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Entry 2020/01/30
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【ホラー映画洋画歴代おすすめ】1950年代ベストランキング5選!SFファンの隠れた名作からハマープロ作品まで厳選|増田健ホラーセレクション2

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  • 20231113

おすすめの1950年代のホラー映画5選。ハマープロの作品が切り開いた時代

さて、ホラー映画に興味を持った方には、過去の作品を見たいと考えても、その膨大な数の前に立ちすくんでいませんか?

そんな皆さまのために、各年代のホラー映画から5作品、おすすめの作品を紹介させて頂きます。今回は独断と偏見で選ぶ、1950年代のおすすめの作品を紹介したします。

この時代ハリウッドでは、ユニバーサル・ピクチャーズがSF色の強い映画など、様々な趣向の作品を生んでいました。しかしその人気は低迷、ついに1930年代から続いた、“ユニバーサル・モンスターズ”作品の製作を停止します。

“ユニバーサル・モンスターズ”を生んだ時代については、コチラの記事をお読み頂ければ幸いです。

さて1930年代の大恐慌の時代に、映画業界は観客を獲得する手法して、2本立て興行を始めます。その需要を満たすため、低予算の映画=B級映画の製作が始まっていました。

ところが1950年代、映画の興行形態の変化やテレビの登場と共に、大手スタジオはB級映画の製作を中止します。するとその隙間を埋めるように、ロジャー・コーマンら低予算映画の製作者が、独自のB級映画を製作し始めます。

現在使われている“B級映画”という言葉のイメージは、この時代に誕生したものでした。アメリカ映画界がそんな状況にある中で、イギリスで新たな動きが始まります…。

【連載コラム】『増田健ホラーセレクション』一覧はこちら

50年代おすすめホラー映画:第5位『悪い種子』

映画『悪い種子』の作品情報

【原題】
The Bad Seed

【製作】
1956年(アメリカ映画)

【監督】
マーヴィン・ルロイ

【キャスト】
ナンシー・ケリー、パティ・マコーマック、ヘンリー・ジョーンズ、アイリーン・ヘッカート、イブリン・ヴァーデン、ウィリアム・ホッパー

【作品概要】
無邪気な少女が殺人を重ねてゆくという、衝撃的な題材を映画化したサイコホラー。1954年に発表されたこの小説は評判となり、即ブロードウェイでミュージカル化、それを映画化した作品です。

“悪い種子”こと殺人を犯す少女を演じたパティ・マコーマック他、主要なキャストはブロードウェイ版と同じ俳優が演じました。その主要なキャストがアカデミー賞にノミネートされるなど、ホラー映画の枠を越えて、高い評価を獲得した作品です。

【映画『悪い種子』のあらすじ】

クリスティーン(ナンシー・ケリー)は夫であるケネス大佐(ウィリアム・ホッパー)と、8歳になる娘ローダ(パティ・マコーマック)と共に、幸せな家庭を築いていました。

ある日、ローダの通う学校のピクニックで少年が溺死します。不幸な事故と思われましたが、クリスティーンは少年が習字で獲得した金メダルを、ローダが隠し持っていると知ります。

ピクニックの際のローダの行動に不審があり、過去にも娘に疑わしい行動があったと気付かされるクリスティーン。彼女は娘の言動に不気味なものを感じます。

他にも幼いローダの行為に気付いた人物が現れますが、ローダは事故を装い殺害、巧みに口を封じます。そしてクリスティーンは、自身と娘に呪われた運命があったと知らされます。

クリスティーンと恐るべき娘、ローダの物語はいかなる結末を迎えるのか…。

改変されたラストの内幕

50年代以前の作品を紹介させて頂いた時に、ハリウッドのホラー映画を低迷させた原因、ヘイズコードを説明しました。

この物語の原作では恐るべき少女は生き延びる、現代でも通用するバットエンド。しかし映画化した作品は…。いやぁ、天罰ってあるんですね。そしてこの映画、お芝居ですから観客の皆さん、安心して帰って下さいね。

