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【ネタバレ】スターリングラード|あらすじ感想と評価考察。ジュード・ロウが戦争映画の攻防戦で伝説のスナイパーを演じる

  • Writer :
  • 谷川裕美子

激戦をくぐり抜ける狙撃兵の生き様

第二次世界大戦時にソビエト連邦の狙撃兵として活躍し、英雄となった実在の人物ヴァシリ・ザイツェフを主人公に、スターリングラードの激戦を描く戦争映画です。

主演は「ファンタスティック・ビースト」シリーズのジュード・ロウが務めます。共演はジョセフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、エド・ハリス。

酷く愚かな戦争の中、人々が愛のために必死に生きる姿を映し出す感動作です。

映画『スターリングラード』の作品情報


(C)2001 MP Film Management DOS Productions Gmbh & Co.KG,Swanford Films

【公開】
2001年(アメリカ・ドイツ・イギリス・アイルランド合作映画)

【原作】
ウィリアム・クレイグ

【監督】
ジャン=ジャック・アノー

【脚本】
ジャン=ジャック・アノー、アラン・ゴダール

【編集】
ノエル・ボワソン、ハンフリー・ディクソン

【キャスト】
ジュード・ロウ、ジョセフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ボブ・ホスキンス、エド・ハリス、ロン・パールマン、ガブリエル・トムソン、エバ・マッテス、マティアス・ハービッヒ

【作品概要】
「ファンタスティック・ビースト」シリーズのジュード・ロウがソ連軍の実在の伝説的スナイパーに扮して、知られざる実像に迫る戦争映画。壮絶な戦闘シーンに圧倒されます。監督はジャン=ジャック・アノー。

『恋におちたシェイクスピア』(1999)のジョセフ・ファインズ、『女王陛下のお気に入り』(2019)のレイチェル・ワイズ、『ビューティフル・マインド』(2002)のエド・ハリスら実力派が脇を固めます。

映画『スターリングラード』のあらすじとネタバレ


(C)2001 MP Film Management DOS Productions Gmbh & Co.KG,Swanford Films

1942年。ドイツ軍との激戦地スターリングラードに、ソ連軍の新兵ヴァシリ・ザイツェフが配属されてきました。ドイツ軍に激しく銃撃される中、ヴァシリと政治将校ダニロフは味方の死体の中に死んだふりをして潜み、生きながらえます。

少し離れた所でドイツの将校達が壊れた建物のシャワーを使おうとするのをみつけたダニロフは、彼らを狙撃しようとしました。銃に弾が装填されていないことも気づかずに引き金を引こうとしましたが、ドイツ兵護衛がこちらを警戒したので中止します。

ダニロフは銃の経験があるというヴァシリに狙撃を任せました。ヴァシリは砲弾の爆発に狙撃を合わせることによって、敵に気づかれる前に瞬時にドイツ軍の将校達と護衛の兵士ら5人を殺害しました。

ダニロフはヴァシリの腕前を賞賛し、二人は親友となります。瞬く間にスナイパーとして頭角を現したザイツェフは、広報係のダニロフによって国民的英雄に祭り上げられていきました。

そんなザイツェフを倒すために、ドイツ軍は狙撃の達人ケーニッヒを送り込みます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『スターリングラード』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『スターリングラード』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2001 MP Film Management DOS Productions Gmbh & Co.KG,Swanford Films

ヴァシリはかつてケーニッヒから狙撃の指導を受けたことのあるクリコフと組み、ケーニッヒをおびき出そうとしました。しかし、逆に罠にはまって、クリコフは撃たれて死んでしまいます。

ダニロフが思いを寄せている女兵士のターニャは、傷心のヴァシリの支えとなりました。その後、ケーニッヒと一騎打ちとなり窮地に陥ったヴァシリを、ターニャが現れて救い出します。

ヴァシリはいつか工場長になりたいという夢をターニャに語り、その夜、二人は結ばれました。

自分が虚像として祭り上げられることに不安を持ったヴァシリは、ダニロフに自分を記事にしないよう話しますが、断られてしまいます。

ダニロフとケーニッヒは、少年サーシャをスパイとして雇っていました。ダニロフはサーシャにケーニッヒを誘い出すように言い、ヴァシリに狙撃するよう命じます。

サーシャの導きでケーニッヒを待ち伏せしたヴァシリでしたが、連日の疲れからそのまま居眠りしてしまいます。ヴァシリの狙撃記録帳を奪ったドイツ軍は、彼が死んだものと誤認しました。

しかし、ケーニッヒだけはヴァシリがまだ生きていると信じていました。ヴァシリとの戦いに執念を燃やす彼は、勲章を返上した上で、一個人としてヴァシリとの対決に備えます。

