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Entry 2021/02/13
Update

韓国映画『ノンストップ』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。オム・ジョンファがキレのあるアクションを披露!

  • Writer :
  • 咲田真菜

オム・ジョンファの主演のアクション映画『ノンストップ』。

韓国映画『ノンストップ』は、韓国の人気歌手で『ミス・ワイフ』(2015)『ダンシング・クィーン』(2012)など、女優としても活躍するオム・ジョンファの主演で、テロリストにハイジャックされた旅客機を舞台に描くアクションコメディーです。

オム・ジョンファの夫役を演じるのは、『無頼漢 渇いた罪』(2015)のパク・ソンウン、そのほか『感染家族』(2019)のキム・ナムギルがカメオ出演。

演出を担当したのは、『愛なんていらない』(2006)『消された女』(2018)のイ・チョルハ監督です。

映画『ノンストップ』の作品情報

(C)2020 OAL & Sanai Pictures Co., Ltd. All rights reserved

【配信】
2021年(韓国映画)

【監督】
イ・チョルハ

【キャスト】
オム・ジョンファ、パク・ソンウン、イ・サンユン、ぺ・ジョンナム、イ・ソンビン、キム・ナムギル

【作品概要】
北朝鮮のテロリストにハイジャックされたハワイ行きの旅客機を舞台に、主演のオム・ジョンファが見事なアクションを繰り広げます。

ボーイング777の内装を完全再現し、非公開の機内エリアも登場するなど、航空機ファンも注目したい作品。監督は『消された女』(2018)のイ・チョルハが手掛けました。

映画『ノンストップ』のあらすじとネタバレ

(C)2020 OAL & Sanai Pictures Co., Ltd. All rights reserved

人気の揚げパン屋を営むミヨン(オム・ジョンファ)は、パソコン修理工の夫・ソクファン(パク・ソンウン)と娘のナリと家族3人、つつましくも幸せな生活を送っていました。

ある日、景品でハワイ旅行が当たり、人生初の海外旅行へ家族三人で行くことになります。

生初の海外旅行で意気揚々と飛行機に乗り込むミヨンたち。ラッキーにもビジネスクラスに乗ることができたミヨンとナリは、機内で思う存分くつろいでいました。

エージェントに憧れているドジな客室乗務員・ヒョンミン(ぺ・ジョンナム)をはじめとして、ビジネスクラスには、全身黒づくめで顔を隠した謎の美女(イ・ソンビン)、高所恐怖症の男(キム・ナムギル)、高慢な姑に振り回される臨月の妊婦、居丈高な国会議員など、一癖も二癖もある人たちが揃っていました。

一方ソクファンは、一人寂しくエコノミークラスに乗ることになりましたが、隣に座った紳士に話しかけられ、世間話で盛り上がっていました。

機内では、無料で飲んだり食べたりすることができると知ったミヨンは、調子に乗ってナッツを食べすぎてしまい、お腹を下してしまいます。ビジネスクラスのトイレが謎の美女に占領されていたため入ることができず、エコノミークラスのトイレに入ってホッと一息つくミヨン。

ミヨンがトイレでくつろいでいる間にテロリストたちは作戦をスタートさせ、機内はパニックに陥っていました。彼らの目的は、10年前に行方をくらました北朝鮮の女性工作員・モクレンを捕まえることだったのです。

そのような状況になっているとは露知らず、ミヨンはトイレで悠々と化粧なおしをしていました。

搭乗したと思われていたモクレンの姿を見つけられず、焦るテロリストたちは、ミヨンが入っているトイレに注目。「出てこい!」と脅しをかけるも、全く動じないミヨンに業を煮やし、強引にトイレの扉を開けます。

するとその瞬間、ミヨンは見事な身のこなしで、テロリストをなぎ倒します。平凡な主婦が隠れた才能に覚醒したのか…と思いきや、ミヨンこそがまさにモクレンだったのです。10年前、モンゴルで作戦実行中に逃亡し韓国へ逃れ、整形をして今の穏やかな生活を築いていたのです。

かつての自分を出してしまったミヨンは「どうしよう…」と戸惑いながらも、「飛行機を救わなければ!」と立ち上がります。しかし過去を家族に知られたくないミヨンは、客室乗務員の制服に着替え、変装してテロリストたちに戦いを挑みます。

ミヨンがテロリストを倒すのを偶然見てしまった客室乗務員のヒョンミン。「今見たことは2人の秘密にして」と頼みこむミヨンに協力することにします。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ノンストップ』ネタバレ・結末の記載がございます。『ノンストップ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C)2020 OAL & Sanai Pictures Co., Ltd. All rights reserved

ミヨンの姿が見えなくなって不安になったソクファンは、ナリを隣の席の紳士に預け、テロリストたちの目を盗んでミヨンを探しに行きます。

ところがソクファンが向かったのは、乗客が立ち入りできない機内のサーバーやメンテナンスセクション。そこで自分のパソコンをつなげて何やら作業をし始めます。ソクファンは、元国家情報院の要員で、機内で起こっているハイジャックの様子を、国家情報院へ知らせていたのでした。

