過去と現在が交差する、名探偵コナン劇場版シリーズ第25作!
ゴールデンウィークを彩るアニメ映画として今や定番の「名探偵コナン」シリーズ。原作漫画は100巻を突破し、日本のエンターテインメントを支える一角を担う「名探偵コナン」の劇場版映画は、毎年さまざまな要素で鑑賞者を楽しませてくれます。
そんな「名探偵コナン」シリーズの2022年の劇場版映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』は、シリーズ屈指の人気キャラクター安室透が再び物語の鍵を握る作品。
シリーズ25作目となる『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(2022)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
CONTENTS
アニメ『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』の作品情報
【公開】
2022年(日本映画)
【監督】
満仲勧
【脚本】
大倉崇裕
【キャスト】
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、高木渉、湯屋敦子、古谷徹、白石麻衣
【作品概要】
『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』(1997)から始まった劇場版「名探偵コナン」シリーズ第25作。
漫画「ハイキュー!!」のアニメシリーズを手がけた満仲勧が監督を務め、『名探偵コナン から紅の恋歌』(2017)で脚本を担当し、推理作家としても活躍する大倉崇裕が本作でも脚本を務めました。
アニメ『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』のあらすじとネタバレ
お互いに警視庁の刑事であり、交際している高木と佐藤の結婚式に参加したコナンと少年探偵団の仲間たち。
その式の最中、突如暴漢たちが押し入ります。毛利小五郎を始めとした参列者たちが暴漢を取り押さえようとしますが、暴漢のひとりに高木が撃たれてしまいます。しかしその銃弾はペイント弾であり、この結婚式が「演習」だったことが目暮警部によって明かされます。
実は、ハロウィンの日に結婚式を行う予定である警察OBの村中に脅迫状が届いており、目暮を始めとした捜査一課がその警備に当たるため、コナンたちにも内緒で演習を行っていたのでした。
その頃、警視庁・公安警察の安室と風見は、3年前に連続爆破事件を起こした犯人が何者かの手引きで脱獄したことを知り、その爆弾犯を立体駐車場へと追い詰めていました。
追い詰められた爆弾犯は何かに怯えている上に特殊な形状の首輪を着けており、異常を感じた安室は爆弾犯に近づく風見に警告しますが、その直後に首輪は大爆発を起こし風見が吹き飛ばされてしまいます。
風見の脚を掴み、かろうじて立体駐車場からの落下を阻止した安室。しかし身動きの取れない安室に近づく何者かが、安室の首に爆弾犯に着けられていた物と同型の首輪をはめました。
村中の結婚式でスピーチと警護を依頼されたた小五郎は、娘の蘭とコナンたち少年探偵団と共に警視庁へと向かう最中に、ロシア人の男性と遭遇。
男性が落としたメモを灰原哀が男性に渡しその場を去ると、男性の持っていた焦げたタブレットが爆発。近くにいた灰原が道路へと吹き飛ばされます。小五郎は走るトラックから灰原を庇ったことで意識不明の重傷を負い、この事件は捜査一課の管轄となります。
現場検証に残るコナンの指摘によって、目暮や佐藤は死亡した男性の胸ポケットから「捜査一課 松田陣平」と書かれた名刺を発見。松田は3年前に爆発物処理班から捜査一課に赴任してから僅か一週間で、爆弾犯の仕掛けた爆弾の解除中に殉職した刑事でした。
佐藤たちはその一週間の中で松田が接触した可能性のある人間を調べ、警察学校の同窓生である「降谷(安室の本名)」に行き着きますが、公安の風見によって捜査の差し止めを受けてしまいます。
その日の夜、コナンは公安警察によって連行されると地下シェルターに案内され、そこで強化ガラスで仕切られた空間内にいる安室と出会います。
