『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に繋がる重要な1作!
アベンジャーズならぬ、凸凹のリベンジャーズ結成!?
MCU待望の最新作にして「マイティ・ソー」シリーズの第3作目。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』をご紹介します。
以下、あらすじや結末が含まれる記事となりますので、まずは『マイティ・ソー バトルロイヤル』の作品情報をどうぞ!
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1.映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』の作品情報
(C)Marvel Studios 2017 All rights reserved.
【公開】
2017年(アメリカ映画)
【原題】
Thor:Ragnarok
【監督】
タイカ・ワイティティ
【キャスト】
クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、トム・ヒドルストン、ケイト・ブランシェット、テッサ・トンプソン、アンソニー・ホプキンス、イドリス・エルバ、ジェフ・ゴールドブラム、カール・アーバン、浅野忠信、ベネディクト・カンバーバッチ、タイカ・ワイティティ
【作品概要】
「マイティ・ソー」シリーズの第3作目。
ソー、ロキに加え今回はハルク、ドクター・ストレンジも登場!
新キャラクターとしてテッサ・トンプソン演じるヴァルキリーが参戦。
さらに、ケイト・ブランシェットをソーとロキの姉であり最強の敵であるヘラに起用。
宇宙最大の姉弟喧嘩が勃発し、ソー、ロキ、ハルク、ヴァルキリーによるリベンジャーズを結成!?
全編ギャグの嵐で構成された史上最高に笑えるMCU作品を見逃すな!
2.映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のあらすじとネタバレ
(C)Marvel Studios 2017 All rights reserved.
ソーは炎の悪魔スルトに囚われていました。
スルトは自分の王冠をアスガルドの宝物庫にある永久なる炎に焼べることで、世界の終末を意味するラグナログが起こると予言。
ソーはスルトから王冠を奪い取り、アスガルドに帰還しました。
アスガルドと他の世界をつなぐ虹の橋の門番がヘイムダルからスカージに代わっていました。
広場にて舞台を呑気に楽しむオーディンがロキのなりすましであることに気付いたソーは父の居場所を問い詰めます。
本物のオーディンは記憶を消し、地球の老人ホームに置いてきたと聞き出すと、ソーはロキとともに地球に向かいました。
老人ホームは取り壊されており呆然とする二人でしたが、その二人をドクターストレンジが見つけます。
ロキは異空間に落とされ、ソーはドクターストレンジの家に連れて来られました。そして、ドクターストレンジは二人をオーディンが居る場所へと送ります。
ソーとロキはオーディンをアスガルドに連れて帰ろうとしますが、オーディンの死期はすぐそこまで迫っていました。
オーディンは二人の息子に実は死の女神ヘラという姉がいることを突然明かします。
そして、かつてオーディンとヘラで9つの世界を支配したものの、ヘラがあまりにも凶暴なため、彼女を封印によって閉じ込めたことを語り出しました。
兄弟で力を合わせて姉であるヘラの暴走を止めるようソーとロキに託すと、オーディンの肉体は光の粒となり消滅。
オーディンの死によって封印が解かれたヘラが二人の前に姿を現します。
二人はヘラに戦いを挑みますが、そこには圧倒的な力の差がありました。
ソーのハンマー、ムジョルニアもヘラによって無残にも粉々に破壊されてしまいます。
慌てたロキが虹の橋を繋げさせて逃げようとしますが、そこにヘラもやって来ました。
アスガルドに到着する途中でソーとロキは落とされてしまい、ヘラだけがそのままアスガルドへ。
自らの命を惜しんだスカージはヘラに従うことを選び、ヘラが新たな支配者としてアスガルドの女王の地位に就きました。
ヘラのことを認めない兵士たちは彼女への攻撃を開始しますが、その圧倒的な力によってあっという間に兵は全滅。
そして、永久なる炎によってかつての相棒であった大狼のフェンリルと多くの兵士たちを死の淵から蘇らせます。
そこからかつてのように9つの世界を支配するための野望を企てるヘラ。
しかし、それぞれの世界をつなぐのに必要な虹の橋を生み出すための剣は、ヘイルダムによってどこかに持ち去られていました。
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3.映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』の感想と評価
(C)Marvel Studios 2017 All rights reserved.
