映画『ペット2』は2019年7月26日ロードショー!
イルミネーション・エンターテインメントが手がけ、飼い主がいない間のペットたちが巻き起こす騒動を描いた人気アニメ映画「ペット」シリーズ。
ニューヨーク育ちの都会犬マックスが、田舎の牧場犬と出会った事で、新たに成長していく物語を描いた映画『ペット2』。
2016年に公開され、大ヒットした『ペット』の続編となる、本作の魅力をご紹介します。
映画『ペット2』の作品情報
【日本公開】
2019年(アメリカ映画)
【原題】
The Secret Life of Pets 2
【監督】
クリス・ルノー
【脚本】
ブライアン・リンチ
【声のキャスト】
パットン・オズワルト、エリック・ストーンストリート、エリー・ケンパー、ハリソン・フォード、ジェニー・スレイト、レイク・ベル、ケビン・ハート、ティファニー・ハディッシュ、ハンニバル・バレス、ニック・クロール、ダナ・カービ、ピート・ホームズ、ガース・ジェニングス、ボビー・モナハン
【吹き替え版キャスト】
設楽統、日村勇紀、佐藤栞里、内藤剛志、永作博美、沢城みゆき、中尾隆聖、伊藤沙莉、宮野真守、梶裕貴、かぬか光明、銀河万丈、青山穣
【作品概要】
個性豊かなペット達が巻き起こす騒動を描いた、「ペット」シリーズ最新作。
今作では、マックス、ギジェット、スノーボールがメインとなる、3つのエピソードが展開されます。
『怪盗グルー』シリーズを手掛けたクリス・ルノーが、前作『ペット』に続き監督を務めています。
映画『ペット2』のあらすじとネタバレ
【マックスの物語】
ニューヨークで、愛する飼い主のケイティと、相棒の大型犬デュークと暮らす、小型犬のマックス。
平穏な日常を過ごしていましたが、ケイティが突然結婚し、赤ん坊を授かります。
リアムと名付けられた赤ん坊は、マックスの尻尾を引っ張ったり耳を伸ばしたりと乱暴な接し方をする為、マックスはリアムを「リトルモンスター」と名付け、距離を置いていました。
ですが、リアムが成長し少し話せるようになった際に「大好きだよマックス」としゃべった事から、マックスの中でリアムへの意識が変わり、マックスは自身がお手本となり、リアムを正しく教育する事を決意します。
マックスは、日常生活の中に潜むさまざまな危険からリアムを遠ざけようと奮闘しますが、心配するあまり、全身にかゆみを感じる行動障害を発症し、動物病院に連れていかれてしまいます。
行動障害を抑制する為の器具を装着して帰宅し、内心落ち込むマックスに、デュークから嬉しい報告がありました。
家族で旅行に出かける事が決まり、マックスの大好きな車で遠出する事となったんです。
旅行当日、車に乗車しテンションが上がるマックスとデューク。
到着した先は、ケイティの夫の叔父が経営する牧場でした。ニューヨーク育ちのマックスは、田舎の牧場の雰囲気に馴染めず戸惑います。
そこへ、牧場犬のルースターが現れます。
ルースターは、神経質で小心者のマックスを馬鹿にした態度をとり、マックスはルースターを良く思いません。
ですが、デュークがルースターに憧れを抱くようになった為、マックスもルースターへの対抗心から、柵から出た豚を元の場所に戻そうと奮闘します。
豚の抵抗にあったマックスは、誤って羊の柵を壊してしまい、羊たちが外に出てしまいます。
事態に気付いたルースターにより、羊たちは元の場所に戻りますが、赤ん坊の羊、コットンが行方不明になります。
マックスとルースターは、コットンを探しに森の中へ出かけます。
【ギジェットの物語】
マックスと同じマンションに住み、マックスへ恋心を抱いているポメラニアン犬のギジェット。
ある日、ギジェットは旅行に出かけるマックスから、お気に入りの玩具“みつばち君”を「旅行から帰るまで預かってほしい」と頼まれます。
大好きなマックスに頼まれ、舞い上がるギジェットは、“みつばち君”を命がけで守る事を誓いますが、寝ていた時に誤って「みつばち君」を落としてしまいます。
“みつばち君”を追いかけたギジェットは、同じマンションに住む猫好きの老婆が住む部屋に、“みつばち君”が入っていった所を目撃します。
部屋の中は凶暴な猫だらけで、ギジェットは一度退散。同じマンションに住む、ポッチャリ猫のクロエに助けを求めます。
ギジェットはクロエの指導で、見事に猫になりきる事に成功し、ハムスターのノーマンと共に“みつばち君”奪還に挑みます。
【スノーボールの物語】
かつて、飼い主に捨てられたペットを集め、地下組織のリーダーとして君臨していたウサギのスノーボール。
しかし、女の子に拾われた事で、現在は再びペットとして、マックス達と同じマンションに住んでいます。
スノーボールは、飼い主の女の子の趣味でスーパーヒーローのコスチュームを着せられた事から、自ら「キャプテンスノーボール」と名乗り、ニューヨークの平和を守る為、日夜訓練していました。
