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Entry 2017/04/24
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是枝裕和監督映画おすすめ5選!最新作を見る前にチェック!

  • Writer :
  • Yuko

『そして父になる』や『海街diary』など多くの作品が海外でも高い評価を受ける是枝裕和監督。

まるで日常の風景を切り取ったような、半ドキュメンタリー的な作品作りをすることで知られています。

是枝監督は、1995年に『幻の光』で映画監督デビューし、2004年の『誰も知らない』では第57回カンヌ国際映画祭で柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、2013年には『そして父になる』が第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞しました。

また、西川美和監督をはじめとする若手監督のプロデュースや、CM作品、ミュージックビデオの演出なども手がけています。

多くの作品が高い評価を受けているのでどの映画もおすすめしたい作品なのですが、今回は、その中でも絶対に見ておきたい作品を5作品ピックアップしてご紹介します!

1.子供が取り違えられた2つの家族の物語『そして父になる』(2013)

『そして父になる』の作品概要

2013年の日本映画。是枝監督が監督、脚本、編集を務めています。

出演は、福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、二宮慶多、風吹ジュン、樹木希林、黄升げん、國村隼ほか。

第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、審査員を受賞。

第37回日本アカデミー賞優秀助演男優賞(リリー・フランキー)、優秀助演女優賞(真木よう子)受賞。作品賞ほか6部門にノミネート。

『そして父になる』のあらすじ

建設会社に勤務し、都心の高級マンションで妻と息子と暮らす野々宮良多(福山雅治)は、人生の勝ち組で誰もがうらやむ順風満帆な人生を歩んできました。

ある日、病院からの電話があり、6歳になる息子(二宮慶多)が出生時に取り違えられた他人の子どもだと判明します。

妻のみどり(尾野真千子)や取り違えの起こった相手方の斎木夫妻は、それぞれ育てた子どもを手放すことに苦しみますが、良多のどうせなら早い方がいいという意見で、互いの子どもを“交換”することになるのですが…。

『そして父になる』のおすすめポイント

子どもの取り違えという出来事に遭遇した2組の家族を通して、家族の愛や絆といったテーマを感動的に描く人間ドラマです。

福山雅治とリリー・フランキー、それぞれの父親像が対照的で面白いです。

福山雅治の演じる冷静で自己中な父親は、子供を交換したことによっていろいろなことに気づかされるのですが、その姿にとても考えさせられますね。

子どもと血が繋がっていても繋がっていなくても、それぞれの両親の在り方や家庭環境の違いによって、子どもの成長って変わるものだとしみじみ感じます。

ぜひ子供のいるお父さん、お母さんに見てほしい作品です。

2.柳楽優弥の演技は必見!実際の事件を元にした傑作『誰も知らない』(2004)

『誰も知らない』の作品概要

2004年の日本映画。是枝監督が監督、脚本を務めています。

出演は、柳楽優弥、YOU、北浦愛、清水萌々子、木村飛影、加瀬亮、平泉成ほか。

主演の柳楽優弥が史上最年少で第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。

『誰も知らない』のあらすじ

引っ越しの際に、母(YOU)と息子(柳楽優弥)の2人暮らしだと偽って暮らす彼らは、実際には4人子供がいて、学校にも通ったことがありませんでした。

ある日母親に新たな恋人が出来て、兄妹に20万円を残して失踪してしまいます。子供たちは母の帰りを待ちながら、なんとか自分たちで暮らしていこうとしますが…。

『誰も知らない』のおすすめポイント

母親が父親の違う子供4人を置き去りにするという実際に起きた衝撃的な事件を元に構想15年を経て映像化された話題作です。

主演の柳楽優弥の演技が絶賛され、大きな話題になりましたね。

ストーリーはかなりショッキングなものなのに、静かに淡々とシーンが積み重ねられていきます。また登場人物たちのセリフも最小限で、アドリブも多いようで自然な姿がうまく引き出されています。

それなのに見る者にじわりじわりと心に迫り来るものが感じられます。

誰を責めるわけでもなく、ただ子供たちが頑張って生きる姿を映し出していて、愛や生きること、家族の在り方…いろいろなことを考えさせてくれます。

実際の事件と同じように、撮影にも1年かけられているそうです。子供たちの成長の様子にも注目してご覧ください。

3.鎌倉に暮らす4姉妹の生活を描いた最高傑作『海街diary』(2015)

『海街diary』の作品概要

2015年の日本映画。是枝監督が監督・脚本を務めています。

出演は、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、加瀬亮、鈴木亮平ほか。

ベストセラーを誇る吉田秋生のコミックを実写化したドラマ。

第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品作品。第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞や最優秀監督賞を獲得。

『海街diary』のあらすじ

鎌倉で暮らす、幸、佳乃、千佳のもとに、15年前に姿を消した父親が亡くなったという知らせが届きます。

葬儀が行われる山形へ向かった三人は、そこで父とほかの女性の間に生まれた異母妹すずと対面します。

身寄りがいなくなった今後の生活を前にしながらも、毅然と振る舞おうとするすず。そんなすずを見た幸は、彼女に鎌倉で自分たちと一緒に暮らさないかと持ち掛けます。

その申し出を受けたすずは、香田家の四女として鎌倉での生活をスタートしますが…。

『海街diary』のおすすめポイント

鎌倉に暮らす3姉妹と異母妹が共同生活を送る中、さまざまな出来事を経て家族の絆を深めていく姿を追った人間ドラマです。

綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの4姉妹を見ているだけでもとても豪華な気分になってしまいます。鎌倉の豊かな自然とその中で紡がれていく人間模様が見る者をじわじわと幸せな気持ちにさせてくれます。

