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Entry 2019/08/05
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ジム・ジャームッシュのゾンビ映画『デッド・ドント・ダイ』インタビュー【最新作でロックンロール!】FILMINK-vol.19

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  • FILMINK

FILMINK-vol.19「Jim Jarmusch Rocks With The Dead Don’t Die」

オーストラリアの映画サイト「FILMINK」が配信したコンテンツから「Cinemarche」が連携して海外の映画情報をお届けいたします。

© 2019 Image Eleven Productions, Inc.

「FILMINK」から連載19弾としてピックアップしたのは、 米インディペンデント映画界を代表する鬼才ジム・ジャームッシュ監督の、日本公開が2020年6月5日に予定されている『デッド・ドント・ダイ』についてのインタビューです。

【連載レビュー】『FILMINK:list』記事一覧はこちら

ロックンロールな映画監督ジム・ジャームッシュ

滑稽なゾンビたちの襲撃に見舞われる、ジム・ジャームッシュ監督の最新映画『ザ・デッド・ドント・ダイ(原題)』には多くの大御所ミュージシャンたちが集っています。

ジム・ジャームッシュはオハイオ生まれ。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)『ブロークン・フラワーズ』(2005)はじめとするクールで謎めいたカルト映画を生み出す想像力の持ち主、銀髪と翳りある風貌が魅力のロックンロールな映画監督です。

名だたるミュージシャンとも親交がある彼はザ・ホワイト・ストライプス(『コーヒー&シガレッツ』(2003)に出演)、 RZA(『ゴースト・ドッグ』(1999)に出演)と自身の映画にてコラボレーションすることもしばしば。トム・ウェイツとイギー・ポップは常連組で、『コーヒー&シガレッツ』では二人のおかしなやり取りを見ることができます。またジャームッシュはミュージック・ビデオにとどまらずイギー・ポップのザ・ストゥージズを追う『ギミー・デンジャー』(2016)、ニール・ヤングの『イヤー・オブ・ザ・ホース』(1997)と優れたドキュメンタリーも制作しています。

そんなジャームッシュの最新作『ザ・デッド・ドント・ダイ』はアダム・ドライバー、ビル・マーレイ、クロエ・セヴィニーらが演じる警察官がゾンビの発生から小さな町を守るというホラー・コメディ。

カントリー歌手のスターギル・シンプソンやエルヴィス・プレスリーの伝記映画にてプレスリー役に抜擢されたオースティン・バトラー、昔からの同胞RZA、ハーモニー・コリン作品『スプリング・ブレイカーズ』(2012)に出演するセレーナ・ゴメスと、ジャンルを問わず多くのミュージシャンが集結しています。

セレーナ・ゴメスを始めとした若い才能たち

画像:『ザ・デッド・ドント・ダイ』キャストのセレーナ・ゴメス

© 2019 Image Eleven Productions, Inc.

ジャームッシュはセレーナ・ゴメスについて以下のように語りました。

「セレーナ・ゴメスは素晴らしい人。彼女を賞賛します。本物のとても偉大なポップスターで、特に若い女性たちに自信を与えられる存在です。彼女に今までの話を聞いたのですが、健康上の問題と個人的な葛藤を隠そうとせず、前向きで、クールなんです。多くの人々に勇気を与えるパワーがある。彼女の歌の中でいくつか大好きなものがあります。私はどんな音楽も楽しみたいと考えています。アヴァンギャルドなジャズやアンダーグラウンドなヒップホップ、16世紀イギリスのポリフォニー、ピグミー民族の音楽、Byakaまで聴きますよ。もちろんポップミュージックも聴きますし現在の流行もチェックしています。セレーナはその中の素晴らしいミュージシャンの一人。もう一人私が注目している歌手はビリー・アイリッシュです。彼女は15歳の時に初のコンパクト盤をレコーディングし始めたんですよ。現在は17歳。時々巨大なカルチャーの中に、否定しがたいほど素晴らしいものが生まれている場合があります。カート・コバーンのようにね。ビリー・アイリッシュは本当にすごい」

ゾンビになった常連のイギー・ポップ

画像:『ザ・デッド・ドント・ダイ』キャストのイギー・ポップ

© 2019 Image Eleven Productions, Inc.

