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Entry 2017/03/24
Update

映画『PARKS パークス』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

  • Writer :
  • リョータ
  • ちょり

“100年目の公園。僕らの物語がここから始まる。”

音楽をテーマに気鋭の監督と実力派若手俳優が描き出した物語『PARKS パークス』をご紹介します。

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映画『PARKS パークス』の作品情報

【公開】
2017年(日本)

【監督】
瀬田なつき

【キャスト】
橋本愛、永野芽郁、染谷将太、石橋静河、森岡龍、佐野史郎、柾木玲弥、長尾寧音、麻田浩、岡部尚、米本来輝、黒田大輔、嶺豪一、原扶貴子、斉藤陽一郎

【作品概要】
東京・吉祥寺の井の頭恩賜公園の開園100周年を記念して企画・製作された音楽をテーマにした青春ドラマ映画。

主演に橋本愛さん、共演に永野芽郁さん、染谷将太さん、石橋静河さん、佐野史郎さんら豪華キャストを迎え、監督を務めるのは『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の瀬田なつき監督、ミュージシャンのトクマルシューゴが音楽監修を手掛けた作品。

映画『PARKS パークス』のキャスト一覧

吉永 純 / 橋本愛


(C)2017本田プロモーションBAUS

2008年、ニューカム「HUAHUAオーデション」にてグランプリを受賞し、芸能界デビューを果たした橋本愛さん。

2009年にはファッション雑誌『Seventeen』のミス・セブンティーンでグランプリを受賞し、2014年まで専属モデルを務めていたモデルさんとしても有名ですね。

2010年には映画『Give and Go』で注目を集め、同年中島哲也監督の映画『告白』でクラス委員長役を務め、女優として脚光を浴びることに。

その後『桐島、部活やめるってよ』(2012)でヒロイン・東原かすみ役の演技が評価され、第86回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞や、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞し、若手実力派女優としての地位を確かなものとしました。

テレビドラマでもNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で演じた足立ユイ役で人気を博し、映画『リトル・フォレスト』や『ワンダフル・ワールドエンド』で海外の映画祭を経験するなど、今最も注目すべき女優の一人です。

そんな橋本さんが『PARKS パークス』で演じているのは、主人公の吉永純。その人物像について…

純という女の子は、客観的に見るとすごく情けなくて不器用で、滑稽な部分もあるし、なるべく拙く見えないよう、なんとかこの子をお客さんに愛おしいと思ってもらいたい、とずっと考えていましたね。(公式サイトより)

…と述べていました。劇中ではギターを弾くシーンもあるとのことで、その辺りも注目のポイントですね!

木下 ハル / 永野芽郁

1999年9月24日生まれで東京出身の永野芽郁さんは、 2009年に映画『ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル』で子役としてデビューを飾ります。

2010年からはファッション雑誌『ニコ☆プチ』でレギュラーモデルとして人気を獲得した永野さん。

2015年公開の河合勇人監督の映画『俺物語!!』では、オーディションを勝ち抜きヒロイン役に抜擢されて一気に注目を浴びることに。

2016年にはフジテレビドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』やNHK大河ドラマ『真田丸』などに出演、テレビ東京ドラマ『こえ恋』では初主演を果たします。

2017年は新城毅彦監督の『ひるなかの流星』『ひるなかの流星』についての詳細はコチラ)で映画初主演を果たし、他にも『帝一の國』、『ピーチガール』と公開予定の映画が控えており、今乗りに乗っている若手女優さんですね。

本作『PARKS パークス』で演じている木下ハルについて…

ハルは、ちょっとつかみどころがなくて、テンションが急に上がったり下がったりする難しい役でしたが、監督の指示通りに演じて、あとは橋本さんと染谷さんに引っ張ってもらって、後ろからついていく感じでした。(公式サイトより)

…というキャラクターだということを述べていた永野さん。難しかったという役どころを一体どのように演じているのか注目ですね!

