Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

陽月華映画『かぞくわり』あらすじとキャスト。劇場公開の初日舞台挨拶リポート

  • Writer :
  • 中村綾子

奈良を舞台にした家族と歴史ファンタジーが融合を見せた映画『かぞくわり』は2019年1月19日より有楽町スバル座、TOHOシネマズ橿原ほか全国順次ロードショー

日本で最も古い歴史を持つ奈良に住む、平凡なある家族を通して「今本当に守るべきもの、残すべきもの」を提示する注目映画『かぞくわり』

2019年1月19日(土)に公開初日を迎え、主演を務めた陽月華や、小日向文世、竹下景子など家族として共演した豪華役者陣が舞台挨拶に登場しました。

有楽町スバル座で行われた舞台挨拶の様子をご紹介したします。

映画『かぞくわり』の初日舞台挨拶


左から木下彩音、佃井皆美、小日向文世、陽月華、竹下景子、石田由多加、塩崎祥平監督

東京・有楽町スバル座にて、1月19日10時の回上映後、舞台上に姿を現したのは、主演を務めた陽月華をはじめ、共演を務めた小日向文世、竹下景子、石田由多加、佃井皆美、木下彩音らが登壇しました。

もちろん、その中には6年ぶりの映画の演出を果たした塩崎祥平監督も姿を見せ、総勢7人で映画公開を待ち望んだ観客に立ちました。

超豪華役者陣がそろっての登壇ということもあり、会場にいたファンの拍手喝采を浴びた晴れやかな初日を迎えました。

映画初主演の元タカラジェンヌの陽月華


(C)2018「かぞくわり」LLP

挨拶のはじまりには、まずは主演を務めた陽月華が口を開き、共演者を絶賛しました。

「自分で務まるのかと不安でしたか、一緒にいてくださる家族役の皆さんが頼もしく支えてくださいました。」

劇中で絵画を描く場面を演じたことについては、次のように語りました。

「絵から受けるパワー、そして舞台となった奈良で感じたエネルギーが大きな力となりました。」

確かに、劇中の絵画を描くシーンはとてもパワフルに感じます。

古都奈良のエネルギーを、観る側も感じることができるかもしれないですね。

イメージ通りのお父さんと真逆の役を楽しんだ大女優


(C)2018「かぞくわり」LLP

気弱な父親役を演じた小日向文世は、役と自らの共通点について次のように述べてくれました。

「奥さんに主導権を握られているところは同じですね」

このことを聞いた観客からは、笑い声が上がりました。

また、次のように共演した俳優たちの仲の良さを次のように語りました。

「この撮影で家族を演じた皆さんとこうして再会できて、本当の家族みたいに嬉しいです」

小日向文世がイメージ通りの役柄で、奥さんに主導権を握られているところが同じということは、この映画では素に近いのかもしれませんね。


(C)2018「かぞくわり」LLP

今までのイメージとは異なる強気な母親を演じた竹下景子は、本作の魅力の原点を次のように解説をしてくれました。

「この作品は手作りの映画で、各地から集まってくれたスタッフや小日向さんたちが現場の雰囲気を盛り上げてくれて、自分の中でも新鮮な役でしたが演じていて楽しかったですね」

いつも温和で穏やかなイメージの竹下景子。

イメージとはかけ離れた、派手で強気な関西のおばちゃん役が妙にはまっていました。

アクション女優と新人女優それぞれの不安


(C)2018「かぞくわり」LLP

陽月華の演じたヒロインと対立する妹役を演じた佃井皆美は、今回の役について不安を感じていたようです。

「普段はアクションシーンや舞台が多いんですが今回はアクションなしで不安でした。でも、小日向さんが「映像も演劇も心を動かして演じることには変わりない」とおっしゃってくださって、吹っ切れて演じられました」

小日向文世からのメッセージに、後押しされたと笑顔を見せていました。

本作が映画初出演となる木下彩音は、撮影中の思い出を振り返りました。

「本格的な演技も初めてで緊張していたんですが、ベテランの皆さんと共演させていただいて、学ぶことが多かったです。劇中で私も絵を描くシーンがあって、使ったことのない道具を使っての撮影だったので家でも練習したりしました」

CMやドラマで少しずつ活躍を見せている木下彩音。この作品が映画初出演ということもあり、現場では学ぶことも多かったんだと思います。

今後の活躍に期待したいですね。

タイトルに込めた思い


(C)2018「かぞくわり」LLP

本作品『かぞくわり』を脚本から手がけた塩崎祥平監督は、作品タイトルに込めた真意について次のように説明をしてくれました。

「割れてばらばらになった家族が、別の役割をもってもう一度ひとつになりますように、という願いを込めて付けました」

平仮名で付けられた作品タイトル『かぞくわり』。

「わり」という意味は、ひとつには「割る」という“関係が割れる”ということ。

そして「割りあてる」という“役割分配を割り振る”ということがあるようですね。

さあ、家族のあり方と。その再生の様子については、あなたの目でご確認ください。家族ついて考えさせられる作品のようですね。


(C)2018「かぞくわり」LLP

映画『かぞくわり』の作品情報


(C)2018「かぞくわり」LLP

【公開】
2019年(日本映画)

