Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

まとめ記事

Entry 2017/04/23
Update

西島秀俊映画おすすめ5選!ストイックな役作りと演技力で魅了

  • Writer :
  • Yuko


(C)2015劇場版「MOZU」製作委員会 (C)逢坂剛/集英社
映画やドラマ、CMに大活躍中の人気俳優、西島秀俊。

クールな雰囲気、細マッチョな体型、年齢を重ねる毎に増している男の色気が魅力的で、世の多くの女性を虜にしています!

西島秀俊は、1993年のドラマ「あすなろ白書」でブレイクし、その翌年『居酒屋ゆうれい』で映画デビューしました。しかしその後約5年間事務所の移籍がきっかけで民放に出演することができませんでした。

そして2002年の北野武監督作品『Dolls』で高い演技が認められ、数々の映画やドラマ、CMなどに再び出演するようになりました。

2005年の『帰郷』と2011年の『CUT』では高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞、また2009年の『休暇』ではヨコハマ映画祭助演男優賞を受賞しました。

ストイックな役作りをすることでも知られており、2010年中山美穂と共演した『サヨナライツカ』では、老後のシーンのために体重を13kg増やし、その後の若い頃のシーンのために1か月で15kg減量したそうです!

またかなりの映画好きで、年間300作品くらい見ているのだとか。多くの映画を見る事が役作りにも役立っているのかもしれませんね。

今回は、そんな西島秀俊が出演する映画の中から5作品をピックアップしてお届けいたします!

1.北野武監督作品!3組の男女のラブストーリー『Dolls』(2002)

『Dolls』の作品概要

2002年の日本映画。監督は、『菊次郎の夏』『座頭市』などの北野武。出演は、菅野美穂、西島秀俊、三橋達也、松原智恵子、深田恭子、津田寛治、岸本加世子ほか。

第59回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。

第26回日本アカデミー賞音楽賞ノミネート(久石譲)。第12回東京スポーツ映画大賞・作品賞・助演女優賞(菅野美穂)。

『Dolls』のあらすじ

松本(西島秀俊)は、結婚を約束していた恋人・佐和子(菅野美穂)を裏切り、ある社長令嬢との結婚を決めます。佐和子は松本と別れてから精神を病み自殺未遂、ついには記憶喪失に。松本は佐和子の元に戻り、お互いの体を赤い縄で結び付け、あてどない放浪の旅に出ます…。

人気絶頂のトップアイドル・春奈(深田恭子)。そんな春奈に心酔している温井(武重勉)は、彼女のことばかりを思い続ける毎日を過ごしていました。ある日、春奈は交通事故に遭い片目を失うと同時にトップアイドルの座からも転落。それでも春奈に会いたいと強く願う温井が取った行動とは…。

毎週土曜日、公園のベンチで昔の恋人を待ち続ける良子(松原智恵子)。老いを理由に闘争の世界から身を引くことを決めたヤクザの親分(三橋達也)。一見何の接点もない二人が、まるで引かれ合うように出会い、ベンチに並んで座るとき…。

少しずつ交錯しながら展開していく3つの究極の愛の物語。

『Dolls』のおすすめポイント

北野武監督の第10作目にあたり、11年ぶりのラブストーリーに挑戦した作品です。

この映画は3組の全く別々の男女たちが物語で交錯し、それぞれの人生に希望を持とうとした刹那に死へ直面するという無情さを描いています。

西島秀俊は菅野美穂演じる佐和子の婚約者・松本を演じ、佐和子と松本が赤い縄で互いを縛ってさまよい歩くという物語です。これは北野武監督が幼いころに実際に何度も見た夫婦=「繋がり乞食」が元となっているとのことです。

北野監督自身はこの映画を「すごく個人的な映画」としていますが、男女の絆や愛について独自の視点で描いていてとても興味深いですね。

ロシアでは約2年のロングヒットとなり、菅野美穂と西島秀俊の演技が高く評価された作品でもあります。

西島秀俊は北野武の大ファンということなので、この映画に出演し演技が認められたことはかなり本人も嬉しかったことでしょう。

2.死刑囚を好演!刑務官の苦悩を描くドラマ映画『休暇』(2008)