…というラストにせざるを得なかったのが、時代の限界です。しかし同時にそんな環境にあっても、問題作を映画化したかった、当時の映画人の意地を感じる事ができます。

サイコパスという言葉が当たり前に知られる様になった現在、この作品の持つ凄みは、よりストレートに伝わってきます。

50年代おすすめホラー映画:第4位『原子人間』

映画『原子人間』の作品情報

【原題】
The Quatermass Xperiment

【製作】
1955年(イギリス映画)

【監督】
ヴァル・ゲスト

【キャスト】
ブライアン・ドンレヴィ、ジャック・ワーナー、マージア・ディーン、リチャード・ウォーズワース

【作品概要】
『遊星よりの物体X』『蝿男の恐怖』など、SF要素を含むホラー映画や怪獣映画が台頭してきた50年代。それを代表するハマー・プロの作品です。

1953年、イギリスで放送されると大人気となった、主人公クォーターマス博士が様々な怪事件に遭遇するTVシリーズ「The Quatermass Experiment」。

当時成長を遂げていた映画製作会社、ハマー・フィルム・プロダクションが、この作品の映画化権を手に入れます。そして生まれた作品が『原子人間』です。

人間が奇怪な姿に変貌する設定は、日本の東宝映画の“変身人間シリーズ”など、後の多くの作品に影響を与えています。その元祖となる作品に登場した“原子人間”の姿とは…!

【映画『原子人間』のあらすじ】
クォーターマス博士(ブライアン・ドンレヴィ)が、3人の飛行士を乗せ宇宙探査に送ったロケットが、イギリスの寒村に墜落します。生存していた宇宙飛行士はヴィクター(リチャード・ウォーズワース)ただ1人。残る2人は宇宙服を残し姿を消していました。

実験室にヴィクターを運ばせた博士が宇宙船内を調べると、中には謎の粘着性の物質が残されていました。宇宙船に搭載されたカメラの映像を調べると、宇宙空間で未知の生命が船内に侵入し、飛行士を襲撃する光景が写されていました。

入院し隔離されていたヴィクターを、彼の妻ジュディス(マージア・ディーン)が連れ出そうとします。ところがヴィクターが病室にあったサボテンに触れると、彼の手はそれを吸収・同化してしまいます。

宇宙生物に体を乗っ取られていたヴィクターは、夜の街にさまよい出ます。彼が触れた人間や生物は次々吸収・同化されます。危機的状況に気付き、ロンドン警視庁のロマックス警部(ジャック・ワーナー)と共にヴィクター追うクォーターマス博士。

ついにウェストミンスター寺院に追い詰めた博士。しかしそこには、奇怪な姿に変貌したヴィクターの姿がありました…。

この映画のヒットがホラー映画の運命を変えた

後に「ドクター・フー」シリーズや「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズなどを生む、BBCのSFシリーズ番組の、最初の大きな成果と呼べる「クォーターマス博士」シリーズ。

日本での当時知名度は低いですが、『原子人間』に登場する宇宙生物のインパクトは、SFファンの目を釘付けにしました。このヒットを受け続編『宇宙からの侵略生物』、『火星人地球大襲撃』が製作されていますので、SF映画ファンの方はご注目を。

『原子人間』を成功させたハマー・プロですが、その実績からユニバーサル・ピクチャーズが製作を止めた、怪奇映画を製作しないかとの話が持ち込まれます。

そしてハマー・プロが様々なホラー映画と、怪奇スターを産む時代が到来します。

50年代おすすめホラー映画:第3位『フランケンシュタインの逆襲』

映画『フランケンシュタインの逆襲』の作品情報

【原題】
The Curse of Frankenstein

【製作】
1957年(イギリス映画)

【監督】
テレンス・フィッシャー

【キャスト】
ピーター・カッシング、クリストファー・リー、ヘイゼル・コート、ロバート・アーカート、ヴァレリー・ゴーント

【作品概要】
メアリー・シェリーの小説を原作とする、ハマー・プロの「フランケンシュタイン」シリーズ映画の第1作。

この映画で、フランケンシュタイン博士の創造したクリーチャーを演じているのが、クリストファー・リー。しかしその姿は正直不細工、あまり人気がありません。

1931年の映画『フランケンシュタイン』で、ボリス・カーロフ演じたモンスターの印象が強すぎ、すっかり忘れ去られた可哀想な存在です。

これは1931年版の、モンスターのデザインの権利が得られなかった影響とも、作品のイメージを一新するために、よりリアルでグロテスクな姿を求めた結果とも言われています。

