映画『僕のワンダフルジャーニー』の日本公開は2019年9月13日より劇場にて!
『僕のワンダフルジャーニー』は、世界中で大ヒットした『僕のワンダフル・ライフ』(2017)の続編です。
相棒のイーサンから託された願いを果たすため、犬のベイリーが生まれ変わる度に奮闘する姿を描きます。
動物を愛する誰もが希望を感じられる感動の物語。前作に続きデニス・クエイドがイーサン役を演じ、『ポラロイド』(2019)のキャサリン・プレスコットやK-POPの人気アイドル・ヘンリーも出演しています。
映画『僕のワンダフルジャーニー』の作品情報
(C)2019 Storyteller Distribution Co., LLC, Walden Media, LLC and Alibaba Pictures Media, LLC.
【公開】
2019年(アメリカ映画)
【原題】
A Dog’s Journey
【監督】
ゲイル・マンキューソ
【キャスト】
デニス・クエイド、キャスリン・プレスコット、ヘンリー・ラウ、マーグ・ヘルゲンバーガー、ベティ・ギルピン、ジェイク・マンリー、ジョシュ・ギャド
【作品概要】
本作を監督したのは、『モダン・ファミリー』で2年連続エミー賞を受賞したゲイル・マンキューソ。プロデューサーのギャビン・ポローンは、実生活で5頭の犬を飼うマンキューソに監督業を打診。愛犬家のベストセラー作家W・ブルース・キャメロン原作の『A Dog’s Journey』を基に映画化されており、キャメロンも脚本を共同執筆。
映画『僕のワンダフルジャーニー』のあらすじとネタバレ
(C)2019 Storyteller Distribution Co., LLC, Walden Media, LLC and Alibaba Pictures Media, LLC.
セント・バーナードとシェパードのミックス犬・ベイリーは、イーサンとハンナと牧場で幸せな生活を送っています。相性はビッグドッグ。
幼い孫娘CJが落とす食べ物をパクッと片付けるのがベイリーの楽しみ。
イーサンが四つん這いになって宙に放り投げるアメフトのボールを、イーサンの背中を梃子にジャンプしながら口でキャッチするのがベイリーの得意技です。
一緒に同居するCJの母・グロリアは、夫に先立たれいつも苛立っており、犬が苦手でベイリーを疎ましく思っています。
CJの面倒をきちんと見るようイーサンに叱責され、グロリアは更に不機嫌。見かねたハンナは、自分達がCJを預かるので心配せずに歌手の夢を追うようグロリアを励まします。
しかし、グロリアは、夫がCJの為に残した遺産目当てだと言いがかりをつけ、娘を連れて出て行ってしまいます。
イーサンとハンナは幼い孫を心配し心を痛めます。ある日、イーサンはベイリーのお腹にしこりがあることに気が付きます。
獣医師の診察後、イーサンは肩を落とします。状態が悪化したベイリーは納屋で体を横たえたまま動けません。側に付き添うイーサンは、獣医所がベイリーを安楽死させる際、「生まれ変わったらCJを守ってくれ」と頼みます。
針がチクっとするのを感じたベイリーは、次に目を覚ますと平原に居ます。CJを守ろうと決意し、広い空と太陽の日が射す小路をベイリーは駆けだします。
メスのビーグル犬として生まれたベイリーはモリーと名付けられます。CJは10才に成長していました。
CJの幼馴染・トレントが両親を連れてモリーの兄弟・ロッキーを貰いに来た所をCJが羨ましそうに見物。
モリーは、臭いでCJだと気が付き抱きついて喜びます。モリーを気に入ったCJは、トレントの協力を得て、グロリアが許可を出したように装いこっそりモリーを育てることにします。
食事も作らず男友達と夜更けまで飲み歩くグロリア。雷を怖がるCJはモリーを抱いて寝ます。
程無くしてモリーの存在がバレてしまいますが、側に居ない母と違い、自分を守ってくれるのはモリーだとCJは主張し、グロリアは仕方なく譲歩します。
ある時、イーサンとハンナがCJに会いに来ます。
イーサンに会えたことが嬉しくして仕方ないモリー。側で尻尾をくわえてクルクル回って見せます。
そのモリーの姿をじっと見つめるイーサン。「ん?ビッグドッグか?」気づいてくれたイーサンに、モリーは吠えて答えました。
しかし、きまりの悪いグロリアは、素っ気ない態度でCJに会わせず2人を追い返してしまいます。
片時も離れないモリーとCJは日々を過ごし、トレントと暮らすロッキーとみんな一緒に公園で遊ぶのがモリーは楽しみでした。
