どんな役でもこなせる藤原竜也のおすすめ映画をピックアップ!
あるときは借金地獄から抜け出そうとするギャンブラー、またある時は殺人予告をされた凶悪犯と、人生の裏街道を彷徨う人物たちを、さりげなく演じ切る俳優・藤原竜也。
2000年に公開された『バトル・ロワイアル』をはじめ、『カイジ』や『デスノート』など、漫画の実写映画化作品にも多く出演し、その人気や実力の高さが伺われます。
そんな藤原竜也が、2021年3月5日(金)に公開される主演映画『太陽は動かない』で演じるのは、胸に爆弾を埋め込まれたスパイの役……。
藤原竜也がこれまでにどんな役をこなしてきたのか、幅広い演技力の源を探るべく、『太陽は動かない』のみならず、過去作のおすすめ作品からも、俳優・藤原竜也の魅力がいっぱいの映画をご紹介いたします。
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藤原竜也のプロフィール
1982年生れで埼玉県秩父市出身。1997年、蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』主役オーディションでグランプリを獲得して俳優デビューします。
2000年には映画『バトル・ロワイアル』(2000)の主演に抜擢されたのをはじめ、『DEATH NOTE』(2006)や『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009)『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』(2014)など、漫画の実写化作品に多く出演して話題を呼びました。
さらに、2013年に公開された映画『藁の楯 わらのたて』では命を狙われながら護送される殺人犯の役を見事に演じ切り、舞台、映画、テレビドラマと活躍の場を広げています。
映画『太陽は動かない』(2021)
映画『太陽は動かない』作品情報
【公開】
2021年(日本映画)
【原作】
吉田修一:『太陽は動かない』(幻冬舎)
【監督】
羽住英一郎
【脚本】
林民夫
【キャスト】
藤原竜也、竹内涼真、ハン・ヒョジュ、ピョン・ヨハン、市原隼人、南沙良、日向亘、加藤清史郎、横田栄司、翁華栄、八木アリサ、勝野洋、宮崎美子、鶴見辰吾、佐藤浩市
映画『太陽は動かない』あらすじ
謎の秘密組織AN通信。小さなニュース配信会社を名乗っていますが、実はこの組織は、国や企業などのあらゆる機密情報を入手し、売買する組織です。
ここに属するエージェントは、裏切り防止のために心臓に爆弾が埋め込まれ、24時間ごとに本部に連絡をいれなければ爆破されるという、死の危険を背負っていました。
エージェントの鷹野(藤原竜也)は相棒の田岡(竹内涼真)とともに、死の危険を抱えながら「全人類の未来を決める次世代エネルギー」の極秘情報をめぐって、各国のエージェントたちとの命がけの頭脳戦を繰り広げていきます。
第5位 映画『バトル・ロワイアル』(2000)
映画『バトル・ロワイアル』の作品情報
【公開】
2000年(日本映画)
【原作】
高見広春
【監督】
深作欣二
【脚本】
深作健太
【キャスト】
藤原竜也、前田亜季、北野武、山本太郎、安藤政信、柴咲コウ、栗山千明、塚本高史、高岡蒼佑 ほか
映画『バトル・ロワイアル』のあらすじ
新世紀のはじめ、ひとつの国が崩壊しました。子どもたちの残酷さを恐れた大人たちは、新世紀教育改革法・通称「BR法」を施行します。
毎年一度、全国の中学校から無作為に選ばれた1クラスに、無人島で最後の1人になるまで殺し合いをさせるという法律です。
そんなある日、岩崎学園中学3年B組の七原秋也(藤原竜也)は、修学旅行先に向かうバスの中で突然睡魔に襲われ見知らぬ教室で目覚めます。
動揺する秋也たち生徒の前に現れた前担任キタノ(北野武)は、このクラスが今年のBR法に選ばれたことを告げました。
それは、クラスメイトとの壮絶な殺し合いの宣戦布告でした。
映画『バトル・ロワイアル』のおすすめポイント
深作欣二監督の遺作。『ねえ、友達殺したことある?』のキャッチコピーと友人同士の殺し合いという内容から、青少年への悪影響も危惧された作品です。
武器を手に取り、クラスメイト同士で殺し合う残酷さに胸が痛むと同時に、それでも生きようとあれこれ知恵をめぐらす主人公の姿に、勇気と潔さを見る思いがします。
当時18歳の藤原竜也が出演し、実力発揮で数々の新人賞に輝きました。他にも共演した柴咲コウ、栗山千明、塚本高史たちが注目を集めるきっかけになった映画です。
第4位 映画『デスノート』(2006)
