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名探偵コナン緋色の弾丸|ネタバレ感想とラスト結末の考察。赤井秀一のスタイリッシュさとスピーディなアクションは必見!

  • Writer :
  • さくらきょうこ

アニメ「名探偵コナン」シリーズの劇場版第24作『名探偵コナン 緋色の弾丸』。

東京で行われるWSG(World Sports Games)という4年に一度の国際的スポーツイベントをモチーフにした『名探偵コナン 緋色の弾丸』。

2020年の状況を鑑み公開が延期されました。予告編での「ワリィ、待たせちまったな」というコナン君のセリフがファンの心に刺さります。

主題歌を担当するのは「東京事変」。名探偵コナンへの参加は初ですが、実際に4年に一度の国際的スポーツの祭典にボーカルの椎名林檎がプランニングメンバーとして関わっており、彼女の歌声が流れるとその祭典への思いも伝わってくるようです。

映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』の作品情報

(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

【公開】
2020年(日本映画)

【原作】
青山剛昌

【監督】
永岡智佳

【キャスト】
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、池田秀一、浜辺美波、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、松井菜桜子、日髙のり子、森川智之、置鮎龍太郎、田中敦子、杉本ゆう、山口勝平

【作品概要】
例年GW前に公開されている「名探偵コナン」シリーズの劇場版。毎回特定のサブキャラクターにフィーチャーした展開が人気です。怪盗キッド、服部平次&遠山和葉、安室透。

本作は安室透とも因縁の深い赤井秀一とその家族を中心に、4年に一度のスポーツイベントとリニアライナーの開通が絡んだ豪華な内容のストーリーになっています。

“赤井一家(ファミリー)”とその周辺人物のおさらい

ちょっと複雑な人間関係を簡単に紹介します。

赤井秀一(あかいしゅういち)

FBI捜査官で凄腕のスナイパー。黒ずくめの組織に潜入していたが、それがバレてしまいコナンのアイディアで殉職を偽装。灰原哀の死んだ姉・宮野明美とは潜入捜査のためにつき合っていた。現在は沖矢昴(おきやすばる)という大学院生として工藤新一の家に居候中。ジークンドーの使い手でもあり、幼い真純に手ほどきしたことがある。コナン=新一ということに気づいている。

羽田秀吉(はねだしゅうきち)

秀一の弟でプロ棋士。七冠を達成したが現在は六冠。父の親友であった羽田康晴の家に高校卒業と同時に養子入り。義兄の羽田浩司は黒ずくめの組織によって殺害されている。実兄・秀一が生きていることを知っていて連絡を取り合っている。宮本由美警部補とは恋人同士で結婚を考えている。

世良真純(せらますみ)

蘭、園子と同級生で帰国子女。バイクを乗り回す女子高生探偵。身体が小さくなってしまった母メアリーとホテル住まいで、母の身体のことは秀吉にも秘密にしている。長兄の秀一は死んだと思っており、沖矢昴が秀一だということは知らない。コナン=新一の証拠をつかもうとしている。「世良」は母メアリーの旧姓。

メアリー

赤井一家の母で、実はイギリス情報局秘密情報部“MI6”の諜報員。夫・赤井務武に変装した黒ずくめの組織のベルモットに薬を飲まされ少女の姿に。偶然見かけたコナンが自分と同じ薬を飲まされていると推理し、手がかりを求めて真純と日本へやってきた。長男の秀一は死んだと思っている。自分のことを「領域外の妹」と表現してコナンの反応を試した。

FBI捜査官チーム

黒ずくめの組織を追い日本で捜査しているFBIの捜査官たち。以前は赤井秀一が死んだものと思っていたが、現在は共に捜査をしている。

ジェイムズ・ブラック

冷静沈着な赤井たちの上司。一度コナンに救われたことがあり、それ以来一目置いている。

ジョディ・スターリング

FBI捜査官だった父を母とともにベルモットに殺され、父の遺志をついでFBIに入った。日本での捜査のため、蘭たちの通う帝丹高校で英語教師として働いており、「先生」と呼ばれている。かつて赤井秀一とつき合っていたが、彼の潜入捜査のため別れた過去がある。

アンドレ・キャメル

卓越したドライビングテクニックを持つ。自分のミスで任務に失敗した赤井に報いるため、志願して日本へやってきた。

映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』のあらすじとネタバレ

(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

15年前のアメリカ・デトロイト。後ろ手に縛られた状態で走る黒人男性がモノレールに逃げ込みますが、背後から銃で撃たれ絶命してしまいます。

そして現在の東京。4年に一度開催される国際的スポーツの祭典・WSG(World Sports Games)の開会式が行われる芝浜スタジアムにほど近いホテルで、そのスポンサー企業の関係者を集めたパーティが開かれています。

