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【ネタバレ】炎のデス・ポリス|あらすじ感想結末と評価解説。ジェラルド・バトラーを筆頭に四つ巴の戦いが巻き起こる

  • Writer :
  • 秋國まゆ

砂漠地帯の小さな警察署が一夜にして戦場と化すバイオレンス・アクション!

ジョー・カーナハンが脚本・監督を務めた、2021年製作のアメリカのPG12指定のバイオレンス・アクション映画『炎のデス・ポリス』。

ある日の夜。アメリカ・ネバダ州の砂漠地帯に佇む小さな警察署に、暴力沙汰を起こした詐欺師のテディが連行されてきます。

実はテディは、マフィアのボスに命を狙われており、避難場所を求めてわざと逮捕されたのです。

マフィアに雇われた殺し屋のボブが殺しにくるも、新人警官の活躍により阻止されました。

しかしマフィアが放った新たな刺客、サイコパスのアンソニーが署員を皆殺しにし、まるで戦場のような大惨事に………。

映画『炎のデス・ポリス』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『炎のデス・ポリス』の作品情報


(C)2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved.

【公開】
2022年(アメリカ映画)

【脚本】
カート・マクラウド、ジョー・カーナハン

【監督】
ジョー・カーナハン

【キャスト】
ジェラルド・バトラー、フランク・グリロ、アレクシス・ラウダー、トビー・ハス、チャド・コールマン、ライアン・オナン、ホセ・パブロ・カンティーロ、カイウィ・ライマン=メルロー、ロバート・ウォーカー=ブランショー、トレイシー・ボナー、クリストファー・マイケル・ホリー、マーシャル・クック、キース・ジャーディン

【作品概要】
『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』(2006)や『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(2010)のジョー・カーナハンが脚本・監督を務めた、アメリカのPG12指定のバイオレンス・アクション作品です。

「300<スリーハンドレッド>」シリーズや「エンド・オブ・ホワイトハウス」シリーズのジェラルド・バトラーが主演を務めています。

映画『炎のデス・ポリス』のあらすじとネタバレ


(C)2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved.

ある日の夜。アメリカ・ネバダ州の砂漠地帯に佇む小さな警察署「ガンクリーク警察署」に、カジノで警官を殴って逮捕された詐欺師のテディ・マレットが連行されてきます。

テディは地下の留置場に放り込まれ、安堵しました。実は、テディはマフィアのボスに命を狙われており、避難場所を求めてわざと捕まったのです。

しかしひと息ついたのも束の間、マフィアに雇われたプロの殺し屋ボブ・ヴィディックが泥酔男に扮し、飲酒運転で警官を轢き殺そうとして捕まり、向かいの檻にやってきます。

ボブは警官の注意を引きつけるために、押収された品から謎の煙を噴出。自分に絡んできた同じ檻の酔っ払いの男の喉を何度も殴って呼吸困難にさせ、大声で助けを呼びます。

そうして檻に入ってきたガンクリーク警察署のデュアン・ミッチェル署長を背後から襲撃。彼から奪った鍵を使って、テディがいる檻を開けようとします。

そこへテディを逮捕したガンクリーク警察署の新人女性警官ヴァレリー・ヤングが登場。ボブのテディ暗殺計画を阻止しました。

ヤングの同僚たちによって、負傷したミッチェルと酔っ払いの男は医務室に運ばれました。

しかし酔っ払いの男は気管が潰されたことによる出血多量で重体に。慌てて救急車を呼び、ヤングは遺体相手にした実習で学んだことを試し、とりあえず気道を確保しました。

救急車がくるのを待つ間、ヤングは再び留置所に戻り、「殺し屋と同じ檻に入れられたくなければこの24時間にあったことを洗いざらい話せ」とテディを脅しました。

コンサルタントと称して警官や政治家、実業家、州の高官と繋がり、儲け話を持ち掛けて利益を共有し操ってきた詐欺師であることを明かしたうえで、テディはわざと捕まるまでの経緯を語ります。