映画『デスノート』の作品情報
【公開】
2006年(日本映画)
【原作】
大場つぐみ、小畑健
【監督】
金子修介
【脚本】
大石哲也、金子修介
【キャスト】
藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、香椎由宇、細川茂樹、戸田恵梨香、青山草太、中村育二
映画『デスノート』のあらすじ
頭脳明晰で正義感の強い大学生の夜神月(藤原竜也)は、ある日死神・リュークが落としたノートを拾います。それは、そのノートに名前を書かれた人間は死ぬという「デスノート」でした。
犯罪者を裁く法律に限界を感じていた月は、世の中を変えるため、ノートの力で犯罪者を次々と葬り始めました。
やがて犯罪者を葬る者の存在に気付いた人々は、殺し屋(=Killer)の意味から「キラ」と呼び始め、キラを神と崇め崇拝する者まで現れ始めます。
一方、警察組織はキラの行為はあくまでも連続殺人であるとし、その調査・解決のためにある一人の天才が警視庁に送り込まれました。
警察を裏から指揮し、数々の難事件を解決してきた世界的名探偵L(松山ケンイチ)です。Lと月の壮絶な闘いが始まりました。
映画『デスノート』のおすすめポイント
大場つぐみ原作の人気漫画を、藤原竜也と松山ケンイチの共演で映画化したサスペンス。夜神月と探偵Lという、2人の天才が繰り広げる壮絶な頭脳対決は、見応えがあります。
犯罪者を裁き切れない法律に対してジレンマを抱える月を、淡々と演じる藤原竜也。犯罪者ばかりを狙う姿無き殺人者を追う天才探偵Lには、松山ケンイチがソツなく扮します。
多くの原作ファンの期待を裏切らない2人のキャスティングに注目してください。
第3位 映画『藁の楯 わらのたて』(2013)
映画『藁の楯 わらのたて』作品情報
【公開】
2013年(日本映画)
【原作】
木内一裕
【監督】
三池崇史
【脚本】
林民夫
【キャスト】
大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、余貴美子、藤原竜也、山崎努、本田博太郎
映画『藁の楯 わらのたて』あらすじ
「この男を殺して下さい。御礼として10億円お支払いします。」という新聞広告で名指しされた凶悪犯の清丸国秀(藤原竜也)は、命の危険を感じて潜伏先の福岡で出頭します。
危険を伴う清丸の東京護送の任務に選ばれたのは、銘苅一基(大沢たかお)、白石篤子(松嶋菜々子)ら5人のSPでした。そして清丸の護送が開始された直後、最初の襲撃が起こります。
福岡から東京までの護送の間に、5人だったSPもいつの間にか銘苅と白石だけになりました。
国民から嫌われ懸賞金までかけられた凶悪犯の清丸。なぜこんな悪党を警護しなければならないのかと、銘苅と白石は悩みます。
SP2人の悩みを知ってか知らぬか、ふてぶてしい態度の清丸は、自分のポリシーを正そうとはしません。
身をもって凶悪犯の楯となるSP2人と清丸の護送の旅は前途多難……。
映画『藁の楯 わらのたて』おすすめポイント
木内一裕の同名小説を三池崇史が監督として手掛けた作品です。人を人と思わない冷酷なセリフや情け容赦のない無残な殺人を冷静に黙々とこなす清丸は、サイコパスそのものでした。
全国民から嫌われ、追われる身であっても犯罪を愉しもうとしている清丸に、藤原竜也の感情を抑えた静かな演技がピタリとハマります。
藤原竜也は、「日本の全国民に嫌われたい」と宣言したそうですが、実際に作品を観た人からも「清丸が人間として最低すぎる」と声が上がったといいます。
従来の邦画のスケールを超えた、銃撃戦や爆発炎上シーン等アクションも見応えがあり、藤原竜也のふてぶてしい兇悪犯の凄みある演技が見られる作品です。
第2位 映画『カイジ 〜人生逆転ゲーム〜』(2009)
映画『カイジ 〜人生逆転ゲーム〜』の作品情報
【公開】
2009年(日本公開)
【原作】
福本伸行
【監督】
佐藤東弥
【脚本】
大森美香
【キャスト】
藤原竜也、福士蒼汰、関水渚、新田真剣佑、吉田鋼太郎、松尾スズキ、生瀬勝久、天海祐希、山崎育三郎、前田公輝、瀬戸利樹、篠田麻里子、金田明夫、伊武雅刀
映画『カイジ 〜人生逆転ゲーム〜』のあらすじ
定職に就かずに自堕落な毎日を過ごしているフリーターのカイジ(藤原竜也)。
ある時友人の借金の連帯保証人になりますが、彼が夜逃げしたせいで多額の借金を抱え込んでしまうことになりました。
そのとき、悪徳金融会社の社長の遠藤凛子(天海祐希)という女性が目の前に現れて、カイジに夢のような提案を持ち掛けます。
それは借金を帳消しにして、しかも大金まで手にいれられるというものでした。
