誇り高き『ベンジー』の名に懸けて!仲良し兄妹を救えるのはボクだ!そんな小さなヒーロー犬のハートフルな冒険映画
『ベンジー』という題名を見て「あ、懐かしい!」と思われた50代前後の人も多かったのではないでしょうか?
1974年に公開されたアニマル映画『ベンジー』を観た人なら、予告動画を観ただけでもその懐かしさが更に倍増するはずです。
1974年に親に連れられ観に行った人も多くいるこの映画は、アメリカのファミリー映画として人気となり、シリーズ化され、2004年まで映画とテレビ版にて7作品が制作されています。
今回ご紹介するのは1974年版『ベンジー』をリブート、2018年からNetflixにて配信が開始された作品です。
元祖ベンジーとそっくりな犬が2018年版に再び登場し、懐かしく思う人も初めての人も、きっと我が子と一緒に観たくなることでしょう。
映画『ベンジー』の作品情報
【配信】
2018年(アメリカ映画)
【監督】
ブランドン・キャンプ
【原題】
Benji
【キャスト】
ガブリエル・ベイトマン、ダービー・キャンプ、キーリー・サンチェス、グラレン・ブライアント・バンクス
【作品概要】
1974年版『ベンジー』で監督を務めたジョー・キャンプの息子であるブランドン・キャンプが監督を手がけた本作。1970年代から1980年代に愛され親しまれた人気作品が、2018年以降の若いファミリー層に愛される作品として新たに世に送り出されたわけです。
主役である犬のベンジー役は公募で選ばれましたが、とても賢い上に元祖ベンジー(俳優犬ヒギンス)と本当によく似ており、「遺伝子レベルで繋がっているのではないか?」と思わせます。
本作は「ナルニア国物語」シリーズで知られるウォールデン・メディアが制作。2018年3月にNetflixにて配信が開始されました。
映画『ベンジー』のあらすじとネタバレ
ニューオリンズ郊外の廃工場で暮らしていた母犬と子犬3匹は、動物管理局に見つかり捕獲され連れていかれてしまいます。
しかし、物陰に隠れ捕獲を逃れた1匹の子犬がいました。車を追いかける子犬に母犬はまるで逃げろと言うかのように吠えます。
子犬は独りぼっちになりますが、やがてやせっぽちだけど賢く冒険心に満ちた野良犬へと成長します。そして、田舎町から飛び出し、よその土地へと旅立ちます。
都会に行きそうな車の荷台に乗り込み、うまいことニューオリンズの都市へとやってくることができました。
さて、この街に暮らす少年カーター・ヒューズは数学が得意で、虐めっ子のテストを代わりに解いてあげますが、彼が到底取れそうもない良い成績を取ってしまい、逆恨みされます。
そして、カーターは皮肉たっぷりに「今度は想像以上の大バカ野郎になるから!」と言ってしまうのです。カーターはさらに虐めっ子からひどい目にあわされることになりました。
一方、街に着いたばかりの野良犬は見たこともないような人の数に右往左往しています。人は沢山いるけれども誰も犬には気にも留めず通り過ぎます。
だけど、お腹は空くし嗅いだこともない食べ物のイイ匂いがしてきます。一口もらえないかと近寄ったら店の人に怒られちゃいました。
慌てて近くのゴミ箱からイイ匂いのする紙トレーはくわえて逃げますが、逃げ込んだ裏路地に大きな野良犬が隠れていて、吠えられ美味しい紙トレーを取られてしまいます。
せっかくの新天地なのに何も良い事もありません。
ところがここで運命の出会いが待っています。ひどい目にあって落ち込むカーターの目の前に、街に来たばかりの野良犬が現れ、お互いに目と目が合います。
カーターはその野良犬に相性の良さを感じますが、人込みに紛れて野良犬は姿を消しました。カーターは諦めきれず犬を探します。
そして、建物の通気穴に隠れているところ見つけると、イチゴ売りからイチゴを買ってその犬をおびきよせました。
映画『ベンジー』の感想と評価
本作はとにかくベンジーを演じた俳優犬の類まれな演技が秀逸です。訓練のたまものであるとは承知の上ですが、それが自然体で本当に自らで考えて動いているかのようなのです。
そして、なんといってもベンジーの表情が豊かすぎて、可愛いやら癒されるやら……。ワンちゃん好きにはたまらない仕上がりにもなっています。
かつて、1974年にアメリカ公開され、日本では1976年に劇場公開された『ベンジー』を映画館で観たのが、洋画鑑賞を初めて字幕版で観た作品で、いまでも懐かしい思い出の作品。
1974年版『ベンジー』も主人公の犬はもともと野良犬で、偶然に出会い可愛がってくれたものの、何者かに誘拐されてしまった兄妹を何とかして助け出そうとするお話でした。そして、野良犬とその犬を可愛がっている街の住人や子供達との交流を描く、愛と友情の物語がテーマです。
字幕を追うよりもベンジーの勇敢で健気な活躍に「がんばれ!」と祈る思いで観た記憶があります。そして、犬の賢さを知ると共に飼ってみたいと思ったことも思い出されます。
本作も子供達との絆と愛情がテーマでそのスタンスは変えていませんが、時代背景や人々の営みなどの変化を現代風にアレンジしています。
まとめ
1974年版『ベンジー』、そして2018年版『ベンジー』のように、犬と人間の関係性にまつわる物語は数多く映画化されています。その中でも犬と人間の絆を描いたものが多いのは、昔から人間にとって犬とのパートナーシップがとても良いからでしょう。
特にベンジーは「拾ってきた野良犬を親に黙って飼ってしまう」というもので、一昔前の日本ではありえた話ですが、今では野良犬の姿自体が見られなくなったので、ピンとくる感じがないかもしれません。
それでも飼いきれなくなった犬が人里離れた場所に捨てられたり、保健所に連れて行かれたりする現実もあります。
ペットショップに行って目の合った子犬がいると、運命を感じてしまう人も少なくはないでしょう。そして、映画さながらの絆を感じる瞬間も人と犬の間には存在します。本作はその典型的な人間と犬の信頼関係と絆が描かれています。
様々な事情で犬を飼いたくても飼えないご家庭も多いかと思いますが、この映画を観ると犬を飼うことは素晴らしいことがわかり、犬の賢さが十分に伝わってきます。
またベンジーの賢さがわかる「おまけ」が、エンドロールの最後にあるので忘れずにご家族で楽しんでご覧ください。