2018年12月14日(金)に映画館「アップリンク吉祥寺パルコ(通称:アップリンク吉祥寺)」がオープンしました!
アップリンク吉祥寺では、世界の映画祭での話題作をはじめ、アート系作品、インディーズ作品など映画ファンが楽しめる作品のほか、地域の人々も楽しめるファミリー向け作品も上映されます。
14日のオープンに先駆けて、12日(水)には関係者向けの内覧会が開かれ、施設説明会が行われました。
CONTENTS
アップリンク吉祥寺パルコとは
アップリンク吉祥寺パルコ(通称:アップリンク吉祥寺)は、映画を観る体験を特別なものにする“ミニシアター”のシネコンです。
5つのスクリーンでは、世界の映画祭で話題の作品をはじめ、アート系作品、インディーズ作品など、現在「アップリンク渋谷」で映画ファンの皆さまにお楽しみいただいている作品のほか、地域の方々にも楽しんでいただけるファミリー向け作品も上映します。
世界一の平面スピーカーならではの音響体験
国内屈指の音響メーカー、田口音響研究所がアップリンク吉祥寺のために開発した究極の平面スピーカーを全スクリーンに導入しました。
イタリアのパワーソフト社製パワーアンプとの組み合わせで、くもりのないDCPハイレゾ音源の可能性を最大限に引き出します。
また、館内のBGMは、デレク・ジャーマン監督作品の音楽を多く手掛けたサイモン・フィッシャー・ターナーによるオリジナル音源「MUSIC FOR CINEMA LOBBY」です。
5つのスクリーンを備えた映画館
5つのスクリーンは「ポップ」「レインボー」「レッド」「ウッド」「ストライプ」というコンセプトで、それぞれ個性的な壁紙、椅子、照明デザインになっています。
スクリーン2(レインボー)
スクリーン3(レッド)
スクリーン4(ウッド)
スクリーン5(ストライプ)
バラエティに富んだ劇場で、映画ファン向け作品からファミリー向け作品まで多種多様な映画を上映します。
美味しいドリンク&フードへのこだわりメニュー
スパイスの風味が効いたクラフトコーラや、ナチュラルワイン、武蔵野生まれのビール、添加物の少ないソーセージを使ったホットドッグ、ヘルシーなナッツ&ドライフルーツなど、こだわりのドリンク&フード・セレクションを用意しています。
アップリンク吉祥寺パルコの施設説明会レポート
有限会社アップリンクと株式会社パルコが共同で吉祥寺パルコ地下2階に開業したのは、多種多様な映画を通して観客の皆様と世界とを繋げる窓となる映画館を目指す「アップリンク吉祥寺パルコ」(通称:アップリンク吉祥寺)。
オープンを2日後に控えた12月12日(水)、アップリンク吉祥寺の内覧会が開かれました。
内覧会では、映画館作りに関わったスペシャリストたちによる施設説明会が開催され、アビエルタ建設・都市の北嶋祥浩さん、田口音響研究所の田口和典さん、LOOP Lighting の中村亮子さん、クラフトコーラ「伊良コーラ」代表のコーラ小林さんが登壇しました。
「アップリンクらしい多彩なメンバー」というアップリンク代表の浅井隆さんからの紹介後、映画館作りに関わっての苦労した点やこだわりについてのエピソードを披露しました。
北嶋祥浩(きたじま・よしひろ) アビエンタ建設・都市代表
実家が吉祥寺で学生の頃にパルコ吉祥寺でアルバイトをしたこともあり、かつて地下2階にあったパルコブックセンターに負けない映画館を作りたかったと吉祥寺への並々ならぬ思いをあらわにした北嶋さん。
物販中心の商業施設に映画館を入れる法律的な困難があったものの、既存の施設をリニューアルすることで都市のなかに映画館を新しく入れることができることを実感できたと、4年に及ぶ準備期間から完成までを回想しました。
田口和典(たぐち・かずのり) 田口音響研究所
スピーカー・システムを担当する田口さんは、実際に映画館で使用されている平面スピーカーのウーファーを持ちながら、ここ数年の技術の進歩により生まれた軽いアルミハニカムを材料に使用することで、きれいな波面を作り良い音響を出すことができると説明しました。
アーティストにも「これこそ自分の出したかった音だ」と好まれる理想的な平面スピーカーをアップリンク吉祥寺に設置したことについて次のようにコメントしました。