カジノを中心に経済が回っているネバダ州に目をつけたテディは、ネバダ州のフェントン司法長官を何度も買収しようとしましたが、彼は全く応じませんでした。

そのフェントンが先週何者かに殺され、テディは窮地に陥ります。フェントンはテディとの会話を録音していたのです。

テディはFBIと司法取引をし、自分の顧客を寝返らせる任務を実行。ですがある日、車に仕掛けられた爆弾により危うく殺されそうになったため、雲隠れすることにしました。

ボブはテディに、マフィアから数百万ドル横取りした話をしないのかと尋ねます。テディは、もうFBIに渡したと答えました。

ヤングはボブの忠告を聞き流し、テディに話の続きを促します。

テディはラスベガスの汚職警官2人に「FBIに会いに行く」と騙され、危うく砂漠に埋められそうになりました。

そこへ、テディたちが乗っていた覆面パトカーを尾行していたFBIが到着。汚職警官たちとFBIの捜査官2人は銃撃戦を繰り広げます。

砂漠地帯に佇むモーテル前での銃撃戦の末、テディだけが生き残り、銃弾を浴びた覆面パトカーでその場から逃走しました。

しかしその途中で覆面パトカーが故障し動かなくなったため、テディは砂漠の中を走ることに。

その道中、暴行事件が発生したカジノへ向かう警察車両が見えたため、テディもカジノへ向かいます。

そして、その警察車両から降りて騒ぎを鎮めようとしたヤングを殴って捕まった、ということでした。

だからテディは右の脇腹に重傷を負っており、砂漠に乗り捨てられた覆面パトカーには銃弾を浴びた痕跡があったのだと合点がいくヤング。

テディから氏名不詳だったボブの名前を聞き、ボブと、安否不明のテディの元嫁ロレイン・フェイスと息子ライアンについて調べることにしました。

フェントン殺害事件を捜査中のラスベガスの女性刑事ディーナ・シャイアーに電話で話を聞いた結果、ボブに関する情報は得られませんでしたが、昨夜ミード湖近くの沼地でロレインたちの遺体が発見されたことが判明。

ヤングは悩んだ末、テディに「ラスベガスの刑事が調べてくれているから安心して」と嘘をつきました。

ヤングは、ガンクリーク警察署の受付にいる警官のキンボール(愛称キム)に無線で連絡を取り、覆面パトカーを調査しに行ったガンクリーク警察署の警官バーンズとルビーに「署に戻る前にリー・キャニオンの北にあるモーテルに寄って欲しい。銃撃戦の被害者が複数いる」と伝えてほしいとお願いします。

さらにキムに、ボブについて調べて欲しいと頼みました。その時キムから、ガンクリーク警察署の警官ヒューバーにもボブのことを調べるために指紋照合してくれと言われたと聞きました。

その頃ボブは、「金も女も何でも手に入れて、向こうから裏切られることもなければ法廷にも檻の中にも入らずに済んだのに、なぜ全てを捨て自分の人生に火を放つような真似をしたのか」と、テディに尋ねます。

テディは、「俺は、どう生きるか自分で決めることができる。誰かの命令に従ってるだけのお前にはできないことだ」と答え、ボブはサイコパスそのものだと言いました。

ボブは「俺はサイコパスじゃない、プロの殺し屋だ」と否定し、その違いはいずれ分かると意味深な言葉を言います。

以下、『炎のデス・ポリス』ネタバレ・結末の記載がございます。『炎のデス・ポリス』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved.

その後、マフィアが放った新たな刺客、殺人や凶器を用いた暴行などの犯罪歴があるサイコパスの殺し屋アンソニー・ラムが、風船業者に扮してガンクリーク警察署に侵入。

たまたまボブの関係者について調べていて自分のことを知っていたキムと、ガンクリーク警察署に駆けつけた救急隊員2人、ガンクリーク警察署の警官ペーニャをサプレッサー付きの銃で射殺します。

ヤングは愛用の回転式拳銃を使って1人立ち向かうも、サブマシンガンも持っていたアンソニーに圧倒され、やむを得ず防弾ドアで守られた留置場に撤退しました。

アンソニーは逃げる彼女を追いかけ、留置場の外から銃撃。防弾ドアの前の扉を破壊するも、あと少しのところで逃げられてしまいました。

小窓がついた防弾ドア越しに、アンソニーとボブは軽く挨拶を交わします。同じ裏社会に生きる2人は顔見知りでした。

ボブはアンソニーに、「今のうちに引き下がらないと俺がお前を殺す」「そして、お前の首に6万5000ドルの懸賞金をかけたシカゴのジョー・トティーノにその首を持っていく」と決闘を申し込みます。

留置所にあった救急キットを使って応急処置を施したヤングは無線で助けを求めるも、誰一人応答しませんでした。

そこへガンクリーク警察署の警官ヒューバーが登場。署長も酔っ払いの男も自分が射殺したことを隠し、さらに「離れたところにいたから無線は聞こえなかった」と嘘をつき、ヤングに防弾ドアの暗証番号を尋ねます。