鈴木財閥の令嬢・園子のコネで参加しているコナンや蘭、少年探偵団のメンバーたちは、時速1000kmで走る真空超電導リニアライナーが開会式当日に開通し、その一番列車が名古屋からスタジアムに到着するイベントがあることを知ります。

料理が運ばれてきた次の瞬間、突然会場が停電。30秒後照明が復旧すると園子の父、鈴木財閥の鈴木史郎会長がいなくなっていました。

園子は知り合いの自動車メーカーCEOジョン・ボイドに父の所在をたずねますが、なぜかジョンはあわてて出ていってしまいました。

元太のお手柄で無事に鈴木会長を発見するも、つい先日も似たような手口で鈴木会長やジョンと交流のある三塚製菓社長が拉致された事件があったことをコナンは聞き逃しませんでした。

後日、阿笠博士の家に集まったコナンたちに園子からお礼としてリニアライナーのプラチナチケットが渡されました。

でもチケットは6枚。少年探偵団5人に園子と蘭で7人。阿笠博士のなぞなぞクイズで勝敗を決め、園子がチケットをあきらめることになりました。

その帰り道。沖矢昴と合流したコナンは、頼んでおいた15年前のアメリカでの事件について話を聞きます。

WSGのスポンサー企業のトップ3人が拉致された事件。ひとりめは製菓メーカー、ふたりめは財閥系企業、このふたりは無事でしたが三人目の自動車メーカーの社長は自力で逃げ出したためか唯一殺害されてしまいました。

犯人はイシハラマコトという日本人で、動機はWSGの商業化に抗議したテロということでした。

被害にあった製菓メーカーはスポンサーを降り、テロに屈したと当時アメリカで激しく非難されたそうです。

そしてこのときのFBI長官が、今回WSG協会会長として来日予定のアラン・マッケンジーだというのです。

11年前にもこの事件と似たような事件が起こり、逮捕された犯人の自白によって模倣犯であると発表されました。

再び日本でWSGスポンサーを狙った事件が起きたのか、そうすると次のターゲットは自動車メーカーCEOのジョン・ボイドなのでしょうか?

そのジョンは毛利探偵事務所を訪れ、自分が酔って鈴木会長や三塚社長との交流についてしゃべってしまったせいでふたりが襲われたのではないかと疑い調査を依頼していました。

毛利小五郎はリニアライナー開通の日は危険だと、蘭やコナンたちに参加を取りやめるよう告げるのでした。

そのころ世良真純は、少女の姿をした母メアリーからリニアライナーのチケットを見せられていました。

ふたりには何らかの任務があるようです。すると兄・秀吉から電話があり、同じ日に名古屋にいるから会おうと言ってそそくさと切られてしまいます。

リニアライナー乗客向けの説明会に参加しているコナンたち。説明しているのは日本WSG協会広報の白鳩舞子、リニアライナー開発チーフエンジニアの井上治、リニアライナー客室担当の石岡エリーの三人です。

当日参加者は午前10時に名古屋国際空港に集合し、まず病院で健康診断を受けます。その後アラン会長も加わって新名古屋駅から東京のスタジアムへ向かうのです。

FBI長官を歴任したアラン会長は射撃の選手としてWSGに参加した経験があり、今回はWSG会長として万国旗が飛び出すサプライズを用意しているとエリーがバラしてしまいました。

FBIメンバーと合流したコナンは、赤井に本国から狙撃用弾丸の使用許可がおりたことを知り、「犯人を殺すの?」とたずねます。

その夜コナンは新一の声で蘭に電話し、リニアライナーに乗るのはやめるよう説得しますが……。

開会式当日。名古屋国際空港に降り立ったジョン・ボイドに付き添う毛利小五郎の目に、娘の蘭、そしてコナンと灰原哀の姿が映りました。

スキを見てジョンに発信器を取り付けたコナン。蘭はコナンたちに帰るように言いますが、哀は大人っぽく「帰れない。だって子どもだもの」と返すのでした。

一方園子は、リニアライナーをあきらめる代わりに手配した「仮面ヤイバーショー」を見せるため、元太・光彦・歩美に付き添って東京の芝浜にいました。

コナンは空港の駐車場で待機している沖矢と電話で連絡を取りながら、今回の犯人がイシハラマコトの家族ではないかと小五郎から参加者名簿をくすねて確認します。しかし該当する名前はありませんでした。

証人保護プログラムで氏名を変えている可能性があると沖矢は言い、FBIではなくUSMS(連邦保安官局)が担当していたら仲がよくないので照会に時間がかかると言います。