小田倉 トキオ / 染谷将太

子役時代からその才能が評価されていた染谷将太さんといえば、何といっても園子温監督の映画『ヒミズ』(2012)を思い浮かべる方が多いでしょう。

この作品で第68回ヴェネツィア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を日本人で初めて受賞するという快挙を成し遂げた染谷さん。

2012年三池崇史監督作『悪の教典』(2012)でも日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得するなど、様々な受賞歴を有する若手実力派俳優の先頭を切る人物だといえます。

他にも本作でも監督を務める瀬田なつきさんの『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(2011)、『寄生獣』(2014)、『バクマン』(2015)、『聖の青春』(2016)などなど、多数の作品に出演し続けています。

2017年には『3月のライオン』(『3月のライオン 前編・後編』についての詳細はコチラ)、2018年にはチェン・カイコー監督の日中合作映画『空海 KU-KAI』の公開予定が決まっており、まさに引く手あまたといった俳優さんですね。

そんな染谷さんは今回演じているのは、佐知子の孫でラップが得意だというトキオ。ムードメイカー的存在だというトキオを天才俳優・染谷将太さんがどう演じ、そしてどのようなラップを披露してくれるのかに注目が集まっています!

山口 佐知子 / 石橋静河

1994年東京生まれの石橋静香さんは、石橋凌さんと原田美枝子さん夫妻の娘さん(次女)ということですでに有名ですよね。

4歳の頃からクラシックバレエを始め、15歳の頃にアメリカ留学後2013年に帰国し、コンテンポラリーダンサーとして活動を始めたという石橋さん。

2016年からは女優業にも進出し、野田秀樹さん演出の舞台『逆鱗』に出演、2017年には初主演映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が公開を控えていますね。

本作で演じているのは、ハルの祖母に当たる山口佐知子。若い頃の佐知子を演じているので、橋本さんらとの絡みはなさそうですが、歌声も披露されるという事で、非常に注目度が高まっています!

晋平 / 森岡龍

2004年の石井克人監督の『茶の味』で映画デビューを果たした森岡龍さん。

その後も『亡国のイージス』(2005)や『グミ・チョコレート・パイン』(2007)、矢口史靖監督の『ハッピーフライト』(2008)、『色即ぜねれいしょん』(2009)など数々の話題作に出演。

2016年には前野朋哉さんと漫才コンビを演じた『エミアビのはじまりとはじまり』、2017年にも飯塚健監督の『榎田貿易堂』、東條政利監督の『地の塩 山室軍平』など公開を控えた作品を抱えています。

そんな森岡さんが今回演じているのは佐知子の恋人の晋平。佐知子同様回想シーンでの登場になりますが、こちらもどんな歌声が披露されるのか楽しみですね!

井上教授 / 佐野史郎

説明不要の個性派俳優・佐野史郎が日本中を震撼させたのは、1992年のTBSドラマ『ずっとあなたが好きだった』の冬彦さんですよね。

この時の怪演によって、知的さと狂気の境界線を漂うようなイメージが完全に定着した感のある佐野史郎さん。

テレビドラマ、映画、舞台と幅広く活躍を続けており、つい先日最終回を迎えたTBSドラマドラマ『下剋上受験』にも出演していました。

2017年には漫画家のつげ忠男を演じた『なりゆきな魂、』が公開(一部)されており、常に第一線で活躍をし続ける名優として名高いですね。

そんな佐野さんが本作で演じているのは、純の大学のゼミ担当である井上教授。予告ではギターをつま弾いている様子がチラッと出てきましたが、物語にどう関わってくるのかはまだ明らかになっていません。

ロックやニューミュージックに造詣が深いことも有名な佐野さん(ロックフェスに参加するほど!)ですので、演奏シーンがあることを期待しています!

