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Entry 2020/02/19
Update

NETFLIX映画『タイタン』ネタバレ感想とレビュー評価。人体改造から惑星移住の新境地を開いた異色作|SF恐怖映画という名の観覧車90

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile090

人類の発展と共に着実に地球の環境は破壊され、環境に対する取り組みはより重要視されるようになりました。

映画の世界では「地球の滅亡」を題材としたSF映画が多く作られることになり、人類を存続させるための様々な案が映画の中で提唱されていきます。

今回はそんな「惑星移住」をテーマにした映画の中でも異質な作品であるNETFLIX独占配信映画『タイタン』(2018)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

映画『タイタン』の作品情報

NETFLIX映画『タイタン』

【日本公開】
2018年(NETFLIX独占配信映画)

【原題】
The Titan

【監督】
レナート・ルフ

【キャスト】
サム・ワーシントン、テイラー・シリング、トム・ウィルキンソン、ナタリー・エマニュエル、アギネス・ディーン

【作品概要】
2009年、世界的大ヒットとなったジェームズ・キャメロンの映画『アバター』(2009)で主演を務め話題となった俳優サム・ワーシントン主演で製作されたSF映画。

共演にドラマシリーズ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」で主演を務めるテイラー・シリングや、「メイズ・ランナー」や「ワイルド・スピード」シリーズに出演するナタリー・エマニュエルなど。

映画『タイタン』のあらすじとネタバレ

2048年、相次ぐ戦争により地球の資源は枯渇し、15年後には半数の人口が餓死するとまでされていました。

砂漠を3日間飲まず食わずで歩いたとされる軍人のリックはある計画に参加するため、NATOの基地に妻と息子を連れ移り住みます。

NATOでは人の住めなくなる地球に代わり、土星の衛星であるタイタンに移り住む計画が立てられていました。

タイタンは地球に比べ極度に温度が低く、また空気もほとんどありません。

この計画はタイタンを人を住める環境にするのではなく、人間をタイタンに住める身体に強制進化させようとしていました。

5000人の応募の中から厳選され集められた軍人は、過去に過酷な状況を生き延びており、この改造人間を作り出す計画に成功するでは、と期待されていました。

人類の未来のため、危険を承知で引き受けたリックたちは早速、多種多様な薬物の注射を受け始めます。

実験が進むとリックは僅かな酸素を与えられるだけで40分以上水の中で行動できるようになります。

さらに泳ぐ速度も人地を超越したものとなり、研究者たちは実験の成功に喜びます。

しかし、リックの身体は低温に耐える事が出来る様になった代わりに通常の温度に耐えられなくなり始めます。

リックも他の被験者たちも過酷な環境でトレーニングを重ね、徐々にタイタンに順応する身体になっていくと思った矢先、被験者の1人が突然痙攣を始め死亡。

残った被験者たちは全員が死ぬのではないかと不安になりますが、決死の覚悟であるリックは弱い心を見せません。

しかし、妻のアビゲイルを始め不安の心は広がり始めます。

リックの体調が悪くなっていることやNATOに用意された家のそこかしこに監視カメラが仕掛けられていることに不信感を募らせたアビゲイルは、リックの吐いた血を採取し独自で調査を始め、リックの体内で何かが生きていることを突き止めます。

暗いタイタンでも適応できるように目の手術を受けたリックは深夜に目の異常を訴え搬送されます。

その夜、アビゲイルは被験者の1人が発狂し妻を殺害後、軍に射殺される現場を目撃。

異常性を感じ始めたアビゲイルはリックのIDを使い、実験を主導するマーティン博士の研究室に忍び込みます。

博士はNASAから実験を強行するあまり多くの犠牲者を出していることを批難されており、自身の目的のために実験を行う非道な人体実験者として反感を買っていました。

翌日、マーティンはリックに対し更なる手術を勧めますが、アビゲイルは博士の部屋で見た資料から人間にコウモリなどの遺伝子をリックに注入した事を知っており、テスト済みの研究ではなく今後どうなるかも分からないただの人体実験である事を批判します。