安室は3年前の松田が死亡する前日、同窓生である松田と伊達、そして諸伏の4人で「プラーミャ」と呼ばれる爆弾を用いる世界的な殺し屋を追い詰め、諸伏が肩に銃弾を撃ち込みながらも取り逃がした過去を話します。
今回の警視庁での事件と安室の首に着けられた爆弾がプラーミャの仕業であると話す安室は、コナンに事件の全貌解明への協力を依頼しました。
翌日、コナンと蘭は小五郎の見舞いに来た村中とその恋人クリスティーヌに誘われ、式場である渋谷のヒカリエに招かれます。
またクリスティーヌの友人からの荷物の受け取りを頼まれた少年探偵団は指定された廃ビルを訪ねますが、そこには安室から資料として写真をもらっていた、プラーミャの爆弾と同型のものが設置されていました。間一髪で爆破から逃れたコナンは、電気ポットと服を使って爆弾の一部を持ち出すことに成功し、風見に分析を依頼します。
その後、廃ビル周辺の聞き込みを行う捜査一課の千葉が何者かに誘拐され、犯人たちは松田陣平を交渉の場に呼ばせようとします。
顔つきが似ている高木が松田として現場に向かうことになり、高木はそこでロシア人であり、夫と息子を爆弾によって殺されたエレニカが結成したプラーミャへの復讐を目的とした組織と接触。
エレニカはプラーミャの殺害を目的としており、そのためにかつてプラーミャの爆弾の解除に成功した唯一の存在である松田から情報を得ようとしていたのです。また警視庁前で死亡したロシア人男性がエレニカの兄オレグであることも分かり、エレニカが自身の組織の人間を総動員し日本で決着しようとしていることも判明します。
しかし目を覚ました千葉の失言により松田が殉職していることがばれてしまい、高木と千葉は一転窮地に陥ります。そこに尾行していたコナンの機転によって佐藤たちが突入し、エレニカたちは取り逃したものの、高木と千葉の救出には成功しました。
アニメ『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』の感想と評価
かつてない規模の計画が暗躍するハロウィンミステリー
名探偵コナンの劇場版と言えば、終盤に巻き起こる大規模な爆発や崩壊も映画の見どころの一つです。
シリーズのお馴染みでもあるこの要素は、比較的序盤から対象となる建物や乗り物などの描写を通じて、「どうなるんだろう」というドキドキ感を盛り上げています。
その一方で、本作では犯人の目的が終盤まで明らかにはされず、物語は犯人の正体と共に目的を探るミステリーとして丁寧に展開されており、シリーズファンもいつもとは異なるテイストに心を揺さぶられます。
世界各地で多くの人間を殺害した殺し屋「プラーミャ」が日本で起こす爆殺事件。
その事件がやがてかつてない規模の計画につながっていく、大人から子供まで幅広く楽しむことのできるミステリー映画となっていました。
過去によって紡がれる物語
本作で物語の鍵を握るのは、テレビアニメシリーズでもコナンの事件捜査を支えている捜査一課の高木刑事と佐藤刑事、そして警視庁・公安警察の安室透。
中でも安室透は、物語のメインキャラクターとなった第22作『名探偵コナン ゼロの執行人』(2018)で約92億円の興行成績を記録されるなどシリーズ屈指の人気キャラクターとなっており、映画への再登場が待ち望まれていました。
今回は安室の警察学校時代の同級生であり、既に殉職した4人の友人が物語のメインキャラクターとして劇場版に初登場。
多くの人を守るために命を落とした友人たちが遺した言葉や証拠が事件解決の糸口となる展開を見せてくれる本作は、安室の抱える痛みとそれゆえの強さが垣間見える作品となっていました。
まとめ
常に時代や話題の最先端を取り入れ発展し続ける名探偵コナンの劇場版シリーズ。
失った仲間たちの信念を受け継ぎ前へ進む安室透、その身を盾にして市民の安全のために戦う高木と佐藤、そして事件に秘められた真実に迫ることで全員を守ろうとするコナン。
劇場版第25作となる『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』は、「過去が未来につながる」という言葉にしてみると当たり前のことの重要さをスリリングに描いた作品になっており、スポットが当たるキャラクターたちの魅力がより深まっていました。
また本作では、2023年公開の第26作では「黒の組織」の一人でありコナンとは因縁深いジンの登場が予告されており、今から2023年のゴールデンウィークが楽しみでならないです。