そんなスノーボールに、依頼が舞い込みます。
依頼主は女の子のシーズー犬、デイジー。
デイジーが飛行機の中で会った、フーと名付けられた赤ちゃんのホワイトタイガーを、悪徳サーカス団の団長のセルゲイから、助けてほしいという内容でした。
スノーボールは、デイジーと共にサーカス団に潜入すると、鞭を持ったセルゲイが、フーを厳しく調教している場面に遭遇します。
牢に閉じ込められ、悲しそうな顔をしているフーを、スノーボールとデイジーは、見張りの狼と戦った後に救い出しました。
フーを助け出したスノーボールとデイジーですが、体も大きくヤンチャなフーの隠れ家探しに困ってしまい、スノーボールのアイデアで、老犬のポップスを訪ねます。
ポップスの飼い主は出張で留守にしている事が多く、フーの隠れ家には最適でしたが、一晩で部屋をめちゃくちゃに荒らした為、ポップスから突き返されてしまいます。
困ったスノーボールは、旅行中のマックス達の部屋にフーを隠しました。
一方、フーが逃げた事を知ったセルゲイは怒り狂い、街に追っ手の狼を放ちます。
映画『ペット2』の感想と評価
飼い主が留守の間、ペットたちはどう暮らしているのか?という発想から生まれた、映画「ペット」シリーズ。
第1作『ペット』は2016年に公開され、飼い主の帰りを待つだけの生活を送っていたマックスが、トラブルにより、マンションに帰れなくなった事から始まるという、冒険の物語でした。
冒険を通してデュークとの友情を育み、周囲の仲間の素晴らしさを実感し、マックスが成長する過程を描いています。
続編となる本作『ペット2』は、『ペット』に登場した主要キャラの個性をパワーアップさせ、キャラクター優先の物語になっています。
マックス、ギジェット、スノーボールの物語が同時進行で進められ、クライマックスでそれぞれの展開が収束する構成を、軽快なテンポで見せていく、楽しい作品となっています。
3つの物語に共通しているテーマは、困難に挑む大切さ、挑戦する事の必要さです。
そして、困難や都合の悪い事から、子どもたちの目を背けさせようとする大人たちを皮肉的に描いてもいます。
リアムを正しく育てようとしたマックスは、あらゆる危険からリアムを遠ざけようとするあまり、行動障害と診察されました。
これは、近年の暴力描写や性描写に過剰に反応する世間の様子を風刺していると感じます。
それを強調する、こんな場面があります。
田舎に行ったマックスが、リアムに『赤ずきんちゃん』を読み聞かせようとしますが、赤ずきんちゃんが狼に襲われる内容を知り、急いで本を閉じて、物語の内容をごまかして伝えようとするんです。
その様子を見ていたルースターが「ありのままを伝えれば良い、どう思うかは子どもに任せろ」とマックスに言うのですが、このセリフに、本作のテーマが込められている気がします。
「ペット」シリーズを制作した、『イルミネーション・エンターテインメント』は、ミニオンズという、子どもに大人気のキャラクターを生み出しています。
その『イルミネーション・エンターテインメント』が、子どもへ神経質になりすぎている現代の大人に、皮肉的なテーマを入れているあたり、興味深いですね。
ただ、『イルミネーション・エンターテインメント』の人気作品「怪盗グルー」シリーズも、悪党だったグルーが子どもと出会った事で、人間的な成長を見せていく物語です。
『イルミネーション・エンターテインメント』のテーマは一貫して、子どもの持つ純粋な力と、それを信じる必要性を大人に訴えていると言えるでしょう。
ただ、難しい事は抜きに、愛らしいペットたちの活躍を楽しめるエンターテイメント作品なので、同時上映のミニオンズの短編作品と共に、お楽しみ下さい。
まとめ
『イルミネーション・エンターテインメント』作品の面白さは、映画好きの大人であれば、思わず笑ってしまう演出が盛り込まれている部分でもあります。
『ペット2』でも、マックスが動物病院で出会う、双子の子猫が不吉な印象を与えており、ホラー映画の名作『シャイニング』へのオマージュを感じます。
また、老婆と猫たちを引き連れて、スローモーションで勇ましい様子で歩くギジェットは、映画『アルマゲドン』の出撃シーンのようですし、サーカス列車でのスノーボールと子ザルの戦いでは、スノーボールがブルース・リーのような動きを見せています。
攻撃を出す前に、奇声を発する辺り、間違いなく意識しているでしょう。
子どもだけでなく、大人も楽しめるように、徹底して細部まで作り込んだ作品が魅力の『イルミネーション・エンターテインメント』。
次回作は、どのようなテーマで、誰を主役に制作されるのでしょうか?
今後も目が離せないですね。
映画『ペット2』は2019年7月26日より全国ロードショーです。