Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

LGBTQ映画

Entry 2018/09/02
Update

LGBT映画『私の愛情の対象』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

  • Writer :
  • かきぴー

ゲイの男性と普通の女性を通して、カップルとは何かを問いかけてくる作品『私の愛情の対象』

いわゆるLGBT映画の1つで、主演はあの『アントマン』で一躍有名になったポール・ラッドです。

今回は、『私の愛情の対象』について紹介していきます。

映画『私の愛情の対象』の作品情報

【公開】
1998年公開(アメリカ映画)

【監督】
ニコラス・ハイトナー

【キャスト】
ジェニファー・アニストン、ポール・ラッド、アラン・アイダ、ジョン・パンコウ、アモ・グリネロ、ナイジェル・ホーソーン、ティモシー・デイリー、アリソン・ジャネイ

【作品概要】
ソーシャル・ワーカーのニーナはパーティで、小学校教師でゲイのジョージを紹介され、2人の関係は始まっていきます。

主演はNBCの人気シリーズ、『フレンズ』にレギュラー出演していたジェニファー・アニストン、『アントマン』で人気を博したポール・ラッドが努めました。

監督は『英国万歳!』などのニコラス・ハイトナーが努め、作品は明るくも好きとはなにかを問いかける内容になっています。

映画『私の愛情の対象』のあらすじとネタバレ

ソーシャルワーカーのニーナは、弁護士のヴィンスと交際しています。そのなか、パーティで小学校教師でゲイのジョージを紹介されます。

同棲相手に振られたジョージは、ひょんなことからニーナの住んでいるアパートで同棲生活を始めます。

ニーナとジョージはお互いに性別を超え、恋愛感情の発生しない最高の友達として過ごしていました。

ニーナはヴィンスとの間に子供ができました。ヴィンスと上手くいってないニーナは、ジョージに「子供と3人で暮らそう」と提案します。

ですが、ヴィンスはニーナを強引に自分の家へと連れていきます。

ある日たまたま、ニーナと再開したジョージはヴィンスとニーナが上手くいっていないのを見て、自分が子供の父親になることを決意します。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『私の愛情の対象』ネタバレ・結末の記載がございます。『私の愛情の対象』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
2人はあの頃のように一緒に暮らし始めます。ですがニーナはジョージのことを、男性として意識して愛し始めていました。

ですが、ジョージと一晩を共に過ごそうとしていた矢先、ジョージが元同棲相手に旅行へ誘われます。

行くことを決めたジョージは、旅先で魅力的な若い男のポールと出会い、恋に落ちます。

ジョージに惹かれていたニーナは「人生の伴侶は1人だけ、私を選んで欲しい」とジョージに言いました。

ですが、ゲイであるジョージはポールとの恋を捨てることができず、ニーナとは一緒になれませんでした。

ニーナは出産し、子供もできますが前述のこともありジョージには別れを告げます。

そしてそれから数年、ジョージの働いていた小学校でジョージは校長先生に、学芸会で主役はニーナの子供、そしてニーナには新しい恋人がいました。

映画『私の愛情の対象』の感想と評価

今作はいわゆるLGBT映画ですが、個人的には誰にでもおすすめできる映画だと感じました。

というのもLGBTがテーマではありますが、この映画『私の愛情の対象』の本質は男女の友情は存在するか?ということです。

彼氏はいるものの、現状に満足できないニーナはパーティでジョージと出会うことで話は動き出します。

ニーナはおそらくこの時点で、ヴィンスとの性の問題など様々なことを含めて辟易としていました。そんなときに出会ったゲイのジョージは、男というよりはむしろ仲の良い女性友達と言った感覚でしょう。

事実2人は、状況の噛み合わせもありますが一緒に暮らし始めます。これはジョージにとっても楽しい生活で、男女の関係を超えた仲は同じ時間を共有しました。

ヴィンスの出現を期にニーナとジョージは離れ離れになり、自分の居ない間のニーナを考えて一緒に子供を育てる決断をします。

ですが、ジョージは元同棲相手との旅行にてポールとの新しい恋を見つけます。ニーナはジョージがゲイであることは勿論知っていましたが、これには少なからずショックを受けている様子でした。

このシーンで比較されているのは、「ジョージを男性として好いているニーナ」と「ニーナの好意を受け止めつつも恋愛対象は男のジョージ」です。

最終的に、一緒に暮らすことはせず2人は別々の道を歩みます。2人の関係はここで途切れているように思えますが、実はそうではないのです。

2人の別々の道を歩む理由は仲違いや、喧嘩と言った理由ではありません。2人が共有した時間や、一緒に子供のことを考えていた時間は決して無くなるわけではありません。

ラストのジョージとニーナは、結ばれなかった2人はあの日過ごした思い出を胸に、自分の現実を歩いていきます。

このラストは、LGBT映画ではありませんが『ラ・ラ・ランド』のラストも似たような展開でした。

まとめ

今回は『アントマン』のポール・ラッド主演、『私の愛情の対象』を紹介しました。20年近く変わらぬ魅力を維持し続けるポール・ラッドにも注目です。

また、ラストシーンも必見です。LGBTという題材を扱う上で、バッドエンドになりがちですが『私の愛情の対象』は、スッキリする終わり方を提供してくれます。

LGBT映画ですが、話も比較的シンプルで興味はあるけどどれを見ればいいかわからない方におすすめしたいです。

関連記事

LGBTQ映画

LGBT映画『彼が愛したケーキ職人』あらすじと感想。男女の性差を超えた愛を堪能する秀作

映画『彼が愛したケーキ職人』は、12月1日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開! アトナの寂しさや悲しみを取り去ってくれたのは、夫のオーレンが愛した男性トーマスだった…。 …

LGBTQ映画

ネタバレ『エゴイスト』ラスト結末の感想評価とあらすじ。LGBTQ映画としてでなく“人生を共に生きるパートナー”としての家族

愛する人のために…。 愛は身勝手なもの…。 2020年、50歳の若さで亡くなられたエッセイスト・高山真の自伝的小説『エゴイスト』が映画化となりました。 ファッション誌の編集者として華やかな業界で働くゲ …

LGBTQ映画

吉田羊&太賀『母さんがどんなに僕を嫌いでも』あらすじ。キャスト特報映像解禁!

俳優太賀&吉田羊による、迫真の演技が詰まった『母さんがどんなに僕を嫌いでも』の特報がついに解禁! 女優の吉田羊が、ちょっぴり“嫌な”母親役に挑んだ本作は、その息子役LGBTであることを公表し …

LGBTQ映画

映画『最初で最後のキス』あらすじと感想レビュー。ロレンツォ役の俳優リマウに注目

映画『最初で最後のキス』は、2018年6月2日(土)より新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次ロードショー。 思春期の「期待と不安」。それは“膨らむ夢と絶望”であると、あらためて見せつける高校 …

LGBTQ映画

バレエ映画『Girlガール』ネタバレ感想。トランスジェンダーのバレリーナが下した決断とは

映画『Girl/ガール』は2019年7月5日公開。 第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門にて新人監督賞にあたるカメラ・ドールと、LGBTをテーマにした作品に贈られるクィア・パルムを受賞した『Girl/ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学