しかし、リックは手術を受けなければほぼ間違いなく死亡する状態であり、リックは覚悟を決め手術を受けます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『タイタン』のネタバレ・結末の記載がございます。『タイタン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

手術が始まり、リックと女性軍人のタリー以外の全員が死亡。

手術を生き延びた2人は過去の面影のない姿に変容しており、タイタンに出発するまでの間自宅にいる事を許可されます。

触覚と周波で会話するため、言葉を発することのできなくなったリックは家に帰宅してもすれ違いを続けます。

夜、リックの家にタリーが現れ、タリーが夫を殺害し軍に追われていることを知ります。

兵隊に射殺されたタリーを見たリックは兵士を殺害し逃走。

軍は本格的にリックを捕まえるため、兵士を動員させ始めます。

森の中でリックと再会したアビゲイルは、リックが変容した姿であってもリックである事を確認し愛を確かめます。

アビゲイルとリックは博士たちに囚われ、博士はリックをタイタンへと送ることをアビゲイルに強要します。

博士はリックが地球に心残りがありすぎることを危惧し、リックに記憶を失わせる薬をアビゲイルにうたせようとします。

一度薬を落としながらもリックに注射をしたアビゲイルはその場を離れます。

リックを宇宙に送ろうとする博士たちでしたが、実はアビゲイルは記憶を失わせる薬を食塩水とすり替えており、隙をついたリックは兵士を殺害しつつ逃走。

その後リックと再会したアビゲイルでしたが、すぐに周りを兵士と博士に囲まれてしまいます。

博士は兵士たちにアビゲイルとその家族を撃つように命令しますが、兵士から反感を買っていた博士が女子供を撃つように命じたことで一層反感は高まり、遂に兵士たちは博士に銃を向けます。

その後、リックとアビゲイルたちは保護され別の施設へと移されます。

数年後、NASAによりタイタン2計画が始動しアビゲイルが研究を率いていました。

そしてタイタンでは、完全に環境に適応したリックがその地を歩き、飛び回っているのでした。

映画『タイタン』の感想と評価

参考:Netflix Japanの公式Twitter

「惑星移住」をテーマにした作品と言えば、マシュー・マコノヒーが主演した映画『インターステラー』(2014)が記憶に新しく、同テーマの代表ともいえるクオリティでした。

一方で本作は、『インターステラー』などの「惑星移住」をテーマにした映画と異なり、「惑星移住」が目的ではあるものの、その手段である「人体改造」の方にフォーカスが当てられている異色の作品でした。

主人公のリックは家族を愛する優しい心を持つと同時に、人類のためを考え己の身を捧げることの出来る心の強い人物として作中では描かれています。

しかし、人類存続のカギを握る実験に参加するうちに最愛の妻であるアビゲイルの心労がたまり始め、疑心暗鬼の果てにアビゲイルが研究の「裏」にたどり着くことになります。

本作では「人類全体」と「家族」、そして「自分自身」の全員を同時に愛し救うことの難しさと、揺るぎない心を持った人間を「人体実験」に使うことの残虐さが表現されており、ヒューマンドラマとして深い味わいの作品となっていました。

まとめ

「惑星移住」がテーマの作品ではカットされてしまいそうな「準備段階」の物語を話題の俳優を使い映像化した『タイタン』。

揺るぎない精神で実験を受けるリックと、最愛の夫を失ってしまう恐怖と戦い実験の「闇」に迫るアビゲイル。

「惑星移住」をテーマにした作品であり1つの家族の物語である本作は、「発展と犠牲」をメッセージに含んだSF映画としてオススメの作品です。

次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…

いかがでしたか。

次回のprofile091では、中国内で大ヒットとなったNETFLIX独占配信のSF映画『流転の地球』(2019)をネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

2月26日(水)の掲載をお楽しみに!

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