『休暇』の作品概要

2008年の日本映画。監督は、『ナイトピープル』『棚の隅』の門井肇。出演は、小林薫、西島秀俊、大塚寧々、大杉連、柏原収史ほか。

原作は、吉村昭の同名短編小説。

ヨコハマ映画祭助演男優賞、第5回ドバイ国際映画祭コンペティション部門審査員特別賞など数々の映画賞を受賞。

『休暇』のあらすじ

結婚を目前に控えた刑務官の平井(小林薫)は有給休暇を使い果たし、新婚旅行に出掛けられずにいました。

披露宴を週末に控えたある日、収監中の死刑囚、金田(西島秀俊)の執行命令が下ります。

執行の際、下に落ちてきた体を支える“支え役”を務めれば1週間の休暇が出ることを知った平井は、誰もが嫌がる支え役に自ら名乗り出ます。

『休暇』のおすすめポイント

文豪・吉村昭の同名短編小説を映像化した、死刑に立ち会うことになった刑務官たちの苦悩を描いた人間ドラマです。

西島秀俊は、収監されている死刑囚を演じました。小林薫や大塚寧々、大杉連らベテランの俳優陣が脇を固めています。

西島秀俊演じる金田が、刑務所で静かに過ごし、少しずつ死へと近づいていく様子がなんとも痛ましいです。

小林薫演じる平井はその死刑執行に立ち会うことと引き換えに得た休暇で、なんとか家族の溝を埋めようと試みます。

ゆっくりした流れの中で、登場人物たちの気持ちが非常に丁寧に描き出されています。低予算で作られたそうですが、とても心に響く作品になっています。

3.“殴られ屋”の売れない映画監督を熱演!『CUT』(2011)

『CUT』の作品概要

2011年の日本映画。監督は、イランの名匠アミール・ナデリ。出演は、西島秀俊、常盤貴子、菅田俊、でんでん、笹野高史、芦名星ほか。

第68回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門で上映されました。

『CUT』のあらすじ

いつも兄からお金を借りて映画を撮っていた映画監督・秀二(西島秀俊)。彼の作品が映画館で上映されることはありませんでしたが、彼は映画への情熱を持ち続けていました。

ある日、兄が借金のトラブルで亡くなったことを知った秀二は、彼の映画資金調達のため兄がヤクザの世界で借金していたことを知ります。

兄の死に対する自責の念から、秀二は殴られ屋をすることで借金を返済しようとします。

『CUT』のおすすめポイント

カンヌやヴェネチアなどの映画祭で高い評価を得ているイランを代表するアミール・ナデリ監督が、借金返済のため殴られ屋を始める男の姿を描いた異色の作品。

「殴られ屋」の秀二(西島秀俊)の身体は、物語が進むに連れてどんどん痛ましくなっていきます。でも彼の魂はまっすぐに映画に向かっていて、映画を守る、映画を作り続けたいという熱い思いがあふれています。

古今東西の巨匠が残してきた映画への愛、マネーパワーに支配される現在の映画業界への怒り、といった監督の思いがひしひしと伝わってくるようです。

端正な顔立ちのカッコいい西島秀俊が殴られ続けて途中誰なのかわからなくなっていますが…、一途で男くさい演技でこれまたカッコいい。

映画狂とも言える男の生き様を通して、世界には素晴らしい映画があることを伝えてくれています。

4.人気ドラマシリーズの完結編!『劇場版 MOZU』(2015)

『劇場版 MOZU』の作品概要

2015年の日本映画。監督は、『暗殺教室』などの羽住英一郎。出演は、西島秀俊、ビートたけし、香川照之、真木よう子、伊勢谷友介、松坂桃李、長谷川博己、小日向文世、池松壮亮ほか。

逢坂剛氏のハードボイルド小説「百舌」シリーズを原作に、TBSとWOWOWが共同製作、リレー形式で放送した人気ドラマ「MOZU」の劇場版。

『劇場版 MOZU』のあらすじ

公安部エースの倉木(西島秀俊)は妻の死の真相に辿り着き気力を失い、捜査一課の大杉(香川照之)も警察への不信感を強め退官し探偵事務所を開いていました。

倉木が妻の死の真相に辿り着いてから半年が経ったある日、とあるテロ集団による高層ビル大規模強盗・脅迫事件とペナム大使館襲撃事件が同時に発生し、倉木と大杉はかつてともに捜査をしていた明星(真木よう子)とともに事件に巻き込まれ、この事件を捜査していくことになります。

捜査を進めるうちに、この事件には「ダルマ」が大きく関わっていることが分かり、架空の国「ペナム」を舞台に「ダルマ」の正体を追っていきます。

『劇場版 MOZU』のおすすめポイント

ドラマ版に続いて、主演の西島秀俊や香川照之、真木よう子ら豪華キャストが出演、この作品で最大の敵となる悪役“ダルマ”にビートたけしが扮しています。

羽住英一郎監督と西島秀俊は香港ノワールの傑作「インファナル・アフェア」のリメイク「ダブルフェイス」でタッグを組んだこともあり、相性の良さは実証済みの2人。シリーズ完結編となる本作では、アクションや人間ドラマ、陰謀劇など極限まで追求した脚本を、表現の限界ギリギリのところで挑戦しています。

