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Entry 2019/06/06
Update

映画『鉄道運転士の花束』あらすじとキャスト。アカデミー賞セルビア代表作が8月に公開!

  • Writer :
  • 石井夏子

滑稽でささやかな、愛すべき人生の傑作!

モスクワ国際映画祭他での4つの観客賞、マンハイム‐ハイデルベルグ国際映画祭における映画館主賞を含む13の国際映画祭で受賞し、アカデミー賞外国語映画部門セルビア代表作品でもある『鉄道運転士の花束』が、2019年8月17日(土)より新宿シネマカリテほかにて全国順次公開することが決定致しました。

ポスタービジュアルと場面写真が解禁されましたのでご紹介致します。

映画『鉄道運転士の花束』について


©ZILLION FILM ©INTERFILM

脚本・監督は、カンヌ映画祭短編部門で審査員賞受賞経験もあるミロシュ・ラドヴィッチ

キャストには、カンヌ映画祭パルムドールにて2度受賞したエミール・クストリッツア監督作品への出演でも知られる、バルカン地域の2大スター、ラザル・リストフスキーとミリャナ・カラノヴィッチを迎えました。

鉄道運転士は現役時代に、故意でなくとも何人もの人を殺してしまうといいます。実際、電車は少なくとも数百メートルなければ停止することはできません。

だから鉄道運転士は運転時に人を殺してしまっても、どのような責任も負わずにすむんです。

しかしたとえ無罪でも、彼らの心に刻まれた罪の意識は消えません。

本作は、そうした「無実の殺人者」たちの悲哀と誇りを、深い愛情を持ってユーモラスに描いた珠玉の作品です。

映画『鉄道運転士の花束』への海外コメント

世界各国の映画祭で称賛を浴びた本作。そのコメントの一部をご紹介します。

レインダンス映画祭では、「とても面白い。ジョークは不気味だけど不快ではなく、対立は感情的であってもメロドラマのようにはならない。物語はスムーズに進行し、愛おしく感動的な結末にたどり着く」と、本作を絶賛。

また、バッファロー映画祭のジェイアード・モバークは、「抱腹絶倒のコメディではないはずなのに、私は一度ならず大笑いをしてしまった」と、本作の持つおかしみを褒め称えました。

The Panopticも、「最も胸を打ち、最も面白い映画の一つ」と、唯一無二の映画であることを強調。

人生における苦渋の選択を、温かさと笑いで包み込んだ本作への期待がさらに高まるコメントですね。

映画『鉄道運転士の花束』のポスタービジュアル

©ZILLION FILM ©INTERFILM

花束を持った男性ふたりの背中と、抱き合った男女の姿が印象的なビジュアル。

男性たちが佇むのは、美しい自然風景に囲まれた墓地。

彼らの表情はどのようなものなのかわかりませんが、光に満ちた風景から希望を感じ取れます。

また、女性に抱きしめられた男性も顔はわからず、映っているのは背中だけ。

幸せに満ちた彼女の面持ちから、人生の喜びがこぼれ出します。

映画『鉄道運転士の花束』作品情報

©ZILLION FILM ©INTERFILM

【日本公開】
2019年(セルビア・クロアチア合作映画)

【原題】
Train Driver’s Diary

【監督・脚本】
ロシュ・ラドヴィッチ

【プロデューサー】
ラザル・リストフスキー、ペータル・リストフスキー

【キャスト】
ラザル・リストフスキー、ペータル・コラッチ、ミリャナ・カラノヴィッチ、ヤスナ・デュリチッチ、ムラデン・ネレヴィッチ、ニーナ・ヤンコヴィッチ、ダニカ・リストフスキー

映画『鉄道運転士の花束』あらすじ

©ZILLION FILM ©INTERFILM

60歳のイリヤは定年間近の鉄道運転士。

現役中に28人を殺してしまったという不名誉な記録を持っています。

イリヤが養子として迎えた19歳になる息子シーマは、家業である義父の仕事の後を継ぐ準備をしていました。

そんな息子にイリヤは、事故は避けて通れないものだと折に触れて話します。

シーマは人殺しになりたくないという恐怖を抱きながらも、初乗務から初殺人に至るまでどれくらいの時間がかかるのか気になって仕方がありません。

イリヤは「一週間のうちに一瞬で終わる」と励まします。

運転士の業務についたシーマは、不安を抱き、汗をかき、夜も眠れなくなってしまいました。

1週、2週、3週間と過ぎ、無事故を続けるものの、ついにはその緊張感に耐えられなくなるシーマ。

そんな息子を助けるため、イリヤは自殺志願者の人々を探し出し、高層ビルや橋から飛び降りる代わりに電車に轢かれてほしいと交渉します。

「理解してくれ、青年の命がかかってるんだ!」と説得にかかりますが、ぴったりだと思われた自殺志願者は生きる選択をしてしまうんです。

他に良い方法が見つからないイリヤは、一人息子のために線路に横たわります。

定刻よりかなり遅れ、ようやくシーマの運転する列車がやってきて…。

まとめ

限りない悲しみを花束に変え、誇りをもって引退するはずだった運転士に、線路は幸せを運んできます。

本作には『アンダーグラウンド』(1995)のラザル・リストフスキーとミリャナ・カラノヴィッチが出演

カンヌ国際映画祭短編部門で審査員賞を獲得したことのあるミロシュ・ラドヴィッチが監督・脚本を担当し、ときに“無実の殺人者”となってしまう鉄道運転士の悲哀と誇りをユーモラスに描きました。

映画『鉄道運転士の花束』は2019年8月17日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開です。

ご期待ください。

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