実在する人物ルディ・ルティガーの奇跡の物語、『ルディ/涙のウイニング・ラン』
映画『ルディ/涙のウイニング・ラン』では、ルディが昔からの夢だったフットボールのチームでのプレーを叶える為、周りからの反対を押しのけて突き進みます。
しかし、ルディを待ち受けていたのは夢とはかけ離れた過酷な現実でした。努力の天才とも言えるルディは、熱意のみで夢を叶えることができるのでしょうか。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでサム役を演じたショーン・アースティンが主演を務め、本作が彼の代表作品の一つとなりました。
『ルディ/涙のウインングラン』は、これから何かに挑戦したい人、または何かを諦めそうになっている人に必ず勇気と力を与えてくれることでしょう。そんな本作をネタバレ有りでご紹介します。
映画『ルディ/涙のウイニング・ラン』の作品情報
【公開】
1993年(アメリカ映画)
【原題】
Rudy
【監督】
デヴィッド・アンスポー
【キャスト】
ショーン・アスティン、ジョン・ファブロー、ネッド・ビーティ、グレタ・リンド、クリストファー・リード、チャールズ・S・ダットン、リリー・テイラー、ロバート・プロスキー
【作品概要】
名門フットボールチームでのプレーを夢見る少年ルディが、熱意と努力で困難を乗り越え夢を手にする感動の実話です。
『勝利への旅立ち』(1986年)を見たルディ・ルティガー本人が自身の体験を映画化してもらうため、監督デヴィッド・アンスポー、脚本家アンジェロ・ピッツォに提案し実現しました。
映画『ルディ/涙のウイニング・ラン』のあらすじとネタバレ
舞台はアメリカ、イリノイ州の田舎。小柄なルディ(ルディ・ルティガー)は兄弟たちとアメフトをして遊んでいました。兄弟たちからはチビにはプレーはできないとバカにされていました。
家族はアメフトの名門ノートルダム大学の大ファンです。その夜は家族で試合観戦をしていました。
ルディは将来は父と同じように工場で働くのではなく、ノートルダム大学でアメフトをすると宣言しました。
しかし、家族からは天と地がひっくり返っても無理だと言われてしまいます。試合後の夜ルディは興奮冷めず、ベッドの上に立ち試合の解説の真似をしていました。
時が経ち、ルディーは高校最高学年。アメフト部を引退する日を迎えました。ルディは学校でノートルダム大学の見学の知らせを聞き、参加を試みるも成績が足りないという理由で断られてしまいました。
ルディはその場を去り、更に時は進み4年後。ルディは父の働く工場で友達のピートと兄のフランクと働いていました。
仕事終わりにピートとご飯を食べていると、誕生日プレゼントとして、ノートルダム大学のスタジャンをプレゼントしてくれました。
ルディはスタジャンをとても嬉しそうに受け取り、ノートルダム大学への貯金が貯まったと言いました。
そして、ノートルダム大学の監督アラは、実力さえあれば誰でも起用してくれると熱く語りました。また、‟夢は人生の宝物”であると父に昔言われたとも言いました。
ルディ、ピート、フランクの3人で飲んでいると、フランクはルディがノートルダム大でのプレーを諦めていないことをバカにしていました。
するとピートは、フランクは才能があるのに、ルディのようにぶち当たる維持も根性もないと怒り出しました。
工場で火災が発生しました。必死に水で消火しようとしていたルディとピート。
しかし、放水機能が動かず爆発。その衝撃でピートの体は飛ばされ、彼は亡くなり、ルディは唯一の味方だった親友を失いました。
ピートが亡くなり、ルディはノートルダム大学へ向かうことを決意しました。そして、結婚したいと言われていた彼女のシュリーとは別れました。
ルディがノートルダム大学へのバスを待っているとそこに父が現れます。父からは愚かな夢を追うのは周りの人を辛い想いをさせるだけだと説得されました。
しかし、ルディの決意は変わることはありませんでした。夢を叶えたいと言い放ち、バスに乗り込みました。
ルディはノートルダム大学に到着すると、早朝のため事務局は開いていないと言われました。今直ぐにでも話したいと伝えると、神父のカヴァナーに会うことになりました。
神父はルディが神父になりたくてやって来たと勘違いしていたので、ルディは親友のピートを亡くしたことや、アメフトの夢を叶えたいが周りからは無理と言われ続けてきたことなどを話すと、神父は力になると言ってくれました。
その提案は聖十字カレッジに1年間入れてあげるというものでした。なぜなら、成績が良い生徒は、ノートルダム大学への編入が認められるからです。
こうして、ルディはノートルダム大学アメフト部でのプレーへの第一歩を踏み出しました。
映画『ルディ/涙のウイニング・ラン』の感想と評価
「証明とは自分自身にすることだ」
清掃員のフォーチュンが‟チームの一員だと家族が認めてくれない”と嘆くルディに向けて伝えた言葉です。
本当のことは自分がわかっていればそれでいいのです。認められたいという思いが強くあるのは、背景に人並みならぬ努力があったからだと思います。しかし、だからこそ、原点を忘れてはいけないと感じさせてくれます。
報われるか分からない努力を続けることが出来る人は多くありません。結果的にルディは試合にたった1回、しかも短い時間だけしか出れませんでした。
しかし、この結果を成功と捉えるかは、やはり自分次第なのです。つまり、フォーチュンが伝えていた証明も成功も全てが自分自身がどう捉えるかなのです。
もう一つこの映画が教えてくれることがありました。それは、努力は誰かが必ず見ているということ。
それが認められたり結果に繋がるとは限りません。しかし、人の心を動かすことができるのです。
まとめ
実話の感動スポ根『ルディ/涙のウイニング・ラン』を素晴らしい形にしたキャストの経歴に注目です。
ルディ演じたショーン・アスティンの母親は『奇跡の人』(1962)でアカデミー賞を受賞したパティ・デュークです。母だけでなく、父のジョン・アスティン、弟のマッケンジー・アスティンも役者をしており、芸能一家です。
ルディの親友ボブを演じたジョン・ファヴローは『ルディ/涙のウイニング・ラン』で映画デビューを果たし、後に「アイアンマン」シリーズや『ライオン・キング』(2019)で監督を務め、『シェフ 三つ星フードトラックはじめました』(2014)では監督、主演どちらも務めました。その他にも多数監督、出演、どちらもこなしています。
清掃員のフォーチュン演じたチャーチル・S・ダットンは約10年服役した過去があります。
服役後は大学に進学し、ブロードウェイデビューをきっかけに役者人生を歩み始めました。トニー賞やゴールデングローブ賞を度々ノミネート、エミー賞では受賞しており、舞台・映画・テレビと幅広い活躍をしている役者です。