味方のもとに帰ってきたヴァシリをターニャが抱きしめます。それを見たダニロフは、嫉妬からヴァシリへの批判を上層部に申告しました。

一方、サーシャがダブルスパイだと気づいたケーニッヒは、少年を殺害して吊しヴァシリをおびき出そうとします。

ターニャはサーシャの母には真実を伝えず、船で逃がしてあげてほしいとダニロフに頼み込みました。ダニロフはターニャも一緒に船に乗せようとしましたが、乗り込む直前に彼女は砲弾で吹き飛ばされてしまいます。

意識のないまま船に乗せられるターニャを見て、後悔に苛まれたダニロフは、ヴァシリに自分が囮になると告げます。そして、ヴァシリが止めるのも聞かずに飛び出し、ケーニッヒの銃弾に倒れました。

ヴァシリを倒したかどうかを確かめるために、ケーニッヒが現れました。ヴァシリが自分に狙いを定めていることに気づいたケーニッヒは帽子をとり、目を合わせます。ヴァシリはケーニッヒの額を迷わず撃ち抜きました。

それから2ヶ月後の1943年2月3日。ドイツ軍が降伏し、スターリングラードはソ連赤軍の勝利に沸いていました。

軍の病院を訪れたヴァシリは、奥のベッドにいたターニャを見つけてまっすぐ歩み寄りました。

映画『スターリングラード』の感想と評価


(C)2001 MP Film Management DOS Productions Gmbh & Co.KG,Swanford Films

過酷な環境で輝く命と愛

明日をも知れない中で、必死に生きる戦士達の姿を映し出す究極のヒューマンドラマです。

作中では「今日が最後かもしれないから、今を楽しむ」というセリフが登場します。あまりにも重い言葉です。しかし、暗闇だからこそ一筋の光に気づけるように、苦しい現実だからこそ愛の喜びは燦然と光り輝きます。

羊飼いの息子として狼を撃つ訓練を積んできた主人公のヴァシリは、戦争という時代の中、狙撃の英雄として祭り上げられます。彼を広告塔に仕立て上げたのは、親友となった将校ダニロフでした。

彼らの友情は本物でしたが、美しい女兵士ターニャをめぐっての愛憎が彼らを隔てていきます。

ターニャと結ばれたヴァシリが得たのは、天上の喜びでした。一方、愛を得られなかったダニロフは地獄の苦しみを味わいます。

ヴァシリを糾弾せずにいられなかった彼を責めることはできません。戦場で光を喪うことは、生きる力をすべて奪われかねないほどの苦しみだったことでしょう。

しかし、その後ダニロフは、ターニャの命を失うことこそが何より大きな苦痛であることに気づいて自らの行いを後悔し、ケーニッヒを倒すために自分の命を差し出します。

ヴァシリとターニャは最後に再会を果たします。彼らの喜びは多くの人々の犠牲の上に成り立っているという事実に胸を痛めずにはいられません。

幼い子供までも巻き込む戦争の残酷さ


(C)2001 MP Film Management DOS Productions Gmbh & Co.KG,Swanford Films

本作でいぶし銀の魅力を放っているのは、悪役ならお任せの名優エド・ハリスです。彼が演じるドイツ軍の凄腕スナイパー、ケーニッヒは恐ろしく冷酷非情な男でした。

彼は幼いロシア人の少年サーシャをスパイにします。報酬はベーコンやチョコレートでした。戦争で空腹な少年が誘惑に勝てなくても無理はありません。

悲しいことに、ロシア軍の将校ダニロフもまた、サーシャをスパイとして使い、ケーニッヒの動向を探っていました。サーシャは二重スパイだったのです。

もちろん少年に罪はありません。裁かれるべきは極悪非道な大人たちです。

ケーニッヒは最後まで、少年をあまりにも酷い方法で利用し尽くします。少年の命を奪った上、その姿を見せしめにすることでヴァシリをおびきだそうとしたのです。恐ろしいことに、戦時中はあちこちで似たようなことが行われていたことでしょう。底知れない悲しみを覚えます。

人間を人間でなくする鬼畜の所業。戦争というのは、人間の皮をはぐ恐ろしいものである事実を、改めて突きつけられる作品です。

まとめ


(C)2001 MP Film Management DOS Productions Gmbh & Co.KG,Swanford Films

ジュード・ロウが渾身の力をこめて、悲惨な戦争を生き抜いた伝説の狙撃手を演じるヒューマンドラマ『スターリングラード』。

敵を撃つのと同じように、恐怖から逃げだそうとする味方を裏切り者として容赦なく撃つ地獄絵。人間を人間でなくしてしまうのが戦争であることを教えられます。

そんな極限状態の中でも「人間」として生き抜くことの難しさと美しさが伝わってくる作品です。



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