【映画『フランケンシュタインの逆襲』のあらすじ】

若くして両親を失い、男爵家を相続したヴィクター・フランケンシュタイン(ピーター・カッシング)。財産と天才的な頭脳に傲慢さと、目的のために手段を選ばぬ冷酷さを持つ彼は、人間を創造するという野望にとりつかれていました。

家庭教師であったポール(ロバート・アーカート)を助手に、館で密かに研究を進めるヴィクター。人造人間の材料を集めるために死体泥棒・臓器売買、あげくの果てに殺人まで犯し、ついに彼はクリーチャー(クリストファー・リー)を完成させます。

醜く凶暴なクリーチャー=怪物に危険を覚えたポールは、ヴィクターの許嫁エリザベス(ヘイゼル・コート)に立ち去るよう警告します。ついに殺人を犯した恐るべき怪物を始末して、ポールは博士の元から立ち去ります。

しかしヴィクターは怪物を蘇らせると、邪魔になった愛人のジャスティン(ヴァレリー・ゴーント)を殺害させます。

ヴィクターとエリザベスが結婚することになり、ポールは館に招かれます。しかしポールは、葬ったはずの怪物が、今も存在しているとを知らされます…。

カラー時代の凶悪なホラー映画

フランケンシュタイン博士、将に人間のクズです…。でも、この悪に徹した姿こそ本作の魅力。1931年の映画では、モンスターの前に博士の存在が消えてしまいましたが、ハマー・プロ版では博士の前に、モンスターの存在が吹き飛んでしまいます。

ハマー・プロはフランケンシュタイン役に、舞台とTVで活躍していたピーター・カッシングを起用、その悪のカリスマの姿に映画は世界で大ヒット、彼を主演にした「フランケンシュタイン」映画が続々作られます。

このマッド・サイエンティストの姿に魅せられたジョージ・ルーカスは、後にピーター・カッシングに「スター・ウォーズ」シリーズで、あのダース・ベイダーすら従わせる、ターキン総督を演じさせました。

そしてこの映画に登場する、カラーで見せるグロテスクなシーンや暴力シーンは今見ても衝撃的。モノクロ画面になれた当時の観客に、大きな衝撃を与えました。こうして新たなホラー映画の新たな時代が幕を開けたのです。

なお、まったく同じ邦題を持つ1965年製作の、アメリカ発のB級映画がありますが、こちらの原題は『Frankenstein Meets the Space Monster』…。大体どんな映画か想像できたと思います。くれぐれもお間違いないように。

50年代おすすめホラー映画:第2位『吸血鬼ドラキュラ』

映画『吸血鬼ドラキュラ』の作品情報

【原題】
Dracula

【製作】
1958年(イギリス映画)

【監督】
テレンス・フィッシャー

【キャスト】
ピーター・カッシング、マイケル・ガフ、メリッサ・ストライブリング、クリストファー・リー、ジョン・ヴァン・アイゼン、ヴァレリー・ゴーント

【作品概要】
ハマー・プロがリメイクした「吸血鬼ドラキュラ」で、シリーズ第1作となる作品。そして同時に世界で初めてカラーで描かれたドラキュラ映画で、監督は『フランケンシュタインの逆襲』に続きテレンス・フィッシャーが務めます。

それまでスタントマンや脇役として活躍していたクリストファー・リーは、本作でドラキュラ伯爵を演じ、一躍世界的な大スターとなりました。

以降怪奇スターとして不動の地位を築き、大作映画から低予算の極みの作品にまで出演、ギネスブックに”世界で一番多くの映画に出た俳優”として記録される彼は、生涯を通してホラー・SF・ファンタジーといった、ファンタスティック映画の盛衰を見つめることになります。