CJはシンガーソングライターになる夢を持つようになります。
シェーンと付き合うようになったCJは一緒に出向いたホームパーディで、シェーンが問題を起こして警察沙汰になり、CJも巻き添えを食ってしまいます。
社会奉仕活動を課されたCJは、犬の嗅覚を利用して癌の早期発見を試験的に行う施設で働くことに。
モリーは、居合わせた他の犬が特異な臭いを嗅ぎ分けるとおやつを貰う所を見て、早速真似て見せます。
座っている人達の中で、同じ臭いを嗅いだモリーは、前足を交差して座ります。職員に褒められ、おやつを貰うモリーにCJは感服した表情を浮かべます。
そこへシェーンが現れ、連絡を返さないCJを乱暴に扱います。怒ったモリーは、シェーンの足を思いっきり噛みついて撃退。
帰宅したCJは、酷い目に遭わされたとグロリアに報告します。「男をその気にさせたんじゃないの?」と相変わらず酔っぱらう無神経なグロリアにCJは愛想を尽かし、モリーを連れて家を出る決意をします。
以下、『僕のワンダフルジャーニー』ネタバレ・結末の記載がございます。『僕のワンダフルジャーニー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
(C)2019 Storyteller Distribution Co., LLC, Walden Media, LLC and Alibaba Pictures Media, LLC.
父の遺産で自立すると母に言いますが、グロリアはお金を使い果たしていました。
モリーを車に乗せて家を出たCJの後を、シェーンがしつこく追い掛け嫌がらせにCJの車に追突。
勢いあまり車は横転し、CJはシートベルトで宙づりになってしまいます。焦ったシェーンは逃走。
何とかベルトを外して体を自由にしたCJは、モリーが致命傷を負ったことに気が付きます。
モリーは、以前経験した命の終わりを感じていました。CJは、モリーを抱いて泣きじゃくります。
ふと気が付くと、モリーの目の前には草原が広がっています。太陽が燦々と輝く中、モリーは、助けが必要なCJを求めて小路を駆け上がります。
次にベイリーは、ビューワー・テリアのマックスとして誕生。マンハッタンの動物保護施設が養子を呼び掛けるイベント会場で、マックスを気に入った人が立ち止まります。
しかし、CJ以外は受け入れないと決めたマックスは、指をかじって牽制。そして、マックスは、遂に通りがかったCJを発見。隙を見て檻から抜け出し、一目散にCJを追い掛けます。
高層アパートのエレベーターに乗り込んだCJに、マックスはやっと追いつきます。
可愛らしい犬を見たCJは思わず笑顔。「僕を貰って」というロゴのケープを見たCJは、イベント会場にマックスを連れて戻ります。
定員一杯で翌日マックスは安楽死させられる予定だと聞いたCJは、同棲している彼氏が犬を飼っているものの、マックスを引き取ることにします。
シンガーソングライターの夢を持ち続けていたCJですが、人前であがってしまう為、自分の曲を発表できないでいました。
マックスは、同居する大型犬を子分にし、犬の散歩をバイトにしているCJと出かける時は、常に先頭を走ります。
ある日、懐かしい臭いを嗅いだマックスはアパートの廊下を疾走。CJは後を追い掛けます。
部屋の扉を懸命に引っ掻くと、中からトレントが顔を出します。マックスは嬉しそうにトレントの顔を舐め、「ロッキーは居ないの?」と首をかしげます。
他の人にはなつかないマックスを不思議に思いながらも、CJはトレントと久し振りの再会を喜び合います。
ロンドンに住んでいたトレントは、マンハッタンで新しい職を得て引っ越して来たばかりでした。
CJは、相変わらず母とは疎遠。そして、牧場に住む祖父母は自分の父が残した遺産を盗もうとしたとグロリアから聞かされていた為、連絡も取っていないと打ち明けます。
マックスは、トレントと一緒に居るCJの笑顔を見て、同棲している彼氏よりトレントの方が相応しい仲間と判断。彼氏の追い出し作戦を決行します。
手始めに靴をボロボロにかじり、トイレから出てくる所を見計らい扉の前に用を足しておきました。
糞を踏んづけた彼は怒り心頭。口論になったCJは、マックスを連れて部屋を出て行きます。
しかし、高い家賃を払えないCJは転々とする生活を余儀なくされ、見かねたトレントが新しい住まいが見つかるまで自分のアパートの1室を提供します。