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の最新作にして、『マイティ・ソー』シリーズの第3作目。
このシリーズは毎回監督が代わっています。
第1作目『マイティ・ソー』はケネス・ブラナー。第2作目『マイティ・ソー ダーク・ワールド』はアラン・テイラー。
どちらも決してつまらなくはないですが同じアベンジャーズの『アイアンマン』や『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』などの出来と比べてしまうと、ソーには決定打と言える作品がありませんでした。
この第3作目『マイティ・ソー バトルロイヤル』の監督はタイカ・ワイティティ。本作においてはこのワイティティのコメディ監督としての資質が遺憾無く発揮されています。
序盤のスルトとの戦いからすでにおふざけ感が強く、ソーとロキの感動的だったはずの前作のやり取りを劇中劇で茶化すなど、今回はこういう雰囲気でいきますよと観客に提示すると、サカールに到着してからは一気にエンジン全開。
今回はメインのヴィランそっちのけでじゃれ合うリベンジャーズ(ソー、ロキ、ハルク、ヴァルキリー)の楽しげなやり取りが軸に据えられています。銀河珍道中から取り残されたヘラも少し寂しげでいいのですが。
また、デザイン面でもコメディの雰囲気に合わせて、神の重厚感を表現していた過去2作の重々しい色調は極力控え目で、もう一人のヴィランとなるグランドマスターが象徴するカラフルでポップで軽やかなテイストに様変わり。
ソーのトレードマークでもある長髪も、スタン・リーの手によって短髪に生まれ変わります。
そもそもアベンジャーズにおいてもソーは神という圧倒的な立場であり、どうしても扱いにくいキャラクターでした。
それに唯一対抗できる戦闘力の持ち主は怪物ハルクだけ。
二人に共通して言えるのは強すぎて死の危険性を全く感じないこと。つまり緊迫した状況が生まれにくいということです。
『アベンジャーズ』の時にもすでにそれをギャグとして扱っていましたが、本作のようにそれを逆手に取ってより振り切ることでその魅力は炸裂しました。
そして、本作が非常に巧みなのはただただおふざけ一辺倒ではなく、バランスを取るためにヘラという最強の敵を配置している所です。
ソーとロキの姉であり本作のヴィランとなるヘラをケイト・ブランシェットが実に貫禄たっぷりに演じています。
死の女神の存在によって、正に死の危険を漂わせ、作品が崩壊しないよう一定のスリルを保っています。
さらには、ヴァルキリーや(ワイティティ監督自身がモーション・キャプチャで演じている)コーグなど、魅力的な新キャラクターも登場。
本作が『マイティ・ソー』シリーズにおけるベストを更新した快作であることは間違いありません。
シリーズ3作目ではありますが、本作からソーの世界に入ってもすんなり楽しめると思います。
ただここから過去2作に戻ると、その違いに驚かされることになるとは思いますが…。
まとめ
(C)Marvel Studios 2017 All rights reserved.
最近のマーベル映画の傾向を雑な言葉でまとめてしまうと、明るくてポップでバカといったところでしょうか。
今年日本で公開された作品だと『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』や『スパイダーマン:ホームカミング』などが当てはまります。
現実社会が暗いと明るい映画が観客に望まれるのでしょう。
来年公開予定の『ブラックパンサー』(監督はなんと傑作『クリード チャンプを継ぐ男』のライアン・クーグラー!)は恐らく『キャプテン・アメリカ』シリーズに近い政治色が入った作品になると思われます。
マーベルの凄さはそのどちらも高水準で提供し続けられるところ。
ライバルともいえるDCコミックスの『ジャスティス・リーグ』の作風も気になるところです。