Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

サスペンス映画

Entry 2017/12/26
Update

映画『68キル』あらすじとキャスト。トレント・ハーガ監督とは

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

映画『デッドガール』や『ザ・スリル』の脚本家として高い評価を受けているトレント・ハーガ。

彼が脚本と監督を手掛けた映画『68キル』は2018年1月6日より、特集上映「未体験ゾーンの映画たち2018」公開!

アメリカではチケットが即完売し、すぐに追加上映もされたという話題のアクションスリラー『68キル』の作品概要やスタッフ・キャストの情報を紹介します。

1.映画『68キル』の作品情報


(C)2016 CHIP THRILLS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

【公開】
2018年(アメリカ映画)

【原題】
『68 Kill』

【脚本・監督】
トレント・ハーガ

【キャスト】
マシュー・グレイ・ギュブラー、アナリン・マッコード、アリーシャ・ボー、シェイラ・バンド、サム・イードスン、ジェームズ・モーゼ・ブラック

【作品概要】
2017年に応募総数約8000本の中から上映されたサウス・バイ・サウスウエスト映画祭で観客賞を受賞した新感覚アクションスリラー。

『悪魔の毒々モンスター 新世紀絶叫バトル』や『デッドガール』『ザ・スリル』で高い評価を受けている脚本家、トレント・ハーガが監督・脚本を務め、強盗計画が思わぬ方向へ転がっていく様子をスリリングに描いています。

2.トレント・ハーガ監督のプロフィール


トレント・ハーガは、2000年に『悪魔の毒々モンスター/新世紀絶叫バトル』で脚本家デビューします。

2008年に少年たちが女ゾンビを痛め続けるという、不謹慎きわまりない内容のホラー作品『デッドガール』の脚本を手掛け、トロント国際映画祭をはじめ、各国の映画祭で話題になりました。

『デッドガール』(2008)

2013年にサウス・バイ・サウスウエスト映画祭で観客賞を受賞した、サスペンススリラー『ザ・スリル』の脚本も担当しています。

『ザ・スリル』(2013)

2008年に『ボニー&クライドvs.ヴァンパイア』2015年に『アメリカン・マッスル』にて俳優を務めており、これまでに脚本家、プロデューサー、監督、俳優として50本以上の長編映画に関わっています。

また、名作サバイバルホラーゲーム「サイコブレイク」シリーズの脚本も手掛けており、大の親日家でもあるそうです。

3.『68キル』のキャスト

マシュー・グレイ・ギュブラー(チップ役)


(C)2016 CHIP THRILLS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
マシュー・グレイ・ギュブラーは、1980年3月9日生まれ。

モデルとしてキャリアをスタートさせ、2004年に俳優としてデビューしました。

本国で2005年に放送が開始されたドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』シリーズの、IQ187の天才プロファイラーのドクター・スペンサー・リード役で知られています。

また、元々は監督志望だった事もあり『クリミナル・マインド』では、シーズン5を皮切りに、1シーズン1~2話の割合でエピソード監督を務めています。

マシューの敬愛する監督は次のような映像作家です。

○大林宣彦
○アルフレッド・ヒッチコック
○ジョエル&イーサン・コーエン
○ジョン・ウォーターズ
○トッド・ソロンズ
○デヴィッド・リンチ
○ウェス・アンダーソン
○ヴィンセント・ギャロ
を挙げています。

特に『クリミナル・マインド』シーズン8の第20話「錬金術」は、1977年に大林監督が手掛けた映画『HOUSEハウス』にリスペクトしたと述べています。

俳優だけではなく、スタッフとして監督もこなす、多彩なマシュー・グレイ・ギュブラーの今後の活躍が楽しみですね。

アナリン・マッコード(ライザ役)


(C)2016 CHIP THRILLS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
アナリン・マッコードは、1987年7月16日生まれ。

15歳の頃にモデル業をこなし、2002年に『The Middle of Nowhere』で女優デビュー。

2005年にはジェイソン・ステイサム主演のアクション『トランスポーター2』に出演しました。

これまで主にテレビ出演が多く、ドラマ『アグリー・ベティ』や『CSI:マイアミ』などでゲスト出演を重ね、ソープドラマ『American Heiress』でレギュラー出演を果たします。

