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Entry 2024/06/08
Update

【8話ネタバレ】忘却バッテリー|感想評価とあらすじ解説。土屋和季の才能は?新センターとの出会いで皆が思い出す“野球をやめた記憶”

  • Writer :
  • 谷川裕美子

2次元野球ゲームオタクの土屋和季が野球部に合流!

「少年ジャンプ+」にて連載中の、みかわ絵子による大人気高校野球漫画をテレビアニメ化した『忘却バッテリー』。

完全無欠の豪腕投手の清峰葉流火と、記憶喪失となった元・切れ者キャッチャーの要圭を主人公に、ひたむきな若者たちの姿を熱く描きます。

テレビアニメ第8話にて、藤堂らの厳しいしごきに耐えかねて屋上に逃げた圭が出会ったのは、2次元野球ゲームが好きな陰の薄いオタク少年・土屋和季でした。

野球部の仲間とはまったくタイプの違う土屋でしたが、彼の持つ才能に皆惚れ込むこととなります。新生野球部が動き始める第8話をご紹介します。

アニメ『忘却バッテリー』の作品情報

【放送】
2024年(日本アニメ)

【原作】
みかわ絵子

【監督】
中園真登

【制作】
MAPPA

【キャスト】
増田俊樹、宮野真守、阿座上洋平、島﨑信長、梶裕貴、山谷祥生、大塚剛央、石井マーク、河西健吾

【作品概要】
みかわ絵子・原作の大人気高校野球漫画をテレビアニメ化。

中学時代に名を馳せた豪腕投手の清峰葉流火と、記憶喪失となった元・切れ者キャッチャーの要圭を主人公に、なぜか野球無名校である都立高校に進学したふたりが、同じく野球から遠ざかっていた天才たちとともに、再び野球に向き合っていく姿を熱く描きます。

主人公を増田俊樹、宮野真守が演じるほか、阿座上洋平、島﨑信長、梶裕貴らがメインキャストを担当。

アニメ『忘却バッテリー』第8話のあらすじとネタバレ

イップスが改善し、練習にもやる気を見せるようになった藤堂。

次の課題は圭の能力向上でしたが、当の圭はゲームに夢中。藤堂はそんな圭を叱りつけます。

「扇の要」と呼ばれるキャッチャーの重要さを圭に説く仲間たち。また守備で特に重要なのは、キャッチャーから連なるセンターラインだと説明された圭は、良いセンターの選手の確保が急務だということを初めて知ります。

ところが、圭は仲間たちからの要求の多さに耐えられず、屋上へと逃げてしまいました。

そこで圭は野球ゲームは好きなものの、現実の野球は苦手なオタク・土屋和季に出会います。

山田も屋上まで圭を追いかけてきました。「3次元の野球は苦手だ」と語る土屋と、圭は意気投合します。

「野球部なのに恐くない」と感じられた圭に心を開いた土屋は、実は自分が以前野球をやっていたことを話し始めました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアにはアニメ『忘却バッテリー』第8話ネタバレ・結末の記載がございます。アニメ『忘却バッテリー』第8話をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

補欠のセンターだった土屋は、部内の無言の空気感やシステムになじめず、すぐに野球部を辞めていました。そんな彼を、圭は強引にグラウンドに連れていきます。

逃げ出した土屋の足の速さに驚いた千早は、慌てて追いかけます。スタミナ切れで15mで倒れ込む土屋。

千早は自分と互角のスピードを見せた土屋に驚き、ほかの部員も全員が土屋を気に入りました。打順の相談まで始めますが、いつの間にか土屋は姿を消してしまいます。

陰の薄い土屋は、校内を探してもなかなか見つかりませんでした。そんなある日、厳しいしごきに耐えきれなくなって再び屋上に逃げた圭は、またもや土屋と再会します。

圭は「土屋が勝てばもう勧誘はしない」「自分が勝ったらセンターを守る」という約束で、ゲームのパワプロでの勝負を申し込みました。

しかし、土屋があっさりと勝利。土屋はそのまま帰ろうとしますが、圭は気にせずにまたもやグラウンドに連れていきます。

練習を見学した土屋は、ピッチャー・葉流火の投げた剛速球を見て腰を抜かします。葉流火と圭が有名バッテリーだと聞かされ、圭が記憶喪失だと知った土屋は「2次元みたいでかっこいい」と言って目を輝かせます。

