NETFLIX映画『泣きたい私は猫をかぶる』
森見登美彦の小説をアニメ映画化した『ペンギン・ハイウェイ』(2018)が話題となったアニメ制作会社スタジオコロリド。
新型コロナウイルスの影響によって様々な作品が公開延期を迎える一方で、映像配信サービスでは多くの作品が予定通り公開されています。
今回はスタジオコロリドの最新作であり、映像配信サービス「Netflix」が独占配信する最新アニメ映画『泣きたい私は猫をかぶる』(2020)をネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
NETFLIX映画『泣きたい私は猫をかぶる』は6月18日(木)からNetflixでの独占配信
映画『泣きたい私は猫をかぶる』の作品情報
【配信】
2020年(Netflix限定配信)
【監督】
佐藤順一、柴山智隆
【キャスト】
志田未来、花江夏樹、寿美菜子、小野賢章、川澄綾子、山寺宏一
【作品概要】
長井龍雪、田中将賀と共に「超平和バスターズ」というユニットで『心が叫びたがってるんだ。』(2015)や『空の青さを知る人よ』(2019)といった作品の原作を手掛けてきた岡田麿里が脚本を担当したNetflix独占配信映画。
子役の頃から女優としての活躍を続ける志田未来主人公ムギの声を演じ、ムギの想い人日之出の声優は大ヒットとなったアニメ「鬼滅の刃」で主人公を演じた花江夏樹が務めました。
映画『泣きたい私は猫をかぶる』のあらすじとネタバレ
両親が離婚し、父と父の新しい恋人の薫、そして彼女の飼い猫であるきなこと同居する中学生のムゲは夏祭りの夜にある能力を手にします。
同級生の男子、日之出に猛アタックするムゲは日之出本人に拒絶され、親友の頼子に心配されつつも自身だけが知る日之出の本性が好きで猛アタックを続けていました。
ムゲは祭りの夜に化け猫のお面屋から猫に変化することのできる仮面を貰い、猫の姿となって日之出の家に通っていました。
動物好きである日之出は、亡くした愛犬と同じ名前の「太郎」をムゲが化けた猫につけ、太郎が来るたびに手作りのご飯を振り舞うなど、愛情を注いできました。
日之出は工房を経営する陶芸家の祖父と母と姉の3人の家族を持ち、父を早くに亡くしたことから良い高校に行き学歴をつけることで家庭を支えることを母に望まれています。
一方、ムゲは薫の「ムゲの良き母になろう」という頑張りが苦手であり、再婚を選択した父の住む家にも居心地の悪さを感じ、想い人の日之出と結婚し家を出たいと切望していました。
日之出の家からの帰り、ムゲは仮面をくれた化け猫のお面屋に出会い、猫の顔を渡す代わりにムゲの人間としての顔をくれと言われますが、太郎の姿で日之出の情報を集めムゲの姿でアタックしたいムゲは拒否します。
翌日、相変わらず日之出に相手にされないムゲでしたが、学校で日之出が成績を上げたことに対し妬む男子生徒を一喝したムゲが怪我をしたことをきっかけに、ムゲは日之出と仲を少し縮めることに成功。
しかし、その夜、太郎としてムゲが日之出に会いに行くと経営難から日之出の母が工房を閉めること考えており、日之出がそのことにショックを受けていることを知ります。
進学校ではなく陶芸を専門とする学校に進みたいと思う日之出でしたが、気の強い母には言えそうにありませんでした。
日之出は太郎(ムゲ)に本当は祖父と共に陶芸を続けたいと思っており、ムゲのように言いたいことをはっきり言える性格になりたいと願っていることを話しました。
落ち込む日之出を見て、自分の気持ちを伝えたいと考えるムゲはその想いを手紙に書き渡そうとしますが、同級生にその手紙を読まれた挙句、日之出に押し付けがましい行動を嫌われてしまいます。
日之出に嫌われたことで傷心するムギは、家で薫に自分といることが辛いのではないかと言われ、父と母の離婚も、父と薫の再婚も全てが嫌であり全員が自分にとってどうでも良いと叫ぶとベランダから飛び出て、家を出て行きました。
空き地で誰かに好かれたかったことを呟き涙を流すムゲは猫の姿で日之出の家に泊まります。
朝、目を覚ましたムゲは現れたお面屋にムゲの人間としての姿はもう良いやと言うと、お面屋はムゲの人間の姿としての仮面を取り上げ、もう少ししたら完全に猫になり二度と人間に戻れないと言い去っていきました。
映画『泣きたい私は猫をかぶる』の感想と評価
主人公の美代が猫になることの出来る「仮面」を手に入れたことから、恋愛や家庭問題など自身の様々な問題と向き合う冒険の物語を描いた『泣きたい私は猫を被る』。
美代は幼馴染の頼子を除いた同級生たちからは「無限大謎人間(ムゲ)」と呼ばれるほど破天荒な性格が目立つ少女で、完全に相手にされていない想い人の日之出にも延々とアタックし続ける心の強さを持っているように見えます。
しかし、そんな姿は彼女の表向きの「仮面」であり、実際は両親の離婚や父親の再婚相手との距離感、そして自分を捨てた母親に対する失望感から目を背け、ただひたすらに「ポジティブ」を気取っているにすぎません。
猫の「仮面」と人間の「仮面」を巡る物語が進むうちに、彼女が自身の「仮面」に隠した悩みが融解していき、本当の自分自身と向き合っていく様子が温かく描写されており、様々な悩みを抱える人の多い現代だからこそ伝えたい物語なのだと感じました。
まとめ
いかがでしたか。
社会生活を生きる上で誰もが着けている表向きの自分と言う「仮面」。
その「仮面」に隠された自分自身と向き合いながら、「猫」としてのムゲが大冒険をすることとなる本作はどの年代の方にもオススメできる作品です。
映像配信サービス「Netflix」で、ぜひぜひこの最新映画を鑑賞してみてください。