2008年には日本でもヒットしたテレビシリーズ『ビバリーヒルズ高校・青春白書』のリメイクとなる、ドラマ『新ビバリーヒルズ青春白書』で、ナオミ役としてレギュラーを獲得し、広く知られるようになりました。

私生活では2015年に3年の交際の末に破局した『プリズン・ブレイク』のドミニク・パーセルと、2016年に復縁。

ポッドキャストで「私はとても幸せなの。親友を取り戻したから最高よ」とコメントしました。

また、幼少期に両親から日常的に暴力を受けていたことや、18歳でLAに引っ越してきた後、家に泊めた男の子の友達に性的暴行を受けたこと、その事件は誰にも打ち明けず自傷癖がつき自死を考えていた過去も明かしました。

現在は自分の体験を生かして他の人を助けたいと考えるようになり、ソマリー・マム・ファウンデーションという組織で、性的虐待を受けた人たちを支援する活動をカンボジアで続けています。

アリーシャ・ボー(バイオレット役)

1997年ノルウェー生まれ。

2008年、ホラー映画『アミューズメント』にてデビューしました。

2012年には映画『パラノーマル・アクティビティ4』に出演し、ドラマ『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』、『Casual / カジュアル』、『CSI:サイバー』、『ティーン・ウルフ』などにも出演しています。

2017年、Netfilexのドラマ『13の理由』にて主要登場人物の一人、ジェシカを演じ高い評価を得ました。

シェイラ・バンド(モニカ役)

1985年アメリカ生まれ。

大学卒業後、女優として活動を開始し、いくつかの短編やテレビシリーズへの出演を経て、2012年、ベン・アフレック主演のアカデミー賞受賞作品の映画『アルゴ』に出演。

2014年からスタートしたドラマ『ザ・ブック/CIA大統領特別情報官』ではCIAアナリスト・チームのメンバー・モーリーンを演じて注目を集めました。

2015年にはイライジャ・ウッドが製作総指揮を務めた映画『ザ・ヴァンパイア ~残酷な牙を持つ少女~』にてミステリアスなヒロインを演じ、全米映画俳優組合賞を受賞しました。

2017年よりスタートしたドラマシリーズ『24:レガシー』では選挙マネージャーのニラー・ミズラニを演じています。

ピュリッツァー賞ノミネート作品『バグダッド動物園のベンガルタイガー』でブロードウェイデビューも果たしています。

4.映画『68キル』のあらすじ


(C)2016 CHIP THRILLS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
気弱で女好きの配管工チップは、美人なガールフレンドのライザから、知り合いの金持ちが金庫に隠している6万8000ドルを盗みに行こうと誘われ、断る事が出来ず渋々同行します。

しかし、留守なはずの家主は家にいて、犯行はあっさり失敗してしまい、逆上したライザは家主を惨殺してしまいます。

彼らは金を奪って逃走を計ろうとしますが邸内にはもう一人、不運な目撃者、娼婦のバイオレットがいました。

ライザはバイオレットを誘拐し、サイコな殺人鬼の兄貴ドウェインに売りつけようとします。

反対するチップでしたが、ライザは聞き入れず「邪魔をするなら、アンタを殺す!」と脅しをかけられ、仕方なくチップはライザの後頭部を殴り、バイオレットを連れて、マスタングで逃避行を計ります。

次第にバイオレットとチップは惹かれ合い、モーテルで甘いひとときを過ごすようになります。

次の日、チップが目を覚ますと、金と銃は消え失せ、バイオレットは変わり果てた姿でバスタブに横たわっていました。

ライザの仕業だと思い、チップは彼女に電話しますが、当てが外れた為、思い当たる容疑者はもう一人、奪った金を見られ、口止め料を払ったスタンド店員のモニカでした。

彼女の行方を追って、チップが辿り着いたトレーラーハウスは無法者たちのたまり場。

孤立無援で、武器も持たず、策もない状況で、チップは復讐を果たし、金を取り戻すことが出来るのでしょうか…。

5.映画『68キル』の感想と評価


(C)2016 CHIP THRILLS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
*詳細な映画感想は公開後に記載いたします。

トレント・ハーガ監督によると、「僕は『68キル』で馴染みのものに新しいものを注入したかった。」と語り、ロードムービーというコンセプトに予測不能な、クライム、コメディ、ロマンス、ホラーの要素などを加え、観客たちを驚かせる作品を目指した事を語っています。

また、主役のチップ役を演じるマシュー・グレイ・ギュブラーを始め、チップの人生を翻弄する美女達に、現在注目されている女優たちが顔を揃えているのも、本作の魅力ではないでしょうか?

