Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2019/01/06
Update

『アクアマン』あらすじとキャスト解説。“DC映画史上最高のマーベル映画⁈”とまで賞賛されたヒーローの魅力とは|最強アメコミ番付評20

  • Writer :
  • 野洲川亮

連載コラム「最強アメコミ番付評」第20回戦

あけましておめでとうございます、野洲川亮です。

本年もアメコミ好きな方、これから好きになるであろう皆様に、アメコミ映画の魅力をお伝えしていきます。

今回は2月8日に日本公開となる『アクアマン』の情報をご紹介します。

すでに2018年12月に世界各地で公開され、大ヒット、大絶賛を浴びている本作の魅力を、日本公開前に探っていきます。

【連載コラム】『最強アメコミ番付評』記事一覧はこちら

映画『アクアマン』とは

アクアマンことアーサー・カリーは、海底の帝国アトランティスの王女を母に持ち、人間の血も引いており、人間として地上で育てられました。

アトランティスが地上へと攻め入り、人類の支配を狙う戦いを仕掛ける中で、アクアマンもアトランティスとの戦いに身を投じていきます。

「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズ(以下、DCEU)第6作品目となる本作で、主役アクアマンは、2017年公開『ジャスティス・リーグ』で同役を演じ、人気テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」でも知られるジェイソン・モモア。

また共演にアンバー・ハード、ウィレム・デフォー、ニコール・キッドマンと、豪華キャストを迎えています。

監督には「ソウ」シリーズ、『ワイルド・スピード SKY MISSION』などを手掛けたジェームズ・ワン。

製作総指揮に『バットマンVSスーパーマン』などDCEUシリーズを数多く生み出したザック・スナイダーが務めています。

全世界で大絶賛を浴びるアクアマン

『アクアマン』の日本公開は2019年2月8日ですが、アメリカ、中国など世界では一足早く2018年12月に公開されてました。

その興行収入は2019年1月時点で、すでに世界累計で8億ドルを超えており、『ワンダーウーマン』を抜いて、DCEUシリーズ史上2位の記録を挙げており、『バットマンVSスーパーマン』を超えての史上1位も目前です。

さらに同じDCコミック映画としては、『ダークナイト』、『ダークナイト ライジング』に次ぐ、10億ドルの快挙も見据えるほどの歴史的大ヒットを記録しています。

しかし、これだけであれば近年のアメコミ映画では珍しくないことですが、興味深いのは内容の絶賛評が数多く届けられていることです。

DCファンを興奮させた“正統派の冒険映画”

その感想の中で目立つのは「正統派の冒険映画」というものであり、ヒーローの誕生譚としても作劇の完成度を言及されています。

他のアメコミ映画、『ワンダーウーマン』や『ブラックパンサー』と比較され、賞賛もあります。

本作『アクアマン』の公開までの流れが、上記2作と同様に他のシリーズで初登場した後、単独作が製作され、大ヒットや大絶賛を受けている点も、とても興味深い現象です。

面白いところでは、本作を「DC映画史上最高のマーベル映画」という評があり、SNS上でもその表現を巡り物議を呼びました。

その感想の真意は、単に演出を真似ているという意味ではなく、映画の見せ場や売り、観客へのアピール、サービスポイントを、作り手がしっかり理解し提供できている点を、マーベル映画の完成度と比較して賞賛しているということです。

こういった作品としての完成度もさることながら、ジェイソン・モモアを始めとするキャストの演技にも高い評価が与えられていて、本作の魅力の多さ、作品としての奥行きがあることも期待させるものとなっています。

主演俳優ジェイソン・モモアの魅力

View this post on Instagram

#Aquaman takes over New York! Follow the Aquaman World Tour on YouTube Now.

Aquaman Movieさん(@aquamanmovie)がシェアした投稿 – 2018年12月月10日午後4時46分PST

主演のジェイソン・モモアは、ハワイ生まれのアメリカ人で、ハワイの先住民族、ドイツ系、アイルランド系、アメリカ州の先住民族の血を引いている、本人のバックボーンがそのままアクアマンの設定に当てはまっています。

モデルとして活動していたモモアは、1999年にテレビシリーズ「ベイウォッチ」で俳優デビュー。

その後は先述した通り、「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズでブレイクし、『バットマンVSスーパーマン』でカメオ出演の形で初めてアクアマンを演じ、『ジャスティス・リーグ』で本格的なDCEUシリーズデビューを飾ります。


