Netflix映画『BLAME!』はNetflixにて配信中!
“生き延びろ―”
世界中のクリエイターを魅了し続ける弐瓶勉の原点であり、海外からも圧倒的な支持を得てきた『BLAME!』が2017年についにアニメ化されました。
『シドニアの騎士』の監督、スタッフが再集結し全世界を震撼させたNetflix映画『BLAME!』をご紹介します。
Netflix映画『BLAME!』の作品情報
【公開】
2017年(日本映画)
【監督】
瀬下寛之
【キャスト】
櫻井孝宏、花澤香菜、雨宮天、宮野真守、洲崎綾、島崎信長、梶裕貴、西山宏太郎、森なな子、山路和弘、佐倉綾音、畠中祐、山下大輝、長南翔太、豊崎愛生、早見沙織、
【作品概要】
『シドニアの騎士』で知られる弐瓶勉のデビュー作をアニメ化した本作はアニメ版「ゴジラ」三部作で知られ、『シドニアの騎士』のアニメ化においても監督を務めた瀬下寛之とポリゴン・ピクチュアズがアニメーション制作を行っています。
主人公・霧亥に櫻井孝宏を迎え、花澤香菜、雨宮天、山路和弘、宮野真守ら実力、人気共に十分な豪華キャストが揃っています。
遠い未来の世界で「都市」を旅する青年・霧亥の姿とそこで出会う人々との交流、人類を排除しようとする「都市」との戦いを描きます。
Netflix映画『BLAME!』のあらすじとネタバレ
かつて人間は「都市」を支配し栄華を誇っていました。
しかし、人間が「感染」したことにより、都市は人間を排除し始めます。
こうして人間は都市を追われ、支配者を失った都市は長い時をかけて自己増殖を繰り返していきました。
都市を追われ、生き残った人間の住む村の少女、づる(雨宮天)は仲間とともに都市を目指しています。
目的は、食糧難に喘ぐ村に食料を持ち帰る事、そのために大人達に黙って、都市へ向かっていました。
都市にたどり着いたづる達ですが、食料は見つからず、都市を監視する「監視塔」と呼ばれるシステムに見つかってしまいます。
都市を守る「セーフガード」と呼ばれる機械に追われる、づる達。
仲間は次々と殺され、づるも追い詰められてしまいます。
しかし、そこに謎の男が現れ、づる達が見たことのない武器でセーフガードを一掃します。
驚くづるに男は、ネット端末接続遺伝子を持つ人間を探していると告げます。
「ネット端末接続遺伝子」の意味が分からないづるは、村の大人なら分かるかもしれないと思い、霧亥‐キリイ‐(櫻井孝宏)と名乗る男を、生き残った仲間と共に村へ連れていきます。
映画『BLAME!』の感想と評価
『BLAME!』は「感染」と呼ばれる危機に瀕した人類が高度に発達した「都市」から廃絶された未来の世界で生きる人たちが描いたSF作品です。
本作は3DCGで描かれているため、従来のアニメ作品では表現できない立体感や迫力ある演出が見事でした。
例えば、いくつも重なった『都市』の複雑な建物を立体的に表現することにより、リアリティを感じさせる表現や、霧亥が放つ光線が奥から手前に発射されるシーンなどは、その威力が広範囲に渡る事を視覚的印象付けるとともに迫力のある映像になっていました。
荒廃した都市とは対照的に高度に発達したセーフガードや高い技術力をうかがわせる、づるたち電基漁師の装備、霧亥が操る武器など独特の世界観が作りこまれていました。
また、本作は冒頭から、電基漁師の少年少女たちが駆ける場面から始まり、世界観の説明がほとんどなされず物語が進んでいきます。
これは『感染』と呼ばれる危機から非常に長い時間が経過しており、登場人物の誰もが現在の世界の状況を正確に把握できていないことを表現し、観客に世界観を「考える」のではなく「感じる」ようにし、そこで生きるキャラクターたちに共感できるようにしているのではないかと感じました。
特に、主人公・霧亥は失われた技術で体が構成されていたりまるでロボットのように無口で無表情なキャラクターですが、その表情、言動から窺えない強い意志を持った人物でした。
印象に残ったのは、村から逃げ出す人々を守るため、一人、セーフガードに立ち向かっていく姿は「人間」と定義するにはあまりに特異すぎる霧亥が感情を持った「人」であることを強く現していたように感じました。
まとめ
本作『BLAME!』はその独特な世界観で日本を始め海外でも高く評価され、日本初のNetflixオリジナル作品として全世界に配信されています。
本作は原作の一部、電基漁師のエピソードを中心に原作者・弐瓶勉監修の元、再構成してアニメ化をしており、原作では霧亥は旅を続け行く先々で新たな人々と出会い、また、多くの危難に見舞われます。
本作のエンディングでも旅を続ける霧亥の姿が描かれてました。
霧亥の行き先に何が待ち受けているのか、彼が訪れた旅先で、また出会えることを期待します。