カイジはそのチャンスを掴む為、遠藤の誘惑に触発されるまま、<ギャンブルクルーズ>に乗船します。
そこは、帝愛グループの幹部、利根川(香川照之)が仕切っていて、船にはカイジ同様に借金を背負った負け組の人間たちが集結していました。
そこでは人生を賭けた大勝負<限定ジャンケン>から始まり、命掛けの‟賭け”ゲーム大会が幕を開けます。
映画『カイジ 〜人生逆転ゲーム〜』のおすすめポイント
福本伸行による原作漫画『カイジ』の映画化で、藤原竜也主演のギャンブルサスペンス。
映画で描かれる<限定ジャンケン><鉄骨渡り><Eカード>など、人生の明暗を分ける数々のゲームは刺激的であり、誰もがはまりそうな魅力も持ち合わせています。
本作には「人生は逆転できる」という熱いテーマが盛り込まれ、負け勝負が続いても「決してあきらめない」というカイジの姿勢を応援したくなります。
卓越した心理戦の演技力を見せる藤原竜也が、人生をかけた勝負に一喜一憂するカイジを精魂込めて演じています。
ギャンブラーの“七転び八起き”に共感する人が多いのか、「カイジ」はこのあとシリーズ化され、「カイジ 人生奪回ゲーム」(2011)「カイジ ファイナルゲーム」(2020)と続きます。
第1位 映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』(2017)
映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』の作品情報
【公開】
2017年(日本映画)
【監督】
入江悠
【脚本】
平田研也、入江悠
【キャスト】
藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平、石橋杏奈、竜星涼、早乙女太一、平田満、岩松了、岩城滉一、仲村トオル、松本まりか、矢島健一
映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』のあらすじ
1995年の東京足立区の殺人事件をかわきりに、連続して起こった5件の絞殺事件は、未解決のまま時効を向かえようとしていました。
事件発生から22年後の2017年、突如、5件の未解決事件の犯人を名乗る男・曾根崎雅人(藤原竜也)が現れ、告白本『私が殺人犯です』を出版すると言いました。
会見場には報道陣が詰めかけ、自ら殺人を告白する曾根崎の姿にネットは騒然! 彼は「はじめまして。私が殺人犯です」と名乗ったのです。
美しい容姿と理知的な言動。時のスターとなった殺人犯は時効の盾に守られ、異様な熱気と批判の中で祭上げられていきました。
華々しくメディアの前に登場した曽根崎を、当時担当刑事だった牧村航(伊藤英明)は鋭い眼差しで見つめていました。
映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』のおすすめポイント
時効を迎えた殺人事件の犯人が告白本を出版するという、奇想天外なストーリー。ですが、どんでん返しがあり、また複雑な伏線も貼られていて、ミステリーとしても面白い作品です。
「犯人と名乗る男」を演じる藤原竜也と真犯人を追求する刑事に扮する伊藤英明。名優2人の対決も、作品に華を添え、最後まで目が離せなくなります。
この作品で藤原竜也は日本アカデミー賞の優秀主演男優賞受賞しました。
まとめ
映画『太陽は動かない』の劇中で演じた鷹野一彦役の藤原竜也
気弱な青年から凶悪犯まで、どんな役柄でも確かな演技力で見事に演じきる藤原竜也。ここにご紹介したほかにも、『ダイナー』(2019)や『僕だけがいない街』(2016)などもおすすめです。
なかでも特に注目したいのは、2014年の和月伸宏の漫画の実写映画『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』で演じた、緋村剣心の好敵手の志々雄真実役です。
志々雄真実は、明治政府に恨みを持つ刺客。全身やけどでケロイドがのぞくミイラ男という異様な姿ですが、恐ろしく腕のたつ男。
剣心との闘いに敗れ、断末魔の叫びをあげて死にゆくさまは、“藤原竜也”でないとできない表現と思われます。
このように、美形の容姿を持つ藤原竜也ですが、犯罪者という汚れ役や怪しげなムードのキャストにも体当たりで演じ、感情を絶叫する演技での熱演を続行中。その演技力は15歳での舞台デビュー以来、着実に進化を重ねているようです。
そして、公開が待ち望まれる映画『太陽は動かない』では、胸に爆弾を埋め込まれたスパイを演じます。
果たして、藤原竜也の雄叫びは、何処で出るのでしょう。これもまた楽しみの一つとなっています。