パンク・ロックの伝説にしてジャームッシュ映画常連のイギー・ポップは、今回喫茶店のゾンビ役で出演。

「イギーに本作のことを話すと、「ゾンビ?クールだね」といった感じでした。イギーは古くからの友人で、同時に深く尊敬する人物です。彼ら出演者たちに巨額なギャラを支払えるだけの大きな予算がある、と考えている方も多いでしょう」

ジャームッシュはダニー・グローヴァー、ロージー・ペレス、スティーヴ・ブシェミ、キャロル・ケイン、そして『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013)に出演するティルダ・スウィントンを含むキャストについて語りました。

「彼らはただ、「ジムが呼んでいるから参加しようか」そう言って出演してくれたのです。トム・ウェイツ、ティルダ・スウィントン…。彼らがこの映画のためにいてくれた事が本当に嬉しかったです」

RZAとは相思相愛

画像:『ザ・デッド・ドント・ダイ』キャストのRZA

© 2019 Image Eleven Productions, Inc.

キャストの豪華ミュージシャンの一人、RZA。ヒップホップの革新を支えた歌手であり、ウータン・クランのメンバー、そして『すべてはその朝始まった』(2005)『アメリカン・ギャングスター』(2007)『アイアン・フィスト』(2012)やジャームッシュの『コーヒー&シガレッツ 』にも出演する俳優と様々な面を持つアーティストです。

ジャームッシュはRZAやウータン・クランについてこう話します。

「彼らは私の仲間です。そしてどういうわけか私も彼らの仲間なんです。ウータン・クランに受け入れられて一緒に仕事をした時、RZAは私のことをメンバーに「こいつがジム。俺の友達、ホワイト・ニガーだ」と紹介してくれました。私は彼らのことが大好きです。彼らもまた、私のことが好きです。なぜかは分からない、RZAはそういう男なんです。彼のことが大好きだ。彼らは非常に啓蒙されています。RZAと最年少メンバーのMethod Manはビーガンで、とても健康的。ウータンは世界中で菜食主義をサポートしていて、シカゴのベジタリアンの店でポップアップやサプライズのショーを開いたりもしています。30分前に突然、「ウータン・クランのメンバー、Ghostface Killah とCappadonnaがもうすぐベジタリアン・バーガーショップでパフォーマンスするぞ」とオンライン上でアナウンスしたりして。彼らは菜食主義の促進に貢献しています。それから気候変動についても大きな興味を抱いているんです。ニューヨークには地球温暖化の様子を示す巨大な地球の地図があるんですが、ウータン・クラウンは建設費用に寄付していました。「興味ない奴ら、目を覚ましな!」ってね。本当にウータン・クランが大好きだ。哲学的で素晴らしい技量の持ち主、アクロバティックな天才集団ですから」

盟友トム・ウェイツのノート

画像:『ザ・デッド・ドント・ダイ』キャストのトム・ウェイツ

© 2019 Image Eleven Productions, Inc.

現代音楽界を席巻する人物トム・ウェイツもまたジャームッシュの長年の友人であり、初期作『ダウン・バイ・ロー』(1986)に出演しています。いつもインタビュー時にはノートを持ち込む習慣のあるジャームッシュ、そのノートのメモはいつもミュージシャンたちについての話を思い出させてくれるそう。

