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Entry 2017/09/13
Update

映画マイバックページ動画無料視聴はHulu!ネタバレ感想と考察も

  • Writer :
  • 山田苺

今回ご紹介する映画は、『ぼくのおじさん』や『オーバー・フェンス』などで知られる山下敦弘監督の『マイ・バック・ページ』。

キャストに『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』に出演の妻夫木聡と、同じく『ユリゴコロ』に出演の松山ケンイチによるダブル主演。

骨太なのは学生運動をテーマしながら、時代背景を監督独特のオフビートな演出を健在させたことである種の化学反応を起こしています。

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1.映画『マイ・バック・ページ』の作品情報


(C)2011映画「マイ・バック・ページ」製作委員会

【公開】
2011年(日本映画)

【監督】
山下敦弘

【キャスト】
妻夫木聡、松山ケンイチ、忽那汐里、石橋杏奈、韓英恵、中村蒼、長塚圭史、山内圭哉
、古舘寛治、あがた森魚、三浦友和

【作品概要】
元・朝日新聞社記者の川本三郎によるノンフィクション小説の映画化で、川本のモデル・沢田を妻夫木聡、彼が興味を引く活動家・梅山を松山ケンイチが熱演しています。

一人の新人ジャーナリストが、ある学生運動の活動家と出会うことで、ある事件が起きる様子を淡々と、しかし俳優の熱量で、見ごたえのある作品になっています。

1970年代の学生運動を背景にしながらも、理想と現実の狭間で揺れる男の姿は、時代を問わず見る人の胸を打ちます。

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2.映画『マイ・バック・ページ』のあらすじとネタバレ


(C)2011映画「マイ・バック・ページ」製作委員会

1969年、沢田は路上でテキ屋の仕事をするタモツの手伝いながらウサギを売っています。

しかし沢田は売り物のウサギを誤って死なせてしまったため、タモツがその落とし前をつけることになってしまいます。

その後沢田とタモツは一緒にウサギを埋めると、沢田は手切れ金としてお金を渡そうとします。

しかしタモツは「そうじゃねえだろ」と静かに返し、失態をした沢田にまた手伝いに来て欲しいと言うのでした。

実は沢田は週刊東都の新米ジャーナリストで、一ヶ月ほど潜入していたテキ屋の手伝いは取材の一環でした。

沢田自身は新左翼運動への取材をしたいのですが、希望した東都ジャーナルには配属されませんでした。

1ヶ月の潜入取材「500円東京放浪の旅」を沢田は会議の場で発表すると、上司から「内容がセンチメンタルすぎる」と彼のテキ屋に感情移入したような内容を批判され、反発します。

1970年。沢田は名画座のオールナイト開けに、そのまま出版社に居座り漫画を読んでいると、週刊東都の表紙モデルを務めている倉田眞子と知り合います。

あるとき、中平は沢田とともに、梅山(本名は桐谷)という活動家を名乗る男の取材をすることになります。

梅山は「京西安保」の幹部と名乗った上で、銃を奪って武装をし4月に行動を起こすと豪語しますが、彼の話を聞いた中平は「あれは偽者だ」と一蹴します。

とりあえず裏を取るという渋々な中平に対し、沢田は直ぐに梅山の元に戻ります。

彼は梅山が宮沢賢治が好きということ、ギターの演奏をした時に「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」の楽曲「雨を見たかい」を弾き語る姿をみて、もともと活動家に共感を抱いていた沢田は親密感を覚えます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『マイ・バック・ページ』ネタバレ・結末の記載がございます。『マイ・バック・ページ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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その後、東都ジャーナルが出版6日後に回収される騒動が起き、沢田は東都ジャーナルに異動しますが、それは騒動の後始末を任され、まるで左遷のような扱いでした。

