品情報


(C)2018 Danger House Holding Co., LLC. All rights reserved.

【原題】
Haunt

【日本公開】
2020年(アメリカ映画)

【監督】
スコット・ベック、ブライアン・ウッズ

【キャスト】
ケイティ・スティーブンス、ウィル・ブリテン、ローリン・マクレイン

映画『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』のあらすじ


(C)2018 Danger House Holding Co., LLC. All rights reserved.

アルコール依存症の彼氏と過去のトラウマに苦しむハーパー(ケイティ・スティーブンス)は、ハロウィンの夜に同居人のベイリー(ローリン・マクレイン)に誘われたパーティでベイリーの友人ネイサン(ウィル・ブリテン)と出会います。

ネイサンと意気投合したハーパーはベイリーたちと共にお化け屋敷を巡ることにしますが、たどり着いたお化け屋敷は想像を絶する危険な人間たちが運営していて……。

片時も緊張が解けない鮮烈なスラッシャーホラー


(C)2018 Danger House Holding Co., LLC. All rights reserved.

アメリカを中心とした国で展開されているホラー映画を中心とした映像配信サービス「Shudder」で公開され、「Shudder」内で2019年に最も視聴された映画の座に就いた『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』。

本作は『ホステル』(2005)や『グリーン・インフェルノ』(2013)など人による狂気を描くことに長けたイーライ・ロスが製作に携わり、音を出すことへの恐怖が話題となった『クワイエット・プレイス』(2018)で脚本を担当したスコット・ベックとブライアン・ウッズが監督を務めたことで、一流の製作陣による恐怖映像が完成。

ハロウィンの夜、軽いノリで郊外の「お化け屋敷」へと入った5人の男女が、その「お化け屋敷」の真の姿を目撃することになる究極のホラームービーである本作ですが、これまでのイーライ・ロス製作映画と同様にメインとなるのは「お化け」ではなく「人間」の狂気。

主人公のハーパーたちに襲い掛かるのはあくまでも「生身の人間」であることが、より本作の面白さを引き立てていました。

恐怖の対象が人間だからこその絶望と希望


(C)2018 Danger House Holding Co., LLC. All rights reserved.

「お化け屋敷」に訪れた人間を1人1人殺害していく狂気のスタッフたちは言葉が通じ、また彼らも言葉を発する「人間」です。

しかし、殺人鬼であり狂気に魅せられた彼らには常識も会話も通用せず、ただただ楽しむように男女を問わず処刑していきます。

「人間」だからこそ殺人鬼たちは用意周到で緻密な罠をしかけてくる「絶望」感が強い一方で、映画『サプライズ』(2011)のように相手が「人間」だからこそ打ち倒すことが出来る「希望」も生まれます。

「お化け屋敷」からの脱出を目指し活路を切り開くために誰が武器を取るのか、そして最後に生き残るのは「殺人鬼」か「若者」か。

ホラーであり鮮烈なスラッシャー映画でありながらも、ラストシーンまで熱い展開を見せてくれる作品でした。

「お化け屋敷」と言う舞台が作り出す恐怖


(C)2018 Danger House Holding Co., LLC. All rights reserved.

本作は導入部分を除き、中盤以降のほぼ全てのシーンが「お化け屋敷」を舞台に繰り広げられます。

殺人鬼たちが拘り抜いた「お化け屋敷」は内装からギミックまで悪意と殺意に満ちながらもアトラクションとして秀逸であり、不穏な空気が常に映画内に流れ続けています。

殺人鬼たちがいつハーパーたちに牙を剥くのかが分からないまま、あくまでも普通の「お化け屋敷」として物語が展開していく序盤は常に緊張感に満ちていました。

また牙を剥いて以降も、この施設は殺人鬼たちが人を狩りやすくするために設計した「お化け屋敷」であり、どんなギミックが仕掛けているのかと言う恐怖は抜けず、ホラーとしての最上級のハラハラが上映時間たっぷりに詰まっていました。

まとめ


(C)2018 Danger House Holding Co., LLC. All rights reserved.

本作は「お化け屋敷」を訪れた5人の男女が経験するこの上ない「恐怖」のみを描いており、殺人鬼たちの正体や目的はおぼろげにしか分かりません。

あえて背景を描かないことで鑑賞後にも様々な考察の余地を残す本作は、余すところなく楽しみつくすことの出来る正にアトラクションとしての「お化け屋敷」そのものと言えます。

本物の「お化け屋敷」を体験しにくい今だからこそ、劇場で「恐怖」感をたっぷりと堪能したい良質かつ丁寧な作りの最新ホラー映画でした。

『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて2020年6月12日(金)より公開、興味を持っていただいた方は情報を逃さずチェックしてください。

次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…


(C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

いかがでしたか。

次回のprofile104では、あまりの過激さに上映禁止となった国が多く、日本でもVHSでの少数販売から長年日の目を浴びることがなかった話題映画『アングスト/不安』(2020)をご紹介させていただきます。

5月27日(水)の掲載をお楽しみに!

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら




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