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Entry 2020/08/19
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ドラえもん映画2020 のび太の新恐竜|ネタバレあらすじと感想評価レビュー。ピー助とひみつ道具がオマージュとして登場!

  • Writer :
  • 石井夏子

『映画ドラえもん のび太の新恐竜』は2020年8月7日(金)より全国ロードショー。

「ドラえもん」の漫画の連載開始から50周年、さらに1980年に公開された長編第1作目『映画ドラえもん のび太の恐竜』から40作目を迎えた2020年。

そんな記念すべき作品『映画ドラえもん のび太の新恐竜』は、2020年3月に公開予定でしたが、新型コロナウイルスの感染状況ならびに新型コロナウイルス感染症対策本部において示された方針等に鑑み公開延期となっていました。

そして、5ヶ月後の2020年8月7日(金)に、ついに劇場公開。

第1作目『映画ドラえもん のび太の恐竜』とは異なりながらも、新たなアンサー作品となった『映画ドラえもん のび太の新恐竜』をご紹介します。

『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の作品情報

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

【公開】
2020年(日本映画)

【原作】
藤子・F・不二雄

【監督】
今井一暁

【脚本】
川村元気

【声のキャスト】
水田わさび(ドラえもん)、大原めぐみ(のび太)、かかずゆみ(しずか)、木村昴(ジャイアン)、関智一(スネ夫)、木村拓哉(ジル)、渡辺直美(ナタリー)、小野大輔(恐竜博士)、遠藤綾(キュー)、釘宮理恵(ミュー)、間宮康弘(ゴル)、下和田ヒロキ(トップ)

【作品概要】
国民的アニメ「ドラえもん」の長編映画40作目。シリーズ最高の興行収入53.7億円を打ち立てた『映画ドラえもん のび太の宝島』(2018)の監督・今井一暁×脚本・川村元気が再びタッグを組みました。

のび太と、双子の恐竜キューとミューの出会いから始まる物語を、長編映画シリーズ第1作『映画ドラえもん のび太の恐竜』(1980)とは異なるオリジナルストーリーで描きます。

『映画ドラえもん のび太の新恐竜』のあらすじとネタバレ

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

恐竜博に遊びに来た、のび太・しずかちゃん・スネ夫・ジャイアンたち。リアルな恐竜の模型や骨格標本がたくさん展示され、4人は大興奮。

化石発掘コーナーでは、恐竜博士が丁寧に恐竜の解説をしてくれます。

そこで「生きた恐竜を発見してみせる」と宣言したのび太は、もし発見できなかったら目からピーナッツを食べると、ジャイアンたちに約束してしまいました。

化石コーナーの外れでつまづいたのび太。見ると、大きな石の塊がありました。

恐竜の卵の化石と確信したのび太は、家に持ち帰り、ドラえもんから「タイムふろしき」を借りて石の塊を包みます。

翌朝、卵が割れ、中から2匹の双子の恐竜が生まれました。

ピンク色の体をした活発なメスはミュー、緑色の体をしたのんびり屋のオスはキューと名付けるのび太。

「宇宙完全大百科」で調べても同じ種類の恐竜は載っておらず、新恐竜のようです。

恐竜がいることは秘密にしながらも、恐竜博士のアドバイスを元に、キューとミューを自室で育て始めるのび太とドラえもん。

2匹の世話で寝不足ののび太は、いつも以上に学校の勉強や体育についていけません。逆上がりができないのび太は、放課後に練習しますが、ジャイアンたちにからかわれてすぐにやめてしまいます。

家に帰ると、ミューは翼を使って飛べるようになっていました。キューも飛ぼうとしますが、うまく羽ばたくことができずにいます。

2匹を自室で遊ばせるのが難しくなったため、「飼育用ジオラマセット」で2匹のための遊び場・ノビサウルスランドを作りました。

飛ぶのが上手になり、自分で川の魚も獲れるようになったミューに対し、まだ飛べず、餌ものび太が用意したものを食べるキュー。

大きくなった2匹を、しずかちゃん・スネ夫・ジャイアンに見せる日がやってきました。

本物の恐竜を見た3人は、のび太に恐竜博でのことを謝ります。キューとミューの鳴き声を不審に思ったママが、部屋の様子を見に近づきます。

ドラえもんが「空間移動クレヨン」で2匹を屋根の上に隠したため、ママには気づかれずに済みましたが、お隣さんが屋根の上の2匹を発見し、大騒ぎになってしまいました。

ひとまずノビザウルスランドに2匹を移動させた一同。現代で恐竜を飼うのには限界が来ていました。

次の日、キューとミューを、彼らが生まれた白亜紀後期に帰すことに決めます。ジャイアンたちも一緒に、いつものメンバーでタイムマシンに乗り込みましたが、トラブルにより誤ってジュラ紀に到着。