「いくつかノートを持っています。一つは取り組んでいる作品のアイディアのため。これは『ザ・デッド・ドント・ダイ』について色々描いてあります。私は覚えるのが苦手なので(笑)。「最近どんな音楽を聴いていますか?」と聞かれた時にすぐ答えられるようバックアップが必要なんです。残念ながらトム・ウェイツのような面白いインタビューにできる自信が私にはありません。彼はいつも記者たちの質問とは何の関係もないようなノートを持っているんですよ。「新曲のインスピレーションはどこから得ましたか?」するとトムは「きみ、ヌタウナギの歯を見たことあるか?あいつらは南太平洋の、3万フィートの深さに住んでるんだ。あいつらは特別な大きさを持つために時間をかけて進化してきたから、他の魚とは逆なんだ」それと音楽とどんな関係があるんだ、って感じでしょ。ごめんなさい、私にはそんな変な話はできません…」

自らも音楽の才能を持つジャームッシュ

画像:ジム・ジャームッシュ監督

© 2019 Image Eleven Productions, Inc.

最後にジャームッシュは、自分の過去作を見ない理由、そして、有名なロッカーたちを起用する理由を語ってくれました。

「私はそれらの映画を作るのに数年費やしました。ですがすでに終わってる作品は、もう何も変えることはできない。だから私は見返して止まりたくないんです。私自身を比較したくもありません。ボブ・ディランもインタビューで「あなたは自分のレコードを聴きますか?」と尋ねられていたのですが、彼も「俺はレコーディングの時に聴いたし、ライブでプレイするし、クソレコードなんか聴きたくないね」と言っていました。私たちには現在があって、新しいことを考えることができる。古いもので善悪を考えることや郷愁を感じること、後ろを振り返ることはしません」

ジャームッシュがいつも惹かれているのは音楽であり、また彼もその才があります。ジャームッシュが俳優のカーター・ローガンと組んでいるバンド、Sqürlのウェブサイトには「大きなドラムに歪んだギター、カセットレコーダーにループ、フィードバック、悲しいカントリーソング、めちゃくちゃなヒップホップ、映画が好きなニューヨークの熱狂的マジカル・ロックバンド」との説明が。

彼らは『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013)や『パターソン』(2016)、『ザ・デッド・ドント・ダイ』、ジャームッシュの撮影監督であるロビー・ミューラーのドキュメンタリー『Living The Light 』(2018)などに楽曲を提供しています。

「どなたか映画人で音楽を必要としていませんか?安い予算で働きますよ」とジャームッシュは笑いました。

FILMINK【Jim Jarmusch Rocks With The Dead Don’t Die

英文記事/ James Mottram
翻訳/Moeka Kotaki
監修/Natsuko Yakumaru(Cinemarche)
英文記事所有/Dov Kornits(FilmInk)www.filmink.com.au

本記事はオーストラリアにある出版社「FILMINK」のサイト掲載された英文記事を、Cinemarcheが翻訳掲載の権利を契約し、再構成したものです。本記事の無断使用や転写は一切禁止です。

映画『デッド・ドント・ダイ』の作品情報

【日本公開】
2020年6月5日(スウェーデン・アメリカ合作映画)

【原題】
The Dead Don’t Die

【監督・脚本】
ジム・ジャームッシュ

【キャスト】
ビル・マーレイ、アダム・ドライバー、ティルダ・スウィントン、クロエ・セヴィニー、スティーヴ・ブシェミダニー・グローバー、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ロージー・ペレス、イギー・ポップ、サラ・ドライバー、RZA、キャロル・ケイン、セレーナ・ゴメス、トム・ウェイツ

【作品概要】
2019年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

ビル・マーレイ、アダム・ドライバー、クロエ・セヴィニーの3人が警官に扮し、ゾンビに侵食されて行く町で生き延びようと奮闘します。

映画『デッド・ドント・ダイ』のあらすじ

Credit : Abbot Genser / Focus Features © 2019 Image Eleven Productions, Inc.

センタービルはのどかな田舎町でしたが、動物たちが突如として異常行動を取り始めるという事件が発生。

科学者たちが調査に乗り出したものの、異常行動の原因はなかなか突き止められません。

ほどなくして、町の墓地に埋葬されていた死体がゾンビとなって復活し、町全体が阿鼻叫喚の渦と化し…。




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