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映画『PARKS パークス』の監督紹介

映画『PARKS パークス』の監督を務めるのは瀬田なつきさんです。

大阪府出身の瀬田監督は、学生時代に『とどまるか なくなるか』(2002)、『爆弾娘疾走』(2003)を制作。後者は京都国際学生映画祭2003のコンペティション部門に入選するなど、早くも高い評価を得ていました。

その後もオムニバス映画『夕映えの少女』の「むすめごころ」(2008)、東京芸術大学大学院映像研究科修了制作作品の『彼方からの手紙』を発表し、東京国際映画祭チェアマン特別奨励賞を受賞

メジャー映画デビューとなったのは2011年の『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』で、この作品はニューヨークやパリでも公開されるなど、高い評価を得ることに。

映画作品以外にも、いきものがかりの『ラブソングはとまらないよ』SKE48の『ここで一発』などのミュージック・クリップを手掛けたり、テレビCMなどにも携わっており、多岐に渡るマルチな才能を有する監督だと言えますね。

そんな瀬田監督が本作『PARKS パークス』の撮影でこだわった点は…

昼間の場面は照明を使わず、すべて自然光で撮影しました。レフ板も使っていません。夜もほぼ街灯だけ。少人数のスタッフで、なるべく軽やかにその瞬間の空気感を撮れる体制を作りました。(公式サイトより)

…とのことで、自然で柔らかく温かい作品の表情が垣間見えてきますね。また、音楽がメインテーマになるこの作品ですが…

最初は音楽の要素はあまりなかったんです。作品に登場するおばあちゃんについてスタッフで話し合っているうちに──結局、おばあちゃんではなくて、麻田浩さんが演じた「寺田さん」が登場することになったんですが──ふとオノ・ヨーコさんの名前が出てきたんです。私はもっと年齢相応に老けたイメージしかなかったので、そうか、オノ・ヨーコさんだって80代なんだ! とおばあちゃん像をひっくり返されました。そこから、ありえなかったジョン・レノンとオノ・ヨーコの物語、みたいな方向に連想が働いて、音楽の比重がだんだん大きくなっていきました。(公式サイトより)

…という経緯で音楽が深く関わっていったようですね。

音楽監修を務めるトクマルシューゴさんも脚本段階から携わっているようで、どんなアイデアが飛び出したのかを本編で確かめてみてみましょう!

映画『PARKS パークス』のあらすじ


(C)2017本田プロモーションBAUS

舞台は吉祥寺。桜が満開の井の頭公園を大学生の純が自転車で走っているところから物語は始まります。これは公園で見つかった音楽のお話…。

井の頭公園のそばに建つアパートで暮らす純は、同棲するはずだった恋人と別れたり、大学からは留年の通知が届いたりと、何かと上手くいかない日々を送っていました。

何とか卒業をしたい純はゼミの井上教授の下を訪れます。「はじめまして」。顔も知らない教授に呆れられながら、どうしても留年するわけには行かないと泣きつく純。

教授からは卒論のアウトラインを今週中に提出するように言われ、思わず「無理です」と口走ってしまいますが、さすがにこれ以上は教授も譲歩してくれそうにありません。

大学からの帰り、純は幼馴染の理沙と待ち合わせしていました。遅れてきた理沙は、「吉祥寺グッド・ミュージック・フェスティバル」のイラストを書かせてもらえることになったと嬉しそう。

お洒落でスタイルもいい理沙はモデルもしているちょっとした有名人で、純は親しいながらもどこか置いて行かれているような気分になってしまうのです。

純は子どものころ、「ミラクルグミ」という商品のテレビCMに出たことがありました。商品が大ヒットしたせいで、地元ではちょっとした人気者になったものの、その後は鳴かず飛ばずで、今に至っているのです。なんとなく、気持ちを持て余している日々…。

ある風の強い日、部屋の中の写真が風にさらわれ、純は思わずベランダに出ます。

ちょうど其の頃、ハルという女子高生が、古い写真を見ながら、公園を歩いていました。彼女は、純のアパートを見て、それが彼女が持っていた写真と同じ家であることに気付きます。彼女には一瞬、純の姿が、写真の女性と重なって見えました。

純もハルに気が付きました。お湯が湧く音がしたので一旦部屋に入ってまた戻ってみると、もう少女はどこにもいません。その途端、チャイムがなって、出てみるとハルが勢いよく飛び込んできました。

彼女が言うことには、彼女の亡くなった父親の遺品を整理していると、佐知子という女性からの手紙が保存されていたのだそう。それは50年も前の手紙で、その差出人の住所がこの場所だったというわけです。