人前であがる癖のあるCJが未だに自作の曲を発表していないことを知ったトレントは、やって見なければ分からないと励まします。
側に居たマックスは、ふと見覚えのある臭いに気が付き、おやつ欲しさに前足を交差させトレントの前に座ります。
その様子を見たCJの脳裏にモリーの訓練が蘇ります。トレントのアドバイスについてちゃんと考えるので、トレントも病院で診察して欲しいと頼みます。
トレントは癌を患っていることが判明。しかし、マックスのお蔭で早期発見となり、化学治療を受けることになります。
マンハッタンに冬が訪れ、CJは献身的にトレントを看病しました。
春を迎える頃、トレントは癌を克服します。CJに何かお返しをしたいと思うトレントは一計を案じ、ロードトリップを提案。
CJは、道中しっかりシートベルトでマックスの安全を確保します。
どこまでも広い空が続く大きな牧場に到着。マックスは懐かしい光景に興奮し、車を飛び下りて一目散に駆け出します。
「イーサン!!」
ドアを思いっきり引っ掻くと、中からイーサンが顔を出します。続いてハンナも外へ出て来て、可愛らしい小型犬に相好を崩します。
そこへCJとトレントが近づき、イーサンとハンナは長く心配していた孫を抱きしめます。
ハンナはCJが牧場で暮らしていた頃の写真を収めたアルバムを見せます。楽しく暮らしていたことが分かる自分の表情にCJは驚きます。
ハンナは、若くして夫を失った主婦のグロリアは不安に押し潰されていたと話し、CJは初めて母の心情に思いを馳せます。
一方、イーサンに会えて嬉しいマックスは、尻尾をブンブン振って喜びを表します。マックスを抱き上げたイーサンに、CJは人にあまりなつかない犬だと心配しますが、マックスはイーサンの顔を舐めまくります。
首をかしげるCJに、イーサンは「この犬はベイリーだよ。仕組みは分からないが転生を繰り返して自分に会いに来る」と言います。
「証明しよう」と立ち上がったイーサンを見たマックスは、「お!アレやるの?」と興奮。
外へ出たイーサンは、年を取った体を何とか四つん這いに折り、潰れた古いアメフトのボールをマックスに掲げます。
「O.K」と吠えたマックスに、イーサンはボールを宙に放り投げます。走るマックスはイーサンの背中に飛び乗りジャンプ。
小型犬で生まれ口も小さいマックスは、上手くキャッチ出来ません。それでもイーサンは「よくやった、ボスドッグ」と褒めてくれます。
一連の光景を見ていたCJは驚きを隠せません。イーサンは、幼いCJが牧場に住む前からベイリーとやっていた技だと教えます。
「ベイリーが亡くなる時、孫を守って欲しいと頼んだ自分の願いを実行してくれたんだよ」
これまでに出会った犬達のことを思い出したCJは突かれたように走り出します。
小さい自分を守ってくれたモリー、運転の途中で立ち寄ったガソリンスタンドで出会い、どこまでも自分の車を追い掛けて来た老齢の大型犬、そして、トレントに引き合わせくれたのがマックスだったことに気が付きます。
CJはずっと好きだったトレントに愛を告白。トレントもCJを昔から思っていたことを打ち明けます。
祖父母の牧場の家をカバーにしたアルバム「Letters From Home」を出版したCJはトレントと結婚し、子供が生まれます。
断酒したグロリアは時々孫の顔を見にCJとトレントを訪問。
人生を終えるイーサンが体を横たえるベッドにマックスは添い寝して見送ります。
「僕が逝く時はいつも側に居てくれた。今度は僕が着いている番だ」
CJとトレントの子供が公園のブランコに乗れるようになる頃、マックスは自分にも再び訪れた出発の時間を感じていました。
CJは、弱って行くマックスをそっと抱きしめ、歌を口ずさみます。
「I am with you」そう歌うCJの声を聞きながら、マックスは草原の小路を走っています。
その前のビッグドッグ、モリー、そしてベイリーの姿に戻り、雲の切れ間を抜け虹の橋を渡ると、広い草原の中央に満面の笑顔を湛えたイーサンが立っています。
ベイリーは、イーサンに向かって一心に駆け出しました。
映画『僕のワンダフルジャーニー』の感想と評価
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(C)2019 Storyteller Distribution Co., LLC, Walden Media, LLC and Alibaba Pictures Media, LLC.