すず役の広瀬すずは、思春期の瑞々しさやきらめきを自然に表現していて、また長女を演じた綾瀬はるかも一家の大黒柱のような凄みを感じる演技ですばらしいです。

役者の自然な演技と鎌倉の風景がマッチして、やっぱり日本の映画っていいなと思わせてくれます。

4.心を持った空気人形と人間の交流を描く『空気人形』(2009)

『空気人形』の作品概要

2009年の日本映画。是枝裕和監督が、編集、脚本、プロデューサーも務めています。

出演は、ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路、高橋昌也、余貴美子、岩松了、星野真里、オダギリジョーほか。

業田良家原作の短編コミック「ゴーダ哲学堂 空気人形」を映画化。

第62回カンヌ映画祭「ある視点部門」出品。第33回日本アカデミー賞主演女優賞ノミネート(ペ・ドゥナ)。

『空気人形』のあらすじ

アパートで秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形の「のぞみ」(ペ・ドゥナ)に、ある日思いがけずに心が宿ってしまいます。人形は持ち主が留守の間に身支度を整え、一人で街歩きを楽しむようになります。

やがて彼女はレンタルビデオ店で働く青年・純一(ARATA)に密かな恋心を抱き、自分も彼と同じ店でアルバイトをすることになり…。

『空気人形』のおすすめポイント

この映画のキャッチコピーは“心をもつことは、切ないことでした”。

空気人形である「のぞみ」に心が芽生え、人を好きになってしまうというラブストーリーです。

心を持つことの切なさや喜び、また性欲の代用品として生まれたのぞみの運命。下手するとただの下品な映画になりそうなストーリーが、是枝監督によって美しく儚い物語として描かれています。

まず、ペ・ドゥナの素晴らしいです。日本語をたどたどしく話すのがたまらなく可愛らしくて、まったくいやらしさがないです。ふんわりとした雰囲気がこの役にぴったりで、彼女以外にいないとさえ思えますね。

そして、ARATA扮する純一がのぞみに空気を入れるシーンは、切なくて美しくて、そしてエロティックで…とても印象に残るシーンです。

ラブストーリーですが、人間や命についても考えさせられる作品です。

5.売れない小説家とその家族の心温まる物語『海よりもまだ深く』(2016)

『海よりもまだ深く』の作品概要

2016年の日本映画。是枝裕和監督が原案・脚本・編集も務めています。

出演は、阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、吉澤太陽、橋爪功、樹木希林ほか。

第69回カンヌ映画祭「ある視点部門」出品作品。

『海よりもまだ深く』のあらすじ

15年前に一度だけ文学賞を受賞したものの、その後は売れず、作家として成功する夢を追い続けている中年男性・良多(阿部寛)。現在は生活費のため探偵事務所で働いているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳していました。

別れた妻・響子(真木よう子)への未練を引きずっている良多は、彼女を「張り込み」して新しい恋人が出来たことを知りショックを受けてしまいます。

ある日、団地で一人暮らしをしている良多の母・淑子(樹木希林)の家に集まった良多と響子と11歳の息子・真悟(吉沢太陽)は台風で帰れなくなり、ひと晩を共に過ごすことになり…。

『海よりもまだ深く』のおすすめポイント

『歩いても 歩いても』『奇跡』に続いて、是枝監督と阿部寛が3度目のタッグを組み、大人になりきれない男と年老いた母を中心に、夢見た未来とは違う今を生きる家族の姿を描いた人間ドラマです。

映画は、台風の日に元夫婦が一緒に過ごすというだけで、特に大きな出来事が起こるわけではありません。ごく普通のありふれた家庭の1シーンを切り取ったような、あまりの自然さに思わず感心してしまいます。

良太を演じた阿部寛のダメ男キャラが自然体で、憎めない男を好演しています。母親を演じた樹木希林も主役を引き立てる素晴らしい演技。

共感を誘うような愛すべきキャラクターを演じるベテラン俳優陣の演技はさすがの一言です。

この作品もしっとりと心に沁みてくるような映画ですが、他の作品に比べるとユーモアにあふれほのぼのをした気分を味わえる作品です。

まとめ

日本を代表する映画監督、是枝裕和監督の作品からおすすめの5作品をピックアップしてお届けししました。

人間や家族の在り方などについて深く考えさせられる作品が多いですね。何度でも見たくなる魅力的な映画ばかりです。

あなたはどの作品がお好きですか?

2017年9月には最新作『三度目の殺人』が公開されます。福山雅治と役所広司が初共演を果たす法廷心理サスペンスだということで、こちらも非常に楽しみですね。

最新作公開前にぜひ過去の作品ももう一度ご覧になってみて下さいね。

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