そのころ、プロ棋士の秀吉は恋人の宮本由美と名古屋城にいました。結婚相手として由美を母に紹介しようと思っている秀吉は、名古屋城近くに建設を予定している将棋会館への思いを由美に語るのでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

アラン会長も現れ、リニアライナーの乗客たちは隣接する病院の2階へ検査のためにやってきます。そのとき、建物の外では世良が様子をうかがっていました。

検査会場ではアラン会長が空港で買ったという栄養ドリンクのビンを落とし、それを拾ったコナンたちと英語でやりとりをしています。

蘭は「英語わかるの?」と驚きますが、コナンと哀は授業で少しやっているから、と取りつくろいます。

次の瞬間、一斉に天井から白い煙が吹き出し金具が落ちてきました。あわてた人々は出口へ向かいますがドアが開きません。蘭は倒れて気絶し、哀はなにかに気づいて叫びます。

「クエンチ……。早く逃げて」

哀と蘭を心配するコナンでしたが次第に身体が動かなくなり、沖矢に電話するもそのまま気を失ってしまいました。

異変を察知した沖矢は駐車場から猛スピードで出て行く黒い車を追って車を出しますが、そこへメアリーを後ろに載せた世良のバイクが立ちふさがります。

それをなんとかかわして黒い車を追う沖矢とさらにそれを追う世良のバイク。

そのとき世良のスマホに秀吉から着信がありますが、メアリーがそれを切ってしまいます。呆然とする秀吉の近くで由美はすでに酔っ払ってしまっています。

病院の2階ではコナンや小五郎が目覚めていました。蘭を起こしたコナンはジョン社長がいなくなったということを聞き、発信器の信号を頼りにスケボーで追跡を始めます。

道路上では世良が追跡する車を見失っていましたが、メアリーの指示で沖矢の乗った赤い車を追うことに。追ってくるそのバイクを見て沖矢は「まさかな」とつぶやきます。

コナンは追跡用メガネの調子が悪く、ちょうど目覚めた哀に連絡します。

用意周到な哀は予備のメガネを持っており、それを見ながらコナンに指示をしますがその合間に病院の状況を“クエンチ”だと説明します。

その言葉を聞いた病院関係者たちがハッとしてMRI室へと向かい、哀もそこへまぎれこむと思ったとおりクエンチが起きていました。

「クエンチ」とは、MRIに使われている超電導磁石を冷却するための液体ヘリウムがなんらかの理由で気化し、まわりの酸素濃度が下がってしまうことです。

哀は病院関係者に、普通こういう場合は配管が閉じるはずでしょう?とたずねると、2階にだけ充満し、その後すぐに排出されるよう設定されていたようだと説明されます。そのおかげで皆死なずに済んだのです。

コナンはこの話を聞いて、この犯人は人を殺す気がないということに気づくのでした。

コナンからの連絡でひと足先に車が向かった東海コンビナートに着いた沖矢は、単身倉庫に入りジョン社長をさがしますが中には誰もいません。

その代わり、入口から世良の乗ったバイクが飛び込んできました。バイクを降りた世良は沖矢に戦いを挑みます。ジークンドーの得意な世良に対して沖矢も負けていません。そして(やはり真純か)と、戦っている相手が妹だと気づくのでした。

メアリーも戦いに加わり、沖矢は真純の一撃で顔の変装が少しはがれてしまいます。そこへコナンが現れ、混乱に乗じて沖矢はその場を抜け出し車の中で変装を解いて赤井秀一の姿に戻ります。

コナンは世良のバイクの後ろに乗ると、発信器の信号を追って名古屋の町を走ります。メアリーは、今コナンに会うわけにはいかない、と世良とは別行動となりました。そして、哀の誘導でコナンと世良は無事にジョン社長を発見します。

結局リニアライナーは無人で走らせることが決定し、乗客たちは新幹線で東京に移動することになりました。

乗客たちの対応に追われる井上や石岡。そして今度はアラン会長がいない、と騒ぎに。一方コナンは病院での騒動のせいで警察がかり出され、新名古屋駅の方が手薄になっていることに気づき、赤井に駅へ向かうよう指示します。

アラン会長はリニアライナーに乗せられていると推理したのです。

そのころ名古屋市内にいる秀吉はすっかり酔っ払った由美にプロポーズ。勢いでOKした由美を抱きしめる秀吉。ふたりは周囲の人に祝福されます。

新名古屋の駅ではコナンの姿が見えない、と蘭が心配していましたが、哀が「知り合いといっしょに帰るって」と言うと仕方ないなぁという顔で納得するしかありませんでした。

そしてリニアライナーは多くの報道陣やファンに見守られ、今まさに東京に向けて出発しようとしています。

コナンはベルトから出したボールを蹴り、まるで用意されたセレモニーであるかのように花火を出現させて人々の注意をそらしたスキに、世良とともにリニアライナーに乗りこみます。

