宿命は千年の時を経て完結する!
韓国の人気ウェブ漫画を映画化。韓国で大ヒットを記録したファンタジー・アクションシリーズの第二章『神と共に 第二章:因と縁』が、6月28日(金)より新宿ピカデリー他にて全国上映されます。
ユニークでエキサイティングな地獄めぐりにあっ!と驚かされ、母と息子の絆に涙、また涙した第一章からさらにパワーアップ!
ハ・ジョンウ、チュ・ジフン、キム・ヒャンギの使者たち、イ・ジョンジェの閻魔大王というおなじみの顔ぶれに、マ・ドンソクが屋敷神である成主神(ソンジュ)として登場!
地獄での裁判の新たな展開にプラスして、高麗時代に遡る驚くべき因縁が語られます。
【連載コラム】『コリアンムービーおすすめ指南』記事一覧はこちら
CONTENTS
映画『神と共に 第ニ章:因と縁』のあらすじ
仕事中に死亡した消防士キム・ジャホンを転生させた3人の冥界の使者カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン。
1000年間で49人の亡者を転生させれば彼ら自身も生まれ変わることができると約束されており、その49人までついにあとひとりとなりました。
カンニムはジャホンの弟のスホンを連れ、閻魔大王のもとに彼の裁判をさせてほしいと直訴します。スホンは兵役中の誤射で命を落とし、怨霊となって大暴れしたために、本来なら裁判を受けられないのですが、カンニムは懸命に閻魔大王に訴えます。
「スホンの死が無念の死だと明らかにできなかったらお前たちは何を懸ける?」と閻魔大王に尋ねられたカンニムは、「使者の肩書を」と応え、その心意気に閻魔大王は条件付きで、裁判を行うことを了承します。
その条件とは「怨霊が裁判を受ける49日の間に下界からホ・チュンサムという亡者を連れてこい」というものでした。彼はとっくに亡くなっているのですが、冥界に来るべきチュンサムを屋敷神である成主神(ソンジュ)が守っているために、どの使者も彼を連れてくることができないのです。
ソンジュは自分の体をあらわす“現身(ヒョンシン)”までしてチュンサムとその孫を守っています。49日以内に、ソンジュを倒してホ・チュンサムを連れてこなければ使者は生まれ変われないと閻魔大王は告げました。
ヘウォンメクとドクチュンは使命を果たすため下界に降り、ソンジュと対峙しますが、彼はかつてヘウォンメクとドクチュンを冥界に導いた使者でした。
記憶のないヘウォンメクとドクチュンはソンジュから1000年前の驚くべき過去を知ることとなります。
一方、カンニムとスホンは、恐竜に追いかけられるという予期せぬ事態に陥っていました。カンニムはなぜスホンの境遇にこだわるのでしょうか? そして三人の使者をつなぐ想像を絶する”因縁“とは!?
