米国アカデミー賞の短編アニメ部門を受賞したポール・ドリエセン監督。彼を日本に招いて開催される講義が神奈川県横浜市で開催されます。
今回は東京藝術大学大学院映像研究科公開講座「コンテンポラリーアニメーション入門2017」の5月開催イベント『線のメタファーとマルチ画面』をご紹介します。
Storyboard page from ‘The Killing of an Egg’
CONTENTS
1.コンテンポラリーアニメーション入門の開催とは?
「現代短編アニメーションの見取り図2017」を横浜の馬車道にて開催。 今回の講師は国際的に活躍しているポール・ドリエセン監督を将来して作品鑑賞を中心に、アニメーションの基礎的な知識について学ぶ講座です。
現在を生きるアニメーション作家が、どのような意識で作品の制作を行っているのか。常に短編アニメは映像表現の先端的な可能性を模索しています。
しかし、実際に制作者について観客の興味があっても、短編アニメの上映会やアニメを知る機会は多くはありません。
そこで短編アニメの基礎知識を気軽に学ぶことがこの公開講座シリーズの目標だそうです。
東京藝術大学大学院映像研究科では、世界的に「いま」を象徴する作家とともに作品鑑賞を中心に、どなたでも参加できる講義を公開で行います。
2.アニメ作家ポール・ドリエセンのプロフィール
ポール・ドリエセン(Paul Driessen)は、1940年オランダ生まれのアニメーション作家。
アートスクールを卒業した後、アムステルダム近郊にあるアニメーションスタジオCinecartooncentreに入社します。
数年後にビートルズの長編映画『イエロー・サブマリン』に取り組むためにロンドンへ移動。
70年代にはカナダに移住して、多くの賞を受賞したアニメーション映画をカナダ国立映画制作庁などで制作しました。
2000年にオランダで制作した『3人のミセス達』が米国アカデミー賞を受賞。近年は『The Fimble Fumble Stories』シリーズの作家・イラストレーターとしてデビュー。
自作のアニメーション作品で掘り下げてきた経験を生かした遊び心のあるアイデアが生かされています。
3.ポール・ドリエッセンのアニメ作品の特徴は?
Little Kaj’s birth announcement, inspiration for ‘Why the Chicken…’
ポール・ドリエセンの作品における特徴は、手書きで描かれた“よれよれの震える線”やデフォルメされた動き、また、ヒョロ長いキャラクターなどをあげられます。
色彩感覚も豊かでスプリット・スクリーンと呼ばれる、画面を分割する手法もよく見られます。分割されたそれぞれの画面の中で、時間や現実、妄想が交錯してアニメの持つ自由さを感じることができます。
『Elbowing』(1979)
『生存競争』(Elbowing 1979年/6分33秒)は、雰囲気がブラックな切れ味と粋なオチを見せ、何かを期待させつつも、ゆったりとした間合いと音のタイミングが素晴らしい作品です。
4.ポール・ドリエッセンの講演の詳細について
【演題】
『線のメタファーとマルチ画面』
【講師】
ポール・ドリエセン
【日時】
2017年5月21日(日)
【会場】
東京藝術大学横浜校地馬車道校舎
横浜市中区本町4-44 みなとみらい線「馬車道」駅5、7番出口すぐ。
【料金】
入場無料・予約不要
【開場】
午後3時30分〜
【時間】
上映は午後4時〜午後5時。講演は午後5時〜午後6時30分までの予定です。
【上映作品(予定)】
『エア!』 (1972)、『あやとり』(1974)、『卵の殺害』(1977)、『ダビデ』(1977)、『陸に海に空に』(1980)、『オー・ワット・ア・ナイト』(1982)、『目玉焼き』(1985)、『四季、世界の終焉』(1995)、『3人のミス達』(1999)、『氷山を見た少年』(2000)、『キャット・ミーツ・ドッグ』(2014)、ほか
【主催】
東京藝術大学大学院映像研究科、横浜市文化観光局
【問い合わせ】
担当:イラン・グェン(特任准教授)(日本語OK)
久保 雄太郎(教育研究助手)/東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻
E-mail:ca_info@animation.geidai.ac.jp
5.まとめ
アニメーション作家ポール・ドリエッセンの講演『線のメタファーとマルチ画面』にお出かけるるのはいかがでしょう。
2017年5月21日(日)の午後3時30分より、東京藝術大学横浜校地馬車道校舎で行われます。どなた様でも入場は無料、予約不要。
ぜひ、この機会に海外の短編アニメとその作家の生の声を聞かれてみるのはいかがでしょうか。
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