「音楽だけでなく砂を踏みしめている音や川のせせらぎといった効果音がきちんと聞こえることで感動が倍増するし、英語のセリフでさえも心に入ってくる」
アップリンク吉祥寺は鳥肌が立つほどの感動を得られる世界一の映画館になると自信たっぷりです。
中村亮子(なかむら・りょうこ) LOOP Lighting NYCパートナー
ニューヨークをベースに活動を続け、今年の12月に京都に日本支社を立ち上げたLOOP Lightingの中村さん。
これまで商業施設や女優のナオミ・ワッツ邸など個人の邸宅の照明デザインを手がけてきたが、映画館の照明デザインは初ということで、ニューヨーク・東京間をSkypeで入念な打ち合わせを繰り返しながらのプロジェクト参加でした。
「スクリーンごとにコンセプトが異なる回遊型の映画館は、ニューヨークでも見たことがない」とデザイン的なチャレンジだったと告白された中村さん。
「今回様々な方とのコラボレーションができて感動しています」と喜びを語りました。
コーラ小林(こーら・こばやし) 伊良(いよし)コーラ代表
コンセッションで提供される「伊良コーラ」代表のコーラ小林さんは、コーラの原料であるコーラの実のほか、漢方職人だったお祖父様の遺志を受け継ぎ様々なスパイスを調合して手作りのコーラをこれまでフードトラックでひとりで販売してきました。
映画館でクラフトコーラを提供するのはアップリンク吉祥寺が初めてとあって「クラフトコーラとはなにかということを映画館のお客様に説明できるように」と映画館スタッフにレクチャーを実施しました。
この日は試飲も実施され「普段コーラを飲まないのに美味しく飲めた」という意見には次のようにコメントしました。
「漢方の考え方として、自分に足りない要素を食べると美味しいと感じる。そういう意味では伊良コーラを美味しいと感じてくださった今日のご来場の方は、疲れているから本能的に美味しいと感じてくださったのかもしれません」
ユーモア交じりに伊良コーラの美味しさを解説し、場内の笑いを誘いました。
浅井隆(あさい・たかし) アップリンク代表/未来の映画館プロデューサー
最後に、場内から今回の映画館に使用されているスクリーンについての質問にアップリンク代表の浅井隆さんが回答しました。
地下2階で天井高さが限定されているため、少しでも高い位置にスクリーンを配置するために、通常のサウンドホール(スクリーン裏のスピーカーからの音を通すための穴)のあるタイプではなく、織物のようなサウンドホールのない音を通すスクリーンを使い、シネスコのスクリーンを上下左右をカットマスクで作品の画角ごとに変えたりせず設置していると説明し、そのようなスクリーンを採用したきっかけを次のように語りました。
「20年以上前にベルリン国際映画祭に出席したときに、会場でカットマスクを作らずむき出しのままいろんな画角の作品を上映していたのを観て、今回のようなスクリーンの形式にした。映画が始まればカットマスクがなくても映画の中に没入できる」
浅井さんがアップリンク吉祥寺に設置したスクリーンへのこだわりを明かし、施設説明会は締めくくられました。
まとめ
近年、数々のミニシアターが閉館し、レンタルビデオ店も続々と閉店していく中、新たな映画館が誕生しました。
2018年12月14日(金)にオープンした「アップリンク吉祥寺パルコ」は、5つのスクリーンからなる“ミニシアター”のシネコンです。
12月12日(水)に行われた内覧会では、映画館作りに携わったスペシャリストによる施設説明会も行われ、内装や音響、スクリーン、そして売店のコーラに至るまで、数々のこだわりが明かされました。
大衆映画、ファミリー映画、アート系映画、インディーズ映画など、ひとつの映画館で多種多様な映画を観ることができるので、幅広い年齢層の人々が集い、様々な交流が増えていくことでしょう。
ぜひ「アップリンク吉祥寺パルコ」に足を運んでみてください。
アップリンク吉祥寺パルコの施設情報
【所在地】
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-5-1吉祥寺パルコ地下2階
【共同事業者】
株式会社パルコ、有限会社アップリンク
【運営】
有限会社アップリンク
【スクリーン数】
5スクリーン
【座席数】
計300席(最大スクリーン98席、最小スクリーン29席)
【設計】
アビエルタ建築・都市 北嶋祥浩