機内では次々にテロリストたちを倒していくミヨンに、乗客から驚きの声が上がります。そんな時、ハイジャックを主導するテロリストの一人、リ・チョルソン(イ・サンユン)は、ミヨンがモクレンだと見破ります。

チョルソンに捕らえられてしまったミヨンとソクファン。ソクファンに自分の過去を知られてしまったショックと、ソクファンが元国家情報院の要員であったことにダブルのショックを受けるミヨン。

しかしソクファンは、最初こそ監視が目的だったが、ミヨンを愛する気持ちに嘘はなく、だからこそ国家情報院を辞めたのだと語ります。

ミヨンとソクファンがお互いの愛を再確認したその時、機内ではチョルソンが仲間の裏切りによって捕らえられてしまいます。

ミヨン、ソクファン、チョルソンの3人は同じ場所に監禁され、気まずい空気が流れるのですが、チョルソンはミヨンに対し、「俺にとって唯一信用できる人がモクレンだった。

10年前になぜ姿を消したんだ」と問いかけます。そして今回起こしたハイジャックの目的が、以前ミヨンの父親が関与していた、核弾頭の資料にあることを打ち明けます。

ミヨンは、テロリストたちの言いなりになるわけにはいかないと3人で飛行機を救おうと提案。ミヨン、ソクファン、チョルソンはテロリストたちに立ち向かい、客室乗務員や乗客の手助けもあって、無事にテロリスト全員を拘束できました。

これで安心してハワイへ行ける…そう思った時に、思いがけない人物がミヨンたちの前に立ちはだかります。なんと、ソクファンの隣に座っていた紳士が、かつてミヨンの父親を射殺した人物だったのです。

ミヨンは「飛行機から一緒に脱出しろ。そうでなければ飛行機を爆破する」と脅され、夫や娘、飛行機の乗客たちのことを考えて、脱出する決心をします。

ところが飛行機のドアを開けた瞬間、ナリが持っていた熊のぬいぐるみを外に放り投げました。紳士がナリに渡した熊のぬいぐるみが、爆弾だとミヨンは瞬時に見破ったのです。

そしてそれと同時に紳士を飛行機の外へ突き落しました。

悪夢のようなハイジャック事件は無事に解決。ミヨンたちは無事にハワイへ到着し、バカンスを楽しんだのでした。

映画『ノンストップ』の感想と評価

(C)2020 OAL & Sanai Pictures Co., Ltd. All rights reserved

ハードボイルド&コメディー要素満載

本作の魅力は、ハードボイルドとコメディーがうまくミックスされているところです。

この路線の先頭をきって走るのが、主演のミヨンを演じるオム・ジョンファ。

現在は愛する夫、娘と暮らす平凡な主婦なのに、戦いを挑まれると昔の血が騒ぎ見事な闘いぶりをみせ、そうかと思えばお腹を下してトイレを探し回る姿はまさにコメディエンヌ。こうしたギャップを面白おかしく、そしてカッコよく演じています。

物語の冒頭で、ミヨンがモクレンだった頃、モンゴルで作戦実行中の様子を描いているのですが、当時のモクレンを演じているのが、ビジネスクラスでミヨンたちが遭遇する黒づくめの謎の美女です。

そのため物語の途中までは、この美女こそがモクレンだと勘違いして進んでいくのですが、実は有名なアクション映画女優でした。

ミヨンの娘・ナリは「お母さんを助けるために映画のようなアクションをみせて」と懇願するのですが、「あれはスタントマンがやっているのよ…」とバツが悪そうに告白します。

しかしそんな彼女は冒頭で見事なアクションをみせているのですから、なかなかウィットに富んだジョークです。

そして凶悪なテロリストたちでさえ、随所で笑いをとることを忘れていません。

モクレンだと確信し謎の美女を問い詰めたら、まさかの有名映画女優だと判明。作戦実行中にもかかわらず「ファンです!一緒に写真を撮ってください!」と言ってしまうテロリストに「今…ですか?」と乗客がツッコミを入れるところは、思わずクスッと笑ってしまいます。

まとめ

(C)2020 OAL & Sanai Pictures Co., Ltd. All rights reserved

本作では、豪華なカメオ出演も話題になっていますが、中でもキム・ナムギルが演じる高所恐怖症の男が笑えます。

飛行機が離陸する前、あまりの恐ろしさに精神安定剤らしきものを大量に飲んでしまいます。

そのためぐっすり寝込んでしまい、ハイジャック中、一度も目を覚まさないという役どころは、いつものキム・ナムギルとは違う一面を見ることができるでしょう。

そしてヒョンミンを指導する客室乗務員のチーフ役として、ドラマ『梨泰院クラス』で、パク・ソジュンが演じるパク・セロイに協力する長家の取締役を演じたキム・へウンが出演し、華を添えています。

また、滅多に見ることができない航空機の内部を完全再現しているところも見どころの一つ。激しいアクションだけでなく、随所に笑いを盛り込んだ本作を観れば、気分がスカッとして明日への活力になること間違いないでしょう。

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