映画『神と共に 第ニ章:因と縁』の解説と感想
本作はおおまかに分けて3つのパートが同時進行していきます。
下界で家族を守る神様
まずひとつ目は、下界のパート。
第一章のラストでチラッと顔を見せていたマ・ドンソクが、屋敷神である成主神(ソンジュ)というユニークな役で登場してきます。
マ・ドンソクといえば、『新感染 ファイナルエクスプレス』(2016/ヨン・サンホ)や『犯罪都市』(2017/カン・ユンソン)といった作品で、堂々たる風体と、圧倒的な腕っぷしの強さを見せつけ、アクションスターのイメージが強い一方、『ファイティン!』(2018/キム・ヨンワン)のような”気は優しく力持ち“な役柄もとても似合う俳優です。
ラブリーをもじった”マブリー“という可愛らしい愛称もあり、本作は、そんなマ・ドンソクの”柔“な魅力が遺憾なく発揮されています。
第一章は母と亡者となった息子の物語が展開し、所謂“母もの”として泣きに泣かされましたが、今回は、第一章で近所の住人として登場していた祖父と孫が重要な役割を果たします。
祖父はすでに亡くなっているのですが、祖父が冥界に召されてしまうと、まだ幼い孫は他に面倒をみてくれる人もおらず独りぼっちになってしまいます。少年の将来を案じたソンジュは一家を守るために、冥界の掟を破り、迎えにきた使者たちを追い返しているのです。
下界に降りてきたヘウォンメクとドクチュンも巻き込んで、笑えるエピソード満載の人情喜劇が展開されます。神様が資産運用のために投資に手を出しているという可笑しみは、マ・ドンソクだからこそ出せる味わいと言えましょう。
そんな中、記憶を持たない、ヘウォンメクとドクチュンの過去がこのパートで徐々に明かされていきます。
さらにパワーアップした地獄の審判
2つ目は地獄パートです。
一人冥界に残った使者カンニムはスホンを連れて、彼の死が無念の死だと明らかにするため、地獄の審判を受けます。
使者は弁護士の役割を果たすので、シリーズには法廷劇の味わいがあるのですが、亡者スホンは、生前、8度も司法試験を受け、漸く一次を通ったという経歴の持ち主であるため法律に詳しく、法廷劇としてよりパワーアップした面白さがあります。
今回も第一章と同様、ユニークで独創的な地獄が登場しますが、前回とは一味もふた味も違う場面展開となり、思いもよらぬ、壮大な光景が現れます。
これまでも『カンナさん大成功です』(2007)、『国家代表!?』(2009)など、特殊メイクやCGをふんだんに使ったエンターティメント作品を発表してきたキム・ヨンファ監督と、韓国VFXチームの意地と野心に溢れた試みと言っていいでしょう。
キム・ヨンファ監督によれば、この試みに対し、当初は周囲から反対の声もあがったということですが、ただのオマージュや真似事ではなく、堂々たる韓国流ジュラシックパークとなっていて、存分に楽しむことができます。
それにしてもなぜ、カンニムは、スホンの「無念の死」にこだわるのでしょうか? その謎が明かされる時、タイトルにもある“因”と“縁”の秘密も明らかになるのです。
高麗時代に遡る因と縁
最後のパートは、3人の使者の過去へと突入して行きます。クロスワードパズルが埋まっていくように少しずつ、3人の前世での関わりが明らかになっていくのですが、それは1000年前の高麗時代に遡り、本格的な史劇が展開します。
極寒の荒涼たる景色の中、人々が肉体をぶつけ合って闘い、非情な運命が交錯します。北方雪原の舞台を作り上げるため、VFXチームは、ノルウェーの雪原を参考にしたそうです。
現在の使者たちとは別人のような姿が新鮮で、キャラクターやそれに扮する俳優たちのまた違った魅力を味わうことができます。
この過去パート、彼らの前世の物語が、もう、泣けて、泣けて、韓国映画はどうしてこう泣かせ上手なのでしょうか!?
「第一章」とは泣けるシークエンスがかなり違っていますが、今回もエモーショナルな展開で大いに泣かされますので、是非ハンカチをご用意ください。
まとめ
このように3つのパートが入り混じって、壮大なクライマックスへと向かっていくのですが、「第一章」が”母性“の物語だったとしたら、「第二章」は”父性”に焦点をあてています。孫と祖父の信頼関係、あるいは、息子と父の確執というように。
「第三章」「第四章」の制作も既に決定しており、その仕込みといった場面がエンディング手前に織り込まれています。「第一章」「第二章」がそうだったように「第三章」「第四章」も二作同時に撮影される予定だそうです。
韓国映画史上かつてない壮大なシリーズとなった『神と共に』。未だ明かされない真相の解明と新たな展開に目が話せません。
『神と共に 第二章:因と縁』は、6月28日(金)より新宿ピカデリー他にて全国上映されます。
次回のコリアンムービーおすすめ指南は…
次回もオススメのコリアンムービーをお届けします。
お楽しみに。