【監督】
塩崎祥平

【キャスト】
陽月華、石井由多加、佃井皆美、木下彩音、竹下景子、小日向文世

【作品概要】

民俗学者で作家の折口信夫の小説『死者の書』をヒントに、日本の家族のあり方を描いた作品です。

堂下香奈を演じるのは、元宝塚歌劇団宙組の娘役でトップを務めた陽月華。退団後は、『駆込み女と駆出し男』や『チア☆ダン』など話題作に出演し、今回が映画初主演です。

香奈の父親役には「アウトレイジ」シリーズや『サバイバルファミリー』の小日向文世。また『花戦さ』や『聖の青春』の竹下景子が母親役を務め、小日向文世との夫婦役で、今までとは違った印象を見せています。

そのほかのキャストに石井由多加や佃井皆美、木下彩音、松村武など、多方面で活躍する俳優陣が顔を揃えました。

監督と脚本を担当したのは、奈良県で地元に根ざした映画製作を精力的に行っている新鋭の塩崎祥平。前作『茜色の約束』では、関西の動員2万人以上というヒットを飛ばしました。本作は前作から6年ぶりの映画となります。

映画『かぞくわり』のあらすじ

(C)2018「かぞくわり」LLP
奈良の地に現存する1300年以上の歴史を誇る寺。

その寺には曼荼羅を一夜にして織り上げたという伝説の姫がまつられていました。

奈良のごく平凡な家庭で育ち、画家になることを夢見ていた香奈。

夢を両親に拒絶され無気力な生活を送る彼女は、38歳になっても定職にも就かずに両親と実家暮らしを続けていました。

そんな香奈の前に現れた謎の青年が、香奈を画家の世界へと導きます。

再び画家の世界へ足を踏み入れた香奈。

無我夢中で筆を走らせる彼女の中で、何かが目覚めようとしていました。

そしてそれは、街全体を巻き込んだ大騒動へと発展し…。

まとめ

(C)2018「かぞくわり」LLP

本作『かぞくわり』は、はじめはバラバラになった家族の再生物語のように思いましが、それだけではありません。

バラバラになった家族が、1人の謎の青年によって物語の雰囲気が変わっていきます。

壮大な歴史ファンタジーとなって物語が展開していきます。

それは、古都奈良ならではの美しい自然と、非科学的なパワーによって、とても神秘的な物語となったのではないでしょうか。

主演の陽月華が感じた奈良のパワーを、スクリーンから感じてみて下さい。

映画『かぞくわり』は2019年1月19日より有楽町スバル座、TOHOシネマズ橿原ほかで全国順次公開中です。

ぜひ、お見逃しなく!

関連記事

新作映画ニュース

映画『仮面病棟』キャストの川崎瞳役は永野芽郁【演技評価とプロフィール】

映画『仮面病棟』は2020年3月6日より全国公開! 『屍人荘の殺人』の木村ひさしが監督をつとめ、現役医師でもある作家・知念実希人のミステリー小説を実写映画化した『仮面病棟』が2020年3月6日より全国 …

新作映画ニュース

映画『トムボーイ』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。燃ゆる女の肖像の監督長編2作目が劇場公開!

『燃ゆる女の肖像』セリーヌ・シアマ監督 長編2作目が劇場公開決定。 『燃ゆる女の肖像』にて、2019年のカンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞したセリーヌ・シアマ監督。 セリーヌ・シアマ監督 …

新作映画ニュース

映画『初恋』キャストのボクサー葛城レオ役は窪田正孝【演技力の評価とプロフィール】

映画『初恋』は2020年2月28日より全国公開! 日本での公開に先駆けて、2019年9月27日から全米で公開されました映画『初恋』。 監督を務めるのは『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』『十三人の刺客』 …

新作映画ニュース

映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇』あらすじ。キャストは大泉洋と小池栄子で公開日は2020年2月14日!

昭和の文豪・太宰治の未完の遺作『グッド・バイ』がコメディとして映画化! 『走れメロス』、『人間失格』などの代表作を発表し、2019年に生誕110年を迎えた文豪・太宰治。 ©2019『グッドバイ』フィル …

新作映画ニュース

【第32回東京学生映画祭】2021年の開催は10月と発表!3月6日より作品募集開始でエントリー期間情報も

日本で最も歴史がある国内最大規模の学生映画祭、東学祭 2021年も第32回目を迎える東京学生映画祭が開催されることが決定しました。 「第32回東京学生映画祭」 映画祭開催に向けて第32回東学祭で上映す …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学