ヤングはなぜボブのことを調べようとしたのか、ヒューバーに逆に尋ねました。

するとヒューバーが、ヤングとキム以外知らないはずのボブの名前を知っていたことや、アンソニーやマフィアと繋がっていた汚職警官だったことが発覚。彼をクズだと罵倒します。

これに激怒したヒューバーは、隣に隠れて耳打ちしていたアンソニーと共にひとまず留置所の前から離れて、彼にガンクリーク警察署の見取り図を渡しました。

留置所に侵入するには、厚さ30センチある更衣室のコンクリートの壁をぶち破るしかないと知ったアンソニーは、ハンマーが1本しかないことを理由に、ヒューバーにその役目を押し付けました。

ヒューバーが文句を言いながらハンマーを壁に叩きつけていると、署に戻ったバーンズたちがやってきます。

アンソニーはバーンズたちを銃撃。バーンズは命乞いをし、ヒューバーも彼は友人だから殺すなと止めに入ります。

するとアンソニーは、床に血を流して倒れていたルビーにトドメを刺したうえで、「俺が弾が切れるまでそいつの顔に銃を乱射しても友達だと言えるのか?それが嫌ならお前が人道的に殺せ」と言ったのです。

ヒューバーは差し出されたサブマシンガンを受け取り、バーンズを殺そうとします。

そこへテディが、ヤングの銃を持って登場。銃撃されたバーンズは死に、アンソニーたちは更衣室の奥へと逃げました。

実はこの間、ヤングとテディから話を聞いて、妻子がアンソニーに殺されたことを知ったテディは、彼女から渡された鍵を使って留置場から脱出していたのです。

そしてテディが出て行った後、ボブはヤングを説得して、彼女から鍵を受け取り留置場から脱出。更衣室から出てきたヒューバーに襲い掛かりました。

アンソニーはテディの家族を殺したと素直に白状し、テディを挑発しながらゆっくりと距離をつめて銃を発砲。しかし被弾したのはテディではなく、ボブに半殺しにされたヒューバーでした。

何で逃げたはずのヒューバーがここに?と不思議に思って近づくと、物陰に潜んでいたボブに襲われ、ロッカーに何度も頭を叩きつけられます。

必死の抵抗もむなしく、アンソニーはナイフで首を切られ瀕死状態に。そこへテディが現れます。

銃口を突きつけ合うテディとボブ。ボブはアンソニーが死ぬまでは休戦しようと申し出るも、テディに問答無用で銃撃されます。

そして、テディはゆっくりとアンソニーがいるシャワー室の個室に近づき、彼を射殺し復讐を果たしました。

ヤングの銃を捨てて地下倉庫に火をつけた後、テディは冷蔵庫の中のものを物色し、ヤングの弁当に手をつけて腹ごしらえをしました。

すると留置場にいるはずのヤングが声を掛けてきたのです。テディが来るより先に外傷救急キットを使って、彼を守るために撃って当たった自分の弾を摘出し治療したヤングは、なぜ自分を裏切り見捨てたのか、ボブたちはどうしたのかと淡々と尋ねます。

さらにヤングは、「ボブの言ったことは正しかった。人はそう簡単に変われない」と言い、無線で緊急出動を要請したことと、アドレナリンを注射したから元気に動けることを伝えました。

友人でもあったペーニャの銃を持つヤングと、サブマシンガンを持つテディは、階段から燃えがってきそうな炎を横目に見つつ睨み合います。

そしてヤングが「留置場に戻ってもらう。抵抗する気がないなら…」といった瞬間、テディは床に置いたガソリンタンクを蹴飛ばし、それをサブマシンガンで撃って火をつけました。

これを合図に、ヤングとテディの戦いの火蓋が切られました。激しい銃撃戦の最中、スプリンクラーが作動するも火の勢いは収まらず、燃え広がる炎の中に2人は閉じ込められてしまいます。

