アニメ映画『海獣の子供』は、2019年6月7日(金)より全国ロードショー。
独自の世界観でファンを魅了し続ける五十嵐大介の初長編漫画『海獣の子供』が長編アニメーションとして映画化。
本作のアニメーション制作を担ったのは『鉄コン筋クリート』などで知られるSTUDIO4℃。
映画音楽は『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』以来6年ぶりとなる久石譲が担当し、主題歌は誰もがその新曲を待ち焦がれていた米津玄師が担当しました。
CONTENTS
映画『海獣の子供』の作品情報
【公開】
2019年6月7日(金)(日本映画)
【原作】
五十嵐大介
【監督】
渡辺歩
【キャラクターデザイン・総作画監督・演出】
小西賢一
【音楽】
久石譲
【キャスト】
芦田愛菜、石橋陽彩、浦上晟周、森崎ウィン、稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹、田中泯、富司純子
【主題歌】
米津玄師 『海の幽霊」
【作品概要】
その独自の作風と世界観で多くのファンを持つ漫画家・五十嵐大介の初の長編作『海獣の子供』を原作とする長編アニメーション映画。
自然世界に対する畏敬を根底に映し出しながらも、“14歳の少女”琉花と“ジュゴンに育てられた兄弟”海と空のひと夏の出逢いを描きます。
アニメーションを制作したのは、映画『鉄コン筋クリート』で知られ、現在の日本アニメーション界の一角をも担っているSTUDIO4℃。本作が最新作となります。
メインキャストには、テレビドラマ『Mother』での名演やハリウッド作品への出演、直近では連続テレビ小説『まんぷく』にて史上最年少の“語り”に起用されるなど、今もなお女優としての活躍の場を広げ続けている芦田愛菜をはじめ、映画『リメンバー・ミー』の主人公ミゲルの日本語吹き替えを担当した石橋陽彩、NHK大河ドラマ『真田丸』にて真田幸村の嫡男・大助を好演した浦上晟周、スティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』にて大抜擢された森崎ウィンと、劇中キャラクターの年齢に近い等身大のキャスティングが実現しました。
そんな彼らを支えるのが、稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹、田中泯、富司純子といった実力派俳優陣です。
また本作の音楽を担うのは、世界的作曲家にして映画音楽界の巨匠・久石譲。長編アニメーション映画を手掛けるのは、スタジオジブリ制作の『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』以来6年ぶりとなります。
映画『海獣の子供』のキャラクターとキャスト
安海琉花(芦田愛菜)
女子中学生。自分の気持ちを素直に伝えるのが苦手。
海(石橋陽彩)
ジュゴンに育てられた少年。海の中で暮らしてきました。
空(浦上晟周)
ジュゴンに育てられた少年。海の兄で物事を見透かしたような態度をとります。
ジム・キューザック(田中泯)
海と空を保護し研究をしてきた学者。
アングラード(森崎ウィン)
ジムの弟子ではあるものの、違う考えを持つ部分もあります。
デデ(富司純子)
自称海の便利屋。海の子供たち、誕生祭のことなどに精通しています。
安海正明(稲垣吾郎)
琉花の父親。水族館でスタッフとして働いています。
安海加奈子(蒼井優)
琉花の母。想いを伝えるのが苦手で現在は休職中。時には酒に奔ってしまうことも。
映画『海獣の子供』あらすじとネタバレ
中学生の琉花はハンドボール部で活躍していますが、人に気持ちを伝えることが苦手で、部員ともトラブルを起こしてしまいます。
夏休み初日だというのに部活で揉め事を起こしてしまった琉花は、もう来なくていいと言い渡されてしまいます。
居場所を亡くした琉花が向かったのは、父親の正明が働いている水族館でした。そこは彼女にとって、まだ家族の仲が良かった頃、よく連れてきてもらっていた思い出の場所でした。
水族館にやってきた琉花は、そこで海という少年に出会います。そして正明から、彼がジュゴンに育てられ、これまで海中で生活してきた少年だと聞かされます。海はその成長過程もあって、常に水に触れていなくてはいけない特異体質でした。
海は琉花を誘って、“人魂”を見に行こうと言い出します。人魂とは隕石のことでした。
海には空という兄がいて、彼らを発見し保護している学者のジムによって精密検査を受けていました。
やがて琉花は空とも出会いますが、空の総てを見透かしたような物言いに、琉花は抵抗感を感じてしまいます。
ところが、台風の夜、嵐と共に海に入った空は姿を消します。
映画『海獣の子供』の感想と評価
クライマックスの映像の奔流は『2001年宇宙の旅』か?『新世紀エヴァンゲリオン』か?
『海獣の子供』の見どころは、なんといってもクライマックスの“誕生祭”の壮大な映像の奔流です。
さながら『2001年宇宙の旅』のいわゆるスターゲートのシーンや『新世紀エヴァンゲリオン』のサードインパクトのシーンを思い起こさせる一大映像スペクタクルに仕上がっています。
富司純子演じるデデの解説が時々挿入されていて、イメージの補完をしてくれていますが、これはあくまでも補完要素なだけで、やはり見た人が身体で映像を浴びて、感じるというのが正解なんだと思います。
「不器用な少女が夏休みに不思議な少年たちと出会って…」という典型的なジュブナイル的な導入部分から、一気に壮大な物語に展開していくので、やや面食らう部分もありますが、日本のアニメーションの底力を感じる場面でもありました。
まとめ
圧倒的な映像のスペクタクルによって、誰も見たことがない海の世界、未知の世界へと、劇場に訪れた観客たちを引き込んでいくであろうアニメーション映画『怪獣の子供』。
宮崎駿監督の再始動宣言などもありましたが、スタジオジブリが活動を縮小した現在、才能が各所に散らばり、新しい拠点を築き始めつつあります。
そのような状況下で、今後どのような長編アニメーションの傑作が誕生するのか。そんな楽しみを感じさせてくれる作品です。