映画『きみの鳥はうたえる』2018年9月1日(土)より新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペースほかにて全国順次公開。
また、本公開に先駆けて函館シネマアイリスでは、8月25日(土)より先行公開されます。
原作は佐藤泰志で演出を務めるのは、『Playback』や『密使と番人』などで知られる三宅唱。
キャストは若手で演技力が高い人気俳優、柄本佑、石橋静河、染谷将太が共演。
注目の邦画『きみの鳥はうたえる』をご紹介します。
CONTENTS
映画『きみの鳥はうたえる』の作品情報
【公開】
2018年公開(日本映画)
【原作】
佐藤泰志『きみの鳥はうたえる』
【脚本・監督】
三宅唱
【キャスト】
柄本佑、石橋静河、染谷将太、足立智充、山本亜依、柴田貴哉、水間ロン、OMSB、Hi’Spec、渡辺真起子、萩原聖 人
【概要】
原作佐藤泰志の同名の小説の映画化。演出を務めるのは『Playback』『密使と番人』などで知られる三宅唱監督。主人公「僕」役に柄本佑が演じ、その友人役に若手実力派俳優の染谷将太、2人の男性の間を揺れる女性役に石橋静河が演じています。
三宅唱プロフィール
三宅唱(みやけ・しょう)は、1984年に札幌で生まれます。映画美学校フィクションコース初等科修了。
2010年初長編『やくたたず』を発表。 2012年にの劇場公開第1作『Playback』は、はロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品され、高崎映画祭新進監督グランプリ、日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞。
その後、2015年に『THE COCKPIT』は、国際ドキュメンタリー映画祭シネマ・デュ・レエル新人監督部門に正式出品。
また、時代劇専門チャンネル製作『密使と番人』(2017)、ビデオダイアリー『無言日記』シリーズ(2014〜)などがあり、そのほかOMSBやHi’Specらのミュージックビデオも手がけ、2018年には山口情報芸術センター(YCAM)にてインスタレーション展「ワールドツアー」を発表しています。
三宅唱監督は、佐藤泰志の原作『きみの鳥はうたえる』の映画化にあたり、このように作品いついて語っています。
「佐藤泰志が小説で描いた「生の輝き」を映画で表現しようというのがこの映画の挑戦でした。素晴らしい環境を用意してくださった函館の皆さん、心から尊敬する役者・スタッフらとともに、いま振り返ると自分がちょっと恥ずかしくなってしまうくらい、とにかく無我夢中でつくることができました。映画館の暗闇で、美しい夏の光や音を感じながら、この映画のなかで生きるかれらとともに、かけがけのない時間を過ごしてほしいと思っています。そして、誰かにとって、この映画がまるで親しい友人のような存在になることができればと願っています」
三宅唱監督が述べた、“自分がちょっと恥ずかしくなってしまうくらい無我夢中”。これは良い意味で青春を思わせる発言ですね。
若きスタッフと若き俳優とともに見つめた函館の夏の日、ぜひ、劇場で見てみたいですね。
映画『きみの鳥はうたえる』のあらすじ
函館の夏、まだ何ものでもない僕たち3人はいつも一緒だった…。
函館郊外の書店で働く「僕」と、一緒に暮らす失業中の静雄。
「僕」と同じ書店で働く佐知子が加わり、3人は、夜通し酒を飲み、踊り、笑いあいます。
しかし、微妙なバランスのなかで成り立つ若者たちの幸福な日々は、いつも終わりの予感と共にありました…。
映画『きみの鳥はうたえる』感想と評価
函館の映画館シネマアイリスの開館20周年を記念し製作された映画『きみの鳥はうたえる』。
原作は佐藤泰志。これまで佐藤の書いた小説の映画化は、2010年公開の『海炭市叙景』、2014年公開の『そこのみにて光輝く』、2016年公開の『オーバー・フェンス』があり、それに続く4作目が『きみの鳥はうたえる』になります。
監督を務めたのは、2012年公開の『Playback』や2015年公開の『THE COCKPIT』など意欲的な作品制作を見せる、北海道出身の三宅唱監督。
三宅演出の先ず、見どころになるのは、原作の骨格はそのまま舞台設定を変えました。
原作にあった東京から函館へ移し、また現代の物語として大胆に翻案したことで、自分のバックボーンとなる土地勘のある場所を作品舞台にしたことで、ストーリーに現実味のある今を描く点に注目です。
また、キャスト陣も期待させる俳優が揃い見どころの一つ。
語り手である「僕」を演じるのは、2018年公開の『素敵なダイナマイトスキャンダル』の柄本佑。
友人・静雄役は、2018年公開の『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎』で、若手実力派俳優の存在感を示した染谷将太。
そして、2017年公開の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』で、数多くの賞を獲得した石橋静河が、ふたりの男たちの間を行き来する佐知子役を純で深い演技で魅せています。
3人が過ごす何気ない日常を、かけがえのない“キラメキ”とともに描いた本作。
期待の若手俳優たちの瑞々しい演技は、見たことのない輝きで、きっと、あなたを魅了します。
三宅監督とスタッフ、そして若手実力派俳優が一緒になって作り出した函館の街を映像に焼き付けた匂いと夏の光の輝きを感じてください。
それこそが、今を生きる者に贈られた“青春映画”『きみの鳥はうたえる』です。
柄本佑のプロフィール
柄本佑(えもとたすく)は、1986年東京都生まれ。