動物が注ぐ愛情は見返りを求めない無条件。純粋で無垢な彼等と一緒に暮らし、特別な関係を築いた経験を持つ人にとって、本作は大変共感できるものです。
「動物に癒される」と思うのは、自分が側に居る動物に愛情を持っている表れ。愛することで心が温かく平穏になる人間と100パーセントその思いに応える動物との交流を本作は美しく紡ぎます。
前作『僕のワンダフル・ライフ』がニューヨーク・タイムズのベストセラーになり、大きな話題を集めた愛犬家のW・ブルース・キャメロンが引き続き本作の脚本を執筆しています。
無責任な飼い主が捨てた動物達が毎年何万頭も殺処分されて行く中、日本とは異なり、欧米では施設から動物を引き取ることが主流です。
キャメロンは、もっと多くの人達に動物を保護して欲しいと言う願いを本作に込めており、自身も大人に成長していた犬を家族に迎え、タッカーと名付けて暮らしています。
(C)2019 Storyteller Distribution Co., LLC, Walden Media, LLC and Alibaba Pictures Media, LLC.
また、ゲイル・マンキューソが5頭の犬を飼っていることを知った製作のギャビン・ポローンは、彼女に監督業を依頼。『僕のワンダフル・ライフ』の大ファンだったマンキューソにとって、本作が長編映画監督デビューとなります。
CJを演じたキャスリン・プレスコット、トレント役のヘンリー、そしてハンナに扮したマーグ・ヘルゲンバーガーも犬や猫を飼っており、デニス・クエイドも撮影現場に自身の犬を伴って来るなど、本作は動物愛護家によって制作されました。
人生を分かち合った動物を看取るのは本当に辛いものです。ベルゲンバーガーも目に涙を浮かべて見送った犬のことをインタビューで明かしています。
『僕のワンダフルジャーニー』は、心で繋がった動物とまた再び会えると結末します。
レインボー・ブリッジを走り抜けたベイリーがイーサンに抱きつくエンディングは、その“いつか”に希望を持つ人達の思いを映像化。涙でぼやける2人の再会は、多幸感溢れる輝きに満ちた一場面です。
(C)2019 Storyteller Distribution Co., LLC, Walden Media, LLC and Alibaba Pictures Media, LLC.
まとめ
(C)2019 Storyteller Distribution Co., LLC, Walden Media, LLC and Alibaba Pictures Media, LLC.
犬のベイリーは、相棒のイーサンから孫のCJを守って欲しいと頼まれます。
命を全うし転生を繰り返すベイリーは、その度に約束を果たそうとCJを探し続けます。やっと見つけた彼女を生涯通して守り続け、静かで平和な時間をもたらしたベイリーは、最後にイーサンと再び出会います。
動物との出会いは縁ではなく彼らに選ばれていると信じるW・ブルース・キャメロンが自身の経験を基に書いた『僕のワンダフルジャーニー』。動物を愛する全ての人に贈られた感動の物語です。