アメリカの月面探査船計画、アポロ11号から16号のなかで一機だけ月に到達できなかったアポロ13号。
なぜその一件は、“輝かしい失敗”とまで言われるようになったのか。
月面に到着することなく、地球へ帰還することになったアポロ13号の乗組員と、彼らを支える真実の映画『アポロ13』をご紹介します。
映画『アポロ13』の作品情報
【公開】
1995年(アメリカ映画)
【原題】
Apollo 13
【監督】
ロン・ハワード
【キャスト】
トム・ハンクス、ケビン・ベーコン、ビル・パクストン、ゲイリー・シニーズ、エド・ハリス
【作品概要】
アメリカの月面探査船計画で唯一月に到達できなかったアポロ13号。
その絶体絶命の危機と地球への生還を描く人間ドラマ。
監督は『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』のロン・ハワード。出演は、『フィラデルフィア』『フォレスト・ガンプ 一期一会』で2年連続アカデミー賞受賞のトム・ハンクス、『激流』『告発」のケビン・ベーコン、『トゥルーライズ』のビル・パクストン。
映画『アポロ13』のあらすじとネタバレ
1969年7月20日、宇宙飛行士のジムは、自宅で仲間たちと、全世界に中継されていたニール・アームストロングの月面歩行を見ていました。
「人類が月面を歩いた。奇跡じゃない。人間の意志の力だ」とジム。
3回の宇宙飛行を経験したジムは、アポロ14号で最後のミッションとなるはずでした。
ところが、13号の船長になる予定だったアラン・シェパードが耳の疾患により計画から外されます。
急遽ジムのチームが繰り上げ飛行をすることになり、半年で準備をする、忙しい日々を送ることになりました。
「13号。なぜ13なの」と妻のマリリン。
「12の次だからさ」とジムは13という数字を気にも留めません。
世間でも13という数字を不吉がりますが、同じくクルーのケンとフレッドも気にしていません。
順調に打ち上げ準備が進んでいるように思えたのでした。
打ち上げ2日前。
13号予備チームの一人が風疹にかかり、血液検査をした結果、ケンにもその疑いが認められたのです。
ジムは、ミッションを先送りするか、ケンと予備チームのジャックを交代するかの決断を迫られ、後者を選んだのでした。
ジムの判断とは言え、フレッドは、ケンの代わりに入ったジャックの技術的不安がぬぐいきれません。
ジャックも、ケンの代わりが務まるのか、焦りを感じていました。
それでもジムは「奴は強い。ジャックは大丈夫だ」というケンの言葉を信じ、ぎりぎりまで訓練を行い、打ち上げに備えるのでした。
1970年4月11日。
はじめは打ち上げを見るのを渋っていたマリリンや、フレッドの妻と子供たち、その他の人たちに見守られながら、アポロ13号は無事に打ち上がりました。
ケンは打ち上げの様子を遠くで見守っていました。
打ち上げが成功したのもつかの間、アポロ13号の中では5つあるエンジンの一つのランプが消えました。
ヒューストン宇宙センターでも同じ計器の表示。
しかし、ほかの4基に問題がなければそのままで進もうとの判断でした。
「災難はこれで終わりさ」ジムの言葉に緊張の糸がほぐれたのか、フレッドとジャックは安堵の表情を見せました。
映画『アポロ13』の感想と評価
140分の間、息つく暇がないほど、次から次に問題が発生します。
専門用語が出てくるのですが、それがわからず余計に不安になり、ドキドキしっぱなしです。
そんな中、ジムとマリリンのやり取りがとても微笑ましいのです。
復活祭の行き先を月だとジムが言ってみたり、打ち上げを見に来たマリリンに「もしかして、ミス・ラヴェル?」と他人のように聞いてみたり、「面白いショーだって男友達に聞いたの」とマリリンがジムに冗談を言ったりします。
終始緊張感のある映画の中に、ほっとする夫婦愛の場面がありました。
映画の中で、ジム・ラベル本人が空母イオウジマの船長役として出演しているのが、ロン・ハワード監督ならではのニクい演出です。
まとめ
事実は小説より奇なり、この話はまさにそれです。
とはいえ、どこまでが事実かはわかりませんが、時々当時の映像を織り交ぜながら話が進んでいくので、すべてが事実に思えてきます。
それほど、この作品は作り込まれています。
当時の最新CGと、模型を駆使してのロケット打ち上げや、切り離しのシーンなど、細部にこだわっている映像に感心させられます。
人類が初めて月面を歩いてから約半世紀。
ようやく月旅行が現実となってきた現代だからこそ、人類の思いを載せて月へと向かった先人たちの事実を知ってほしいです。