しかしなかなかアラン会長は見つかりません。

一方新幹線に乗り込んだ蘭・小五郎・哀たちは、映し出された走行中のリニアライナーの中にコナンと世良がいるのを見つけます。

ふたりをおろすために途中の駅でリニアを停めると東京でのイベントに間に合わなくなり、アラン会長が準備したサプライズもムダになってしまいます。

そんな中コナンはひそかに赤井に電話をし、できれば使いたくなかった作戦について話をします。

リニアの線路上に立った赤井は「タイムリミットだ」と言うと、ボルトアクションライフルで狙いを定めて一発撃ち、「あとは好きにしろ、坊や」とつぶやくのでした。

哀にも小五郎の持つ参加者名簿を奪ってデータを転送するよう指示を出したコナン。FBIに参加者全員の携帯電話番号が転送されました。

コナンの機転で腕時計に仕込まれたブラックライトを使い、アラン会長がわざとこぼした栄養ドリンクのあとをたどっていくとトランクに押し込められたアラン会長が見つかりました。

そしてもうひとり、リニアには白鳩舞子も乗っていました。

すると新幹線やリニアに乗っている参加者の携帯電話が一斉に鳴り始めます。FBIが全員に電話をかけているのです。

でも白鳩舞子のスマホは鳴っていません。コナンは、病院でMRIを操作した犯人のスマホは壊れていると推理し、白鳩舞子が犯人だと断定したのです。

本人は昨日から壊れていたと弁明しますが、彼女の名前シラハトマイコが15年前のテロの犯人イシハラマコトのアナグラムだと見抜かれ正体を現しました。

USMSの協力で名前を変えた白鳩舞子はイシハラマコトの娘で、無実の父の無念を晴らすため日本WSG協会の広報に入り、当時のFBI長官だったアラン会長が来日する今回の機会をうかがっていたのです。

東京に着いてから殺すつもりだった舞子は計画を変更し、アラン会長に銃を向けます。

しかしリニアの車体は極限まで軽量化され、もし弾丸が床や壁を貫通したらどのような大惨事になるかわかりません。

射撃の名手だったアラン会長は自分の体内に弾がとどまるよう、舞子に距離と角度を細かく指示します。リニアが急に減速する中、示し合わせたコナンと世良が舞子の前で交錯し、舞子はどこからともなく現れた弾丸に肩を撃たれて倒れ込みます。

その弾は先ほど名古屋で赤井が放った特別な銀の弾丸でした。鉄の弾ではリニアの磁力に影響されてしまうため銀の弾を使い、真空のリニアトンネルの中で遠く離れた犯人めがけて飛んできたのです。

「まだ、共犯者が残ってるよ」

コナンはそう言うと、舞子のピンチにリニアを遠隔操作で減速させたり、トランクを持ってリニアにもぐりこんでも怪しまれない関係者の男性、つまり井上治が共犯者だと言い当てます。

井上は15年前のテロ事件の被害者、製菓メーカーの社長の息子で事件のあと激しく非難されたこと、そして4年後に模倣犯としてつかまった男が真犯人であることを目撃していたのに、その事実がFBIによって隠されてしまったことを恨んでいたのです。

新港浜駅に停車した新幹線から飛び降りた井上は、追う小五郎を振り切って駅近くに用意していた黒い車で逃走してしまいました。コナンの指示でジョディとキャメルが追跡に向かいます。

ちょうどそのころ、名古屋市内を走っていた赤井の車を酔っぱらった由美が止めていました。

秀吉に気づいた赤井はふたりを車に乗せ、由美は後部座席で爆睡、秀吉はキャメルが犯人を追う手伝いをすることになります。

犯人が走っている付近の地図を頭にたたき込んだ秀吉は、棋士らしく先の先、犯人の動きを読んでキャメルに指示を出します。

キャメルは犯人の車を目視しますが、そのまま追わせてくれない秀吉の指示にイラ立ちます。

しかし赤井の命令とあって逆らうことはできず秀吉の言う通りにすると、面白いようにそこへ犯人の車が現れ驚くばかりです。

井上は走るリニアが最も近く見える場所へ行き、そこで遠隔操作をしてクエンチを起こします。

白い煙をあげながら暴走するリニアはあと5分で芝浜スタジアムに突っ込んでしまいます。

コナンと世良はリニア内にあるサブ制御室で走行を操作しようと試みますがうまくいきません。メイン制御室ならなんとかできるかもしれないとわかったころ、事情を知らない園子たちから電話がかかってきます。

