YouTubeの企画に無理やり参加させられた、ユーチューバーとアイドルが遭遇する事故物件の真相とは?
事故物件に住み「幽霊を撮影するまで帰れません」という企画に、無理やり参加させられた3人の女性が、事故物件の恐怖と驚愕の真相を目の当たりにする映画『真・事故物件/本当に怖い住民たち』。
2020年に公開され話題になった『事故物件 恐い間取り』以降、さまざまな「事故物件」映画が制作されていますが、『真・事故物件/本当に怖い住民たち』は、他の「事故物件」映画とは違う、明らかに振り切った作品です。
脚本段階で、映倫が審査を拒否したというショッキングな内容の、本作の魅力をご紹介します。
映画『真・事故物件/本当に怖い住民たち』の作品情報
【公開】
2022年公開(日本映画)
【原案】
角由紀子
【監督・脚本】
佐々木勝己
【キャスト】
海老野心、小野健斗、小島みゆ、RaMu、竹内花、御法川イヴ、とももともも、渋江譲二、岸端正浩、島田秀平
【作品概要】
YouTubeの企画で、無理やり事故物件に住むことになった、女優の卵の佐久間姫子が遭遇する、恐怖を描いたホラー映画。
オカルトメディアとして知られる「TOCANA」の編集長、角由紀子原案によるTOCANA映画第1弾 。
主人公の姫子を、本作が映画デビュー作になる海老野心が演じており、グラビアアイドルの小島みゆとRaMuが、姫子と共に事故物件に住むことになる、女性ユーチューバーを演じています。
『天装戦隊ゴセイジャー』の小野健斗、『仮面ライダー響鬼』の渋江譲二も出演しており、癖のあるキャラクターを演じています。
監督は『星に願いを』(2019)の佐々木勝己。
映画『真・事故物件/本当に怖い住民たち』のあらすじとネタバレ
女優を目指して、日夜レッスンを積んでいる佐久間姫子。
姫子は、マネージャーの安藤から、ある事故物件で行われる「幽霊を撮影するまで帰れません」という企画に、参加するように言われます。
その事故物件は古いアパートで、1984年に、ある教団が人体を蘇生させる儀式の為に、人を殺してはバラバラにしていたという場所でした。
さらに、そのアパートに住んでいたと思われる女性が、謎の男性の幽霊に襲われ行方不明になる動画が、ネットで拡散されて話題になっています。
当初、姫子は嫌がりますが、安藤に説得され、嫌々企画に参加することになります。
姫子と共に、2人の女性ユーチューバーも、安藤に騙される形で古いアパートに住み、幽霊の撮影をすることになりました。
古いアパートでの生活が始まった初日、姫子は103号室に住む、怪しい男と遭遇します。
男は、古いアパートでの生活を始めた、3人を監視しているようでした。
映画『真・事故物件/本当に怖い住民たち』感想と評価
YouTubeの企画で事故物件に住むことになった、姫子が遭遇する恐怖を描いた映画『真・事故物件/本当に怖い住民たち』。
「事故物件」と言えば、過去に何かしらの事件が起きた、いわくつきの物件のことですが、『真・事故物件/本当に怖い住民たち』では、幽霊だけではない、生きている人間の恐怖を描いており「本当に怖い住民たち」というタイトルからも分かりますが、恐怖の主軸は人間です。
1984年に、ある教団が「儀式」として、バラバラ殺人事件を起こしたアパートが舞台となっており、過去にバラバラ殺人事件が起きた部屋というだけでも、住みたくないですが、それが現在進行形で起きていたいう、かなりショッキングな内容です。
現在も「儀式」を繰り返していた103号室の男は、祖母を蘇らせる為に、自分の部屋で死体をバラバラにしていたという部分は、実際に起きた殺人事件を連想させるので、かなりリアルな恐怖を感じます。
さらに『真・事故物件/本当に怖い住民たち』では、血や肉が飛び散る、いわゆる「ゴア描写」にかなり力を入れており、特に姫子が口から内臓を取り出される場面は、直視できない程でした。
最近のホラー映画に、少し物足りなさを感じている方には、この振り切った「ゴア描写」は一見の価値ありです。
幽霊だけでなく、人間の恐怖を手加減抜きで描いた本作ですが、全体的には明るいポップな作風となっており、特に唐突なラストシーンは、クエンティン・タランティーノの『デス・プルーフ』(2007)みたいで、個人的には面白かったです。
まとめ
「事故物件」と言えば、一般的に怪談の部類に入るかと思いますが、『真・事故物件/本当に怖い住民たち』は、そこに「人間のリアルな恐怖」を加え、目を背けたくなるような、視覚的な恐怖も手加減抜きで入れています。
更に、作中に突然現れる「子供を探す女」など、ストーリーには直接関わらない、説明が難しい「理不尽な恐怖」という要素もあり、佐々木監督は「色々なジャンルの、怖さの見せ方を探っている」と語っています。
主人公であるはずの姫子が、最初に死んでしまうなど、ストーリー展開も併せて異色なホラー映画『真・事故物件/本当に怖い住民たち』。
「普通とは違う、これまでにないホラー映画を作る」という、作品への熱意は、めちゃくちゃ感じた作品なので、血が飛び散る描写など大丈夫な人には、是非おススメしたい映画でした。