「手紙を読みます?」というハルの勢いにおされて、純は手紙に目を通しました。どうやらハルの父親、晋平と佐知子は恋人同士だったらしく、佐知子の手紙には「あの計画通り、2時半に橋のところで待ち合わせしましょう」と書かれていました。

手紙を読んだら、小説にしたいと思ったというハル。もうすぐ母親が再婚してしまうし、このままじゃ、父親のことを忘れてしまいそうと早口でまくし立てます。

純はもしかしたらゼミのレポートの題材になるかもしれないと考え、ハルと一緒に佐知子を探すことにしました。

不動産会社からアパートのオーナーである寺田の連絡先を教えてもらった2人は、早速その住所へと向かいます。

寺田に話を聞くと、なんと佐知子と晋平の友人だったことが判明し、教えてもらった情報を基についに佐知子の現在の居場所をつきとめました。

早速、2人は出かけていきますが、チャイムを押しても何の返事もありません。なんとか会いたいと思うあまり、大騒ぎしていると、帰宅したばかりらしい若い男性が「あんたら何してるの?」と声をかけてきました。佐知子の孫・トキオでした。

ハルに写真を見せられたトキオは「これが婆ちゃん? 若っけー!」と驚きの声を上げます。しかし、婆ちゃんは少し前に脳梗塞で亡くなってしまったよ、と告げるのでした。

数日後、祖母の遺品を整理していたトキオはオープンリールのテープを見つけます。その中に録音されていたのは、若い頃の晋平と佐知子の歌声でした。

「君と歌いたい曲がある/それはこんな曲で/僕らの物語は/この公園から始まる……」

経年の劣化によってテープが傷んでいたのか、途中で音声が途切れてしまいます。何度聴いてみても、同じところで切れてしまいいます。

純は、何とか書いたレポートを教授のところに持って行きますが、「半分しか書けてない。ちゃんと授業に出ていたらとっくに出来てただろうに。これまで何をしていたんだいまったく」と叱られます。そして「オープンリールの曲を完成したら単位をあげよう」と言われてしまいます。

曲の続きを考えるために、純とトキオとハルがまず始めたのは、公園の音を拾うこと。木々のざわめき、恋人同士のキスの音、頭上を通る井の頭線、猿山の猿etc…・

さらに、晋平と佐知子の時代はどんな時代だったのかを調べてみました。東京オリンピック、ガガーリン、鉄腕アトム、「上を向いて歩こう」がビルボード1位に輝く! そんな熱い時代の熱い思いを曲にのせたに違いない! でも、調べても調べても曲の続きは思い浮かびません。

ハルは想像してみました。

ベランダにいる佐知子の写真を撮る晋平を。公園を仲よさげに歩きだす二人を。そのあとをそっと追いかけていく自分を。

そんなある日、吉祥寺の街に飛び出した3人は、理沙と待ち合わせて一緒に御飯を食べました。理沙は3人に「吉祥寺グッド・ミュージック・フェスティバル」(通称「キチフェス」)に出演しないかと持ちかけます。

純はまだ曲も出来てないんだよ、と断ろうとしますが、トキオとハルは大乗り気で、純に喋る機会も与えないまま、快諾してしまいます。

純がギターを少々かじっているとはいうものの、そしてトキオが音楽関係の仕事についているとはいうものの、それだけではまったく心許ないと純はおかんむり。それなら、バンドメンバーを集めればいいじゃんとトキオは言い、メンバー探しが始まります。

あちこちに顔を出して、キーボード、バス、ドラム、ギターの助っ人たちが揃いました。

キチフェスの公式ホームページに純たちのバンドが紹介されました。理沙やフェスの主催者のフィリップのおすすめということで、注目度もアップ。Youtubeの再生回数もあっという間に500に達したとトキオと純は大はしゃぎです。

ところが、ある男性が「それってやばくない?」と声をかけてきました。キチフェスは毎回、ちょっと注目される新人バンドならあっという間に一万再生を超えるとのこと。「もっとポップでダンサブルなものにしたら?」という男性の言葉が耳に残りました。