(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

筋骨隆々でたくましく、一見して頼りがいあふれるワイルドな風貌とセクシーさも兼ね備えたモモア。

『ジャスティス・リーグ』では、いわゆる“筋肉バカ”とは一線を画す知性とユーモアも垣間見せ、単独主演作となる本作でアクアマンというキャラクターを、さらに深みのあるものへと昇華させてくれる期待を抱かせます。

また海洋生物と意思疎通ができ、水中で自在に活動できるという“アクアマンならではの能力”は、『ジャスティス・リーグ』ではあまり発揮する場面が見られませんでしたが、海が舞台となる本作では、海中でのアクションも存分に見られることとなることでしょう。

ちなみに、モモアはフリークライマーとして、シューズメーカーからスポンサードされるほどの実力も持ち合わせており、多ジャンルでその肉体的魅力を発揮している人でもあります。

ヒロイン役を射止めたアンバー・ハード


(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

ヒロインのメラを演じたのは、『ラム・ダイアリー』などに出演していたアンバー・ハード。

同作でジョニー・デップと共演後に結婚し、その後ドロ沼離婚劇を繰り広げた“お騒がせ女優”という、あまり良くない形で名が知られることになった人です。

その万人を引き付ける魔性的美貌は、一時期のスカーレット・ヨハンソンを彷彿とさせるほどの圧倒的な色気を振りまいています。

さらに、本作に向けてハードなトレーニングを積んだことも明かしており、アクションの面でもどういった表現を見せてくれるのか、注目のポイントとなります。

監督ジェームズ・ワンが挑む新たなジャンル

監督を務めたジェームズ・ワンは、まだ無名時代に監督した『ソウ』(2004)が世界的大ヒットを記録し、“ソリッド・シチュエーション・ホラー”という新たなジャンルを確立させるキッカケともなりました。

その後「ソウ」シリーズでは製作を務め、さらに「死霊館」、「インシディアス」シリーズとホラーシリーズを次々とヒットさせていきました。

参考映像:『ソウ』(2004)

ホラー映画の監督という印象も強い監督ですが、『ワイルド・スピード SKY MISSION』で全世界興行収入歴代第7位となる記録を叩き出しており、大作アクションでは欠かせない派手な見せ場の連発を描く演出手腕も持ち合わせています。

これまでの映画ではほとんど描かれてこなかった、海中での人間同士のバトルアクションという未知の映像表現がどのように描かれているのか?

先述した海外での絶賛評からも、大いに期待が持てるでしょう。

次回の「最強アメコミ番付評」は…


(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

いかがでしたか。

『アクアマン』は、また日本公開後に考察記事をアップしていきます。

次回の第21回戦は、DCEUシリーズ第3作となる、悪役たちのオールスター映画『スーサイド・スクワッド』を考察していきます。

お楽しみに!

【連載コラム】『最強アメコミ番付評』記事一覧はこちら

関連記事

連載コラム

【ネタバレ】シンウルトラマンはつまらない?賛否両論への考察解説から見えた“愛の原点”を知るヒントの物語|光の国からシンは来る?15

連載コラム『光の国からシンは来る?』第15回 1966年に放送され、2021年現在まで人々に愛され続けてきた特撮テレビドラマ『空想特撮シリーズ ウルトラマン』(以下『ウルトラマン』)を基に描いた「空想 …

連載コラム

『ザ・コントラクター』ネタバレあらすじ結末と感想評価。復讐アクションおすすめ洋画をクリス・パインが熱演|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー105

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第105回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞 …

連載コラム

映画『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』感想レビューと評価。レクター博士とは対照的な“ぶざまな”殺人鬼|メランコリックに溺れたい4

連載コラム「メランコリックに溺れたい」第4回『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』 前回の連載コラムで取り上げた、テッド・バンディに続いて、実在した連続殺人犯の物語です。 1970年代のドイツを舞台にした …

連載コラム

SNS-少女たちの10日間-|映画感想とレビュー解説。ネット募集の結末に女性たちは何を見たのか⁈|だからドキュメンタリー映画は面白い59

連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』第59回 今回取り上げるのは、2021年04月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開の『SNS-少女たちの10日間-』。 チェコを …

連載コラム

ヘルレイザー|ネタバレ結末感想とあらすじの考察解説。ラストでピンヘッドら魔導士が“与えるもの”とは|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー50

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第50回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞す …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学