【映画『吸血鬼ドラキュラ』のあらすじ】

吸血鬼ドラキュラ伯爵(クリストファー・リー)を倒すべく、司書としてドラキュラ城に乗り込んだジョナサン・ハーカー(ジョン・ヴァン・アイゼン)。しかし彼は女吸血鬼(ヴァレリー・ゴーント)によって血を吸われます。何とか女吸血鬼を倒したハーカーですが、ドラキュラを前にして力尽きました。

ハーカーの親友、ヴァンパイアハンターのヴァン・ヘルシング博士(ピーター・カッシング)は城を訪ね、そこで彼の死体と日記を発見しますが、伯爵の姿はありません。ドラキュラはハーカーの婚約者、ルーシーを狙っていたのです。

ヘルシングがルーシーの元を訪ねると、彼女は既にドラキュラに血を吸われていました。ドラキュラから彼女を守ろうと、吸血鬼対策をルーシーのアーサー(マイケル・ガフ)とその妻ミナ(メリッサ・ストライブリング)に伝えます。

しかしミナはドラキュラの毒牙により絶命、吸血鬼として復活します。アーサーと共に、ドラキュラ伯爵と立ち向かうヴァン・ヘルシング博士。宿敵の対決は、いかなる結末を迎えるのか…。

エロとショックとアクションを格調高く見せる

前作『フランケンシュタインの逆襲』のキャストが、そのまま数多く起用された『吸血鬼ドラキュラ』。しかしピーター・カッシングは前作と異なり、沈着冷静で知的な態度で絶対の悪と闘う、ヴァンパイアハンターを演じています。

この映画も世界でヒットし、ハマー・プロの「吸血鬼ドラキュラ」シリーズの作品が作られ、カッシングとリーは新たな怪奇スターの地位を不動のものとします。

ハマー・ホラーは同時に、胸元の大きく開いたドレスを着た、美しい女優を次々映画に登場させます。ホラー・クイーンと呼ばれた彼女らは、同じイギリスの「007」シリーズのボンドガール同様、映画に欠かせない存在となります。

そして鮮やかな赤で強調される血の色。テレンス・フィッシャーはホラー映画に、エロとグロとバイオレンスを持ち込み、刺激的な娯楽映画の新たな形を世に示しました。

と書くと身も蓋もない低俗な映画に思えますが、そこは当時のハマー・プロの力量。セットや衣装でゴシック的な世界を、格調高く描き出します。

「007」シリーズの初期作品を見直す感覚で、ハマー・プロの映画を見ると面白いですよ。

50年代おすすめホラー映画:第1位『プラン9・フロム・アウタースペース』

映画『プラン9・フロム・アウタースペース』の作品情報

【原題】
Plan 9 from Outer Space

【製作】
1959年(アメリカ映画)

【監督】
エドワード・D・ウッド・Jr.

【キャスト】
ベラ・ルゴシ、トー・ジョンソン、ヴァンパイラ、クリスウェル、グレゴリー・ウォルコット

【作品概要】
今も“史上最低の映画”として語り継がれるカルト映画。そしてティム・バートンの映画『エド・ウッド』で、一躍脚光を浴びた作品です。

イギリスで新たな怪奇スターが生まれる中、アメリカの怪奇スターの1人、ベラ・ルゴシは零落し1956年世を去ります。その3年後に製作された映画に、どうやって彼が出演!?

50年代に様々な小さなプロダクションが、B級映画を作るようになったアメリカ。その世界に飛び込んだ人物の1人が、エドワード・D・ウッド・Jr.ことエド・ウッドでした。

大ファンであったベラ・ルゴシの知古を得たエド・ウッドは、彼が出演するB級映画を監督します。やがて不幸にもベラ・ルゴシは亡くなりますが、手元には生前の彼を撮影したフィルムが残っていました。

折しもハマー・プロが、SF・ホラーで世界的ヒット作を生み出していました。となるとSF設定で蘇った死者や、吸血鬼の出る怪奇映画を作れば、大当たり間違い無し!

