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映画『耳をすませば』あらすじネタバレ感想。近藤喜文の最初で最後の監督作品を解説

  • Writer :
  • 若松れん

映画『耳をすませば』は、1995年に公開されたスタジオジブリの長編アニメーションで、これまでジブリ作品のキャラクターデザインや作画を支えてきた大黒柱・近藤喜文が初監督を務めた作品です。

漫画家・柊あおいの同名少女コミックをスタジオジブリがアニメーション映画化。

読書の好きな中学3年の少女・月島雫役の声を務めたのは本名陽子。ジブリ作品『おもひでぽろぽろ』の主人公の少女期の声で声優としてデビュー果たしました。

また1998年に46歳という若さで他界した近藤喜文監督にとって、最初で最後の監督作品となりました。

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映画『耳をすませば』の作品情報

© 1984 Studio Ghibli
【公開】
1995年(日本映画)

【原作】
柊あおい「耳をすませば」

【監督】
近藤善文

【制作プロデューサー】
宮崎駿

【声の出演】
本名陽子、高橋一生、立花隆、室井滋、露口茂、小林桂樹、高山みなみ、山下容莉枝、中島義実、飯塚雅弓、千葉舞、久我未来、村野忠正、吉田晃介、白石琢也、菅沼長門、鮎川昌平、岸部シロー、他

【作品概要】
映画『耳をすませば』は、柊碧いの同名漫画を原作に制作されたスタジオジブリ作品です。

ジブリ作品の作画やキャラクターデザインを手がけていた近藤喜文が初監督を務め、1995年に公開されました。

読書好きな主人公・月島雫が、小説を書きながら天沢聖司との恋を通して成長していく物語です。

天沢聖司の声を演じているのは、今注目の俳優・高橋一生。

また、本作は音にもこだわって制作されており、日本映画で初めてドルビーデジタルを採用した作品でもありますので、主題歌になっている「カントリー・ロード」の美しい音色にも是非耳を傾けてください。

映画『耳をすませば』のあらすじとネタバレ

月島雫は、読書が大好きでよく図書館で本を借りていました。

ある日、図書カードによく“天沢聖司”と書かれていることに気づいた雫は、彼がどんな人なのか気になり始めます。

すると、雫が借りた本の寄贈者に“天沢”という名が書かれていたため、雫はその寄贈者について尋ねてみることに…。

しかし、その人物に一歩近づきそうになった時、友人の夕子がやってきたので調べるのをやめてしまいます。

雫は彼女とベンチに座り、和訳したカントリー・ロードの歌詞と、替え歌のコンクリート・ロードの歌詞を見せて笑っていました。

雫が夕子と話しながら歩いていると、ベンチに本を置き忘れきたことに気づきます。

夕子を先に帰らせた雫はベンチに戻ると、置き忘れた本を読んでいる青年がいました。

青年は、雫が置き忘れた本であることに気づくと、彼女に向かって「コンクリート・ロードはやめた方がいい」と、からかいます。

遊び半分で作った歌詞をからかわれた雫は、「いやな奴!」と連呼して、コンクリート・ロードの歌詞を破り捨てました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『耳をすませば』ネタバレ・結末の記載がございます。『耳をすませば』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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後日。雫は、父親に弁当を届けるため図書館へ向かう電車に乗っていると、車内で1匹の太った猫に出会いました。

