映画『ブルー・ダイヤモンド』は2019年8月30日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかで全国ロードショー!
極寒の地ロシアで罠にはまった男は、マフィアを相手に一世一代の取引に挑んだのでした。
ロシアを舞台に、罠にはめられた一人の宝石ディーラーの、命がけの取り引きを描いた『ブルー・ダイヤモンド』。
本作は『フランク&ローラ 魔性のレシピ』で監督デビューを果たしたマシュー・ロスが監督。『シンプル・プラン』『パラサイト・バイティング 食人草』などを手掛けたスコット・B・スミスが脚本を務めたサスペンスストーリー。
キャストには『ジョン・ウィック:パラベラム』の公開を控えるキアヌ・リーブスをはじめ、『ミューズ』などのアナ・ウラルや、『千年の祈り』などのパシャ・D・リチニコフ、ユージーン・リビンスキらが出演。濃厚なラブシーンなど含め、上質のサスペンス・アクションを展開しています。
CONTENTS
映画『ブルー・ダイヤモンド』の作品情報
【日本公開】
2019年(カナダ・アメリカ合作映画)
【英題】
SIBERIA
【監督】
マシュー・ロス
【キャスト】
キアヌ・リーヴス、アナ・ウラル、パシャ・D・リチニコフ、ユージン・リピンスキ
【作品概要】
ロシアを舞台に、ある宝石ディーラーがマフィアに追われながら、命がけの取引に臨む姿を描いたサスペンス・アクション。監督は『フランク&ローラ 魔性のレシピ』を手掛けたマシュー・ロス。『マトリックス』『ジョン・ウィック』シリーズなどのキアヌ・リーヴスが主演を務めます。
ヒロイン役に『ミューズ』などのアナ・ウラルや、その他のキャストとして『千年の祈り』などのパシャ・D・リチニコフ、ユージーン・リビンスキらが名を連ねています。
映画『ブルー・ダイヤモンド』のあらすじ
希少な最高純度の宝石「ブルー・ダイヤモンド」の取引のためにロシア・サンクトペテルブルクを訪れた、宝石商のルーカス・ヒル(キアヌ・リーヴス)。
ところが、ダイヤを所持していたビジネスパートナーのピョートルとの連絡が途絶え、ルーカスは伝言を便りに彼を追ってシベリアへと飛ぶことに。
ダイヤを探し奔走する中、現地で親密になったカフェの女主人カティアを巻き込んで、苦労の末にルーカスは、いよいよダイヤを見つけ出すことに成功、ところがそれは巧妙に作られた偽物であることが判明します。
さらに期日が近づき、取引相手のロシアンマフィア・ヴォルコフの追っ手も迫る中、敵対するFSB(ロシア連邦保安庁)がルーカスに接触、偽物のダイヤを使い一世一代の取引を行うことを持ち掛けられます。果たしてルーカスの運命やいかに?
映画『ブルー・ダイヤモンド』の感想と評価
キアヌづくし、リーヴスざんまい!
本作は、なんといってもキアヌ・リーヴス・ファンのためにあるような作品、といっても過言ではないでしょう。とにかく映画のオープニングからエンディングまで、キアヌづくしといった感じで彼の動向が映し出されます。
キアヌが演じるルーカス・ヒルは、宝石納品のためにロシアに訪問するも、いきなりその手掛かりとなる人物との連絡ラインが消失、さらに顧客からは脅しをかけられるなど、序盤から先行き不安の立場に。
そんな状態でダイナーでウォッカを嗜んでいる際に、地元民の内輪揉めを制止しようと仲裁に入るも、不安のためか手元が震えていたり…と人間味を感じさせる表情を見せています。
さらにカティアに声を掛けられると、ちょっぴりいやらしい笑顔を見せたり、狩猟に誘われ現場でビビった表情を見せるなど、キアヌのさまざまな表情を見ることができます。
一方で流ちょうなロシア語も披露したりと、背面から見える彼のプロ意識も見逃せません。
映像としてはキアヌの表情がフィーチャーされているだけに、そんな彼のレアなたたずまいが余計に印象深く映し出されることもあり、その表情をたっぷりと堪能することができ、キアヌスファンは必見の内容となっています。
本当の愛と本物のダイヤモンドに対する偽物の輝きとは?
また、この物語からは考察される重要なポイントがあります。プロデューサーのスティーブン・ハメルは、「真の愛対偽の愛、本物のダイヤモンド対偽物のダイヤモンド」という、ストーリー上で表させる本質性をポイントとして示しています。
まずダイヤモンドの真偽性という部分に関してですが、実はこの劇中で“偽物”と歌われているダイヤモンドは、偽物であるにもかかわらず“最高品質”といわれてます。
あくまで希少価値の高い「ブルー・ダイヤモンド」という一つのものに対しての真偽性を語ると、本物にはかなわないという意見があるかもしれません。しかし単に“美しさ”という点でものを見ると、その真偽性はまた違った見え方となってしまいます。
果たして、偽物だから悪いのか?本物だからよいのか?あくまで物語で描かれる取引上は、本物のダイヤが優位に描かれますが、偽物の方がきれいなのに、と考えるとこの構図はあまりにも滑稽に見えます。
このことからルーカスをめぐる愛情という点でもさまざまな見え方があります。
ルーカスには本当の妻・ギャビーがおり、劇中ではルーカスがロシアに出向く前に少しだけ登場、さまざまな裏の顔があるルーカスとギャビーの間は、あまり強い愛情を感じません。
一方で、アナが演じるロシア人女性・カティアとの関係に関しては、クライマックスではニ人が強い愛情間を見せたりと、この二人の関係の方が本物の愛ではないかと感じさせるものがあります。
しかし、あくまでルーカスの妻はギャビーであり、カティアとの関係はあくまで一時の情事。
これが果たして、ルーカスが最後の取り引きを行った際に、ルーカスはどのような選択をし、二人の女性に関してもどのような結末を迎えるか。物語の真意をさらに奥深く押し広げるような思惑も感じられます。
ちなみにギャビー役を務めたのは、モリー・リングウォルド。『プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角』『ブレックファスト・クラブ』などの青春映画出演で1980年代に人気を博した女優でありますが、同じく80年代より頭角を現したリーブスとの共演は初めてになります。
まとめ
本作のオープニングからエンディングまで、とにかく、キアヌ・リーヴスに焦点を当てたこの映画。
多くの人が「キアヌ・リーヴスならこの表情だろう」と納得するものから、意外な展開に肩透かしを食らったりと、さまざまな表情を見せてくれます。
また、制作スタッフもキアヌの仕事ぶり、プロ意識の高さを高く評価したという今回の撮影。
キアヌの真骨頂に迫る、新たなネタとしても高く評価できるものであり、かつ『ジョン・ウィック パラベラム』を待ち構えているファンにとっても、その前哨戦として十分に満足できる作品といえるでしょう。