襲い掛かる2つの脅威。小さな相棒を守り抜け!
“アクションヒロイン”アンジェリーナ・ジョリーが帰ってきた! 殺し屋、CIA諜報員、トレジャーハンター……そして今作では、辛い経験からトラウマを抱えた森林消防隊員に。
アンジェリーナ・ジョリーが主演を務め、山火事が迫るなか暗殺者から少年を守るべく戦う消防隊員を描いたサバイバル・サスペンス。
主人公ハンナは、暗殺者・未曾有の山火事の2つの脅威と戦い、目撃者の少年を守り切れるのか。次々襲い掛かる驚異にハラハラドキドキが止まらない。映画『モンタナの目撃者』を紹介します。
映画『モンタナの目撃者』の作品情報
【日本公開】
2021年(アメリカ映画)
【監督】
テイラー・シェリダン
【キャスト】
アンジェリーナ・ジョリー、ニコラス・ホルト、フィン・リトル、エイダン・ギレン、メディナ・センゴア、タイラー・ペリー、ジェイク・ウェバー、ジョン・バーンサル
【作品概要】
主人公の森林消防隊員ハンナが、山火事と暗殺者の2つの脅威から少年を守り抜く姿を描いたサバイバル・サスペンス映画『モンタナの目撃者』。
主演は、約11年ぶりのアクションヒロインを演じるアンジェリーナ・ジョリー。実際に6人の子供の母でもある彼女の、母性溢れる演技にも注目です。
監督・脚本は『ウインド・リバー』(2017)のテイラー・シェリダン監督。共演には、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)のニコラス・ホルト、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)のエイダン・ギレン、『ボーダーライン』(2015)のジョン・バーンサルなどが顔を揃えます。
映画『モンタナの目撃者』のあらすじとネタバレ
山脈が連なり大自然が広がるモンタナ州。この地で森林消防隊員として勤務しているハンナは、過去の事件のトラウマに苦しんでいました。
炎燃え盛る山火事の現場で、ハンナは立ち尽くしていました。仲間が火に飲みこまれ、炎の向こうには3人の子供たちが「助けて」と叫んでいます。「私が風を読み間違えたせい」……火の勢いが増し、ハンナは引きずられるようにその場から離されて行きます。
うなされるように飛び起きるハンナ。それは夢でした。あの事件は、ハンナに深い傷痕を残したままです。
風の読み間違いは、決してハンナだけの判断ではありませんでした。消防隊の仲間や、町の警察官イーサンも自暴自棄になるハンナを心配していました。
そんな中、ハンナは森林の山頂にある見張り塔の勤務を与えられます。自然の中でひとり、思い出すのはあの日の山火事の光景。悲しみが襲ってきます。
山の天気は変わりやすく、遠くで発生した雷が早いスピードで近づいてきます。もの凄い音と衝撃が塔に走ります。間一髪の所で直撃は免れたものの、ハンナは手のひらを負傷。手を洗おうと川へと向かいます。
一方その頃市内では、地方検事の家が、ガス漏れで大爆発を起こしたというニュースが流れていました。そのニュースを目にした法廷会計士のオーウェンは怯えます。
オーウェンは、息子のコナーを連れ車を走らせます。父の様子に戸惑うコナーに、オーウェンは言ってきかせます。「私は正しいことをした」と。
父の仕事柄、何か危険なことに巻き込まれていると察したコナー。父から「もし自分に何かあったら、信頼できる人に渡してほしい」と手紙を託されます。
追っ手はすぐそこまで忍び寄っていました。重大な秘密のもみ消しに雇われた殺し屋ジャックとパトリックは、すでにオーウェン親子の行先を割り出し、峠で待ち構えています。
オーウェン親子は、モンタナ州の田舎でサバイバルキャンプを営むイーサンとアリソン夫妻の元に向かっていました。警察官のイーサンは義弟にあたります。