肉食恐竜のアロサウルスから逃げていた時に、のび太は「飼育用ジオラマセット」ノビサウルスランドを川に落としてしまいました。

なんとか逃げ切り、再びタイムマシンに乗る一同。今度は無事に白亜紀後期にたどり着きます。

「足あとスタンプ」でキューの足形をとると、同じ形の足あとが無数に地面に浮き上がりました。キューたちと同じ新恐竜の群れが、どこかに向かって大移動していたようです。

「たまご探検隊」に調査をさせ、それを追う一同。彼らを大きな白い猿が見張っていました。

足あと追跡の途中、ティラノサウルスに襲われますが、ひみつ道具「ともチョコ」をジャイアンが食べさせ、ジャイアンとティラノサウルスのゴルは友達になります。

同じく「ともチョコ」を使い、スネ夫はシノケラトプスのトップと友達になりました。

新恐竜の足あとは断崖絶壁で途切れています。崖の向こうは海です。一同は二手に分かれて調査を進めます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『映画ドラえもん のび太の新恐竜』ネタバレ・結末の記載がございます。『映画ドラえもん のび太の新恐竜』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

ジャンアン・ゴルと、スネ夫・トップ組は、例の白い猿の後をつけ、隠されたアジトを発見。その中は、様々な恐竜たちの標本が、近未来的な設備の中で飾られていました。

白い猿に捕まってしまう2人。猿の正体は、未来から来た人間・ジルでした。

一方、のび太たちは巨大な翼竜に襲われ、のび太とキューは海に落ちてしまいます。

不思議な夢を見るのび太。バスケットボールを、首の長い小さな恐竜と転がしている夢です。気を失ったのび太とキューを、大きなフタバスズキリュウが背中に乗せて運んでいました。

のび太たちは気がつくと、謎の島の浜辺に横たわっていました。ドラえもんとしずかちゃんとミューも、彼らを追って島にやってきて、無事に再会を果たします。

そこは、キューやミューと同じ新恐竜たちが暮らす島でした。

ミューはすぐに他の新恐竜たちと打ち解けますが、引っ込み思案で飛べないキューは、受け入れてもらえません。のび太はキューに飛ぶための特訓をさせるものの、ついきつく当たってしまい、キューと仲違いしてしまいます。

落ち込むのび太を、しずかちゃんがそっと励まします。のび太には、他者の気持ちになって考える優しさがあると。

囚われたジャイアンとスネ夫はというと、見張りの恐竜を「ともチョコ」で手懐け、牢から脱出。ジルがナタリーという謎の女性と交信しているのを盗み見ます。そこで、新恐竜たちが暮らす島の地図を見たジャイアンたちは、島の形から何かを思い出し、そのことを伝えるためにのび太たちの元に向かいます。

のび太とケンカ別れしたキューは、飛ぶ練習を続けていました。のび太はそんなキューの姿を見て、その隣で逆上がりの練習を始めます。

ジャイアンとスネ夫も合流。その時、巨大な流れ星が空を走ります。その流れ星こそが、恐竜が絶滅するきっかけとなった隕石のディープ・インパクトだと気付いたドラえもん。

のび太はキューたちを守ろうと、時間を戻すことができる「逆時計」を使おうとしますが、そこへジルとナタリーらがやってきて、のび太を拘束します。

かれらの正体はタイムパトロールで、この時代とそれに干渉するのび太たちを監視していたんです。

長官であるナタリーは、時代を改変させないよう諭しますが、のび太は聞く耳を持ちません。

ジルが「チェックカード」を使うと、のび太とキューにカードが反応します。「チェックカード」が反応したということは、彼らは歴史に影響を与えるべき存在ということ。

タイムパトロールたちはのび太の行動を見守ることにします。ですが、隕石落下による熱波はすぐそこに迫っており、時間がありません。

ジャイアンとスネ夫は、島の地図を見て気付いたことを伝えます。この島は、飼育用ジオラマセットで作った「ノビサウルスランド」にそっくりだったのです。

それを聞いたドラえもんは、ジュラ紀で落としてしまったノビサウルスランドのサイズ拡大装置が作動し、独自の発展を遂げたんではないかと推察。

それが事実であれば、飼育用ジオラマセットの天候調整機能を使って、島を熱波から守ることが可能だと言います。

「空間移動クレヨン」で、できるだけ多くの恐竜を島に移動させる作戦が開始。

ですが、のび太とドラえもんを巨大な翼竜が襲います。のび太を助けようと、キューは羽ばたき、ついに飛べるようになります。

巨大な翼竜は「スモールライト」で手のひらサイズにされ、「空間移動クレヨン」作戦も熱波が到達する直前に決行。多くの恐竜たちが無事に新恐竜の島に移動し、天候調整機能によって守られました。