晋平と佐知子と寺田に仲間入りしているハル。彼女の想像なのか、はたまた小説の中身なのか。ともあれ、晋平は自分の歌が佐知子だけに届けばいいと考えているようでしたが、佐知子や寺田はもっとたくさんの人に聴いてもらいたいと主張します。

佐知子は晋平に「計画通り、2時半に橋のところで待ち合わせね」と言いました。オープンリールに曲を吹き込むのです。

佐知子の心は少しだけ晋平から離れていき、晋平はまだそれに気付いていない。ハルはそんなふうに感じるのでした。

日が落ちた公園でハルは晋平のとなりに座り、晋平の話に耳を傾けていました。「私は晋平さんの家族が少し見えるような気がするな」。未来が見えないという晋平にハルは言いました。「どこ?」と聞く晋平にハルは「それは…」と笑うのでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『PARKS パークス』ネタバレ・結末の記載がございます。『PARKS パークス』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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ついに曲が完成し、公園で演奏する純たち。トキオのラップも入った、ポップですてきな曲が出来上がりました。

ところが、ハルに感想を求めると、なにやら浮かぬ顔をしています。「うまく言葉に出来ないけど・・・。お父さんの佐知子さんへの想いが見えなくなった気がする」。

「気に入らないってこと?」と問う純にハルは困惑したように「そうかも」と応えるのでした。

ついにキチフェス当日がやって来ましたが、純は複雑な感情を持ったままです。ハルはまだ来ていません。さらに本番の直前になって思わぬトラブルが起こってしまいます。

バンドのメンバーが直前に食べた食事にあたって、出られなくなってしまったのです。出番間近の出来事とあって、そのままあわただしくステージに上げられてしまった純とトキオ。

トキオが自分たちのバンドの馴れ初めを話している時、会場にハルがいるのに純は気付きます。「こんなのでハルが喜ぶわけがない」。純は頭の中が真っ白になってしまい、気付けば、トキオがラップで一人、懸命に場をもたせていました。

力尽きてステージ上に倒れたトキオにあわてて駆け寄る純。トキオは「悔い無し」と呟きました。

ステージは大失敗。理沙たちにも合わせる顔がありません。ボートに乗って泣きはらす純でした。

ハルは病院の待合室にぽつんと座っていました。寺田が亡くなったのです。そんなハルにそっと寄り添うように純がやってきました。もうあの曲の続きを聴いてもらうことは出来なくなってしまいました。

純の部屋に戻った二人はひょんなことから仲違いしてしまいます。

「ハルが直前にあんなこと言うから」と純に言われて「ごめんなさい」と謝るハル。「あやまられたら何もできなくなっちゃうじゃない」という純に再び「ごめんなさい」と言ってしまうハル。

半分八つ当たりで純は「いつまでいるの? あんた、本当は誰なの?」とハルに言葉を投げつけてしまいます。ハルは目を丸くして純を見ると、体を震わせながら荷物をまとめ始めました。

出ていこうとするハルを止めようとする純でしたが、ハルは振り切って出ていってしまいます。あわてて追いかけるも、もうハルは見えなくなっていました。

それからしばらくして。純はハルを探しに公園を駆け巡ります。途中、晋平、佐知子、寺田の三人組とすれ違ったような気がしましたが、振り向いても、ただ、木のざわめきが聴こえるだけ。

そんな時、ばったり、トキオと出くわします。あわてて逃げ出す純を追いかけるトキオ。追いつかれた純は「ごめんなさい」と深々と頭を下げるのでした。

純は園内放送の放送室にやってきました。マイクを通してハルに呼びかけ、歌い始めました。新たに作った歌が公園に響き渡りました。

「パークミュージック/終わらないストーリー/始まるストーリー……」

物語は再びプロローグへ(prologue again)。満開の桜の中、公園を自転車でかけていく純の姿は、少し、大人びてみえました。あれから数年が経ったのです。

ハルは白いテーブルで白いカップにはいったコーヒーを飲んでいました。職場でしょうか。コーヒーは少し苦いから苦手です。寺田の家を訪ねると、彼は決まってドリップコーヒーを淹れてくれたものでした。