銃撃戦の末、テディはヤングが放った3発の銃弾を受けて重傷を負いました。ヤングはテディの命乞いを無視して彼を殺そうとするも、突然誰かに銃撃されて少し吹っ飛びます。

ヤングを撃ったのは、ここにいないはずのディーナでした。ディーナはごめんと謝り、ヤングを殺そうとショットガンを構えます。

そのディーナを、ボブが銃撃しました。そしてボブは、ディーナのショットガンを使ってテディを射殺しました。

ヤングは、ボブが持つ鞄の中身は何か、ディーナとはグルなのかと尋ねます。ボブは「助かったんだからもういいだろ。忘れようぜ」と言って、彼女の問いに答えませんでした。

ボブがヤングを支えながら歩いていると、消防車のサイレンの音が聞こえてきました。

ボブはもう一度ヤングに今夜のことは忘れろと念押しした上で、鞄とショットガンを持って覆面パトカーで逃走しました。

ボブが立ち去った後、ヤングは2台の消防車と共に駆けつけた救急隊員によって無事救助されました。

ですが「白人の男が警察車両を盗み逃走」という無線を聞いて、ヤングは救急隊員から車を奪い、車を走らせながら誰かに「2時間ほど残業する。またね、愛してる」とメールを送信しました。

ボブは車を走らせながら「任務完了、マレットは死んだ」と依頼人に報告。さらに助手席にある鞄を見ながら、「シカゴのジョー・トティーノに“アンソニーの首を持っていく”と伝えてくれ」と頼みました。

逃げるボブと、彼を追いかけるヤング。2人はほぼ同時に同じ音楽をかけ、ノリノリで車を走らせます。

映画『炎のデス・ポリス』の感想と評価


(C)2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved.

口達者な手練れの詐欺師テディ、彼の命を狙う百戦錬磨の冷酷な殺し屋ボブ、同じくテディの命を狙うサイコパスの殺し屋アンソニー。

この3人がガンクリーク警察署に集まったことで、砂漠地帯に佇む小さな警察署だったそこは一夜にして戦場と化しました。

ですが、だからといって最初から派手にドンパチするのではなく、殺し屋2人がそれぞれのやり方でテディを殺そうとするため、常に緊張感があってひと息つく暇もありません。

それに加え、警官たちに抵抗する暇も口答えする暇も与えず、まるでピエロのようにおどけて笑いながら殺していくアンソニーの姿は恐ろしすぎてゾッとします。

しかも彼に殺されなかったヒューバーは、マフィアと繋がりがある汚職警官。ヤングが電話したディーナは、彼女を銃撃したことからおそらく汚職警官なのでしょう。

またアンソニーに家族が殺されたことを知って復讐の鬼と化したテディも、所詮は詐欺師。最初からヤングを助けに戻るつもりはありませんでした。

そんな孤立無援で危機的状況に陥ったヤングを救ったのは、まさかまさかのボブでした。ボブは殺し屋ですが、アンソニーやテディたちのようなゲス野郎ではなかったのです。

正義感が強くタフな新人女性警官のヤングが、アンソニーやテディと繰り広げる銃撃戦と、ボブとアンソニーの殺し屋同士の対決。

そして最後まで誰がヤングの味方でいてくれるのか、一夜限りのバトルロワイヤルを誰が制するのか予想がつかない物語の展開と、見応えあるアクションとサスペンスが楽しめます。

まとめ


(C)2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved.

砂漠地帯に佇む小さな警察署を舞台に繰り広げられる、訳あり詐欺師vsプロの殺し屋vsイカれたサイコパスの殺し屋vsタフで正義感あふれる新人女性警官による四つどもえのサバイバル・バトルを描いた、アメリカのバイオレンスアクション作品でした。

最初はただマフィアのボスに命を狙われて怯える被害者だった時と、家族がアンソニーに殺されたと知ってから本性を現した時のテディの2つの顔を上手く演じ分け、詐欺師を演じているというより詐欺師そのものにしか見えないほどの演技力の高さをみせたフランク・グリロ。

狙った標的は逃がさない百戦錬磨の冷酷な殺し屋ボブの恐ろしさと、最後までヤングの味方でいて彼女を助けてくれた心優しく格好良い姿を見せたジェラルド・バトラー。

何の躊躇もなく人を殺して笑うものの、殺しは職業と思っているようで「殺しは労働だ」と言い、労働して疲れたからとヒューバー1人に壁を壊させるという、ユーモアも持ち合わせているアンソニー役を演じたトビー・ハス。

正義感ゆえに詐欺師を信じて戦うも騙され、それでも死んだ友人たちのために自分で傷の手当てをし、悪人と戦う格好良い女性警官ヤング役を演じたアレクシス・ラウダー。

一癖も二癖もある登場人物たちを演じ、それぞれハマり役だった彼ら4人が織りなす腹の探り合いとアクションの数々はどれもスリリングで、彼らの一挙手一投足に目が離せません。

ジェラルド・バトラーやフランク・グリロら実力派俳優が織りなす、一夜限りの四つどもえのサバイバル・バトルを描いたバイオレンス・アクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

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