タイムパトロールたちの「タイムマリン」に乗り、現代に戻ろうとするのび太たち。

キューやミューが飛んで追いかけますが、のび太は「またどこかで会える」と、彼らに別れを告げました。

そして現代。のび太は校庭の鉄棒で逆上がりの練習をしています。

何度も失敗を重ね、ようやく成功したその時、空を2羽の鳥が飛んで行きました。

『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の感想と評価

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

エゴイズムが世界を救う

本作は1980年公開の長編映画シリーズ第1作であり、2006年にリメイクされた『映画ドラえもん のび太の恐竜』(本記事では前作と表記します)とは異なるストーリーではありますが、前作を見ている人であればさらに楽しめること間違いなしです。

どちらも経緯は違えど、白亜紀に到着するまでの本筋はほぼ同じ。ですが、のび太の成長が大きなテーマとして組み込まれました。

前作では「育んだ命との別れ」が大きく描かれましたが、本作では、キューというのび太の鏡となるキャラクターを置くことで、のび太自身が己の弱さと向き合っていきます。

そして、大切な存在を守るためなら世界がどうなろうと構わないというエゴイズム全開ののび太の選択は、新海誠監督の『天気の子』(2019)にも通じる描写です。大多数が幸福でも、自分とそのまわりが幸福でなければ意味がない。

自己犠牲のヒーローではない、等身大の少年だからこそ、のび太の行動は心を揺さぶります。

そこで本作の大人のメインキャラクターである、ジルとナンシーのふたりの立ち位置が冴えてきます。初めはのび太の行動を止めようとしていたふたりが、見守る立場に変わるのです。

様々な懸念がありながらも、のび太を辛抱強く見守り、キューが羽ばたき空を飛ぶ瞬間を見届けた時のふたりの感動は、「親」として子どもや生き物を育てたことがある方なら、誰もが共感することでしょう。子どもが自ら成長する力は、大人の想像力を飛び越えていくのです。

『のび太の恐竜』の小ネタとオマージュ

前作を見ていればニヤリとする小ネタも満載。本作に登場するゴルなどのティラノサウルスは、前作と同じ真っ赤なボディですし、一瞬だけでてくる「桃太郎印のきびだんご」にもワクワクさせられます。

のび太の罰ゲームは、現代では笑えない「鼻からスパゲッティ」というリアルないじめから、ぶっ飛んだ「目からピーナッツ」になったことで、しっかり笑いとして成立していました。

「暗記パン」「ほんやくコンニャク」など、食べてみたいと思わされるひみつ道具が数多く存在する「ドラえもん」シリーズ。

本作でも「桃太郎印のきびだんご」に代わる「ともチョコ」が登場。半分こにして食べ合うと、どんな相手でも友達になれるというアイテムです。

相手を家来にしてしまう「桃太郎印のきびだんご」と違い、友達という対等な立場になれる「ともチョコ」。デザインもかわいいので、ぜひグッズ販売して欲しいですね。

そして本作最大のボーナスポイントは、のび太を助けるために数秒だけ登場したフタバスズキリュウの「ピー助」です。『映画ドラえもん のび太の恐竜』でのび太が白亜紀に帰したピー助が、のび太のピンチに駆けつけてくれた時の喜び。

ただ、おそらく本作と前作はパラレルワールドであり、お互いに深く交流することはありません。のび太とピー助の強い絆が、時空を超えて、記憶の断片としてささやかな時間彼らを結びつけたのでしょう。

新恐竜の島が守られた後も、一瞬だけピー助らしき恐竜の後ろ姿が見られますので要チェックです。

まとめ

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

長らく休業や、新作の封切りが見送られてきた映画館。

本作『映画ドラえもん のび太の新恐竜』が、久々の大作アニメの劇場公開となりました。

鑑賞した埼玉県内のユナイテッド・シネマでは、家族同士が隣に座れるよう、【家族deだんらんシネマ】という上映会を実施していました。

他のグループとは間隔がきちんと空いていながらも、家族一緒に映画を観られる配慮はとてもありがたかったです。

場内も常に換気されており、上映前、上映後の出入口も混み合わないようにしっかり整備されていました。

それでも、従来ならばたくさんの観客で賑やかな映画館は閑散としており、場内も10組程度が鑑賞しているのみ。

なかなか映画館に出向くのも難しい現状ではありますが、気持ちが塞ぎがちないまだからこそ、映画館での映画鑑賞は、旅行に出かけたような贅沢な2時間となりました。

また、入場者全員プレゼントの『映画ドラえもん のび太の新恐竜 まんがBOOK』も読み応え抜群で、全5種類集めたくなってしまいますね。

『映画ドラえもん のび太の新恐竜』は2020年8月7日(金)より全国ロードショーです。

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