ハルは読んでいた本を閉じました。タイトルは『PARKS』。物語はこうして終わります。

エピローグ。

井の頭線に乗ったハルと窓の向こうの公園にいる純とトキオ。電車は静かに走っていくのでした。。

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映画『PARKS パークス』感想と評価


(C)2017本田プロモーションBAUS
映画の序盤、純が別れた恋人から貰った指輪を外そうとして、扇風機にあたってしまい、扇風機が倒れた拍子に、机に積まれた雑誌の山が崩れて、中からゼミの教授からの留年通知が現れるというシーンがあります。

ドミノ倒しにも似た、流れるようなテンポのいい演出ですが、純、トキオ、ハルの3人も、それと同じようなテンポで、あっという間に結びつきます。

一種の興奮状態にあるかのように、3人ははしゃぎまわります。その高揚する様を、どんなふうに受け止めたらいいのか、観始めてしばらくは少々、戸惑ってしまったのですが、彼女たちが没頭することがらにいつの間にか引き込まれていきました。

橋本愛、染谷将太が魅力を十分に発揮しているのは勿論のこと、まだキャリアも浅いと思われる、永野芽郁の素晴らしいこと!

さらに、60年代を生きた佐知子に扮した石橋静河の美しい歌声、落ち着いた物腰は、貫禄すら漂い、魅力的です。

瀬田なつき監督は、俳優をフォトジェニックに輝かせる監督だということを、今回、改めて確認したのでした。

それにくわえ、井の頭公園100周年を記念した作品ということで、公園自体が、単なる舞台でなく、主役として踊り出てきます。

青々とした木々、湖水の輝き、夜のとばりの青みがかった風景が、過去と現在と未来を交錯させます。

瀬田監督の2012年の作品、『5windows』には、電車に乗っている人物と、その窓の向こうを行く人物が交錯する印象的な場面がありました。互いに接点はない2人なのですが、映画ではどちらも主役となる2人。

今回も、井の頭線に乗ったハルは車窓から純、あるいは純とトキオを目撃します。彼女が意識して観ていたかどうかは定かではありませんが、カメラはきっちり、電車の中から純とトキオを見下ろし、そしてすぐにハルを画面に映します。

瀬田監督の視野の広さというのでしょうか、宇宙的なものの見方というのでしょうか、空間的にも、そして運命論的にも、人と人をつなぐ視点に独特の感性があるように思われます。

冒頭とラストで、公園を俯瞰でとらえるショットはまさに神の視点のごとし!

また、本作は、何かを創造する、その「産みの苦しみ」を描いた作品でもあります。若き日のハルの父親が「たった一人にも届かない歌が、多くの人に伝わるわけがない」と語っていましたが、まさに真理といえましょう。

誰のためにその歌を作っていたのか、やっと気がついた純がマイクを通して歌う、歌の続き=「PARK MUSIC」は、一瞬にして過去と現在をつなげます。ミュージカルシーンの多幸感がたまりません。

トクマルシューゴによる「PARK MUSIC」はどのバージョンも素晴らしいので、是非映画館で確認してみてください。

果たしてハルとは何者であったのか問題にも触れたいところですが、そこは各自の想像力にまかせるのが一番のようにも思えますので割愛します。

最後に、小さな役柄でもこんな人が演じている!という発見がありますので、目を凝らして、見逃さないように鑑賞することをおすすめいたします。

まとめ


(C)2017本田プロモーションBAUS
映画『PARKS パークス』は何といっても音楽がメインテーマになってくる作品。

トクマルシューゴさんが音楽監修を務めている上、60年代から日本の音楽シーンに欠かせない存在だっ麻田浩さんがアパートのオーナー寺田役で出演していたり、スカートの澤部渡さん、シャムキャッツ、高田漣さんなどなど。

様々なアーティストが多数出演していたり、楽曲を提供していたりと音楽ファンからしても必見の作品となっていますね。

注目の『PARKS パークス』は2017年4月22日(土)テアトル新宿、4月29日(土)吉祥寺オデオンを皮切りに順次全国公開が始まります!ぜひ劇場に足を運んでみて下さい!

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