車が峠に差し掛かかると、脇道に車が故障し困っている人がいます。気の毒に思いながらも先を急ごうとした瞬間。正面から銃弾がオーウェン親子を狙います。
車はガードレールを超え落下。血を流し最期を覚悟したオーウェンは、息子コナーに言い聞かせます。「小川は川に、川は町に繋がっている。手紙を頼んだぞ」。
泣きじゃくるコナーを逃げさせ、父は銃弾を一身に受けながら車もろとも転がっていきました。
コナーは父の言いつけを守り、小川に沿って走り出します。途中、川で手を洗うハンナと遭遇。ハンナに見つかり逃げ出すコナーでしたが、町へと向かう山が燃えているのに気付きます。
この火事では町への移動は無理です。ハンナの言う事を信じ、山頂の塔に戻り救助ヘリを待つことにします。
映画『モンタナの目撃者』の感想と評価
ある事件の目撃者となった少年コナー。そんなコナーの身を守ることになった森林消防隊員のハンナ。襲いかかる暗殺者。そして迫りくる山火事の脅威。
スピード感あふれる展開と、全体に張りつめる緊迫感。最後の最後まで目が離せない、手に汗握るノンストップ・サバイバル・サスペンス『モンタナの目撃者』。
アンジェリーナ・ジョリーにはやっぱりアクションが似合う。しなやかで完璧な肉体。傷だらけになっても美しいビジュアル。さらに円熟味を増した余裕のアクション。
今作では、これまでの最強無敵のヒロインとは一味違って、森林消防隊員という一般人がヒーローになる様を演じています。
心にトラウマを抱えた主人公ハンナは、自暴自棄になり弱い一面を持っています。暗殺者に立ち向かうも、武器もなく適わずピンチに陥ります。その姿はこれまでになくリアルです。
また、弱いながらも力の限り少年を守ろうと奮闘する主人公ハンナのまなざしに、温かい母性を感じます。私生活でも6人の子供の母であるアンジェリーナ・ジョリー。子供との距離感や見守り方がとても自然です。
そして、もう一人の主人公と言ってもいい目撃者となる少年・コニー。演じたのは、本作がアメリカ映画のデビュー作となったフィン・リトルくん。度重なる辛い体験に折れそうになる心を強く持ち、果敢に敵に向かう勇敢な少年の姿に胸を打たれます。時折みせるハンナに甘える子供らしさ表情にも注目です。
さらに、今作にはもうひとり、最強ヒロインが登場しています。地元警察官の妻・アリソンです。子供と夫を守るために危険を顧みず立ち向かう姿は、まさに最強。スカッとさせてくれます。
最後に、映画の舞台となったモンタナ州の雄大な自然も見どころのひとつとなっています。自然は人間に恵みと癒しを与えてくれますが、時に脅威となって襲ってくることもあります。
天気の急変、地震、雷、洪水、山火事の猛威。映画で描かれている自然災害は、実際にも起こっていることです。
山火事の原因は、温暖化や気候変動も挙げられますが、特に日本では人間の不注意による人為的原因が大半を占めているようです。つまり防げる災害もあるのです。
海外の山火事は規模も大きく、被害も相当です。映画の山火事のシーンでは、燃え盛る炎があっという間に迫りくる恐怖を感じました。
まとめ
“アクションヒロイン”アンジェリーナ・ジョリー主演のサバイバル・サスペンス映画『モンタナの目撃者』を紹介しました。
過去のトラウマと向き合い、暗殺者に狙われる少年コナーを守ろうと奮闘する森林消防隊員のハンナ。山火事が迫る森の中で、ハンナはコナーを守り切れるのか。
これまでの無敵最強ヒロインとは一味違う、一般人と扮したアンジェリーナ・ジョリーのナイーブかつ繊細なアクションに注目です。
迫力ある山火事の映像と、暗殺者に追われる緊迫感をぜひ映画館で堪能してください。そして、くれぐれも火の取り扱いにはご注意ください。