おまけに社会部の人間に「お前らはうちで余った紙で記事を書いているだけだ」と非難され殴り合いの喧嘩までに発展します。

沢田はある日、倉田眞子とともに『ファイブ・イージー・ピーセス』を見に行きます。

沢田はつまらない映画だねと言いますが、眞子は「ジャック・ニコルソンが泣くシーンが好き」「ちゃんと泣ける男の人が良い」と全く違う意見を述べます。

そして4月になりますが、梅山が何かしらの行動もおきることはありませんでした。

梅山たちのアジトでは、仲間も口だけで何も実行しないリーダーに嫌気が刺し始めていました。

しかし梅山は、沢田のコネで前園という活動家のカリスマと接触することが出来ることを話します。

前園の話をともに聞く梅山はますます感化されますが、中平は沢田に彼が「京西安保」の幹部なんかではない、嘘っぱちの人間だと言い放ちます。

梅山は自衛隊の武器庫を騒動を起こさずに奪取できる方法を、ある男から持ちかけられますが、それには莫大な金額がかかるため、何とか資金を集めようとします。

そこで前園にも看破を頼み込むと「覚悟が足りない」といわれ、援助を受けることが出来ません。

そして沢田の前に姿を現す梅山は、「君はいったい何者なんだ?」と詰め寄られます。

その発言でカッとなった梅山は、沢田をアジトに連れて行き「赤邦連合」と書かれた赤ヘルや、武器を準備している様子を見せ、カメラに収めさせます。

そこで梅山は『真夜中のカーボーイ』を見て、あの主人公は自分自身だといい、その話を聞いた沢田はもし事を起こすなら自分に独占取材をさせて欲しいと頼み込みます。

後日、ホテルの一室で武器庫の襲撃を持ちかけたある男から、軍服一式を持ってきてもらいます。

しかしその男が金を要求すると、梅山はこの中に2人裏切り者がいるといい、そのうちの一人を柴山が別室に連れて行きます。

もう一人は取引をする男で、男の前に別室から戻ってきた柴山が、血塗られたシャツと刃物を持って現れます。

その形相と、弱みに付け込んだ梅山によって、男は今後梅山の盾となって行動するように言われます。
(しかし血はただの絵の具で、ナイフで刺されたことになっている本人は涼しい顔して過ごしてました)

夜になり、車に乗って柴山、男は自衛隊の武器庫へ向かい、そこにいた自衛官殺害を刃物で刺し殺し、さらに遺留品に赤ヘルやビラを残して去っていきます。

仲間が手を汚している最中、梅山はというと喫茶店で商事をしながら漫画を読み、へらへら笑っているだけでした。

その後、沢田は梅山から証拠品の軍服と腕章をみせられ、それを写真に収めます。

しかし記事は社会部の判断により、梅沢が「思想犯」ではなく「殺人犯」と見て、週刊誌に載ることは無く、さらに警察へ通報されます。

沢田も証拠である腕章を燃やしてしまったため、証拠隠滅の罪に問われ、梅山は犯行は自分ではなく前園が指示したものだとシラを切りつづけます。

結局沢田は、会社を退職することになり、出勤最後の日に表紙モデルが終了した眞子がオフィスに顔を出して、今回の事件は嫌な感じがすると沢田言います。

眞子はドラマなどに出演するも、21歳の若さで亡くなり、沢田は懲役10ヶ月の実刑判決を受けます。

沢田は10年余りの逃亡生活のすえ多数の容疑のもと逮捕されるのでした。

出所後沢田は映画のライターとして生活しており、試写の帰りに寄った居酒屋で店主となり、妻子のいる身となったタモツと再会します。

タモツは居酒屋を持ち、いましたが昔と変わらぬ態度で沢田に接します。

そんなタモツに会ったことで、沢田は涙を流しながら酒を飲むのでした。

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3.映画『マイ・バック・ページ』の感想と評価


(C)2011映画「マイ・バック・ページ」製作委員会

当時の時代感を出すために、カメラは16ミリという、かなりざらつきのある画が取れるフィルムを使っており、本当に当時上映されいたのかと錯覚してしまうほど。

そして何より、主演2人の演技が非常に魅力を出しています。

沢田は学生運動をする新左翼側に共感を覚えながら、彼らを取材する立場にいるどっち付かずの男。

しかし彼が梅山に感化されたことで、徐々に自分の意思に対して強固な姿勢をとるところは、オフビートの作風の中で徐々に見ているこちらの感情も高ぶります。

けっしてありきたりな反抗をするのではなく、沢田という人物が良く分かる抑揚の効いた、頑固を通り越して狂気さえ感じ取れる表情がすばらしいです。

そんな数々の出来事を経験した沢田が見せる、ラストシーンの涙は必見です。

一方で梅山は周りを魅了する力を持ちながら、いざ行動を起こすとなると自分は何もしない、いわばペテン師のような男です。

前園にも「君は覚悟がない」痛いところをつかれる場面もあります。

参考映像:アメリカン・ニューシネマの代表作『真夜中のカーボーイ』(1989)

しかし唯一、沢田に『真夜中のカーボーイ』の話をしているときは、本心を語っているんだと思い、見ていて鳥肌が立ちました。

「ダスティン・ホフマンが泣くシーン。たまんなかったよ・・・I’m Scared.I’m Scaredって。あれは僕だ」と語るシーンは何度も再生してみたくなるほどグッと来きます。

まとめ


(C)2011映画「マイ・バック・ページ」製作委員会

正直私は70年代どころか平成生まれなので、学生運動がなんたるものかなんて、調べても今いちよく分からないところは多いです。

しかしこれが一人ひとりの人間ドラマとしてみると、どんどん登場人物に入りこめるのです。

時代に取り残されまいと、何か行動を起こそうとヤキモキしている人物や、それが過剰になってしまい巻き込まれる人々・・・

なかでも自衛官が襲われるシーンの長回しが、いかに「学生運動が何を生んだのか」を問いかけていてなりません。

あれだけのシーンにも関わらず、恐ろしいほど感情移入を余儀なくされるのだから、監督の技量の凄さも伺える作品でした。

さて、『マイ・バック・ページ』が観られるHuluでは現在2週間無料トライアルを実施中

無料トライアル期間に解約をすれば料金は一切かかりませんし、記事でご紹介した作品以外にも映画・海外ドラマ・国内ドラマ・アニメなど、大量の作品が見放題となっています。

作品によって追加料金がかかるVOD(定額制動画配信サービス)もありますが、Huluは全作品見放題というのも安心して使えるポイントですね!

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※紹介している情報は2017年9月時点のものです。配信作品の状況が変わっている可能性もありますので、詳細は公式ホームページにてご確認ください。

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