2001年に黒木和雄監督の『美しい夏キリシマ』で主演デビューを果たします。
その後、名匠若松孝二監督の『17歳の風景~少年は何を見たのか』(2005)、2012年向田邦子賞受賞作品の『生むと生まれるそれからのこと』(2011)、冨永昌敬監督の『素敵なダイナマイトスキャンダル』で主演を演じています。
そのほか代表作に、『スクラップ・アンド・ビルド』(2016)、『コック警部の晩餐会』(2016)、舞台「エドワード二世」 (2013)、「百鬼オペラ 羅生門」(2017)があります。
本作『きみの鳥はうたえる』で主人公「僕」を演じた柄本佑は、ファンに次のようなメッセージを贈っています。
「三宅唱監督にこの映画の話をいただいたのが 2015年の11月。撮影をしたのが 2017年の6月。出来上がったのが 今年の2月です。本当に出来上がるのかな、と思うくらいの時間をかけて出来上がりました。「キミトリ」の「僕」という役が決まってから監督と過ごした濃密な時間が映っています……。やーしかし公開するのは本当に嬉しいことですが、僕の中の「僕」が終わってしまうようで少し寂しくもありますな。よろしくお願いします」
もう、ご存知の方は、思わず、吹き出して笑っちゃうコメントですよね。俳優柄本佑の映画コメントはどれも類をみない面白さ。
役者としての奥の深さをいつも感じられますよね。
石橋静河のプロフィール
石橋静河(いしばし・しずか)は、1994年東京都生まれ。
4歳からクラシックバレエを始め、2009年よりアメリカ・ボストン、カナダ・ カルガリーにダンス留学後、2013年に帰国。
コンテンポラリーダンサーとして活動を開始します。
2015年より舞台や映画へ役者として活動の場を広げるようになると、2016年に、NODAMAP舞台『逆鱗』にも出演。
2017年に公開された石井裕也監督の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』で映画初主演を果たし、同作品でブルーリボン賞新人賞ほか、多くの新人賞を受賞。
そのほか出演作に『PARKS パークス』(2017)、『密使と番人』(2017/三宅唱監督作品)、『うつくしいひとサバ?』(2017)などがあります。
また、NHK福岡のドラマ『You May Dream』(2018)でドラマ初主演も務めました。
石橋静河はファンに次のようなメッセージを贈っています。
「自分の大好きな作品が公開されることになり、本当に嬉しく思います。函館での撮影はとても濃厚で、贅沢な時間でした。三宅監督が大きな器になり、その中で自由に泳がせてもらったような感覚です。柄本さんと染谷さんが“僕”と“静雄”として強く存在されていたお陰で私は佐知子としてそこに生きる事が出来ました。登場人物が皆、函館の柔らかい光の中で輝いています。ぜひ劇場でご覧ください」
石橋静河は登場人物の皆が「函館の柔らかい光の中で輝いています。ぜひ劇場でご覧ください」と言っています。
函館の濃厚で贅沢な撮影時間だったと振り返る彼女の演技、“自由に泳がせてもらった”。注目しましょう!
染谷将太のプロフィール
染谷将太(そめたにしょうた)は、1992年東京都生まれ。
2011年に園子温監督の『ヒミズ』で第68回ヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞したほか、映画賞を多数受賞しています。
主な出演作に『WOOD JOB!~神去な あなあ日常~』(2014)、『寄生獣』(2014)、『バクマン』(2015)、『PARKS パークス』(2017)、『3月のライオン』(2017)、『予兆 散歩する侵略者』(2017/黒沢清)、日中合作映画『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』(2018)など、若手実力の演技派として活躍しています。
「今でもあの函館のニオイを思い出します。潮と夕日が混じったようなニオイと、酒のニオイと、朝方のニオイ。静雄が嗅 いだであろうニオイを嗅ぎながら毎日現場に通っていました。三宅さんが作る現場は台本の空気そのものでした、佑さんと石橋さんとプラプラしながら、酒を交わし、カメラが回っていました。僕と佐知子と静雄が、日々の時間を忘れるような時間が流れたり、ヒリヒリとした時間が流れたり、何かから逃れようとする時間が流れたり、我々が肌で感じた心地の良いある種のエモい青春を、三宅監督は1番いい形で映画にして閉じ込めてくれました。皆様本当にスクリーンで味わって欲しいです。日々に一息つくつもりで、ヒヤヒヤして帰って欲しいです。よろしくお願いいたします」
染谷将太が函館で感じた“匂い”。これほどたくさんあるのだなと驚かされますね。
そしてそれが、「肌で感じた心地の良いある種のエモい青春」だとも語ってます。これは、あなたにも意識して感じて見てください。
“匂い”は記憶を思い出すのに一番の感覚だと言われています。
染谷将太のみならず、彼らとともに“我々”の青春の匂いを感じましょう。
まとめ
映画『きみの鳥はうたえる』は、本公開に先駆けて函館シネマアイリスでは、8月25日(土)より先行公開。
その後、2018年9月1日(土)より新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペースほかにて全国順次公開です。
佐藤泰志の書いた小説が、函館を舞台に変えたことで、どのような物語を柄本佑をはじめ、石橋静河や染谷将太が共演で演じたのか。
あるいは、函館という匂いになったのか。
故郷の地で演出した三宅唱監督の“無我夢中になった夏の日”を、ぜひ、青春を劇場で感じてみるのはいかがでしょうか。
お見逃しなく!