こうして怪奇SF映画を作り始めたエド・ウッド。ただし大きな問題がありました。そうです、彼には金も才能も全く無かったのです…。

【映画『プラン9・フロム・アウタースペース』のあらすじ】

預言者クリスウェル(本人)の口上で始まるこの映画。あの恐ろしい日に何が起こったのかを明らかにします。

あの運命の日、飛行機の操縦士ジェフ・トレント(グレゴリー・ウォルコット)は、”この世の物とは思えない”飛行物体を目撃します。それは外宇宙からやって来た宇宙人の乗る円盤でした。

地球人の軍拡競争が、宇宙に与える影響を恐れた宇宙人。しかし愚かな地球人は彼らのメッセージどころか、彼らの存在すら認めようとしません。

やむなく宇宙人は“第9計画”を実行します。墓場に眠る死人を復活させれば、愚かな地球人も我々の存在を認めるに違いない!

愛する妻を失った傷心の老人(ベラ・ルゴシ)は、自動車事故で亡くなり埋葬されます。その墓地で老人は吸血鬼スタイルで蘇ります。どう見てもベラ・ルゴシには見えませんが。

老人の妻(ヴァンパイラ)も、事件を捜査していて死者に殺害された巨漢の刑事(トー・ジョンソン)も蘇り、恐怖に包まれる人々。ついに宇宙人は愚かすぎる人類にブチ切れ、物語は誰も想像できない(…)ラストを迎えます。

ダメな映画の愉しみ方を広めた迷作

何とも酷いあらすじ紹介ですが、映画の酷さはこれを上回ります。一つ間違えば映画は、ここまでボロボロになるというお手本。かつて海外の映画学校で『市民ケーン』と本作、つまり“最高の映画”と“最低の映画”を見せる授業があったと聞き、妙に納得させられました。

当然この失敗作は公開時、まともに上映されませんでした。しかし後にTVで繰り返し放送されると、誰もがこの映画の奇妙さに気付きます。そしてビデオの時代が到来すると、そのおかしさを皆で話題にし、楽しむ様になりました。

『プラン9・フロム・アウタースペース』はB級映画のそんな楽しみ方を、世に広める役割を果たしたのです。

この映画が日本で見れなかった、情報の乏しかった時代には、本作は悪徳な映画製作者が、落ちぶれた怪奇スターを喰い者にした作品である、と思われていた時期もありました。

しかしビデオで作品の鑑賞が可能となり、この映画を楽しむ海外のファンの姿勢が伝わってくると、その評価は変わってきます。そしてティム・バートンの『エド・ウッド』が公開され、この映画の裏側にいた人々の姿も、正しく伝えられました。

この後本作よりヒドい映画は、続々誕生したかもしれません。しかし世界のB級映画ファンに与えた影響の大きさで、本作を超えるサイテー映画は、今後も登場しないかもしれません。


(C)Legend films.

今だ衰えぬ破壊力を持つ、本作のカラーバージョンが、何と2020年日本で劇場公開される快挙を成し遂げます。その衝撃(笑撃?)は体験の価値ありです。

まとめ

1950年代の洋画ホラー映画5選は、いかがでしたか。

この時代のアメリカのホラー映画を代表する、“B級映画の帝王”ロジャー・コーマンの作品や、様々な仕掛けで映画を売り込んだ、“ギミックの帝王”ウィリアム・キャッスルの作品など、紹介すべき作品は多数あります。

しかし現代の映画に与えた影響と、今見ても衰えぬインパクトを持つ作品を基準に5つ、選ばせて頂きました。

ハリウッドが世界の映画市場を独占する時代が続いていますが、この頃はまだまだ世界各国の映画が対等に近い力を持ち、互いに影響を与えあっていました。

ハマー・プロのホラー映画の成功と、B級映画の台頭はアメリカの映画人に刺激を与えます。そして世界に様々な映画が登場する中、表現を規制するヘイズコードは力を失っていきます。

このような背景の中で次の10年には、どのようなホラー映画が誕生するのでしょうか…。

【連載コラム】『増田健ホラーセレクション』一覧はこちら



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