西島秀俊をはじめ、香川照之、長谷川博己、松坂桃李…どのキャラクターも謎が多く魅力的。ビートたけしの怪演、フィリピンロケを敢行して撮られた派手なカーアクションや爆破シーンも見どころです。

5.鬼才・黒沢清監督のサスペンス・スリラー!『クリーピー 偽りの隣人』(2016)

『クリーピー 偽りの隣人』の作品概要

2016年の日本映画。監督は、『岸辺の旅』『トウキョウソナタ』の黒沢清。出演は、西島秀俊、竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之、藤野涼子ほか。

日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕の小説「クリーピー」を実写映画化。

『クリーピー 偽りの隣人』のあらすじ

刑事から犯罪心理学を教える大学教授に転身した高倉(西島秀俊)はある日、以前の同僚野上(東出昌大)から6年前の一家失踪事件の分析を頼まれます。

しかし、その事件のたった一人の生存者である長女の早紀(川口春奈)の記憶の糸をたぐっても、依然として事件の真相は謎に包まれているのでした。

一方、新居に引っ越した高倉と妻の康子(竹内結子)は、隣人の西野(香川照之)にどこか違和感を抱いていました。ある日、高倉夫妻の家に西野の娘・澪(藤野涼子)が駆け込んできて、実は西野が父親ではなく全くの他人であるという驚くべき事実を打ち明けます。

『クリーピー 偽りの隣人』のおすすめポイント

隣人に抱いた疑念をきっかけに、とある夫婦の平穏な日常が悪夢になっていく恐怖を描いたサスペンス・スリラーです。

ホラー・サスペンス映画の巨匠・黒沢清監督が、西島秀俊とタッグを組むのはこれで4作目。しかも、西島秀俊と香川照之は「ダブルフェイス」や「MOZU」でも共演していてとても相性の良い組み合わせですよね。

西島秀俊は正義感あふれる元刑事を、香川照之は掴みどころのない怪しい隣人を、それぞれ演じています。この対照的な2人の演技と、一家失踪事件と隣人一家の不可解な関係がどのようにつながっていくのか?が見どころです。

黒沢監督らしい音楽、光の加減、長回しなど独特の演出が恐怖を駆り立てます。黒沢清監督ファン、西島秀俊ファンなら楽しめる作品です。

まとめ

ストイックな役作り、繊細な演技が魅力的な西島秀俊の出演映画から5作品をピックアップしてお届けししました。

どの作品も彼の魅力がたっぷりと堪能できるのではないでしょうか。

プライベートでは2014年に結婚し、子供も生まれた西島秀俊。今後どのような活躍を見せてくれるのか楽しみですね!

関連記事

まとめ記事

【Cinemarche映画ライター紹介】森谷秀プロフィール

映画感想レビュー&考察サイトCinemarcheで、お薦め映画のスクリーン・ダイバーとして、作品の深掘り記事を書いているライターさんを紹介するコーナー。 今回は映画ライターの森谷秀さんの紹介 …

まとめ記事

2017夏休み中学生映画作り体験ワークショップはTIFF!日程や条件も

東京国際映画祭の中学生向けの関連イベントが、本日6月8日より参加者募集となりました。 「TIFFティーンズ映画教室2017」と題して、中学生を対象に映画制作ワークショップが夏休み期間中に、東京代官山を …

まとめ記事

2018年映画ランキング!おすすめ洋画邦画ベスト10の調査結果の発表は?

2018年も多くの映画が全国公開されました。 Cinemarcheの専属ライターが、2018年に観た【オススメ映画ベスト10】をご紹介します! 投票対象作品は2018年に映画館で観た新作映画とネット配 …

まとめ記事

ルトガー・ハウアー映画おすすめ5選。かっこいいのは『ブレードランナー』のレプリカントだけではない

アクション、スリラー、ラブロマンスetc…ルトガー・ハウアーの主演作5本を振り返り オランダ出身で、ハリウッドでも活動していた俳優ルトガー・ハウアーが、2019年7月19日に75歳で亡くな …

まとめ記事

My週末映画館!北千住の穴場でランチもあるシネマブルースタジオ 

My週末映画館(009) 【鑑賞した映画】 「ロイ・アンダーソン監督特集『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』(1969) (*現在は上映終了しています) Photo taken byなほさん Ph …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学