記事冒頭の『68キル』の予告編に登場するカップルと、個性の強すぎるキャラクター達のバトルロイヤルは、タランティーノが脚本を手がけた映画『トゥルー・ロマンス』を個人的には連想させられました。

参考映像:トニー・スコット監督『トゥルー・ロマンス』(1993)

「初期のクエンティン・タランティーノ作品を思わせる、ぶっ飛んだ爽快さと意表を突く展開、愛と裏切りとバイオレンスが満載のジェットコースター・ムービー」とも紹介されており、非常に楽しみです。

さらにポスタービジュアルをデザインしたのは、映画ライターやデザイナーとして活躍する高橋ヨシキさんが手掛けています

ネオンカラーの派手な色使いに「地獄の沙汰は、金次第。」のキャッチコピーが、本作の派手で過激な展開を予想させてくれます

アメリカでは大きな話題を呼んでいる本作『68キル』、日本でも熱狂的なファンを生む、新たな映画となる予感がしますね。

まとめ


(C)2016 CHIP THRILLS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
『デッドガール』や『ザ・スリル』など、衝撃的な内容の作品に脚本家として携わり、各映画祭で高い評価を受けてきたトレント・ハーガ監督

特に『デッドガール』は、女ゾンビを痛めつける少年達の姿を描きながら、閉鎖的な環境から抜け出せない悲しさや、暴走する若いエネルギーの恐怖を描いた傑作でした。

本作『68キル』は、サウス・バイ・サウスウエスト映画祭で圧倒的支持を集め観客賞を受賞したことで上映チケットが即完売。その後、追加上映もされたという話題作です。

2018年1月6日より、ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催される特集上映「未体験ゾーンの映画たち2018」で『68キル』は上映です!お見逃しなく!

関連記事

サスペンス映画

【ネタバレ】沈黙の艦隊|映画あらすじ評価感想と結末解説。続編は?“どこまでも続く戦争”ד2020年代の孤独”という現在の世界を描く

《日本初の原子力潜水艦》は、“核ミサイル”とともに逃亡した── 1988~1996年に講談社の週間漫画誌『モーニング』で連載され、作者である漫画家・かわぐちかいじ自身が「実写化は無謀」と感じていた名作 …

サスペンス映画

映画『No.10』あらすじ感想と考察評価。結末は必見!不倫と復讐の果てに待ち受ける予測不可能に堕ちる絶句ラストとは⁈

映画『No.10』は4月12日(金)より新宿シネマカリテにてロードショー 予想を遥かに超えた事態に遭遇したことで思考が停止してしまい、ただ起きていることを眺めていることしか出来ない感覚を体験をしたこと …

サスペンス映画

映画『ダニエル』ネタバレ結末感想とラストあらすじ考察レビュー。“空想上の親友”が誘う耽美と狂気

2世俳優のマイルズ・ロビンスがシッチェス・カタロニア国際映画祭にて男優賞作『ダニエル』 自分だけに見える“空想上の親友”に翻弄される姿を描く本格スリラー映画『ダニエル』。 ハリウッド注目の二世俳優マイ …

サスペンス映画

映画『ラプラスの魔女』あらすじネタバレ。感想「東野圭吾の原作に新ジャンル説⁈」

2018年最大の衝撃となる驚愕のミステリー!映画『ラプラスの魔女』は、5月4日(金・祝)より公開。 東野圭吾の同題ベストセラー小説を三池崇史監督によって映画化。主演は嵐の櫻井翔。三池監督とは9年前の『 …

サスペンス映画

【ネタバレ】映画『グロリア(1980)』ラスト結末あらすじと感想評価。ジーナ・ローランズの女優としての魅力が迸るハードボイルド!

一人の少年を救うため犯罪組織を敵に回した女の闘い 1980年製作のアメリカ映画『グロリア』は、ジョン・カサヴェテス監督、ジーナ・ローランズ主演で贈るサスペンス。 ローランズ演じるグロリアが、隣人の少年 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学