目的地に到着し、雫が電車を下りようとすると猫もまた同じ駅で電車を降ります。

気になった雫が猫の後を追ってみると、猫は地球屋という古道具屋に入っていきました。

店内に入った雫は、猫男爵の人形が気になって見つめていると、店主のおじいさんが猫男爵にはバロンという名前があることや、店内にある古時計について話してくれました。

その頃、ちょうど12時を知らせる鐘がなり、弁当を届ける途中だったことを思い出した雫は、急いで図書館に向かいます。

するとそこに、以前コンクリート・ロードの歌詞でからかった青年が自転車で、雫が店に置き忘れた弁当を持ってやってきました。

そして今度は、弁当箱の大きさで雫をからかいます。

新学期が始まると、雫は年配の先生に”天沢”について尋ねてみると、その人物は昔学校のPTA会長をしていた人の子供が同じ学校にいると聞き驚きます。

その後、雫は再びバロンのいる地球屋に向かいましたが店は閉まったまま。

雫が店先で、太った猫と座り込んでいると、あの青年がまたやってきました。

青年は、猫をムーンと呼んでいることを話しながら、雫を店内に案内します。

そこで雫は、青年が地球屋の孫であったことを初めて知ることになりました。

店内に入った雫は猫のバロンと再会すると、地下で青年がヴァイオリンを作っている様子を見かけます。

同じ年齢の青年が、ヴァイオリンを作っていることに感動した雫は、彼に何か1曲弾いて欲しいとお願いしました。

すると青年は、自分がヴァイオリンを弾く代わりに一緒に歌って欲しいといい、青年がヴァイオリンを弾き雫はカントリー・ロードを歌います。

そこに、店主のおじいさんが戻ってきて演奏に参加しました。

演奏を終えた後の自己紹介で、雫は青年が”天沢聖司”であることを知り、ヴァイオリン職人になるためイタリアに留学することを聞きます。

聖司と雫の距離が縮まってきた数日後、雫は聖司が2ヵ月後にイタリアへ留学すること、ずっと前から雫の存在を知っていたこと告げられました。

話を聞かされた雫は、夢に向かっていく聖司とは正反対に目標も定まらず足踏みしている自分に気がつきます。

そこで雫は、自分がどこまで出来るかを考え猫男爵バロンを主人公にした物語を書くことにしました。

執筆にのめり込むほどに成績が落ちてしまった雫は、執筆は勉強より優先するものなのかと母や姉から説教されてしまいます。

そんな雫に理解を示し背中を押してくれたのは、雫が真剣に執筆に取り組んでいた姿を見ていた父親でした。

父の理解もあり物語を完成させた雫は、一番最初に見せると約束していた地球屋のおじいさんに見せに行きます。

雫は、書いた物語をおじいさんに褒められると、何かから解放されたかのように涙を流しました。

その翌日の早朝。

雫が部屋の窓を開けるとそこには、聖司の姿がありました。

聖司は雫を自転車の後ろに乗せて高台へ向かい、ふたりで一緒に朝日が昇るのを眺めます。

すると聖司は、一人前のヴァイオリン職人になったら結婚して欲しいと雫にプロポーズし、雫は小さく「うん」と答えました。

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映画『耳をすませば』を観た感想と評価

『耳をすませば』の舞台になっているのは、東京多摩市にある聖蹟桜ヶ丘で、映画そっくりの街並みや風景が広がっています。

雫が、電車で出会った猫を追いかけるシーンにあった駅の改札や走った坂、地球屋や雫が住んでいる家も実在し、ラストでふたりが朝日を一緒に見た高台から見える景色は、夜は街の明かりが美しく広がり、昼間とは違う顔を見せて楽しませてくれます。

『風の谷のナウシカ』や『天空の白ラピュタ』など、ジブリ作品は異次元の世界を舞台したものが特徴的ですが、『耳をすませば』は、より視聴者に身近な世界観で描かれているのが魅力のひとつです。

繰り返し見るたびに色々発見できるという作品も多いのですが、『耳をすませば』は繰り返し見ることで自分自身も成長できる「成長型映画」。

また、悩みを抱えていたり置かれている立場、自分の成長と共になぜか違う世界観で見える不思議な作品です。

同じシーンを何度も観ているのに、全く違う捉え方ができたり、様々な感動や衝撃を与えてくれるので、キャラクターの心情も別の角度から見えたりします。

誰もが持っていた”純真さ”を思い出させてくれる作品でもあり、作られた設定にはない貴重な1作品です。

学生の方は社会人になってから、社会人の方はもう少し歳を重ねてからご覧頂ければ、その違いに気づくはずです。

まとめ

どの世代からも愛され、誰もが大切にしていたものを思い出させてくれる『耳をすませば』。

青春時代特有の悩みを乗り越えていく彼らの姿は、きっとあなたを前向きな気持ちにさせてくれるはずです。

ファンタジー性は少なく、現実的な世界が広がる青春映画なので、派手さはなくともきっとあなたの心に残る1作品になること間違いありません。

これを機に、もう一度青春を振り返ってご視聴してみてはいかがでしょうか?

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