千早のノックを受けることになった土屋。千早はわざと遠くにボールを飛ばしますが、俊足の土屋は余裕で落下点に入ります。しかしボールはグローブをそれ、地面に落ちてしまいました。

その後も1球もとれなかった土屋は落ち込みますが、千早は彼の足の速さを誉め、ほかのメンバーも捕球は練習すればいいと言って励まします。

そして、提案されたジャンピングキャッチに挑戦した土屋は、見事捕球に成功。千早は空中にいると余計な力が入らないと話し、さっきまでは緊張していただけだと説明します。

圭から「本当は野球がしたいんじゃないの?」と聞かれて、涙を流す土屋。逃げ出した時に周囲から「根性なし」と笑われて傷ついた土屋は、野球は好きながら、取り巻く人たちや環境が苦手になっていました。

藤堂と千早は、自分たちにも逃げた経験があることを話します。圭はきつかったら休めばいいと話し、山田はこの野球部にはセンターが必要だと話します。

土屋は笑顔で入部を決め「僕は土屋和季。2年3組。よろしく。」と自己紹介します。土屋が1学年上の先輩だと初めて知った野球部の面々は驚き、慌てて謝りました。しかし土屋は、年齢も立場も関係なく平等なのがこの野球部のいいところだと笑いました。

また拷問のような練習が始まることを思い憂鬱になっていた圭のもとに藤堂が来て、これまでの練習がいきすぎていたことを謝りました。

アニメ『忘却バッテリー』第8話の感想と評価

第8話では、新たな仲間・土屋和季が野球部に入部することとなりました。

土屋は陰の薄いオタク少年で、2次元の野球ゲームは好きだけれど3次元での野球は嫌いだと話します。しかし、それにはある理由がありました。

野球が好きで野球部のセンター補欠だった土屋は、先輩後輩の規律やシステム、威圧的な空気感になじめずに部活を辞めた経験がありました。そして退部後も気が弱いことをからかわれたことで、さらに深く傷ついていました。

それらの事情を聞かされた圭は、いつもの脳天気な調子で、かまわず土屋をグラウンドに連れて行きます。逃げだそうとした土屋が、素晴らしい俊足の持ち主だとわかり、野球部のメンバーらは土屋を入部させることで全員一致します。

感動的だったのは、その後の展開です。熱血漢の藤堂は古い野球部体質が抜けず、根性論に近い方法で圭をしごいていましたその型は、土屋が最も嫌い恐れるものです。しかし、彼らには「一度は野球を辞めた」という同じ苦い経験がありました。

同じ痛みを通して、藤堂と土屋は互いを理解し合います。土屋は野球部の入部を笑顔で決め、藤堂はこれまで自分の思い通りにしごいてきた圭に謝るのです。

センター探しが急務だという事情を視聴者に伝える手法もスマートです。前半部分で「センターラインの重要性」をサラリと説明したところで、土屋が現れます。よいセンターが見つかったことを思わず一緒に喜ばずにはいられませんでした。

次週以降、今度はライトやレフトの選手がみつかるかもしれません。個性的なキャラクターに会えるのが楽しみです。

まとめ

少しずつメンバーが増えていく小手指高校野球部。探し求めていたセンターに出会います。

これまではエリート選手がメインでしたが、今回は補欠部員だったオタク少年が仲間に参戦しました。彼の能力は、千早をもしのぐ速い脚です。

何かひとつ大きな取り柄があると、人は輝けるのだということが伝わってきます。土屋の俊足が生きるシーンが登場するのを楽しみに待ちましょう。

野球には9人のメンバーが必要です。これから現れる新たな部員への期待が高まります。




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