又吉の作家の原点とも言える小説が映画化。
お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹の小説『劇場』が行定勲監督により映画化され、2020年7月17日(金)より全国公開されます。
主演は人気若手俳優の山崎賢人、ヒロインは実力派の松岡茉優。
本記事では原作についてと、映画作品情報についてお伝えしていきます。
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原作小説『劇場』とは
又吉直樹による小説『劇場』は、劇作家を目指す主人公・永田と、彼を必死に支えようとした女優志望の大学生・沙希の7年間の恋を描く物語。
2017年に刊行され、累計33万部を突破しています。
芥川賞を受賞した処女作『火花』(2015)よりも前に書き始めていた作家の原点とも言える作品です。
夢と現実のはざまでもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説となっています。
原作者・又吉直樹のコメント
原作者の又吉直樹は、『劇場』の映画化にあたり、以下のようにコメントを発表。
「劇場」という小説は、恋愛というものの構造がほとんど理解できていない人間が書いた恋愛小説です。
恋愛小説と呼べるものになっているかすらもわかりません。ただ、若くて未熟な二人がともに過ごしたどうしようもない時間を必死で書いているうちに、作家のわずかな能力を超えて濃密な風景が幸運にも立ち上がったと感じています。
ちょっと表現まわりくどいですか? 「こいつなに一丁前に作家ぶっとんねん」と思いました?
でも、本心なんです。それくらい自分にとって、大事な作品です。
信頼している行定勲監督、そして山崎賢人さん、松岡茉優さんをはじめ、魅力的な俳優陣によって映像になることを嬉しく思っています。
普通、原作者はシンプルな言葉で感謝を綴るくらいが丁度いいと思うのですが、思わず長文になってしまい恥ずかしいです。そして、言い訳しているせいで、より長くなってしまいました。すみません。
絶対観に行きます!
冗談交じりに、映画化に際し製作サイドへ真剣な眼差しを向けた又吉。
自分にとって大事な作品と語った又吉の想いを、行定勲監督をはじめとしたスタッフやキャストが繋いでくれると信じています。
映画『劇場』について
新たな恋愛映画の傑作を紡ぎ出すのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)『リバーズ・エッジ』(2018)で、運命と戦う男女の機微を描いてきた行定勲監督です。
『GO』(2001)で第25回日本アカデミー賞最優秀監督賞を始め数々の映画賞を総なめにし、その後も精力的に監督を務めながらも舞台演出も手掛け、2016年に第18回千田是也賞を受賞している行定監督。
脚本には2009年に第53回岸田國士戯曲賞を受賞した蓬莱竜太が担当しました。劇団モダンスイマーズの座付き作家兼演出家であり、舞台『世界の中心で、愛をさけぶ』(2005)では台本を書いていた蓬莱。
舞台という場所に思い入れのある行定勲監督と蓬莱竜太が『劇場』をどう描き出すか、楽しみでなりません。
主演は山崎賢人
参考:山崎賢人のインスタグラム
主人公の永田を演じるのは山崎賢人。
行定監督と即興劇で稽古を重ねながら役作りし、初めてひげを生やすなどこれまでの好青年役とは違う姿を披露しています。
演劇に身も心も捧げながら実生活では社会や周囲の人々と協調できない不器用な姿を体現し、見せた事のない表情をのぞかせました。
山崎賢人のコメント
山崎賢人は本作に込めた思いを以下のように語っています。
初めて本を読んだ時、人としてダメな部分ばかりですが、表現者としてとても共感できる弱さを見せる永田をすごく魅力的だと感じました。
自分にとってとても挑戦的な作品でしたが、以前からご一緒したかった行定監督のもと、
今しか出せない自分のものを全部出せているのではないかと感じています。
撮影を通して、とても魅力的な原作にさらに映画としての魅力を盛り込んだ作品になるのではないかと思っています。
人としてダメな部分ばかりの永田の心を温かく見つめ、自分の中に取り入れようと努力を重ねる山崎賢人のひたむきさが伝わってきます。
いままで見たことが無い山崎賢人が動く様子を、早くこの目で見てみたいものです。
ヒロインは松岡茉優
参考:松岡茉優スタッフのツイッター
皆さま、こんにちは。
平成最後の日、いかがお過ごしでしょうか。今夜、「令和」になってすぐ、
「ウチのガヤがすみません!」が放送です!
ぜひご覧ください。 pic.twitter.com/LBN7dcwP2p— 松岡茉優 staff ツイッター (@hiratahirata14) April 30, 2019
ヒロインの沙希に扮するのは松岡茉優。
軽さと明るさの中に影が見え隠れし、純粋に永田を愛そうとする沙希の切なさに寄り添います。
松岡茉優のコメント
高い演技力と、役に迫りそれを体現する力を持った女優・松岡茉優。
日本アカデミー賞優秀主演女優賞をはじめ、数々の受賞歴が、彼女の確かな実力を物語っています。
そんな松岡茉優は、本作でヒロインを演じる際に心がけたことをこう語っています。
沙希役の松岡茉優です。
同い年の山崎賢人君とは実は昔共演しているのですが、直接一緒にお芝居するのは初めてです。
永田と沙希について、撮影中何度も2人で話し合いました。
2人とも脚本に心底惚れており、意見が違ったことはありませんでした。
とても繊細な本で、私たちの演じ方が変わってしまうと、話の到着すら変わってしまいそうで。
行定勲監督が若い私たちを導いてくれました。
全国の恋する、愛する、はたまた情で離れられなかったり、何かのきっかけを失っているパートナー達が救われる映画になると思います。
完成を楽しみにしていてください。
物語全体のことを考え、共演する山崎賢人と話し合いを重ねたという松岡茉優の、作品作りへの真摯さ。
この積み重ねが彼女の演技力や、周囲からの厚い信頼につながっているんでしょう。
映画『劇場』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【原作】
又吉直樹『劇場』(新潮社)
【監督】
行定勲
【脚本】
蓬莱竜太
【キャスト】
山崎賢人、松岡茉優
【作品概要】
又吉直樹が芥川賞受賞作『火花』よりも前に書き始めていた恋愛小説を映画化。
『キングダム』(2019)の大ヒットが記憶に新しい山崎賢人が主演し、パルムドールを獲得した出演映画『万引き家族』(2018)で高い演技力が世界に認められた松岡茉優がヒロインを務めます。
監督は『ナラタージュ』(2017)『リバーズ・エッジ』(2018)の行定勲。
脚本は2009年に第53回岸田國士戯曲賞を受賞し、行定とは『ピンクとグレー』(2016)でもタッグを組んだ蓬莱竜太がを担当しました。
映画『劇場』のあらすじ
演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。
夢を抱いてやってきた東京で、孤独を感じながらも脚本家兼演出家を務めていた永田。
街で自分と同じスニーカーを履いていた沙希に声をかけ、ふたりは出会い、そして…。
まとめ
2019年6月上旬から演劇の聖地・下北沢を中心に都内で撮影が行われ、繊細かつ大胆な数々の場面を生みだしています。
行定監督は、原作を「あまりにも身に覚えがある場面ばかりで胸をかきむしるような思いで読んだ」そうで、「又吉さんが書いた主人公がまとう空気をどうしても撮りたくなった」と言います。
「山崎賢人と松岡茉優という希代の若く鋭い感性とともに、自戒を込めてどうしようもない男と女の在り方を映画として出せたら」と語る恋愛映画の名手行定勲監督と、人気実力ともに確かな山崎賢人と松岡茉優の化学反応に期待が高まります。
映画『劇場』は、2020年7月17日(金)より全国で公開です。