仮面ヤイバーが空からパラシュートで降りてきた!と興奮気味に話す元太たちの話にコナンはひらめきます。

二手に分かれたコナンと世良。準備が整いコナンの合図で青いボタンを押す世良。

コナンはリニアの先頭を吹き飛ばすとサッカーボールを大きくふくらませてクッションのように使います。

後方ではアラン会長のサプライズだった万国旗がパラシュートのように開いてリニアを減速させます。

脱線したリニアライナーは芝浜スタジアムに突っ込んでしまいますが、シートベルトでしっかり固定されたコナンと世良、アラン会長と白鳩舞子はなんとか無事でした。

一方秀吉の指示で犯人井上の先回りをしていたジョディとキャメルは、無事に井上の確保に成功していました。

結局15年前の事件はイシハラマコトと、4年後に模倣犯でつかまった男が共犯だったのです。

舞子の父は無実ではなく、共犯の男がFBIと司法取引をして模倣犯として真実が隠されてしまったというのが真相でした。

白鳩舞子はコナンのおかげで弾が急所をそれていたので無事でした。コナンがアラン会長にメールで説明し、アラン会長が舞子を下がらせて位置を決めていたのです。

それを知った赤井はこう言います。「俺たちFBIとはちがうみたいだ」

名古屋から戻った赤井はキャメルに命じて秀吉と由美を送らせると、自分は沖矢昴の姿に戻って自分の車に乗り込みます。

するといつの間にか後部座席に乗り込んでいたメアリーに銃を突き付けられますが、すぐに彼女は姿を消してしまいます。小僧、と呼ばれた沖矢はフッと笑うのでした。

さて、泥酔したまま東京に戻ってきた由美はプロポーズのことをおぼえていませんでしたが、だれかの車で吐いてしまったことだけはおぼえていました。

赤井に頼まれてその車を運転していたキャメルは、イヤなにおいを感じていたのでした。

映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』の感想と評価


(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996
回を追うごとにスケールアップする「名探偵コナン」シリーズの劇場版。今回は世界的なスポーツイベントとリニアライナーの開通という贅沢な内容でした。

しかも今回は人気キャラクターである赤井秀一を丁寧に、かつ効果的に描いています。

前半はずっと変装した沖矢昴の姿で行動し、赤井秀一本人の見せ場である狙撃シーンで中盤を盛り上げ、終盤は弟・羽田秀吉が頭脳戦で赤井をサポートしつつ怒涛のクライマックスへ向かうというフルコース的な展開になっているのです。

脚本を担当した櫻井武晴は「相棒」シリーズや「科捜研の女」シリーズを多く手掛け、劇場版名探偵コナンシリーズも今回が5本目となります。

2018年、日本中に“安室の女”を大量発生させた「名探偵コナン ゼロの執行人」も櫻井が担当しています。

MRIのクエンチ、FBIとUSMSの対立、そしてリニアライナーのトンネル内の仕組みなど、観る者の知識欲を刺激するような目新しい言葉や事柄をうまく取り入れ、荒唐無稽とも思える物語に説得力を持たせる手腕には目を見張るものがあります。

そしてリニアライナーのことを“日本の弾丸”とよんだり、ニュースの中でそのスピードを弾丸に例えたり、と伏線回収マニアにはたまらない仕掛けも魅力です。

もちろん、赤井が撃った“銀の弾丸(シルバーブレット)”が赤井とコナンのコンビのことを指しているというのも嬉しいポイントです。

まとめ

(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

700ヤード(約640m)の男、赤井秀一は自身の記録をとんでもなく塗りかえてきました。空気抵抗のない真空トンネルの中という設定なのでシルバーブレットは一直線に飛び続け、おそらく100kmくらい先まで届いたのではないでしょうか。赤井秀一、かっこいいです。

その赤井秀一(声:池田秀一)にコナンを「坊や」と呼ばせるのも、往年のファンにはたまらないプレゼントです。

また今回は新一・蘭の恋愛要素は控えめにして、コナンと灰原哀の絶妙のコンビネーションが際立つ演出になっていました。

赤井ファミリー、そして黒ずくめの組織。名探偵コナンの物語はその大きな謎に近づいてきています。灰原哀はその中でキーパーソンとなる人物なので、これからもどんどんピックアップされていくことでしょう。

さて、来年は警察学校メンバーがメイン。どんな話になるのか、楽しみです。





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